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2018/12/20 (Thu.)

2001 年宇宙の旅 [UHD BD]

発売延期されていた UHD BD がついに発売され、我が家にも届きました。

2001 年宇宙の旅 日本語吹替音声追加収録版 [UHD Blu-ray]

2001年宇宙の旅 日本語吹替音声追加収録版  4K ULTRA HD&HDデジタル・リマスター ブルーレイ (初回限定生産/3枚組/ブックレット&アートカード付) [Blu-ray]

IMAX 上映も観てきたけど、自宅で 4K HDR による『2001 年』が堪能できるとあればもう買うしかないじゃないですか。まあ我が家にはまだ 4K HDR の再生環境がないわけですが、機材の前の先行投資ということで。ガンダムとスター・ウォーズと 2001 年だけは何度メディアチェンジしても買い換えるつもりです。さすがに 4K HDR が物理メディアとしては最後の世代になるんだろうな...って Blu-ray 時代にも思ったけど、今回はいよいよ本当に最後じゃないでしょうか。

私が購入した UHD BD パッケージには 4K UHD だけでなく 2K BD も同梱されていたので、とりあえず 2K BD で新旧ディスクの画質差を比較してみました。2K 版も解像度が違って HDR 非対応なだけで 4K 版と同じ新マスターを使っているようで、画質的には旧版とは随分違います。

2001 年宇宙の旅

まずはタイトルバック。タイトル文字の輪郭からしてクッキリしているし、画面下の「(c)MCMLXVIII by...」の文字も HD デジタル・リマスター版では潰れていません。また一見して分かるのがホワイトバランスで、こうして見ると旧マスターはなんだか黄ばんで見えます。コントラストも向上しているようで、新マスターでは地球の向こうに見える太陽が眩しく感じます。

2001 年宇宙の旅

古代の地球における一場面。画面全体にフィルムグレインが出ているのは新旧変わらずですが、旧版では潰れがちだった階調がちゃんと出て、雲や岩肌の質感が見えてきているのが明らかに分かります。色調も新マスターのほうが自然。

2001 年宇宙の旅

新マスターの画質が最も感じられるのはやっぱり宇宙のシーンではないでしょうか。地球の青さ、透明感、階調が新マスターではしっかり表現されているだけでなく、宇宙ステーションのディテールも新マスターのほうが上。そして何より、漆黒の宇宙に浮かぶ星々が旧マスターではやや潰れ気味だったのが、新マスターでは一つ一つまでくっきりと描かれています。画質が上がることで特撮やプロップの粗が気になるかと思ったら、逆にこんなに古い映画でも画質が高い方が臨場感が高まるというのには驚きます。

2001 年宇宙の旅

月面のシーン。カラーバランスが見直され、ディテールや階調が見えてくることで、新版のほうが宇宙空間の寒々とした空気感(真空だけど)が強まっています。この後にモノリスが発信する神秘的だけど怖いシーンに繋がっていく雰囲気がよく出ています。

旧マスター版 BD も古いフィルムにしては健闘している画質だと思っていましたが、HD デジタル・リマスター版を一度見てしまうともう旧版には戻れませんね。しかも、画質以上に音質が新旧で大きく違う!テレビの内蔵スピーカで鳴らしても情報量や音場感の違いが分かるレベル。『ツァラトゥストラはかく語りき』『美しく青きドナウ』などの名曲の存在抜きには語れない作品だけに、この音質差は無視できません。

ほんの二ヶ月前に映画館で観てきたところだけど、ちょっと気合い入れてもう一度観るしかないですねこれは。そして 4K UHD 版はさらにこれを上回る画質になるわけで、一日も早く 4K 環境を整えたくなってきました。

投稿者 B : 20:01 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/12/09 (Sun.)

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 @109 シネマズ川崎

『ファンタスティック・ビースト』シリーズの最新作を観てきました。

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

本当は IMAX で観たかったんですが、109 シネマズではムビチケ(前売券)が利用できるのは通常上映のみで、IMAX は通常決済しかできないらしく、ムビチケ購入済みだった私は泣く泣く通常の 2D 上映を観てきました。他系列なら IMAX でもムビチケ使えるのに...こんなことならいつもの品川に行けば良かった。

さておき、本作は原題のロゴで "Fantastic Beasts" よりも "The Crimes of Grindelwald" の方が圧倒的に大きいことからも分かるように(笑)、前作とは打って変わって魔法動物はそこまでフィーチャーされません。それ以上に主人公であるはずのニュート・スキャマンダーの存在感さえも薄く、完全にグリンデルバルトが主役だったと言って良いでしょう。なんか『ハリー・ポッター』シリーズを観た、というよりジョニー・デップ映画を観た感覚の方が強い(ぉ。まあ、この先は『ハリー・ポッター』本編に繋がる前日譚としてダンブルドア(ジュード・ロウ)とグリンデルバルトの対決の話が描かれていくんでしょうから、ニュートは狂言回し的な役割が強くなりそうではあります。

映画は前作のラストで米魔法省に拘束されたグリンデルバルトが、イギリスへの移送中に脱走するところから始まります。ここからしてダークな作風になる雰囲気マンマン。そして前作の最後にバラバラになった四人のメインキャラが再集結し、前作で死んだと思われていたクリーデンス少年が実は生きていたことと、その出生の秘密を追う...という情報量的にはけっこう詰まった展開。前作では世界観やキャラクターの紹介、魔法動物の描写など導入部が少し冗長なくらいだったのに対して、今回は観客が一通りのことを知っている前提でどんどん話が進んでいきます。さらには物語の舞台としてホグワーツも登場。あの城の映像とテーマ曲がかかった瞬間には何とも言えない懐かしさがこみ上げてきました。前作では『ハリー・ポッター』本編との繋がりは単にキーワードとして示されるに過ぎませんでしたが、いよいよ本編に繋がっていくことが実感できると興奮するものです。映画としても展開早め、アクション多めの濃い内容だったこともあり、第一作目よりグッと面白さが増しています。

ラストには「今まで(『ハリー・ポッター』シリーズの中で)聞いてたんと違う新事実」も出てきて、気を持たせる終わり方。全五部作で続きは二年後とのことですが、三作目が今から楽しみになりました。

投稿者 B : 21:30 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/12/01 (Sat.)

機動戦士ガンダム NT @新宿ピカデリー

昨日公開された劇場版新作、初日朝の回でさっそく観てきました。

機動戦士ガンダム NT(ナラティブ)

機動戦士ガンダム NT

『機動戦士ガンダム UC』の続編として制作された完全新作アニメ。続編とはいっても小説『不死鳥狩り』をベースに話を膨らませたシナリオで、あくまで『UC』の外伝的な作品ではあります。

『UC』同様に福井晴敏が脚本を手がけ、サンライズ第 1 スタジオが制作を担当する『UC』の続編とあっては期待も高まるものですが、外伝ゆえに本編のスケールを超えるものではないこと、そして何よりキャラクターデザインがガンダム作品としては近年まれに見る駄作だった『Twilight AXIS』の人、ということで期待値を下げて観に行きました。

結果...期待していたよりずっと良いじゃないですか。ストーリーは『不死鳥狩り』から大きく逸脱するものではないためだいたい想像通りではあったけど、90 分という尺の中に濃密に詰め込まれた映像の熱量は『UC』のそれ。劇伴は澤野弘之がオケ主体だった『UC』の楽曲に電子音を加えて発展させたビート感の強い楽曲が多く、映像の濃さを増強しています。そして終盤に登場するサプライズは『UC』ファンへのサービスに満ちていて、かなり満足度の高い作品に仕上がっています。
モビルスーツ戦は CG ベースで動きが軽かった『THE ORIGIN』とは違い、重さを感じる手描き主体のアクション。『UC』以上にスピード感があって圧倒されます。一方でキャラクター作画は『Twilight AXIS』同様に微妙...顔が崩れているように見える作画も多くて、ここだけは作り直してほしいレベルで不満。特に旧作にも登場しているキャラは顔が薄くなっていて、違和感が強いです。
しかしそれを差し引いても「面白かった」と言えるだけの濃さがある作品だと感じました。

原作『不死鳥狩り』は『UC』とほぼ同じ時間軸において、スタークジェガンという量産機で非ニュータイプパイロットがフェネクスを追う...というのが良かったんですが、本作では主役機としてナラティブガンダム、ライバル機としてシナンジュ・スタインと II(セカンド)ネオ・ジオングが登場します。まあ映像化するにあたっては新型のガンダムを登場させないわけにはいかないというサンライズ/バンダイ側の都合はあるのでしょうが(笑)、フェネクス捕獲作戦にガンダムタイプ(というかサイコフレーム搭載型)の MS が必要だったというのはちゃんと理由が用意されてあり、納得できるところ。
一方でシナンジュ(スタイン)とネオ・ジオングに予備機があったという設定はさすがに苦しいとは思いますが、ルオ商会の差し金というやや苦しい伏線は用意されています。まあ『UC』のクライマックスでネオ・ジオングを出した以上、それに匹敵するラスボスを用意する必要があったんだろうし、『UC』のラストバトルはあまり戦闘になっていなかったから改めてユニコーンタイプとネオ・ジオングをガチンコ対決させたい...という制作側の欲求もあったのだろうと思います。ゆえに終盤の展開が『UC』の焼き直しになった感は否めませんが、ナラティブガンダムの換装ギミックをうまく使ったメカニック的なサプライズが二度仕込まれていたのはなかなかアツい展開ではありました。公開直前まで隠されていた「C 装備」がああいう形だとは思わなかった。

いやあ面白かったです。特に戦闘シーンには迫力があり、もう一度堪能しつつ分析的に観てみたい気もします。上映期間中にリピートしようかと思っています。

投稿者 B : 22:22 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/11/21 (Wed.)

GUNDAM 40th

動く実物大ガンダム'20年夏に横浜で公開、ORIGIN TV放送、閃光のハサウェイ劇場版 - AV Watch

来年のガンダム 40 周年を控えて今後のガンダムシリーズの展開が発表されました。
主な内容は以下の通り。

  • 「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」(動く実寸大ガンダム)の成果を 2020 年に横浜で公開
  • 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』をテレビシリーズとして再構成し、2019 年 4 月から NHK で放送
  • 『機動戦士ガンダム 00』舞台化
  • 「ガンダムビルドシリーズ」の新作を制作中
  • 劇場版『G のレコンギスタ』を 2019 年に上映
  • 『閃光のハサウェイ』を劇場版アニメ三部作として制作

「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」は最初にプロジェクトが発表・公募開始されてからちょうど三年が経ちました。本来のスケジュールでは 2016 年 9 月には基本設計プランが決定しているはずでしたが、公式サイトによると本日時点で採用に至ったプランはないとのこと。公開まであと二年しかないのに本当に大丈夫なんですかね?個人的には、最終的にガンダムが立って歩くようなものではなく、せいぜい上半身の一部を動かす程度でお茶を濁すんじゃないかと予想。お台場ユニコーンだって完全変身を実現できていないわけだし、正直あまり期待していません(´д`)。

『THE ORIGIN』テレビシリーズの話はちょっといきなりで驚きました。『UC』もまさかのニチアサ枠でテレビ放映されましたが、もともとテレビを想定していない作りだったので各エピソードがぶつ切りになっていた点に強い違和感がありました。『ORIGIN』も OVA 全 6 話を 13 話のテレビアニメとして再構成するとのことですが、どう切るんですかね。民放と違って放送枠の調整の自由度がある NHK なら、毎回少しずつ尺が違うように区切っても成立するということなのかもしれません。私は劇場と OVA でもう何度となく観ていますが、放送されたらまた観ちゃうんだろうなあ(笑。

閃ハサ』の三部作による映画化は半年前に予告されていた通りで、今回は Ξ ガンダムとハサウェイ・ノアをフィーチャーしたキービジュアルが公表されたのみ。原作小説はあまりスケールの大きな作品ではなく、終盤の展開は劇場アニメ化するにはキツい内容でもあるので、シナリオには何らかの手が加えられるに違いありません。『NT』だってアニメ化にあたってジオン残党が出てきたりしたんだから、今回もそんな感じで膨らますんでしょうね...。
また小説版は『ベルトーチカ・チルドレン』の続編として書かれたものであり、アニメ版『逆シャア』とは設定上繋がっていないことも考えると、『閃ハサ』の映像化はアニメ版『逆シャア』をふまえたものになるはず。そうすると、ハサウェイの性格や結末は小説とはちょっと変わったものになるのではないでしょうか。

劇場版『G-レコ』については期待していません(´д`)。あのテレビアニメを再構成して何とかなるものとは思えない。『新訳 Ζ』とは違うんですよ...。

40 周年にしてはどの企画も小粒という感が否めませんが、とりあえず『閃ハサ』は期待して良いんでしょうか。

投稿者 B : 22:40 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/11/19 (Mon.)

ボヘミアン・ラプソディ [ATMOS] @TOHO シネマズ日本橋

私が普段聴く洋楽はブラックミュージック系ばかりだし、世代もちょっと違うから Queen については有名な楽曲くらいしか知らないのですが、音楽映画好きとしては観に行くべき作品だと予感したので劇場に足を運んできました。

ボヘミアン・ラプソディ

ボヘミアン・ラプソディ

最も偉大なロックミュージシャンの一人であるフレディ・マーキュリーの生涯とロックバンド「Queen」について描いた音楽ドキュメンタリー映画。
音楽映画というと被差別を含む底辺の生活からグループ結成、ブレイクからの生活の一変、成功したことで周りが見えなくなってのメンバーや友人との決裂、いったん落ちぶれてからの再起...というところまでがテンプレート。本作も、フレディ自身の生まれがそこそこ裕福な家庭だったというスタート地点を除いてはほぼその流れに沿っています。むしろフレディ自身の心情を描写する場面が少ないこともあり、他の音楽映画に比べるとドラマパートは凡庸と言っていい(私が Queen にあまり思い入れがなかったせいもあるかもしれません)。
しかしそれを補って余りあるのがレコーディングやコンサートなどの演奏シーンであり、音楽を通じてフレディが生きた時代を追体験できる点がこの映画の本質であると言えます。ラミ・マレックが演ずるフレディのパフォーマンスは本人そのものにしか見えないし、楽曲は Queen のマスター音源を使用しているというだけあって圧巻。"We Will Rock You" や "We Are The Champions" などのシーンでは、私もライヴ観客の一人となって歌い出したくなる感覚に襲われました。これ、音楽映画におけるライヴシーンとしては史上最高レベルなんじゃないでしょうか。個人的には『ブルース・ブラザース』に匹敵するパフォーマンスだと思います。

こういう映画だからこそ BD や配信を待たずに劇場で観るべきなのですが、単に劇場に行くだけでなく音の良い設備にはこだわりたい。そうなると IMAX かドルビーアトモスが導入されているシアター、あるいは関東ならチネチッタの LIVE ZOUND またはシネマシティの極上音響上映のいずれかが候補になります。私は最後まで LIVE ZOUND にするか迷った挙げ句、きっとスタジアムライヴの熱狂が味わえるに違いないと信じて久々にドルビーアトモスが導入されている日本橋 TOHO を選択。結果的に、期待したとおりに密度の高いサラウンド感が得られ、スクリーンの中にいるはずのスタジアムの観客たちとの一体感を味わえました。LIVE ZOUND や極音上映ではきっとまた違った感じで、ライヴ会場の PA を通したようなサウンドが楽しめるんじゃないかと思うので、機会があればそちらも聴きに行ってみたい(もはや映画を観るのではなくライヴを聴きに行く感覚)。

劇中に登場した楽曲はほとんどが聞き覚えのあるものばかりで、さすが大ヒット曲を多数もち日本でも馴染みの深い Queen の映画。これはファンでなくとも楽しめる、音楽好きならば観ておく価値があると言えます。私はまんまとサントラが欲しくなってしまいました。

投稿者 B : 23:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/11/14 (Wed.)

映画『聲の形』

二年前の劇場公開時には他に観たい映画がいろいろあってスルーしてしまっていましたが、今さらながら鑑賞。

映画『聲の形』

映画『聲の形』Blu-ray 通常版

聴覚障害をもつ転校生・硝子へのいじめの主犯格だった小学生時代の主人公・将也。そのことが学校で問題となり、同級生や教師からも全ての責任を押しつけられたことで、将也は罪悪感と人間不信から心を閉ざしてしまう。やがて高校生になり、硝子との再会をきっかけに彼を取り巻く人間関係が変わり始めて...という話。
あまり予備知識を入れずに見たので、聴覚障害が題材のアニメ映画だという程度の認識しかありませんでしたが、爽やかな感動青春モノっぽいキービジュアルとは裏腹に重たい作品でした。障害やいじめを扱うとどうしても重くなりがちなものですが、それよりも傷を持つ思春期の心のぶつかり合いが重い。

障害をもつけどとにかく人当たりの良い女の子。典型的なガキ大将タイプ。気弱だけど誰にでも分け隔てなく優しい子。ちょっとスレた、女子グループのリーダー的存在。外見も性格も欠点の見当たらないお嬢様タイプ。など、登場人物はどこか一昔前の漫画/アニメのテンプレ的なキャラクターばかりですが、それぞれ第一印象とはちょっと違う内面を持ち、物語内の時間の経過に伴って成長・変化していきます。ステレオタイプに見えつつも実は複雑で外からは理解できない瞬間もあるこの年代の心理描写が見事。基本的には将也の視点で描かれるため、内面を直接吐露するのは将也くらいですが、ちょっとした表情や仕草、溜め、といったもので機微が表現されているのがすごい。と思ったら、キャラデザがいつもと違うから途中まで気付かなかったんですが、これ京都アニメーション制作なんですね。

私は「いじめはされる側にも原因がある」とも「障害者は常に無謬であるべき」とも思いませんが、センシティブな故に当たり障りのない綺麗事でまとめられがちなこういうテーマの作品で、加害者・被害者(登場人物の一人はそのどちらでもある)の心境がフラットに描かれている点は率直に良いと感じました。精神がネガティブなときって何でも自分が悪いと考えがちだし、人の顔まともに見れないし、よくわかる。一方で加害側の「自分は悪くない」的な発想や、傍観者がつい見て見ぬふりをしてしまう状況も理解できる気はする。そのあたりの客観性をもった表現が秀逸です。

あくまで 130 分の映画の尺の中で描かれる物語なので具体的な成長の描写は将也・硝子の二人にフォーカスが当たっています。それ以外に明確な変化や成長が感じられるのは植野・佐原くらいで、真柴あたりは最後までどんな奴なのか解らずじまいでしたが、原作漫画ではそのあたりまである程度描写されているようですね。そんな中で、個人的に印象深かったのが硝子の妹・結弦(ゆづる)。彼女自身が狂言回しの役どころでありながら、物語を通じて最も変化・成長するキャラクターであり、見ていて飽きない。誰が声を当てているのかと思ったら悠木碧さん。今までまどマギのイメージくらいしかありませんでしたが、こんな中性的な声も出せるんですね。『SSSS.GRIDMAN』のボラーちゃんくんといい、同時期にこういう方向性の演技を立て続けに聴いて驚きました。

いじめに関する描写はストレートに痛いし、思春期らしいトゲトゲした言葉の応酬も刺さってくるし観終わった後はドッと疲れる「重い」作品ではあります。それでも救いはあるし、そうやって通り過ぎていくのが青春でもある。観るのにはけっこう体力を要するけど、良い映画だと思います。

投稿者 B : 22:59 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/10/30 (Tue.)

『孤独のグルメ 2018 大晦日スペシャル』放送決定

今年も大晦日に『孤独のグルメ』のスペシャルドラマが放送されることが発表されました。

こどグルはテレビ東京においてもはや年末年始特番の定番になったため今年もきっとやるんだろうなあとは思っていましたが、今年もまた紅白にぶつけるとは。昨年の大晦日 SP でそれなりに視聴率が取れたということですかね(笑。

去年は中四国を巡った後に成田山の年越し蕎麦で〆でしたが、公式情報によると「はたして今回の仕事先はどの地方に!」との記述もあり、またしても東京都外になる可能性が示唆されています。ドラマで今まで訪れていないのは新潟を除く北信越地方か沖縄ですが、どうでしょうね。また今年はドラマ前半で生ドラマパートを昨年より拡大して行うとのことで、どのような形になるのか楽しみです。前半だとすると初詣スポットではなさそうだし、大晦日らしい人気スポットといえば上野アメ横、浅草寺、深大寺(深大寺蕎麦で年越し?)あたりでしょうか。想像ですが、序盤に生ドラマで小芝居を入れつつ「今年最後の仕事も大変だったなあ...」と振り返る形で本編が始まり、最後には今年も蕎麦を啜りながら年越し、というようなスタイルになるのではないでしょうか。

孤独のグルメ

レギュラードラマのほうでは散々食べた後に白飯に残り汁をぶっかけて締める、みたいな無茶な食べ方が常態化してきていて、最近はさすがに松重さんの体調が心配になるほど(松重さん自身の提案で追加した回もあるようですが)。舞台出身の松重さんなら生ドラマの緊張感も苦にはならないかもしれませんが、あまり無理をせずにがんばってほしいと思います。

投稿者 B : 22:56 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/10/27 (Sat.)

LIVE2018 "ワルキューレは裏切らない" at 横浜アリーナ [Blu-ray]

某クマの人が Day-2 に参戦したというワルキューレの 3rd LIVE の BD を購入しました。

LIVE2018 "ワルキューレは裏切らない" at 横浜アリーナ <Day-1+Day-2> [Blu-ray]

LIVE2018 ワルキューレは裏切らない at 横浜アリーナ Day-1+Day-2 (初回限定盤) [Blu-ray]

テレビアニメ&劇場版『マクロス Δ』を観て、脚本はまあ微妙な部分もあるけどライヴパフォーマンスは良いからそこだけに特化した PV 集なんかがあればいいのに...と思っていたほどでした。そういう意味ではライヴ BD というのは純粋に音楽&パフォーマンスだけを楽しめる良い媒体だと思います。ワルキューレの楽曲には Earth, Wind & Fire をはじめとする '70s ソウルへのオマージュを感じるものも多く、その点でもライヴは絶対楽しいはずと思っていました。

時間がなくてまだかいつまんでしか観れていない...んですが、一度再生し始めると止められなくなりますねこれ(;´Д`)。25 曲、MC まで含めると 3 時間を超える大ボリュームでお腹いっぱいになります。しかも単に歌っているだけじゃなくちゃんとコーラスもハモりあり、さらに激しめのダンスあり。声優(一人は本職のシンガーですが)とかアイドルだとかそういうレベルではないパフォーマンスに圧倒されます。「ワルキューレのワクチンライヴが地球で開催された」という設定のため基本的に「中の人」ではなく劇中の配役としての出演で、映像や光の演出もアニメ準拠だったりもして、実際にマクロス世界では地球でこんなライヴがあったに違いないと思える内容。ライヴ BD としても 5~6 台以上(?)のカメラを駆使して様々な角度から臨場感を感じることができます。

BD メディアとしては二日間にわたって開催されたライヴを Day-1、Day-2 別々に発売し、かつ Day-1+Day-2 の二枚組版まで発売するというがめつい商売(;´Д`)。差分はアンコールに登場するシークレットゲストで、Day-1 がシェリル・ノーム starring May'n、Day-2 がランカ・リー=中島愛という違いくらい。一般的にはどこか一日、あるいは編集してまとめて発売するところ、当日の参加者にとっては「自分が行った回をそのまままた観れる」という点では嬉しいでしょうが、制作サイドはファンから絞れるだけ絞ってきますね...。

それでも『マクロス Δ』でテレビ版の再構築ではない完全新作が製作されることも含め、もはや『Δ』はマクロスやバルキリーではなくワルキューレの人気によって支えられているのだなあ、とこの BD を観て再認識しました。このクオリティで楽曲やパフォーマンスが生み出されて新作映像に繋がっていくのであれば、課金だと思って円盤も買います(ぉ

熱量の高いライヴ BD でした。ワルキューレのライヴチケットの競争率は相当高いらしいですが、もし新作映画の公開に合わせて 4th があるなら私も狙ってみたくなりました。

投稿者 B : 23:35 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/10/24 (Wed.)

2001 年宇宙の旅 [IMAX] @T・ジョイ PRINCE 品川

この映画が劇場で、しかも IMAX で観られるとあれば行くしかないじゃないですか。

2001 年宇宙の旅

2001 年宇宙の旅

今年はこの映画が公開されてちょうど五十年という節目にあたります。今月前半にはオリジナルネガからのアンレストア・ニュープリント版が限定上映されましたが、残念ながらそちらには行けず。この IMAX 版も短期間限定での上映になるようですが、この機を逃すな!とばかりに行ってきました。劇場は当然都内の IMAX シアターではベストと言える T・ジョイ PRINCE 品川。
今回のために起こされたポスターの「五十年前、一つの映画が全ての映画を変えた」というコピーにジーンと来ます。

IMAX 版は 70mm ニュープリント版ではなく来月発売される UHD Blu-ray と共通のマスターを使用しているとのことで、残念ながら 70mm フィルム版の「五十年前と同じ状態での上映」ではありませんが、4K リマスターを経たフィルム版以上の高画質が IMAX グレードのシアターで堪能できます。

映画の内容は今さらなので割愛しますが、何よりも IMAX の巨大スクリーンで『2001 年』の世界に没入することができ、自宅では難しい大音量で音響を堪能できるというのはやはり他ではできない体験。現代の音質に慣れた耳には録音はダイナミックレンジが狭いし、映像も高画質・大画面になった結果合成のアラが見えてしまうところはありましたが、何よりもあの宇宙空間や宇宙ステーション、ディスカバリー号に自分がいると錯覚するかのような体験にはお金を払う価値があると言えます。哲学的で難解と言われがちな映画ですが、きっと当時の観客の多くは内容以上に「宇宙に行ける体験」としてこの作品を受け止めたんじゃないか、と思いました。

私はこれまで、テレビ・DVD・BD と幾度となく『2001 年』を観てきましたが、映画館で鑑賞するのはこれが初めて。IMAX での上映方式はフィルム時代のお作法に倣ったもので、上映前に客電が薄く点いた状態で音楽のイントロが流れ始め、三分ほどかけて徐々にシアター内が暗くなり、真っ暗になったところで『ツァラトゥストラはかく語りき』と共に上映が始まります。また DVD 等では「INTERMISSION」と表示されるだけだった休憩時間もちゃんと 15 分の休憩が設けられていました。デジタル上映になりフィルムの掛け替えが不要になった現在では休憩を挟む必要はありませんが、そこまで再現してくれると逆に気分が高まるというものです。特に本作は二時間半にわたる大作でもあり、途中で一度トイレに立てるという意味でもありがたい(笑)。近年の大作映画も三時間近くあるものが少なくないですが、途中休憩を挟んでほしいと思っていたりします。
また終映後もエンドロールの後に『美しく青きドナウ』が流れ続ける中で客電がつき、まだ音楽が鳴っている中を退出する...というのも現代の映画ではまずない体験。五十年前の人たちはこういうスタイルで映画を楽しんでいたのか、という新鮮な感動がありました。

古い映画ということもあって空席が目立ち、他のお客さんはいかにも SF 映画好きそうなおじさんばかり(←オマエだって完全にその一人だ)でしたが、本作のファンの一人としては感激する、幸せな時間を過ごせました。この体験は UHD BD 版を買ったとしてもそうそう再現できるものではありません。『2001 年』に思い入れのある人なら期間中に観に行っておくべきだと思います。

投稿者 B : 20:01 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/10/17 (Wed.)

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [Blu-ray]

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [4K UHD MovieNEX]

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 4K UHD MovieNEX(4枚組) [4K ULTRA HD+3D+Blu-ray+デジタルコピー+MovieNEXワールド]

ジェダイもフォースもほぼ登場しない『スター・ウォーズ』スピンオフシリーズ第二弾。魂にフォースを宿す者としては、もちろん BD が出たからには確保するわけです。一応将来のテレビ等買い換えを見越して UHD BD 同梱版を購入。

『ローグ・ワン』の熱量が高すぎた反動であまり評価されていない感のある本作ですが、私はけっこう好き。オリジナル三部作で語られていたハン・ソロとミレニアム・ファルコンに関する過去のエピソードについてきっちり描かれています。主演のオールデン・エアエンライクはハリソン・フォードのハン・ソロをよく研究していると思うし、ファルコンのスピード感のある映像も素晴らしい。物足りない原因は主に脚本が小さくまとまっているせいで、旧三部作に物語が繋がった瞬間のカタルシスが感じられないところにあるのではないかと思います。

できれば本作で食い足りない部分や投げっぱなしの伏線を回収する続編を製作してほしいところではありますが、オビ=ワンやボバ・フェットを主人公としたスピンオフ映画は製作凍結されたという噂のまま進展はないし、一方でボバに関係がありそうなキャラクターが主人公で時系列の異なる『The Mandalorian』というスピンオフ作品がテレビシリーズとして公開されることが発表されていたりして、今後のスピンオフ作品がどういう位置づけになるかはイマイチよく分かりません。

個人的に今作で一番微妙だと思っているのがドロイド「L3-37」の存在。SW の新作に個性的な新型ドロイドが登場するというのはお約束ですが、どうしてこういうキャラクター設定である必要があったのか。ドロイドにも自由と権利を、という思想を持つキャラクターというのは現代的だけど、SW という時系列が存在する作品の中でこういう前後の脈絡がないことをやる必要はなかったのではないか。やはりディズニー傘下になってからの SW シリーズは脚本に現代の社会性を絡ませることが目的化している。『最後のジェダイ』でも鼻につく部分はいくつもあったけど、それは「新しい時代の新しい価値観(血筋に関係なく誰でもヒーローになり得る)における SW の表現」としてであればある程度は受け容れられる。しかし当時の SW の世界観を掘り下げるための作品では、そういうことはすべきではないと思うのです。
そういう意味では、私は『ローグ・ワン』での K2-SO の最期には泣けたけど、今回の L3 にはなんか感情移入できませんでした。これは何度繰り返して観ても変わらないでしょう。だいいち L3 視点で見てもドロイドが自由と権利を求めて立ち上がった結果、ミレニアム・ファルコンに組み込まれて最速ルートを提示するだけのデータベース兼 AI に成り果てるって何の皮肉だよ。

まあ 40 年の歴史を持つシリーズだけに、上記のようなめんどくさいファンからのクレームも少なくないでしょうし、そんな中で興行的に成功させるのも大変に違いありません。主要キャストの世代交代や時代の変化もふまえつつ、なお現役のコンテンツであり続けることの難しさはガンダムシリーズ等にも通じるものがあります。長年のファンとしては、細かいツッコミどころはありつつも「今あるもので最大限楽しむ」というスタンスで今後も受け止めたいと思っています。

投稿者 B : 22:12 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック