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2013/09/24 (Tue.)

許されざる者 @新宿ピカデリー

許されざる者

許されざる者

この映画、気になっていたんですよね。何とか時間を作って劇場に足を運んできました。『終戦のエンペラー』もそうでしたが観客の年齢層が高く、私と同世代のお客さんを見つけるのが難しかったほど。映画の時代設定もさることながら、渡辺謙って今やそういう位置づけの俳優なのか...と思いました。

タイトルからも分かるとおり、これはクリント・イーストウッドの代表作でもある同名の映画のリメイク。それも、舞台を明治初期の北海道に移す、という大胆なやり方で日本映画として仕立てています。こういう手法って、ともすると安っぽいものになりかねないものですが、1880 年代の西部と明治初期の北海道、というのが意外なほどにオーバーラップする部分が多く、思っていた以上に違和感がありませんでした。

ストーリーは、ディテールは少しずつアレンジされてはいるものの、ほぼオリジナルに忠実。ああ、これ原作をかなり大切にしながら日本版に焼き直したんだろうなあ、というオリジナルへのリスペクトを感じました。

配役は、イーストウッドが演じた主役を渡辺謙、相棒のネッド(モーガン・フリーマン)にあたる役を柄本明、二人について来る賞金稼ぎの若者役が柳楽優弥(これはあまりにもイメージと違いすぎて、エンドロールで名前を見るまで気がつかなかった)、ジーン・ハックマンが演じた保安官ダゲットにあたる大石一蔵役を佐藤浩市、大石にコテンパンにやられる賞金稼ぎイングリッシュ・ボブ(原作ではリチャード・ハリスが演じた)を國村隼、という、日本を代表する映画俳優陣。映画が始まった時点では、イーストウッドと渡辺謙ではちょっとイメージが違いすぎるし、モーガン・フリーマンに対して柄本明ではちょっと世俗的すぎでは、と思っていましたが、物語が進むにつれ、ガンマンではなく元幕府の伝説の人斬りならば渡辺謙の芯の太さが必要だっただろうし、登場人物の中でもっとも人間くさいキャラである馬場金吾(ネッド)には、日本ではどこか達観した空気をまとったモーガン・フリーマンよりも柄本明のほうが相応しい。そして、渡辺謙と柄本明の関係性が徐々にイーストウッドとモーガンに見えてくるのだから、不思議なものです。
ただ、配役に関して言えば、ジーン・ハックマンが演じた保安官ダゲットの厳格で冷徹なキャラクターに対して、佐藤浩市のイメージがそこまで冷たくなりきれないところだけが、ちょっと違ったかなあ。芝居は良かったですが...。

期待半分、不安半分で観に行った割には、想像以上によくできた作品でした。映像がときに目を背けたくなるほど凄惨で、鑑賞後の後味も必ずしもいいものではない、というオリジナルの手触りをうまく踏襲していると思います。この作品がオリジナルに勝っている部分を挙げるとすれば、「西部・ガンマン・賞金稼ぎ」という日本人には馴染みが薄く、作品のどこに自分の気持ちを置いていいか分からなかったオリジナルに対して、舞台を過去の日本に置き、日本人が演じたことで登場人物への感情移入がしやすくなり、作品に入り込んでいけるようになったことが、日本人にとっては良かったんじゃないでしょうか。
すごく重たく、救われない内容の映画なので、繰り返し観たいとはあまり思いませんが(笑、劇場に足を運んだ価値はあったかな。

投稿者 B : 00:38 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/09/21 (Sat.)

カッコーの巣の上で [Blu-ray]

カッコーの巣の上で [Blu-ray]

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ひさしぶりに古い洋画の話。DVD でも持っていた作品を、BD にメディアチェンジしました。

私の中では『ショーシャンクの空に』と並ぶ、監獄モノの名作中の名作。刑務所から逃れるために精神病を偽って精神科病院に入院したマクマーフィー(ジャック・ニコルソン)が、院内での破天荒な振る舞いによって周囲の患者たちに影響を与え、やがて患者たちを完全に統制しようとする看護婦長との確執に繋がっていき...という話。外部から隔離された空間での、一般社会では特異と言える人々との交流、管理者への反抗、そして脱走、という構造は『ショーシャンクの空に』と通ずるところがあります。でも、私が生まれる前というくらいに古い映画だけあって、説明しすぎておらず、余白が広いぶん、『ショーシャンク』以上に心に引っかかるものがある映画でもあります。

この映画はジャック・ニコルソンだけでなく、脇を固める俳優陣の芝居がいい。昔すぎて知らない俳優のほうが多いですが、映画ファン的には若き日のクリストファー・ロイド(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドク役)が出ているのは見逃せません。

絶望的な状況の中でも、希望を捨てないことの重要さ。気持ちが前を向いているときでないとなかなかプレイヤーにディスクを入れる気合いが出ない作品ではありますが、たまに無性に観返したくなる作品でもあります。

投稿者 B : 00:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (1) | トラックバック

2013/08/28 (Wed.)

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

買ってしまいました。

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

DVD-BOX はスルー(劇場版三部作だけ買った)したファーストガンダムのテレビシリーズ。コンシューマー向けの映像パッケージとしては、Blu-ray がおそらく最後のメディアになるだろうと思い、観念して購入。まあ、そろそろ「コンテンツをパッケージメディアで所有する」という行為自体が、オールドタイプのマニアだけの発想になりつつありますが、さすがにこの時代の映像がこれ以上のメディア(パッケージに限らず、配信でも)になったところで、おそらく BD より目に見えて画質が向上することはないでしょう。そういう意味では、所有しておく価値はあると思いました。

Amazon から届いた段ボールの中に、さらに段ボールで、これがパッケージかよ!...と思ったら、

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

段ボールの中には美しい装丁のパッケージが。

このララァ、純粋で美しいだけの存在ではないララァのキャラクターがよく表れた表情で、いい。

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

反対側は、そのララァが命を落とした戦闘のイラスト。

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

中には、デジパック仕様で BD のファイルが 2 冊。表面には、描き下ろしと思われる安彦良和氏のキャラクターイラストが。主要キャラ勢揃い、という感じで集大成の BD-BOX らしい図柄。

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

裏表紙には、大河原邦男氏の MS イラストが描かれています。どちらも、序盤・終盤の象徴的なシーン。いかにも大河原、というタッチで、表面の安彦画と合わせてファーストガンダムの世界観を表すには欠かせない世界観を醸し出しています。

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

ディスクは 8 枚組み。レーベルは、前半が青地にホワイトベース隊の MS(+ホワイトベース)、後半が赤地にシャアの歴代 MS が描かれています。

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

付録もやたらと豊富で、ノンテロップ OP・ED や主要スタッフの座談会の様子を収めた BD、それから放送当時のカセットカバーブック(カセットテープのケースカバーを綴じたもの)、

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

アニメ製作当時のシナリオ、アフレコ台本、絵コンテのレプリカ、

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

『ガンダム』のロゴが暫定版だったりザクの配色がめちゃくちゃだったりする放送前の広告資料、それからタイトルがまだ『ガンボーイ(ガンボイ)』だったころの企画書、

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

当時のアニメ雑誌のスクラップ資料集と MS・キャラクター等の設定資料集。
正直なところ、私はこういうメディアには必要以上に付録をつけてほしくない派なので、若干やり過ぎ感はありますが、スタッフの「ガンダム愛」だけはいやというほど伝わってきました(笑。問題は、かなりの物量になるので、我が家にあるかさばり系オールドコンテンツ筆頭・コミック版ナウシカ全巻セットとほぼ同等のかさばり量。こんなに大きいとは思っていなかったので、これはちょっと、置き場所を考えなくてはなりませんね...。

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

さすがに 34 年も前のアニメとなると画質については正直期待していなかったのですが、これがまたいい意味で裏切られました。映像はかなり丁寧にリマスタリングされていて、私が今までに観たどんなソースのファーストガンダムよりも鮮明。セル画のタッチや汚れ、ちょっとしたムラまで見えてしまうほどで、イメージ的には「セル画そのものを観ている」かのような生々しさがあります。今までに何度も繰り返し観てきた作品ですが、これは、BD で改めて最初から観直す価値があるのではないでしょうか。問題は、全話をゆっくり観る時間を取ろうと思ったら、もう年末くらいまで余裕がなさそうなことでしょうか...。だって、まどマギの BD だって、まだ 1 枚目すら通しで観れていないし(;´Д`)ヾ。

ファーストガンダムは、安彦版の『THE ORIGIN』(そういえば愛蔵版の最終巻、なかなか発売されませんね)のアニメ化が来年以降始まるという話。おそらくは『UC』のスタッフが製作することになるので、クオリティは期待して良さそうですが、それまではこの BD-BOX を観ながら、楽しみに待ちたいと思います。

機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス

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投稿者 B : 02:33 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/08/13 (Tue.)

風立ちぬ @TOHO シネマズ ファボーレ富山

帰省中に観よう、と思って今までとっておいた映画を観に行ってきました。

風立ちぬ

風立ちぬ

『もののけ姫』以降の宮崎映画は、『崖の上のポニョ』という名作を経てもなお、もしかしたら老人の昔話の繰り返しやお説教に付き合わされるのではないか...という不安を抱いて劇場に足を運ばせるものがあります。今回は、太平洋戦争にまつわる物語であるが故に、さらにその懸念を強くしていました。

が...なんというかこれは、長い一篇の詩のような映画、とでも言えばいいでしょうか。とても美しい物語でした。

実在の人物・堀越二郎をモチーフにしたフィクションということで、優れた才能を持つ技術者とその恋人が、政治や戦争に翻弄されていく物語を予想していました。ある意味でそれは正しかったのですが、その経緯や苦悩を描いた物語ではなく、堀越二郎の夢と、それを実現していく「想い」の物語でした。航空機開発のいきさつは抽象的にしか表現されておらず、中盤まではちょっと物足りなく感じましたが、終盤には「この映画にはこの描き方で良かったのだ」と思えました。画竜点睛を欠いていたとすれば、やはり堀越二郎の配役でしょうか...。

「飛行機は、美しい夢だ。設計家は、夢に形を与えるのだ」

夢の中で二郎に啓示を与える、イタリアの航空機設計者ジャンニ・カプローニの言葉です。
私は昔から、ものに形を与える仕事をする人に強い憧れと敬意を抱いていて、それが自分自身がエンジニアを目指した原動力でもあっただけに、この言葉には強い共感をおぼえました。

十代の自分だったらその「美しい夢」に全力で自己肯定の気分を与えられていただろうし、二十代の自分だったら「そんなのきれいごとだよ、実際のものづくりは...」と斜めに見てしまっただろうけど、三十代も半ばを過ぎた今の自分には、この映画を通じて宮崎駿が表現したかったものが、なんとなくわかる気がします。
「ものをつくる」という仕事は、きれいごとではなくて、いろいろな事情やしがらみとは無縁ではいられない。作り手の意思と、世の中のあらゆるものごととの交差するポイントでものを作ることで、初めて世に受け入れられるものが生まれる。独りの意思だけではものを作り続けられないからこそ、作り手は悩み、苦しむ。でもそういうしがらみを血肉とし、あらゆるものごとを超えた先に、それでも「美しい夢」を持ち続けたやつだけが、最終的に夢を叶える権利を与えられる。「ものをつくる仕事」とは、そういうものだと思うのです。

おそらく、そういう時間を経てきた宮崎監督だからこそ、「ものをつくる生き方」をこういう形で表現したのではないでしょうか。様々なしがらみや世の中の変化をふまえながら、名作と言われるアニメーションを作り続けてきた宮崎監督だから、今、監督自身が最も美しいと信じるものの美しい部分だけを、最も美しいと思われる手法で表現し、人々に伝えたかったのだと思います。劇中で菜穂子が、愛する人に自分が最も美しい状態だけを見せて、そして去って行ったように。きっとカプローニは現在の宮崎監督自身であり、二郎は過去の宮崎駿であり、現代の若き作り手なのでしょう。

鈴木敏夫プロデューサーは本作を「宮崎駿の遺言」と言っていますが、私は、この映画が実際に宮崎監督の遺作になっても、きっと驚かないでしょう。劇場公開中にあと二度三度観に行ってもいい、名作に仕上がっていると思います。

投稿者 B : 00:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/08/06 (Tue.)

終戦のエンペラー @新宿ピカデリー

みんなが『風立ちぬ』を観に行っているのを尻目に、私はもう一本の観たかった映画を観てきました。

終戦のエンペラー

終戦のエンペラー

太平洋戦争の終結後、GHQ の統治下で「天皇の戦争責任を問うか否か」を判断するための証拠集めに奔走した米軍将校と、それに関わった人々の話。個人的には、映画の内容そのものもさることながら、キャストの顔ぶれを見て「観たい」と思っていた映画です。西田敏行、夏八木勲、伊武雅刀、中村雅俊、桃井かおり、極めつけはマッカーサー役にトミー・リー・ジョーンズですからね...。
しかしある程度予想はしていましたが、私が普段観ている映画に比べて他のお客さんの年齢層が明らかに高い(^^;;。

ストーリー自体は、日本人ならば誰もがその結果を知っているお話。ただ、私も含め、戦後生まれの日本人ならば、その経緯は詳しくは知らないのではないでしょうか。まあ、この映画も史実に基づいたフィクションなので、必ずしも全てが終戦にまつわる真実、というわけではありませんが。
戦争を題材にしたアメリカ映画は往々にしてアメリカのプロパガンダ的要素を含んでいるので、この映画もそうではないかとやや不安には思っていました。が、その期待はいい意味で裏切られ、この手のアメリカ映画にしては日米どちらかの視点に偏らず、フラットな描かれ方をしていました。まあ、戦後の日本の歴史観は占領下で作られた部分はあると思うので、この映画の内容が現代の日本人の歴史観にとって違和感がないことは当然かもしれませんが、日本を「理解できない相手」ではなく「理解できるかもしれない相手」とする描き方は、戦争/終戦映画の表現としては、ひとつの到達点に至っていると感じます。

開戦から終戦に至る流れを見て、この国を動かすのはやはり君主ではなく「空気」なのだなあ、ということは、現代人である私にとっても妙に納得のいくところ。その微妙な「空気感」が、脚本や演出の良さなのか、日本を代表する名優たちの演技の成果なのか、絶妙に表現されていました。昭和天皇が最後の最後まで登場しないことも、そういう日本の奥ゆかしさだったり「空気」が作る社会構造だったり、というのを実にうまく表しています。だからこそ、ラストのマッカーサーの態度や昭和天皇の台詞が、重い。こういう映画をアメリカが作り得るのだ、ということに(原作は日本のノンフィクションであり、製作にも日本人スタッフが多数関わっているものの)驚かされました。
映画で追加されたエピソードである、ボナー・フェラーズ准将(マシュー・フォックス)と島田あや(初音映莉子)の恋愛関係、というフィクションは、やや蛇足的というか...結果的に物語には大きな影響を与えずに終わってしまったのが残念ではありましたが、戦時下の恋物語としては、ああいう結末こそが戦争の無情さを表しているのかもしれません。

心に残る演技や名台詞が多い映画でしたが、トミー・リー・ジョーンズの存在感はやはり圧巻。『リンカーン』でのスティーヴンス役もそうでしたが、彼が演じると教科書でしか知らないような歴史上の人物も、実に人間くさくなる。まあ、それは「トミー・リー・ジョーンズ的な人間くささ」ではありますが(笑。

いい映画でした。日本人なら観て損はしないのではないでしょうか。

投稿者 B : 00:27 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/07/28 (Sun.)

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 [Blu-ray]

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 [Blu-ray]

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発売日に届いていました。

ANIPLEX+ 版の豪華特典については注文前に知っていましたが、さすがにあれを置いておく場所は我が家にはないな...と思って普通に Amazon に発注。
最近忙しくてまだ断片的にしか観れていませんが、自宅のテレビで鑑賞すると、テレビ放送時と比べて映像が完全に別物になっていることを改めて実感します。映画館で観たときには、明らかに演出が変わった部分を中心にいくつかの変更点には気がついたものの、大画面・初見なので細かく観る余裕がない・その場の雰囲気(笑)で正直ここまで変わっているとは思いませんでした。「劇場のスクリーンに合わせて最適化」された分、画面への馴染みが良くて違和感がなかった、ということかもしれません。

そのあたりの差分について、テレビ版の BD と多くのシーンに渡る比較記事を見つけましたが、本当に「手を加えていないカットはない」というレベルですね...。

ヲタブロ : 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語/[後編] 永遠の物語 BD レビュー・感想

映画に関する感想は[前編][後編]それぞれの上映時に書いた内容から変わりはありませんが、物語の構成としては、やはりテレビアニメの「正味 20 分放送して、次まで 1 週間待たせる」というフォーマットがあったからこそ、あれだけの盛り上がりが作れたのだろうな、と、繋ぎ合わせられた作品を観て、改めて実感するわけです。

ともあれ、検証・考察サイトを見るとひとつひとつのシーンに込められた/隠された意味が数多くあることに気づけるこの作品。『ヱヴァ Q』あたりもそうですが、噛めば噛むほど味が出てくるので、夏休みにじっくり堪能したいと思います。秋公開の『[新編]叛逆の物語』も、期待に応える作品になるのか、期待を裏切る作品になるのか、怖さ半分ではありますが、今から楽しみ。

投稿者 B : 06:47 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/07/17 (Wed.)

紅の豚 [Blu-ray]

紅の豚 [Blu-ray]

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スタジオジブリの旧作 BD 化の「しんがり」(まだ出ていないのもありますが、名作と言われるものの中で)は『紅の豚』。同じく空に憧れた男が主役の『風立ちぬ』の公開に合わせて、という憎いタイミングでのリリースとなりました。待ち望んでいた作品だったので、届くや否や視聴。

このディスクでの注目は、話題の「マスターグレード・ビデオ・コーディング(MGVC)」が採用されたディスクであるということでしょう。「『マスターグレード』は(株)バンダイの登録商標です」という注記を入れるあたり、もうそういうユーザー層を狙って名付けたんじゃないかと思われるネーミングですが(笑)、BD 映像の階調をより高めるための技術、です。現時点では本田さんか Phile-web の記事がいちばん詳しいかと。

【本田雅一のAVTrends】真のマスター品質を再現。パナソニック独自技術MGVCが魅せる映像作品の実力 -AV Watch
パナソニック、12ビット収録のBD新技術「MGVC」を開発 - PHL柏木所長が語る開発背景【更新】 - Phile-web

まあ、今のところ対応しているのはパナソニックの DMR-BZT9300 の最新ファームウェア版のみで、この技術自体がパナソニック独自のため他社製品では対応予定なし、というのが悲しいのですが(´д`)、一度実力を味わってみたい技術ではあります。ちなみに、MGVC 自体は『となりのトトロ』以降のジブリ BD が対応済み、とのこと。

というわけで、我が家の現在の再生環境ではせっかくの MGVC も宝の持ち腐れなわけですが、それでもこのディスクの画質は素晴らしいの一言。「名作」と語り継がれるジブリ作品の中では比較的新しい(といっても劇場公開は 20 年以上前)ということもありますが、オリジナルフィルムの状態が良いこともあるのか、古い作品とはとても思えない、スッキリした高画質。地中海の碧い海と蒼い空、そしてポルコの駆る飛行艇の目の覚めるような紅、それらが今までに観たどのソースよりも鮮やかに目に飛び込んできて、まるで自分が空を飛んでいるかのような高揚感さえ感じました。ジブリ旧作 BD といえばフィルムグレインがけっこう気になるレベルで残っているものが多いですが、今作に関しては程よく抑えられ、HD らしいスッキリ感とフィルムソースらしい柔らかさの共存した、とても好ましい画質です。
ジブリ旧作の BD 化では今のところ『魔女宅』が最高の出来だと思っていましたが、MGVC なしでの再生でも、この BD は魔女宅を超えているかもしれません。映像ソースのクリーニングやリマスタリングをしたスタッフさん達の仕事も素晴らしいですが、だてに BD の冒頭に鈴木敏夫プロデューサーと並んで「圧縮 柏木吉一郎」とクレジットされていないよなあ、と、クオリティの高い仕事に純粋に敬意を表したいです。

自分も歳を取ってきたせいか(だって劇場公開当時まだ中学生ですよ)、最近では繰り返して観たいのはナウシカやラピュタよりもむしろ『豚』かも、とさえ思うようになってきました。そんなときに、この高画質でいつでもあの空が見られることに感謝しつつ、MGVC 対応デッキのラインアップが(他社も含め)もっと広がってくれることを期待したいと思います(笑。

投稿者 B : 01:26 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2013/07/08 (Mon.)

真夏の方程式 @TOHO シネマズ 六本木ヒルズ

真夏の方程式

真夏の方程式

ドラマのシーズン 2 の放送のタイミングで今さらシーズン 1 の再放送や『容疑者 X の献身』まで観たからには、と(かつ、『容疑者 X~』が想像していたより良かったので)わざわざ劇場まで足を運んでみました。

原作のほうは『聖女の救済』までしか読んでいないので、この『真夏の方程式』のストーリーはこの映画が初。予告編を見て何となく今まで劇中ではタブー(湯川が「じんましんが出るほど子どもが嫌い」という設定)だった少年との心の交流とかが描かれるんだろうなあ、という程度の予備知識でした。

率直に言うと、映画、なかなか良かったです。比較的淡々とトリックを暴いていく作風の『ガリレオ』シリーズにあっては異色な、容疑者側の事情や心情にスポットが当たっているという点では『容疑者 X』と似たような方向性ではありますが、『容疑者 X』以上に各登場人物の持つ想いに心打たれたのは、私が人の親だからかもしれません。
ただ、ツッコミどころを挙げるとすれば、(これはドラマのシーズン 2 全般にも言えることですが)物理学者の湯川学が事件に関わっていく必然性が薄い点でしょう。このストーリーであれば、同じく東野圭吾の加賀恭一郎シリーズであっても成立する(むしろ、そっちのほうがしっくりくる)んじゃないの?という。犯行の動機には興味がなく、事件の中で発生した現象を解明したいだけ、という湯川のキャラクターも、以前に比べればずいぶん変わってきているのは、純粋に物理で驚くようなトリックを仕立てられるネタが枯渇してきた、ということと関連があるのでしょうか。物語としての『ガリレオ』も、登場人物としての「ガリレオ」も、当初とはだいぶ違うものになってしまいましたね。

ともあれ、『ガリレオシリーズ』としてどうか?という点を除けば、純粋に感動もののミステリー作品としては、とてもよくできた映画だと感じました。そして、映像がとても美しい。舞台となった「玻璃ヶ浦」は実在しない場所とのことですが、ロケは西伊豆で行われたようで、写真撮りに行ってみたいなあ...と思いました。これは確かに、映像化して見せる価値がある作品ですね。
東野圭吾の小説は、書籍の電子化に反対していることを知ってから心情的にどうにも手が出なくなってしまったんですが、原作の文庫買ってみるかなあ。電子版がリリースされたら、旧作も含めてまとめて買っちゃうところなんですが...。

東野 圭吾 / 真夏の方程式

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2013/06/27 (Thu.)

レ・ミゼラブル ブルーレイ・コレクターズ BOX

レ・ミゼラブル ブルーレイ・コレクターズ BOX

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『レ・ミゼラブル』の BD が発売。劇場公開時に二度観に行った私ですから、当然満を持して買いました。BD の発売が待ちきれなかったのでサントラも購入したところ、その翌月に二枚組化して収録曲を増やした「デラックス・エディション」が発売されるというあくどい商売(´д`)。BD/DVD はたくさんのエディションがあってどれを買うか迷ったんですが、この「デラックス・エディション」相当のサントラ CD が同梱されている「ブルーレイ・コレクターズ BOX」にしました。

BD 発売にあたり、この作品はできる限りいい視聴環境で堪能したい!と思い、子どもが生まれて以来お蔵入りしていたサラウンドスピーカ(最近はフロント 3.1ch しか使っていなかった)を引っ張り出してきて設置しました。まあ、子どもにスピーカを落とされてしまう危険性がすごく高いので当面サラウンドスピーカは常設できませんが、数年ぶりに自宅でバーチャルじゃない 5.1ch サラウンドを堪能するいいきっかけになりました。やっぱり、この作品はクライマックスのコーラスの音圧に包み込まれてこその作品なので、2ch ステレオやバーチャルサラウンドヘッドホンでは物足りないんですよね。

歌劇の名作の中の名作がもとになった映画ですし、キャストもキャストなので良くないわけがないんですが、これは物語を完全に覚えていても、何度観ても強烈な感動に包まれますね。2 時間半を超える大作なので、通しで観る時間を取るのはなかなか大変ですが、パッケージメディアとして手元にあることで、好きなシーンだけを断片的に観たり繰り返し観たりできる、というのは、こういうミュージカル作品との相性がとても良いと思います。合唱の迫力につられて自分も歌い出したくなるほどで、これはちょっと楽譜まで欲しくなってきますね...。

投稿者 B : 00:36 | Foreign Movie | Movie | コメント (2) | トラックバック

2013/05/28 (Tue.)

容疑者 X の献身 [DVD]

容疑者 X の献身

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なんかすごい今さら感があるんですが、テレビドラマ版『ガリレオ』をじわじわと観ていたりします。

私はもともと原作を読んでいて(それも、以前のテレビシリーズでひとしきり話題になった後に、ではあるけど)、テレビドラマがあまり好きではないこともあってドラマ版は敬遠していたのですが、それほどドラマファンでない人からも意外と評判が良いということで、ちょっと前にやっていた再放送から順に、少しずつ観てみました。
そしたら意外にもいいじゃないですか。原作を読みながら脳内に浮かんできていたイメージが、そのまま映像化されたような感じで、これほど原作に忠実に映像が作られるドラマもなかなかないんじゃないかと。あえて難点を挙げるとすれば、主役と(ファーストシーズン版)ヒロインの演技が残念な感じなのと(ぉ)、「ガリレオ先生」のキャラクターがデフォルメされすぎな点くらいでしょうか。大学教授も含め才能に秀でた理系研究職は何人も見てきましたが、所構わずいきなり数式を書き出す人には会ったことがありません(笑。というか、計算式を書かないと解けないトリックなんてほとんど出てこないし、本当に天才だったら閃きと暗算で解決できるはずだ(笑。まあ、あのシーンは水戸黄門の印籠や金さんの桜吹雪みたいなものなのでしょうが。

さておき、劇場版『容疑者 X の献身』。さすがに買うほどではないな、と思って TSUTAYA で借りてきましたが(笑、BD がなかったので DVD での視聴となりました。なので画質に関しては特に語るところはありません。

この作品、原作でもこれはシリーズ初の長編として書かれたものですが、確かに映画でじっくり描くのに相応しい内容だと思います。とはいえ、他の回に比べると派手な物理的トリックはないし、謎解きも地味。『ガリレオ』シリーズにあって最も『ガリレオ』らしくない話でもあります。でも、テレビ版以上に原作に忠実に映像化されていて(石神役の堤真一は原作の設定からすると二枚目すぎるだろ、とは思うものの)とても良い。あの「数式書き殴りシーン」がないというだけでも好ましいです(笑
原作との違いとしては...というか、これは原作を一度読んだから言えることかもしれませんが...原作ではどうにも気づきようがなかった真のトリックに対する伏線を、この映画では映像でそれなりに丁寧になぞっているな、ということに気づきました。まあ、この作品のトリックは、先日観た『探偵は BAR にいる 2』と同じく「そんな伏線もマトモにないようなところからタネ明かしするのは無しでしょう」というレベルのものなので、ミステリーとしてはどうなの、とは思います。まあ、今作に限って言えば、この良さはトリックの難解さよりも登場人物たちの苦悩と、真相が明らかになろうとなるまいと誰も幸せになれないやるせない後味だと思うので、これでいいのでしょうが。

ドラマのセカンドシーズンも視聴率は好調だそうですが、確かにこの内容なら主役の人気だけによるものではないんでしょうね。来月には映画化第二弾『真夏の方程式』も封切られるようだし、これは劇場に足を運んでも良いかも、と思っています。

投稿者 B : 00:24 | Japanese Movie | Movie | コメント (2) | トラックバック