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2012/09/30 (Sun.)

鍵泥棒のメソッド @品川プリンスシネマ

最近邦画づいている私ですが、今回は以前から気になっていたこの作品を見てきました。

鍵泥棒のメソッド

鍵泥棒のメソッド

そんなに大量の広告を投下している作品でもありませんが、堺雅人と香川照之という二人が共演していて、しかもコメディという、私の好きな要素しかないような作品なので、面白くないわけがないじゃないですか。どちらかというと『踊る THE FINAL』よりも楽しみにしていたと言っても過言ではないかもしれません。

ストーリーは、自殺願望の売れない俳優が、記憶を失った凄腕の殺し屋と入れ替わって...というお話。『コラテラル』だったり『ザ・マジックアワー』だったり、殺し屋とカタギが出会って始まる作品には個人的にハズレはないと思っています。片方が殺し屋であることによる緊張感と、心温まるストーリーや笑いとのコントラストが気持ちを盛り上げるのでしょうか。

香川照之といえば、こないだ『るろ剣』でも悪役をやっていたばかりでしたが(というか、これもまだ上映中ですよ)、今回も悪役(まあ、二重の意味でこれが悪役と言えるのかどうか...)。これまでは深みのある善人の役として引っ張りだこだった印象が強いですが、意外にも悪役は悪役でハマる。何とも引き出しの多い役者さんだと思います。むしろ善人役のときよりも活き活きとした「キレた演技」がこれまた面白くて、つい見入ってしまいます。
対する堺雅人も、舞台っぽい芝居がこの喜劇にこの上なくマッチしていて、笑いどころでしっかり笑わせてくれました。この人も、舞台俳優出身だけあって、こういうコメディのほうが本当は合っていますね。

ストーリーのほうは、終盤でのどんでん返しで大前提を覆されたあたりはすっかりやられてしまいましたが、基本的に誰も不幸にならない、コメディらしい良いオチだったのではないかと。最後まで緊張感がありつつ、笑いもふんだんにあり、とても楽しかったです。
三谷幸喜の次々と追い打ちをかけるような笑いとはちょっと方向性が違いますが、コメディ好きならば楽しめるんじゃないでしょうか。個人的には、今年観た映画の中でも上位に加えたくなる作品でした。

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2012/09/15 (Sat.)

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 @チネチッタ

長く引っ張った『踊る大捜査線』シリーズも、いよいよ今回が最後。ここまで 15 年付き合ったからには最後まで見届けるよ!と、劇場に足を運んできました。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

『踊る大捜査線』は、ある意味サラリーマンのバイブルだと今でも思ってます。「ゲンバ至上主義」みたいなものは一つ間違えると目先の戦術論に陥り、戦略を立てる役回りを否定することにもなりかねない(つまり、小事は救えても大事に敗れる)ので、自分に都合の良い解釈をするのは危険だと思いますが、室井と青島両方のバランス感覚を身につければ、組織を良き方向に導くこともできるのでは、と思ったり。私も個別最適の積み上げが全体最適になるわけではないことを実感するようになってからは、はむしろ室井視点で観ることのほうが多くなったかなあ。そういう意味で、このシリーズは基本的にサラリーマン論なのだろうと理解しています。

前作『ヤツらを解放せよ!』は、劇場で観ている間は楽しかったんですが、後から反芻すると結局犯人像がそれまでの劇場版と大差なかったり、脚本的にイマイチだな...と感じる部分も多く、BD 買うほどじゃないなあ、という感想になっていました。それに青島俊作ももう 45 歳(!)だし、そろそろアツく走り回る役どころも厳しかろう、そして今回も劇場版パターンの犯人像だったら萎えるなあ、と過大な期待を抱かずに観に行きました。

そしたら今回は今までとはずいぶんストーリーが違うじゃないですか。まあ本庁と所轄の力関係だったり、組織のルールだったり、腐敗した上層部だったり、そういう構造は同じなんですが、犯人像とその動機がずいぶん違う。最後だからこそ今までのエピソードの多くで障壁となっていた上層部の腐敗にメスを入れられたということでしょうが、今までのシリーズを見続けてきた者にとっては溜飲の下がる思いでした。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

突っ込みどころを言えば、SW リスペクト的なサブタイトルが蛇足っぽく見えたり、実行犯の配役はちょっとあり得ないと思ったり、クライマックスでのあのオチの付け方にはさすがに引くわ、という感じだったり、そもそも和久さん(いかりや長介)が出ないと締まらないよなあ、だったり、まあいろいろとあるんですが、最終的には「これで本当に終わり」という大団円が描かれていて、15 年の締めとしてはこれで良かったんじゃないかと。

そして和久さんの代わりに今回の作品を締めてくれた室井の言葉が、グッと胸に響きました。

「組織の中に生きる人間にこそ、信念が必要だ」

やっぱり、『踊る大捜査線』はサラリーマン讃歌なんだなあ。

投稿者 B : 21:53 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/09/04 (Tue.)

るろうに剣心 @109 シネマズ川崎

るろうに剣心

るろうに剣心

「週刊少年ジャンプ」の黄金期を支えた作品のひとつで、高校~大学にかけてコミック全巻揃えていた私としては、実写化と言われるとどうしても気になってしまうわけで。この手のコミックやアニメの実写映画化は、言い換えれば死屍累々の歴と言っても良いわけで(ぉ)、半ば怖いもの見たさ的な部分はありました。でも、予告ポスターを見ていたら、主要な脇役陣の多くを私が好きな俳優さんたちが固めているじゃないですか。で、先に観てきた人たちの感想を聞くと、「これはアリ」的なポジティブな意見が多く。ならば観に行くしかあるまい、と思って時間を作って行ってきました。

ストーリー的には、原作コミックの序盤を中心に、いろいろなエピソードを混ぜ合わせて再構成したような感じ。黒幕は武田観柳ですが、その手下が鵜堂刃衛だったり外印だったり戌亥番神だったり、ごちゃ混ぜです(しかも外印と戌亥番神は設定が違いすぎて映像見ただけじゃ判らなかったし)。誰かが「ドラゴンボールでいえばピラフの手下にベジータ、セル、ピッコロ etc. がいる感じ」と表現していましたが、まさにそんな感じ(笑

そんな感じなので、ストーリーや設定上の細かい突っ込みどころを挙げていけばキリがないんですが、それを補って余りあるほど芝居と演出が良かった。監督の大友啓史氏って誰かと思ったら、NHK の大河ドラマ『龍馬伝』の人じゃないですか(って龍馬伝観てないけど!)。

そして脇を固める俳優陣の演技が良くて、中でも白眉だったのは武田観柳役の香川照之。今まで悪役のイメージがあまりない人ですが、今までに見たこともないような「キレた演技」で存在感を示してくれました。憎たらしいけどどこか憎めない役どころで、クライマックスのガトリングガンをぶっ放すシーンなんかはまさに「怪演」という形容がぴったりじゃないでしょうか(笑
高荷恵役が蒼井優というのには最初驚きましたが、これまた珍しい役どころにも関わらず、妖艶な恵になり切っていたのは見事。ただ、脚本上「したたかな女狐」的なエピソードがほとんどなくて、最初から最後まで「ちょっと小ずるいけどいい人」のポジションになってしまったのはもったいなかったですが。
あと、斉藤一役の江口洋介。ハマり役といえばハマり役なんですが、今の江口洋介が演じるには、彼は役者として深みが出すぎているというか。斉藤一にしては親しみやすすぎるキャラクターで、もっと研ぎ澄まされた厳しさと鋭さが出ている若手の俳優さんのほうが良かったのでは...と思いましたね。

演出に関して言えば、最大の見所は殺陣。技を出すたびに「飛天御剣流・龍槌閃!」とか言われたらドン引きだなあと思っていたらさすがにそれはなくて(笑、比較的静かな、だけどものすごいスピード感のある殺陣で「飛天御剣流らしさ」が表現されていたのは良かったです。寄りめの構図やカメラワーク、カット割り、暗めの画づくりあたりで誤魔化されているような気がしなくもなかったですが(笑)全体的に見応えがありました。ただ、動きが速すぎていつ何の技を出しているのかよく判らなかったので、改めてスローで観たいかも。

主役の佐藤健に関しては、CM くらいでしか観たことがなかったので(テレビ観ない人なので...)キャストを知ったときには「どうなの」と思いましたが、この配役はアリ。ただ、実写で「おろっ」と言われた瞬間にはさすがに身悶えてしまいましたが(笑、「おろっ」「ござる」は当然繰り返し出てくるので、すぐに慣れました(ぉ

全体として、純粋に剣客ものの映画としてみるとちょっと辛い部分もあるでしょうが、「『るろ剣』の実写映画化」として観るぶんにはなかなかよくできた作品じゃないかと思います。続編が作られることを意識した作品なんだろうなと思いますが、続編が見たいかと言われると見たい。特に御庭番衆編と人誅編あたりは見たいですね。要するに、けっこう面白かったということです。

投稿者 B : 23:56 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/08/30 (Thu.)

孤独のグルメ Season2

「孤独のグルメ」ドラマ2期決定!放送時間拡大&繰上げ | ホビー | マイナビニュース

なんというグッドニュース!!!俺歓喜。

テレビ東京のドラマ『孤独のグルメ』の Season2 の放送が決定。テレ東的には好評だったようなので続編の企画は上がってるだろうな、と思っていましたが、どんなに早くても年明け 1 月からのクールだろうと予想していたので、1 年経たずの Season2 放送は本当に驚きましたが嬉しいです。初回放送前には松重豊さんの井之頭五郎は悪くないけどちょっとイメージ違うよなあ、と感じていたのに、今やゴロー役はこの人しかいない、というくらいに定着してしまいましたからね。
久住昌之氏原作コミックのドラマ化は TBS の『花のズボラ飯』に続き、同じクールでの放送というのも驚き。ちょっとした久住昌之ブームと言えるのかもしれません。

ただちょっと心配なのは、同じ深夜枠とはいえ放送時間が拡大されるらしいというところ。同じスタッフなので大丈夫だとは思いますが、尺が延びることで変に蛇足的なつくりにならないか、という不安はありますね。

ちなみに第 1 回は、山手線の北側が舞台になることが多いこの作品にしては珍しい、新丸子(神奈川県川崎市)。今までドラマに登場したお店の中で、最も私の家から近い(というか他の店が遠すぎる)ので、ここは間違いなく聖地巡礼しなくてはなりますまい。

でもその前に、Season1 の聖地巡礼があと 1 ヶ所だけ残っているので、Season2 が始まる前にコンプリートしに行かないと。

孤独のグルメ DVD-BOX

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投稿者 B : 23:20 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/08/21 (Tue.)

ブルース・ブラザース [Blu-ray]

Blu-ray Disc というメディアが出たときに、ああこれは我が家のラックに収められた大量の DVD もメディアチェンジしていく必要があるのだな・・・と思ったものでしたが、BD 視聴環境を整えて数年経った今、改めてラックを整理してみると、意外なほど BD に買い換えたタイトルは少ないことに気がつきました。私の中の映画の金字塔たる 2001 年スター・ウォーズBTTF あたりは当然買い換えましたが、それ以外はそこまでのモチベーションに至らなかったのだなあ、と。まあ私が DVD を収集していた当時は映画の内容よりもホームシアターの映像や音響を楽しみたくて、新しい音声フォーマットやハイビットレート映像が収録された作品から買う、という感じだったので、映画そのものに思い入れがない DVD もたくさんあるからなんですが。

最近では BD も一時期の DVD のように、旧作の廉価盤がどんどん出てきていますが、そんな中でもこれは BD で持っておきたいと思って珍しくメディアチェンジした映画がこれ。

ブルース・ブラザース [Blu-ray]

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この映画、大好きなんですよね。ミュージカル系の映画が好きということもあるんですが、コメディ好き、R&B 好きなど私のツボの至るところを刺激してくれる作品です。ちょうどホームシアターにハマり始めた時期に DVD を買ったので、当時はもう毎晩のようにライヴシーンを観ていたなあ。

旧作の BD 化にはあまり工数をかけずにがっかりする画音質のものも珍しくない中、この BD は古い映画の割に画質・音質ともに満足できるクオリティで、これなら DVD からメディアチェンジする価値は十分あったな、と思えます。ただ、DVD とは収録エディションが異なる(DVD:ディレクターズカット版、BD:劇場公開版)ので、DVD で見覚えのあるシーンがところどころカットされていたのはちょっと残念。

とはいえ、それがこの映画の楽しさ自体を妨げるものではないので、テンション上げたくなったらこの BD のライヴシーンを観て盛り上がりたいと思います。♪Everybody needs somebody....

投稿者 B : 23:48 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/07/27 (Fri.)

超時空要塞マクロス ~愛・おぼえていますか~ [Blu-ray]

超時空要塞マクロス ~愛・おぼえていますか~ Hybrid Pack [Blu-ray]

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いやはや、ずいぶん待たされた感のある『愛おぼ』の BD がようやく発売されましたね。

今までにも何度か書いていますが、私はリアルタイムではマクロス世代。幼稚園から小学校にかけては、ガンダムごっこではなくマクロスごっこやオーガスごっこで遊んだ世代です。なので、この BD も買わずにはいられませんでした。
ちなみに、この BD は『イツワリノウタヒメ』『サヨナラノツバサ』と同様、PS3 向けゲームが同じディスク上に記録された Hybrid Pack 仕様。ゲーム販路での流通となっていて、家電量販店だと DVD 売場には売っていないので、ゲーム売場でわざわざ「PS3 のマクロスください」と言ったら最初通じなかったという(´д`)。

内容は今さら言うまでもないと思うので、画質に関して。

けっこう画質にムラがありますね。キャラクターのアップ画面を中心に、マクロスの艦内外のメカ描写などは最近の作品だと言われても信じてしまいそうなほどクッキリハッキリしていて驚きました。近年のアニメでは見やすさのためにむしろ省略してしまうディテールまで描き込まれた部分がハッキリと見えたり、オリジナルでは宇宙にこんなにたくさんの星が描かれていたのか!と感嘆するほどに高精細で、かつオリジナルのコントラスト高めな映像をよく再現しています。いっぽうで場面によってはフィルムグレインがかなりザラついた質感で残っていたり、特に引きの構図や画面全体で動きが大きめなシーン、および特にゼントラーディ艦内のシーンで、画面のピントが合っていなかったり、輪郭線が二重に見えたり、という症状が見られました。ゼントラーディの台詞に関しては字幕が入っているため、おそらくその撮影上の事情などもあるのでしょうが、高画質なシーンと DVD 以下と思えるシーンの落差が激しくて、せっかくの集中が乱されてしまうことがままありました。ただ、きれいなシーンは本当にきれいで、それだけでもファンは観る価値あると思います。

まあ作画のクオリティや画質やメカの完成度で言ったらマクロス F のほうが当然素晴らしいのですが、やはりオリジナルはオマージュには超えられない何かを持っていると思います。また部屋を真っ暗にして、ちょいちょい観よう。あるいは、これは久々にプロジェクタを引っ張り出してきて観たいですね。

投稿者 B : 02:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/07/25 (Wed.)

おおかみこどもの雨と雪 @109 シネマズ川崎

映画「おおかみこどもの雨と雪」

おおかみこどもの雨と雪

先週末から公開されたばかりのこの映画、さっそく観に行ってきました。

細田映画ファンとしては 3 年ぶりの新作ということで、ずっと楽しみにしていました。反面、今までの作品とはちょっと毛色が違いそうな雰囲気も漂っていたので、不安半分・・・というのもありつつ。「おおかみおとこ」と人間の女性の間に生まれた二人の「おおかみこども」の物語、という以外にほとんど事前情報を仕入れずに観に行きましたが、今までの細田映画とも、私が想像していたような方向性とも随分違っていて、驚きました。
どちらかというと『トトロ』や『ポニョ』のような、大人も子どもも楽しめる作品なのかな、と思っていたら、むしろ子どもには難しいだろう、大人向けの作品でした。『おおかみこどもの雨と雪』というタイトルながら、主役はむしろ宮﨑あおい演じる母親の「花」の子育てと人生の物語。二児の親としては、姉の「雪」が生まれた瞬間から、私も完全に人の親の目線で作品の世界に没入していました。

まだ公開直後なので内容のネタバレは避けますが、クライマックスはもっと盛り上がるのかと思ったら、案外淡々と進んでいくものですね。物語のダイナミクス的には『アリエッティ』的な抑揚なので、予告編の躍動感あふれる映像の延長線上を期待していると、静かなクライマックスに肩透かしを食らうかもしれません。でも、このストーリーと、主人公・花のキャラクターにとても相応しい結末で、エンドロールを観ながら何度も余韻をかみしめてしまいました。
ストーリーは花とおおかみおとこの出会いから、雪が 13 歳になるまでを描いているので、私の長女はちょうどその半分。雨と雪の姿が、あまりにも自分の娘たちの姿にオーバーラップして見えたので、これからの 6 年、そしてその先、を想像すると、なんだか自分が全然足りていないような気がしてきます。

さておき。

この作品の舞台は、二人の出会いから子どもたちが生まれる前までを国立(明らかに一橋大学と思われる学校がありましたね)、そして花が二人のおおかみこどもを育てていく山あいの農村を富山県上市町をモチーフとしているようです。富山が舞台になったのは、細田守監督自身の出身地がこの上市町だからというのが大きいでしょうが、花たち三人が田舎に引っ越し、あの独特の稜線が画面に現れた瞬間に、立山の麓が舞台であることを認識しました。それくらい、海沿いに生まれ住んだ私ですら判るほどに、富山県人はあの山の形を毎日目にしながら生きていて、心に刻まれているということだと思います。
私は山のほうの暮らしは分かりませんが、10 歳の頃に建て替えられる前の生家は築 100 年を超える古民家だったので、花たちのボロ家での住まいには本当に懐かしくなりました。そういう、建物だったり街角だったり風景だったり気候だったりするものの描写が本当にリアリティがあって、もしかしたらこの作品の本当の主役はこの映像美術そのものなのではないか、と思ったほどです。ジブリのそれとはちょっと方向性が違うし、リアルに描写しすぎなんじゃないかというのが少し鼻につくほどでさえありましたが、この美術はアニメ作品の中でもマイルストーンのひとつになると思います。

いい映画でした。そして、私が家にいない間子どもたちを見てくれている奥さんに、もっと感謝しないといけないなあ、というのを痛感した映画でもありました。

投稿者 B : 23:58 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/07/20 (Fri.)

となりのトトロ [Blu-ray]

となりのトトロ [Blu-ray]

となりのトトロ

『となりのトトロ』の BD がようやく発売されたので、私ももちろん購入しました。

DVD も持っているんですが、さすがに DVD の普及初期(2001 年)の発売なので、HDTV で今観ると画質的にはかなり厳しい。エンコード技術やプレイヤー側の再生時補間技術の向上で、DVD でも最近発売されたものはパッと見で HD 画質なんじゃないかと錯覚するくらい高画質なものも少なくないですが、逆にそういうのに見慣れてしまうと、画質が気になって楽しめないレベルだと思っていました。
加えて、ここ 4~5 年の間に娘たちに雑に扱われたせいで、DVD の盤面自体やトールケースもけっこう痛んできていて、BD の発売を心待ちにしていました。

ちょうど先週、BD 発売の販促を兼ねて日テレの地上波で放送されていたので、その録画も併せて画質比較しながら鑑賞してみました。視聴環境はちょっと古い機材ばかりですが BRAVIA KDL-46X5050+BDZ-X95 です。

■DVD
となりのトトロ [DVD]

まずは DVD。子どもたちのおかげでもう合計 100 回は観て、ほとんど全台詞を暗記してしまったというくらいに見慣れた画質です(´д`)。輪郭がぼやけた線の太い描写で、ところどころエッジがゴーストのように二重に見えていたり、偽色っぽいものが見えていたり、そもそも映像の周囲に黒枠が表示されていたり、なんとも残念な画質。今までは「古い作品だから仕方ない」と諦めていましたが、ナウシカラピュタの BD の高画質を見せつけられると、これも早くなんとかならないかなあ、とずっと待っていました。

■地上デジタル放送
となりのトトロ [地上デジタル]

これが先週の日テレ『金曜ロード SHOW!』の画質。去年くらいまでの放送では SD ソースのアプコンというのが明らかに判る画質でしたが、今回のは全体的に線がパキッとして、明らかにマスターから HD 化されたんだろうなという解像感になっています(確か、番宣でも「史上初の超高画質放映」とか何とか言っていましたね)。
見るからに DVD よりも高画質ですが、全体的にフィルムのグレインらしきザラザラが気になる画質で、ちょっと集中しては観ていられないのが辛いと感じます。このザラツキは暗部よりも明部に顕著で、サツキとメイが活き活きと走り回るシーンでこそ気になる・・・というのが非常にもったいない。

■Blu-ray
となりのトトロ [Blu-ray]

そしてこれが BD の画質。地上波と同じソースかどうかは判りませんが、ビットレートの違いからくる解像感の差は明らかで、輪郭はくっきり、セル画の重ね具合が画面から読み取れるほどです。ジブリの BD 制作の方針か、ナウシカやラピュタと同様にフィルムのグレインはあえて残してあるような質感ですが、地デジ版のようなザラツキではなく、あくまでフィルムの質感が伝わってくる程度のグレイン感。色調が地デジ版とは明らかに違って BD のほうがグッと落ち着いた彩度・コントラスト感なので、地デジのほうは放送時の画質調整で彩度・コントラストを強めた結果、同じマスターを使っていてもグレインが悪い方向に強調されてしまったのかな・・・と推測します。

ソースが古いので、いずれにしても近年のデジタル制作のアニメのようなクッキリハッキリした画質にはなりませんが、24 年前の作品であることを考えれば、十分以上に満足できる画質だと思います。
ただ、これもジブリの方針なのか、フィルムの揺れはあまり修整されていないようで、注意して観ると画面が細かく揺れているのが高画質になったぶん逆に気になります。贅沢かもしれませんが、HD 画質に慣れてしまった身としては、もうちょっと修整してくれても良かったのに、とは思います。

ちょっとだけ映画の中身の話をすると、かれこれ 100 回は観たこの作品を観るたびに思うのは、この映画の中のおとうさんの父親像。サツキの「(トトロに)また会える?私も会いたい!」に対して、おとうさんが「そうだな、運がよければね。」だったり、メイの「おとうさん、明日、芽でるかな。」に対して「そうだなあ。トトロなら、知っているんだろうけどな。」だったり。自分だったら、きっとそこで「そうだね、良い子にしてたらね」と親の都合を押しつけてしまうであろうところで、それをしない父親像に、毎度、このおとうさんには絶対勝てないなあ、と思わされます。まあ、それは子どもに対してだけではなくて、おかあさんの「今、そこの松の木で、サツキとメイが笑ったように見えたの」に対する「案外そうかもしれないよ」であったり、そういう「物事をワクにはめずに、あるがままを受け入れる」みたいな生き方そのものから来るのかもしれませんが。

娘たちは明日から夏休みに入りますが、そんなことを考えながら、またトトロの BD を観たいと思います。でも、雑に扱われるのはイヤなので、私がいないときは今までどおり DVD で観させるようにしよう(笑。

となりのトトロ [Blu-ray]

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投稿者 B : 23:00 | Anime | Movie | コメント (1) | トラックバック

2012/07/18 (Wed.)

ステキな金縛り [Blu-ray]

ステキな金縛り Blu-ray スタンダード・エディション

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発売日に Amazon から届いていたのに時間がなくて 1 ヶ月以上も放置していましたが、先日の三連休に時間を作って鑑賞。

劇場公開時に観に行っていて、かつそれから半年あまりしか経っていないので、内容に関してはそれほど感想に違いはないんですが、改めて観るとこの映画の西田敏行の芝居はやっぱりイイ。三谷作品での西田敏行は今まで基本的にギャグキャラでの登場が多く、今回も「落ち武者役」という最大の出オチに近い起用をされていますが(笑)、ギャグパートは当然ながら、シリアスなシーンでの泣かせる演技とのコントラストが素晴らしい。全編コメディ、でも最後にホロリと泣かせる、という三谷幸喜の作風にこれほど合っている役者もほかにいないんじゃないでしょうか。

ただ劇場から通算 2 回目の視聴となると、途中に挟み込まれた過去の三谷映画とのクロスオーバー的演出や、ところどころの笑いが冗長だな、と感じてしまう部分がちょっと鼻についたかな。約 2 時間半の長丁場ですが、これでもかなりカットされたシーンがあるというから驚きます。もうちょっとコンパクトにまとめた 2 時間バージョンを本編(劇場公開版)として、BD で完全版という手法でも良かったんじゃないかと。

私も歳を取ったのか、最近の三谷作品にはキャストも脚本もてんこ盛りすぎてそろそろお腹いっぱい・・・と感じることも少なくなくなってきましたが、ほぼただ独り笑い抜きで良い芝居してる中井貴一とか、日本でトボケキャラをやらせたら右に出る者はいない阿部寛の安定感とか、38 歳にしておそらく女優歴上もっとも可愛げのある役を演じる深津絵里とか、豪華なキャスト陣それぞれの芝居、という観点でもなかなか楽しめる作品だと思います。

三谷映画といえば、新作が来年予定されているようで。

信長の死後、秀吉と勝家が頭脳戦!小説「清須会議」を三谷幸喜が映画化、来秋公開 | エンタメ | マイナビニュース

三谷幸喜の時代劇というと、賛否両論だった 2004 年の NHK 大河ドラマ『新撰組!』がまだ記憶に新しいところですが、今回の映画はどんな作品になるのでしょうか。

三谷 幸喜 / 清須会議

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投稿者 B : 22:00 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2012/07/07 (Sat.)

アメイジング・スパイダーマン @TOHO シネマズ渋谷

観に行ってきました。

アメイジング・スパイダーマン

アメイジング・スパイダーマン

3D 上映だったので、まずは 3D の話を。

東宝系の初期の 3D 上映は XpanD 方式だったので、『AVATAR』を観てそのクオリティの低さに落胆して以来敬遠してきましたが、いつの間にか別方式を採用していたことを、今回初めて知りました。私以外にも、3D 上映だとまず東宝は外すという人は少なくないと思うので(笑)、その認識は改めた方がよさそうです。
東宝が最近導入している 3D 方式は映画館によって異なるようですが、大半の劇場では MasterImage 3D、一部の劇場で Sony Digital Cinema 3D、および期間限定で RealD という内訳になっていて、いずれも円偏光方式の設備に切り替えてきている模様。当初は 3D を一挙に多館展開するために設備投資の少ない XpanD を採用したのでしょうが、やはり画質面で失ったもの(客も含む)が大きかったのか、1 年ちょっと前に方針を転換したようです。

まあ画質ならばやはり IMAX 3D が最高なのでしょうが、今回は私の未見だった MasterImage 3D か Sony Digital Cinema 3D で観てみようと思い、東宝系に行ってみることにしました。で、せっかくなので元祖 3D 大王がまだレビューしていない Sony Digital Cinema 3D を採用している TOHO シネマズ渋谷(旧渋東シネタワー)に行ってきました。調べてみたところ、この Sony Digital Cinema 3D で使用されているプロジェクタは、4K 上映にも対応した SRC-R320 を使っているようですね。4K を 2 分割してフル HD の左右チャンネル用映像を投影する仕組みで、3D 方式そのものは RealD の派生形という位置づけのようです。

Sony Digital Cinema 3D

これが劇場で渡された 3D メガネ。ソニーロゴも RealD ロゴも入っていない無印メガネですが、仕組み自体は RealD と同じ。なので、RealD のメガネを持って行けばそのまま使える(そして、メガネ分の ¥100 だけ値引きされる)ようです。

3D の感想としては、原理を同じくする RealD とさすがにほぼ同じようなものだと感じました。『ファントム・メナス 3D』を RealD で観たときのように、IMAX 3D に比べると少し明るさが落ちて微妙に青みが強くなるものの、画質としてはまあ許容範囲。解像感もじゅうぶんで、没入できる画質だと感じました。実は本編の前に挟まれた『アベンジャーズ』予告編の 3D がキツすぎて、これは長時間見るに堪えない・・・と思ったのですが、本編が始まってしまえばごく自然なレベルの立体視になったので、一安心。映画の作りとしては、基本的に人間ドラマの部分は立体視をあまり多用せず(メガネをときどき外しながら観ていましたが、字幕以外 3D になっていなかったシーンも多かった)、アクションシーンで効果的に使うというメリハリの効いた使用法で、むしろそれが有効だったんじゃないかと思います。
アクションシーンについては、スパイダーマンがターザンのように飛び回るシーン、スパイダーウェブを発射するシーン、そして当然リザードとのバトルシーンではこれでもかというくらいに多用。私は高所恐怖症なので、スパイダーマンが飛び回るシーンは背筋が凍るんじゃないかとしんぱいしていましたが、立体視の見せ方がうまいのか、落下シーン以外はとても心地良い浮遊感をおぼえたほどで、むしろ楽しめました。

正直なところ、自宅のテレビはそうそう買い換えられるものでもないので、3D はハレの日(映画館)のお楽しみということにして、自宅は別に 2D でもいいよね・・・と思っていたんですが、これの 3D BD が観られるなら自宅に 3D 環境を導入したいかも、とちょっと真剣に考えてしまいました。テレビの買い換えは難しいので、せめて HMZ-T1 の入手性が改善したら、検討してみようかなあ・・・。

さて、映画そのものの感想はネタバレを避けるため軽めにしておきますが、主人公ピーター・パーカー/スパイダーマン役は今回からアンドリュー・ガーフィールドになりました(今回から、というより、前回の三部作と今回のシリーズはパラレルワールド的な位置づけ)。彼は最近だと『ソーシャル・ネットワーク』で Facebook の共同創始者エドゥアルド・サベリンを演じていましたね。その印象がまだ強いのか、正直ちょっと「ピーター・パーカー」として見るのは無理があるような・・・。個人的には、前回のトビー・マグワイアの垢抜けないとっちゃん坊やっぷりがハマりすぎていたので、こんなモテそうなピーター・パーカーはちょっと違う。まあ、映画自体別物ですし、今までのピーター・パーカーとは別物として見れば、これはこれでアリだとも思えるんですが、ちょっといろんなところがスマートすぎるんだよなあ。

また、映画全体を通してのつくりも、従来のアメコミをそのまんま実写化したかのようなサム・ライミ節とは全く違って、なんかすっかり洗練されちゃったというか(笑。同じ原作を土台にして、基本的なストーリーは似ていながらも、観終わった後の感覚はダークヒーローものの代名詞としてのスパイダーマンではなく、王道ヒーローもののそれに近くて、良い意味で裏切られました。確かにちょっと洗練されすぎていて、スパイダーマンとして見るとそれが鼻につく部分もあるんですが(笑)、いかにもアメリカ映画らしい伏線/回収とクライマックスの盛り上げや、スピード感と爽快感のあるカメラワークが効いています。あとは、スパイダーマンならば、ラストシーンは一件落着、だけどなんだか心が痛む・・・みたいなのがあっても良かったような気はします。
あと、原作のスタン・リーがあんなところでカメオ出演していたとは!(笑)。観に行こうという方は、ぜひスタン・リーがどこにどう出てくるか、刮目したほうがいいと思います。

賛否両論ありつつも、個人的には、もしかしたら旧三部作よりこっちのほうが好きかもしれません。ただ、あの日本版エンドロールはいただけないでしょう(´д`)・・・。基本的に私はエンドロールはいかに長くても最後まで席を立たず、暗い劇場内でキャストやスタッフの名前を眺めながら余韻に浸りたいのですが、あのエンドロールは完全にぶち壊してくれました。BD リリースの際にはエンドロールは選択式にさせてほしい(´д`)。

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