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2011/11/13 (Sun.)

ステキな金縛り @109 シネマズ川崎

何とか時間を見繕って映画館に行ってきました。

ステキな金縛り

私は自他共に認める法廷劇好きですが、この映画は三谷幸喜、コメディ、法廷劇(≒密室劇)、という私の好きなものだけが乗ったオードブル状態(笑)の映画なので、公開を楽しみにしていました。というか、三谷映画では毎回キレた演技を見せてくれる西田敏行が、「落ち武者」という現実離れした役所を演じるというだけで観に行く価値はあると思う(^^;;

とある殺人事件の被疑者について、アリバイを証明できる唯一の証人はなんと落ち武者の幽霊だった・・・という、三谷幸喜らしいハチャメチャな設定の映画(笑)。で、三谷幸喜と言えば密室劇、密室劇と言えば三谷幸喜なわけですが、今回は、基本的には法廷という密室劇スタイルを取りながらも、ロケを含めた密室以外の場所もところどころに出てくるという、設定や演出的には最も三谷幸喜らしい作品でありながら、今までにないチャレンジも随所に見られるという、とても見応えのある作品だと思います。

私が思うに、三谷幸喜という人は「人を笑わせたり驚かせたりすることに全力を尽くすタイプ」だと思います。私もけっこうそういうタイプなので、だからこそ共感ができるというか(笑)。バカみたいなことを真剣に、しかも緻密にやるからこそ余計に面白いという、「笑いの『間』」みたいなものは、他の人の作品にはありそうでなかなかない。
ただ、落ち武者の幽霊という「現実にはあり得ない設定」も、真剣な芝居の中でいつの間にか受け容れそうになってしまうタイミングで、現実の視点に引き戻す演出やカット割りの入れ方はとても巧いと思いました。この観客と作品の距離感の取り方が、絶妙な笑いの『間』を生み出しているのかもしれません。

でも、ただでさえ細かいネタをたくさん仕込むのに、同監督の他作品からのカメオ出演も多くて、結果 2 時間半近い大作になってしまったのは、もう少しコンパクトにまとめても良かったんじゃないかと思いました。それでも、私は長さを感じることなく最後まで楽しめましたが、三谷映画初見の人には笑いどころが分からないシーンもちらほらあるかもしれません。

この映画は相変わらず観客を全力で笑わせることだけを考えたような作品ですが、もうひとつ、三谷映画の良いところは、人に対するやさしさに溢れているところじゃないかと思います。特にラストシーンは序盤の伏線から何となく想像が付いていたけど、あの演出は反則だなあ。
ただ、主人公エミの父親役は堺雅人とか、もうちょっとちゃんと演技できる俳優を使ってほしかった・・・。

劇場に行く前は仕事でちょっとイライラした気持ちになっていたりもしたのですが、2 時間半全力で笑って、とてもスッキリした気分にさせてくれた作品でした。個人的にはこれまでの三谷映画 5 作品の中で、最高傑作と言って良いんじゃないかと思う。

それにしても深津絵里、これで今 38 歳ですよ・・・少し前に比べて痩せたような印象はあるけど、この作品での姿が今までで最もかわいいんじゃないかとさえ思いました(*´Д`*)。

投稿者 B : 23:11 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/11/03 (Thu.)

東のエデン

これまた今さら観たシリーズですが。

東のエデン

TSUTAYA で『化物語』を借りたときに、アニメコーナーの棚で見かけて「そういえば、これちょっと観たいと思ってたんだっけ」というのを思い出して、借りてきました。2 年以上前の作品ですが(そういえば作品の舞台はまさに今年、2011 年だった)、まさに今の日本を象徴している作品と言えるような気がします。

閉塞しきった日本の状況を打破し、この国を救うために選ばれた 12 人の「セレソン」と、彼らそれぞれに与えられた、100 億円分の電子マネーと「物理的に起こせる事象ならばほぼ何でも実現可能」なコンシェルジュがついた「ノブレス携帯」。その 12 人の目的と利害が絡み合いながら進行する、日本を救うための「セレソンゲーム」。
テクノロジー的には AR やメタタグ、電子マネー、携帯電話向けパーソナルコンシェルジュサービス、といったようにここ 2~3 年で注目された要素を網羅していて、そのあたりの業界の人には興味深いところではないでしょうか。個人的には「ノブレス携帯」が劇中でどう使われるのかに興味を持って見始めた作品でしたが、観ていくうちにそれよりも現代の日本という国が抱えている構造的な病理をそれぞれのセレソンがどう解決しようとするのか、そちらのほうに興味が移りました。

日本の対外的な格差が大きかった時代に、とにかくがむしゃらに働けば国全体が右肩上がりで成長し、国内の支えるべき人々の割合も比較的小さかった時代と、先進国の仲間入りを果たし、様々なコストが高くなって単純労働の生産性では競争力がなくなったことに加えて、国民を支える年齢層に対して支えられる層の割合が大きくなりすぎてしまった現代。富を再分配してこれから成長する分野にリソースを投入するにはどうしたらいいか?を過激な方法論でやろうとする者と、穏当な手段を執ろうとする者。被害者を装って自らを人質に取り、他国に対して要求を通そうとする者。救国を自分の怨念晴らしにすり替える者。国家ではなく自分の目に見える範囲の人を救うことを考える者。資金を自らのためにだけ使おうとする者。それぞれのアプローチが非常にコントラストが効いていて、どのキャラクターも本当に魅力的。
私は、社会人になってから(特に、今の仕事に就いてから)いろんな物事を経済合理性をベースに考えるようになりましたが、特に今年の 3.11 以降は、その上で今後の日本がとるべき国家のカタチというのはどういうものか?というのを考えることが増えました。そういう意味では、個人的には主人公の最大のライバルであるセレソン No.1「物部」の考え方には、あまりにも過激ながら妙に共感してしまった部分もあり、非常に考えさせられました。私の社会や経済に対する視点が原作・監督である神山健治氏に近い、ということかもしれませんが。
こういう作品だと、最後は「結局、事態は前と大きくは変わらなかった、けど何かが確実に少し変わった」的な落としどころにもっていくことが多く、この作品のオチもそんなところですが、それだけじゃやっぱりダメなんじゃない?というのを、3.11 から半年あまりが経過した今の日本を見ながら思ったりもします。

とか、なんか話が大きくなってしまいましたが、私はこういうテーマが大きくて、謎解きや駆け引きの要素があって、なにより演出がいちいちカッコイイ作品が大好きなので、とても気に入りました。もっと早く観ておけば良かった。

ちなみに、この作品を観て以来、Edy や Suica で決済をするたびに「受理されました。今後も救世主たらんことを」と言う一人遊びが私の脳内で流行っています(ぉ。

東のエデン 1 [Blu-ray]

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投稿者 B : 23:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/10/29 (Sat.)

劇場版 マクロス F ~サヨナラノツバサ~ [Blu-ray]

発売日に届いていたのに全く観る時間と体力がなく、ようやく視聴しました。

劇場版 マクロス F ~サヨナラノツバサ~ Hybrid Pack [Blu-ray]

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作品の感想としては劇場上映時に書いたので、パッケージ周りの話を。

いつものことながら BD なので画音質、特に直視型ディスプレイで見たときのクッキリハッキリ感は劇場のプロジェクタではなかなか得られないものがあります。マクロスシリーズは特に戦闘シーンでのアクションが激しく、何がどうなってるか理解できない場面もありますが(笑)そういうのを繰り返したりスロー再生したりして堪能できるのも、パッケージメディアならでは(ネット配信でもそうですが)のメリットでしょう。

音については、劇場公開時の初見は川崎チネチッタだったのでやや残念なクオリティでしたが、実はそれに満足できずにその後横浜の 109 シネマズ MM21 の「「シアター 7」に 2 回目を観に行って、その音質に非常に満足しました。今回の BD では(夜間に大音量を出せないので)バーチャルサラウンドヘッドホンでの視聴だったので、音については残念ながらそこまで堪能できず。MDR-DS7000 はサラウンドヘッドホンとしてはけっこう気に入っているんですが、マクロスのように音楽が主体となる作品だと力不足ですね。バーチャルサラウンドを諦めて、2ch のオーディオヘッドホンで聴いた方が楽しめるかもしれません。ただ、ライヴ感あふれるこの作品の場合は、ヘッドホンよりもスピーカ、さらに言えば劇場上映向きと言えるかもしれません。改めて昼間に AV アンプを通した音で楽しみたいところ。

マクロス F という作品は、河森正治という監督のキャラなのか、兵器とか映像とかのディテールには滅茶苦茶こだわるくせに、ストーリーや設定には突っ込みどころが多く、最大限に良く言っても破天荒(ぉ。なので、引いた目線で観るとおかしな作品に見えてしまいます。が、いったんそれを受け容れてしまえば、音楽と映像の洪水で細かい矛盾やご都合主義はどうでも良くなってしまうという、得な作風だなあと思いますね。

ちなみに各所で話題になっていた、特典の生フィルムコマは私はこれでした。

劇場版 マクロス F 恋離飛翼 ~サヨナラノツバサ~

グレイス・オコナー。当たりでもなく、大ハズレというわけでもなく、微妙(´д`)。とはいえあの「NO MORE 映画泥棒」のコマが混入していたというのはさすがにネタだよね・・・?と思っていたら、どうやら本当のことっぽいようで(笑。

投稿者 B : 23:59 | Anime | Game | Movie | PS3 | コメント (0) | トラックバック

2011/10/10 (Mon.)

化物語

これまた今さらですが、このアニメ作品を観ました。

化物語 - 西尾維新アニメプロジェクト

春に観た『まどマギ』のインパクトが今でも強く、関連作品があったら観たいかも・・・と思っていたところ、とあるきっかけで監督(新房昭之)と制作会社(シャフト)が同じこの作品のことを知り、TSUTAYA で借りてきた次第。
これまた予備知識なしで観たんですが、私はホラー映画はあまり好きじゃないですが、こういうオカルト×コメディ的な作品は好きなんですよね。いや、もともと推理モノ好きだったのが、『トリック』を観てこういうホラー推理っぽいものにハマったというか。そんな私の好みにストライクな作品でした。

主人公が「怪異」と呼ばれるもの(妖怪や幽霊の類)が絡む事件に次々と巻き込まれ(というより自分から関わりにいき)、それらを解決していく(実際には、主人公が解決した事件は全くといって良いほどないわけだけれど)という作品でありながら、アニメ作品らしい派手なアクションはほぼ皆無。基本的には登場人物(それも各回に出てくるのはほぼ 3~4 人)の台詞回しだけで物語が進み、なおかつ無駄話も多いから実は内容はそんなにない(笑)のに、何故かそれぞれの回が妙に凝縮感がある、という不思議な作品です。
また、ところどころに出てくる、気持ち悪いけど強烈にインパクトがある「イヌカレー空間」はここでも健在で、作品の世界観をうまく拡張していると感じました。

というか・・・映像のことばかり言ってしまいましたが、台詞の言葉の選び方なんかを見る限り、もともとの原作が面白いのに加えて、新房監督×シャフト×イヌカレーの映像がマッチしている、ということなのかな、と、あまりこういうアニメ作品を追っかけていない身ながらに感じました。

「まどマギ」とはずいぶん違う作品ですが、映像表現や演出の上では共通点もかなり多く、あの作品にハマった人ならば気に入るのではないでしょうか。
私は DVD を借りて観ましたが、今月から TOKYO MX で再放送をやっているようです。映像の情報量が多い作品なので、HD で観るべし。ということで、私も再放送で改めて視聴するつもり。

化物語 Blu-ray Disc Box

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投稿者 B : 23:45 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/09/27 (Tue.)

探偵は BAR にいる @TOHO シネマズ川崎

久しぶりに邦画を観てきました。

探偵は BAR にいる

大泉洋、好きなんですよ。という割に『水曜どうでしょう』は観ていなかったりするけど(笑。コメディがやれる芸達者な俳優が好き、と言った方が良いかな。さらに刑事もの・探偵ものの小説やドラマも好きなので、話題になっていたこともあり、観に行ってきました。

舞台は札幌の歓楽街・すすきの。私は以前長期出張で札幌のすすきの界隈に滞在していたこともあり、あの街の懐の広さとパワフルさはよく知っています。残念ながら、すすきのの歓楽街を堪能したことはないのですが(笑。でも、同じ大歓楽街といっても、どこか狂気じみた歌舞伎町は私は苦手ですが、すすきのの雰囲気はあまり嫌いになれないかな。

物語は、そのすすきのの片隅にあるバー「ケラー・オオハタ」にかかってきた電話から始まります。
バーという場所は、扉一枚を隔てて日常から非日常へと誘ってくれる場所。私は結婚してからめっきり行かなくなってしまいましたが、以前はよく通っていました。浮世から切り離された「閉じた空間」の心地良さは、他の場所では得難いものがあります。
依頼人からの電話をそんなバー(それも、昭和から時間が止まったかのようなレトロなバーとマスター)の黒電話で受けるところから始まるところから、世界観に引き込まれていきました。映像的にも、引きの画は間違いなくすすきのなんだけど、個別の画はいかにも映画的な、物語の世界。見るからにフィルム撮影の画質でしたが、グレインの感触とか、24 コマの「間」の感じがその世界観を膨らませていて、60 コマのデジタル撮影では生々しすぎたでしょう。大画面で観るような迫力の映像やアクションはありませんでしたが、画作りや演出が映画的で、確かにこれは劇場で観る価値がある映画だ、と感じました。

脚本としては伏線がキレイに張られすぎていて、ちょっと先が読めてしまう展開ではありましたが、十分に楽しめたし、こういう話は好きかな。少し物足りなかったのは、主人公である〈俺〉の背景説明が省かれすぎていて「大泉洋そのもの」に見えてしまい、「依頼人は必ず守る」という〈俺〉のポリシーが唐突に感じてしまったあたりでしょうか。
でも、序盤は(オカルトはありませんが)『トリック』あたりにも似た、緩い笑いをまぶしたような展開で、最後までこんな感じにゆるゆる行くのかなあ、と思っていたら、途中で起きたある事件から急激に引き締まった展開になって、背筋を正されるという(笑。おかげで最後までダレるようなこともなく、うまいなーと思わされました。

公開直後からさっそく 2 作目の制作が決定しているという、明らかにデキレースな展開ではありますが(笑、うまくすれば毎回ヒロインを替えながら続ける 007 のような(むしろ『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』のようなといったほうがいいか)息の長いシリーズになりそうな気もします。ひとまず次回作は観てみたい。事前情報ほとんどなしで観に行った映画でしたが、そのくらい気に入りました。

また、本作は小説が原作となっているそうで、そっちもちょっと読んでみたくなりました。15 年以上続いているシリーズのようですが、初期の 2 作『探偵はバーにいる』『バーにかかってきた電話』は Reader Store でも販売されているようなので、買おうかな。

東 直己 / 探偵はバーにいる

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2011/09/23 (Fri.)

スター・ウォーズ コンプリート・サーガ BD-BOX

スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイ BOX [Blu-ray]

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首を長くして待っていたスター・ウォーズの BD-BOX がようやく発売されました。相変わらず忙しくてちゃんと観れていませんが、気に入っているシーンだけ何箇所かかいつまんで視聴。

去年の BS hi での一挙放送では HD 放送ながらソースのクオリティやビットレートの割り当て等の問題で満足できる画質ではありませんでしたが、今回の BD はさすがにリマスターし直されているだけあって、超絶画質と言って良いレベル。旧三部作が「フィルムってこんなに情報量多かったんだ!」と思わせられるほどの高画質に仕上がっているのもさることながら、新三部作も今まではまともな HD ソースがなかった EP1 もようやく HD クオリティになったし、EP2/3 も今までに観たどのソースよりも高画質。実写と CG の境目は旧三部作では DVD 版でも気になるレベルでしたが、BD になると EP1/2 あたりでも十分に気になりますね。だってもう 10 年も前の作品なんだもの・・・。

などなど、画質面での評価についてはいつもの「買っとけ! Blu-ray/DVD」にまだレビューが掲載されていないのですが、Phile-web のほうにこれでもかというほど詳細な記事がアップされていたので、こちら↓で。

発売直前最速レポート!『スター・ウォーズ』BD-BOXのクオリティ&見どころを総力検証 (1/8) - Phile-web

発売前に議論を呼んでいた、EP6 クライマックスでのダース・ベイダーが「NOOOOO!!」と叫ぶという新編集については、個人的にはそれほど違和感はなし。ただ、旧三部作に関しては 1997 年の「特別篇」のときに追加されたシーンが冗長だったり、EP6 のラストに出てくるアナキンの亡霊が DVD 版以降はセバスチャン・ショウ(中年アナキン)からヘイデン・クリステンセン(青年アナキン)に差し替えられているのが気に入らなかったり、ファンとしては不満もあります。BD なんだから好きなエディションを観られる機能くらい入れておいてほしいんですが、そういうのはまた得意の「オリジナル BD-BOX」商法ですかね(´д`)。

ともあれ、11 月くらいになれば、ようやくまともに土日休める生活に戻れる見込みなので、時間を見つけてじっくり鑑賞したいと思います。そういえば、私が DVD 時代にホームシアターを構築したのは「大画面でスター・ウォーズの DVD が観たい!」が原点でしたが、BD がリリースされたことでひさびさにここに手を入れたい欲求がふつふつと沸いてきました。ただ、サラウンドスピーカを再設置するのは、次女がもう少し大きくなる 1 年後くらいかなあ・・・。

投稿者 B : 22:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/08/22 (Mon.)

耳をすませば [Blu-ray]

耳をすませば [Blu-ray]

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『耳すま』はジブリ映画の中でも私が特に気に入っている作品の一つです。ので、BD も発売後すぐに買っていたんですが、なかなか視聴する時間がなく。夏の間には見ておきたかったので、何とか時間を見つけて視聴しました。ま、DVD で何度となく観ている作品なんですけどね。

BD 版の批評としては例によって AV Watch の「買っとけ!」が安定のクオリティで素晴らしくまとまっているので、詳細はこちらで(ぉ

【買っとけ! Blu-ray/DVD】[BD]「耳をすませば」 -AV Watch

この映画は画質よりも、観ているこちらが赤面してしまうようなストレートな物語と、あとは登場人物たちのリアリティのある所作のひとつひとつだと考えているので、あえて BD でなくても DVD でも十分なんじゃ?とは少し思っていました。とはいえ、2002 年頃の DVD ってエンコード技術の問題から今観ると物足りない画質のものも多く、この『耳すま』の DVD もそういう部類。PS3 のアップコン機能を使っても輪郭がボヤボヤした印象で、改めて BD 版と観比べると、BD のスキッとしたヌケの良さ(それでいて、フィルムの質感もちょうど良い按配に残っている)を感じることができます。

もうひとつ画質面で言うと、BD になったことで画面全体の情報量が増し、主人公・雫の狭いアパートのごちゃごちゃとした生活感などが、この作品のキモである登場人物たちのリアリティを拡げています。が、それよりも解像度の向上が効果的に現れているのが、雫が「地球屋」に入った瞬間や、聖司に連れられて地球屋の裏手に回るシーン、そしてクライマックスの朝焼けを眺めるシーンなど、「主人公が今まで見たことのない、新しい世界に足を踏み入れる瞬間の、世界観がワッと広がる感覚」の表現だと感じました。こういう、テーマパークのような見知らぬ世界に足を踏み入れる瞬間の表現こそが「ジブリらしさ」のひとつだと思っているので、その表現力が向上しているという点で特に BD 版を買って良かったと思います。

こないだ観た『コクリコ坂から』も、近年のジブリ映画の中では特に秀でた作品だと思いましたが、やっぱり私の中では『耳すま』の存在感は大きいですね。というか、『コクリコ』の CM でも使われている自転車二人乗りのシーンは、明らかにこの作品へのオマージュですよね・・・。

で、誰ですか、私がこの映画が好きというのがイメージじゃない、という人は(´д`)。

投稿者 B : 23:45 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/08/12 (Fri.)

∀ガンダム I 地球光&II 月光蝶 [Blu-ray]

∀ガンダム I 地球光&II 月光蝶 [Blu-ray]

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ガンダムである必要がないガンダム・・・と言われながらも、私の中ではガンダム作品の上位にランキングされているこの作品。DVD 版も持っていますが、BD の発売を待っていました。時間のない昨今ではありますが、何とか時間を作って視聴。

以前買った DVD 版には正直なところ画質面で不満が強く、この BD 版でどの程度改善されているか、気になっていました。というか改善されてなかったら金返せよコノヤロー!と言おうと思ってた(´д`)。

その DVD 版の画質はこんな感じ。

まあ再生画面をデジカメ撮影しているので、写真では細部まではちょっとわかりにくいですが、DVD だとしても全体的にエッジが甘く、動きの大きい場面ではすぐ精細感が失われるし、何よりも『地球光』『月光蝶』両方で全体の半分以上のシーンで画面の右側に白いノイズが出ています。
この白いノイズはずっと同じ位置に出ていて、シーンによって出ていない部分もあるので、フィルム側の問題というよりもテレシネ時に使ったフィルムスキャナ?の問題でしょう。

オーサリング技術の進歩や高ビットレートの割り当て、あるいはプレイヤー/テレビ側の補完技術によって、最近の DVD パッケージ(特にアニメ系)は HDTV で観てもけっこう鑑賞に堪えるクオリティになってきていると思いますが、この DVD はもう 9 年も前の発売。最近の DVD とは明らかに画質が違うのは仕方ないですが、それにしても画面右端の白ノイズは許し難いレベル(技術の進歩云々以前の問題)ですし、このクオリティで 1 本あたりの定価¥6,300 はないだろとずっと思っていました(´д`)。

それが今回の BD 版でどの程度良くなったかというと、

∀ガンダム

エッジはくっきり、コントラストはっきり、変なノイズもなくなってクリアな画質で楽しめるようになりました。まあ HD を前提に作られた作品でもないのでそのへんは割り引いて観る必要がありますが、BD パッケージとしては及第点をあげていいレベルじゃないでしょうか。
35mm フィルムの HD テレシネからやり直しているようで、コマ単位での画質はとても良いと思いますが、コマ揺れが修整されていないのでけっこうガタガタが気になる。そこまで手間をかけてほしかったというのはちょっと贅沢すぎるでしょうか・・・。ただ、DVD があの状態だったので、相対的な満足度としてはかなり高いです。

今回は初回生産限定の『地球光』『月光蝶』の 2 本パックを購入しましたが、キャラデザの安田朗氏(ストリートファイターの人ですね)描き下ろしのスリーブをはじめ、いろいろと購入特典がついてきました。私はこういう特典にはあまり興味がないほうですが、つい懐かしかったので。

∀ガンダム

まずは劇場公開時に販売されたパンフレットの縮刷復刻版。私はこの映画をリアルタイムで劇場に観に行ったので(1 年だけ富山で働いていたときに、高岡ピカデリーまで車を飛ばして観に行った)、そのときに買ったオリジナルのパンフレットを引っ張り出してきてみました。印刷色の微妙な違いはあれど(オリジナルの方が色褪せている可能性もありますが)、ほぼそのまま縮刷されていて、ちょっと感激。
そういえばこの映画も劇場公開されて 9 年半経つんですね・・・私も歳を取るわけだ。

ほかについてきた特典は生フィルム。

∀ガンダム

『地球光』のほうに入っていたのは、キエルに扮したディアナが飛行船に乗り込むシーン(だと思われる)。これはまあ当たりの部類でしょう。

∀ガンダム

で、『月光蝶』のほうは、コレン・ナンダーが最後の特攻をかけるシーンかな。こっちは当たりなのかハズレなのか判断が分かれそう(笑。

ともあれ、やっぱり∀はいい作品だわー。ただやっぱり劇場版だとその醍醐味の半分も味わえないので、この作品はテレビシリーズで観るべきですね。ということで、TSUTAYA でテレビシリーズの DVD を 1 巻から順に借りてきているのは内緒です(ぉ。

投稿者 B : 00:29 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/08/08 (Mon.)

ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2 @109 シネマズ川崎

ようやく観に行けました。

ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2

ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2

2001 年の『賢者の石』から実に 10 年の月日が流れ、主人公の 3 人もすっかり大人になりました。もはや半分彼らの親の目線で見ているような部分もありますが(笑)、原作を読んでいない私としてはこの物語がどういう結末を迎えるのか、そして映像的にはどのような表現で我々を驚かせ、ドキドキワクワクさせてくれるのか。それをずっと楽しみにしていました。

昨年秋に公開された『Part 1』が、シリーズの中では最も重たい作品だったのに対して、この完結編は重たいながらも、やはり最期には大団円を迎えることもあってか、鑑賞後の印象としては非常にスッキリ。「良かったねえ」と彼らに声をかけてあげたくなるような結末。2 時間半近い上映時間がありながらも数多くのエピソードを含んでいるため展開は速めでしたが、その分おなかいっぱいにさせてもらいました。

まだ「これから夏休みに観に行く予定」という人も多そうなのでネタバレ的な話は避けておくことにして、ここからはシリーズ初の上映となった 3D の話など。

今回は初の IMAX 3D シアターでの鑑賞となりました。今やもう伝説(?)となったあこすたむさんの『アバター』3D 全方式完全制覇レビュー(続編といえる『アリス・イン・ワンダーランド』の 3D レビューも必読)を読んで以来、次に 3D 上映を観るなら絶対 IMAX 3D と思っていたんですが(しかも川崎ならウチからけっこう近いし)、そもそも 3D で観たい映画がそれ以来ほとんどなく(笑)、今まで機会がありませんでした。

ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2

これが IMAX の 3D メガネ。パッシブ方式なので XpanD のメガネより全然軽く、かけ心地も悪くないです。アラレちゃんかよというくらい(ぉ)レンズが大きくフレームも太いですが、むしろレンズはこれくらい大きい方が視野が広くていいですね。かけた姿がカッコ悪いのは、同じシアターに入っている人は全員この状態なんだし、気にしない(笑。

このメガネをかけて 3D 上映が始まってみると、その映像に驚愕しました。偏光方式なので当然ですが、輝度・コントラスト低下はほとんど気にならないし、立体感も文句なし。XpanD で観た『アバター』のあの映像はいったい何だったのか、とすら言いたくなります(´д`)。フレームシーケンシャル方式でも最近の液晶テレビの 3D は十分に高画質だと感じるレベルになっているとは思いますが、それでも IMAX 3D のほうが全然美しいと感じます。さすがは設備そのものを専用に導入しているだけのことはある。

この映画における 3D は、序盤から中盤まではアクションシーンを除きおとなしめ。3D の立体感を体験するシーンは一部アクションシーンくらいでそれほど多くありませんが、むしろ立体感というよりは「自分が自然に各シーンの一員としている」ようなリアリティを目指しているように感じました。あざとく作り込んだ立体感がないので、疲れにくいと思います。が、中盤を過ぎてクライマックスに入るあたりでは 3D を効果的に使った演出も多く、物語の最大の見せ場をうまく盛り上げていましたね。「魔法」というファンタジーだからこそ 3D 表現が活きる部分もあるんだなあ・・・と感心しました。
自然かつ効果的な 3D 立体視もさることながら、今回良かったのは音響ではないでしょうか。音質やサラウンド感も良かったんですが、ダイナミックレンジの広さに圧倒されました。戦闘シーン等では自分が座っているシートが震えるほどの大音量(栃木には本当にギミックチェアを「一次元」と定義した 4D シアターがあるらしいですが)で、圧倒的な迫力を感じられました。最近、家庭用の映像機器のクオリティ向上が著しくて、半端な施設の映画館で観るくらいなら BD の発売を待って自宅で観たほうが堪能できることも少なくないですが、今回は映像と音響ともに一般家庭では実現し得ないクオリティを実現していて、すごく久しぶりに「劇場で観て良かった」と感じられる映画でした。

ちなみに 3D 上映だと字幕が他の映像と違って手前のレイヤーに表示されるため焦点の移動が多く疲れる、だから洋画の 3D は吹き替え版がいい、という話をよく聞きますが、これまで 10 年付き合ってきたからには最後まで本人たちの声を聞きたい、と思い字幕版で強行しました。小学生の頃からドラクエのメッセージスピード最速設定でプレイし続け、字幕程度の情報量なら一瞬で把握できるよう瞬間視力を鍛えてきた私に死角はなかった(ぉ

とにかくキャスト、スタッフの皆さんともにお疲れさまでした。これも間違いなく BD を買うことになると思いますが、我が家にはまだ 3D 環境がないので、どうしようかなあ。3D で得られた感動が、2D だとなんか半分くらいになってしまいそうで(^^;;

投稿者 B : 23:07 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2011/08/02 (Tue.)

ソーシャル・ネットワーク [Blu-ray]

ソーシャル・ネットワーク デラックス・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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ちょっと興味はあったけど BD 買うほどじゃないなーと思っていた本作、たまたま人から借りられたので、観てみました。

あちこちで何度も言っていますが、私はネット上では匿名で何でもすればいいと思っているわけではないけどコテハンくらいの匿名度合いで良く、なおかつオープンな場で意見交換してこそのオンラインコミュニケーションだと思っているので、実名かつある程度クローズドな Facebook という場はあまり好きではなかったりします。かつ、最近背後に大手広告代理店の影が見え隠れする国内の Facebook 人気に関しては余計に懐疑的。アカウントを持っていてある程度知人関係のコネクションも繋がってはいますが、それほど積極的に利用しているわけではありません。
でも、ハリウッドで映画化されるに至った Facebook 人気の秘密がどこにあるか?マーク・ザッカーバーグという人のモチベーションはどこから来るのか?といったところに興味があったので、機会があれば観たいな、でもお金出すほどじゃないな(ぉ、とは思っていました。

(日本ではまだその印象は薄いけど)今や Google を超えたと言われている Facebook の若き創業者、マーク・ザッカーバーグ。自分の興味がないことには全くと言っていいほど興味を示さないが、自分が好きなことにはとにかく早口でまくし立てるように(しかしあくまで正確に)しゃべる。アメリカではいわゆる "geek" や "nerd" と表現されるそんな人間性は、学生時代の自分にも少なからず似たような部分があったので、むしろ共感すら覚えました(笑。

ただ、この映画自体はザッカーバーグの人間性や肝心の Facebook の中身について直接言及されることはほとんどなく、Facebook 誕生からビジネスとしての規模拡大の流れと、それによって生まれる人間関係の亀裂を「半ばフィクションとして」映像化した作品に過ぎませんでした。言ってみれば、Facebook を題材としてはいるが、Facebook の映画ではないと言っても良いかもしれません。観終わった後の感想も、「ザッカーバーグすげえ」でも「Facebook 面白そう」でもなく、「シリコンバレーってなんかすごいけど、ちょっと怖い」というのが最も近いかも。つまり、そういう映画です。
でも、それもこの映画の製作背景を知って納得しました。この映画自体はザッカーバーグ本人には取材を拒否され、Facebook の共同創設者兼 CFO であり後にザッカーバーグを提訴するエドゥアルド・サベリンをはじめとした関係者への取材から成り立っているとのこと。映画自体が主に関係者の視点で描かれ、主役であるはずのザッカーバーグ本人が何を考えているのかがイマイチ分からないことは、作品に群像劇的性格を与え、なおかつ主役に対する解釈の幅を許容するという意味で、確かに作品としての面白さに繋がってはいると思います。ただ、これを映画という形で映像化する必要があったかどうかは疑問(笑。まあ、日本と違って米国では、映画というメディアをいわゆる「映画」だけでなく、ドキュメンタリー作品などを中心としてテレビ代わりの媒体として利用する文化があるので、本作もそういう位置づけなのかもしれませんが。

個人的には、この映画を観たことで逆にザッカーバーグと Facebook について消化不良気味になってしまったので(´д`)、やや今さらではあるけど本人への取材に基づいて書かれたというドキュメンタリー書籍のほうをちょっと読みたくなりました。

デビッド・カークパトリック / フェイスブック 若き天才の野望 5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた

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そういえば、この映画に出ていた Napster の創業者であり Facebook の出資者であるショーン・パーカー役、どこかで見た顔だと思ったらシンガーのジャスティン・ティンバーレイクじゃないか(笑。俳優もやってたのね・・・。

投稿者 B : 00:26 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック