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2018/04/20 (Fri.)

機動戦士ガンダム NT

「機動戦士ガンダム NT(ナラティブ)」11月劇場公開。ユニコーンの続編 - AV Watch

サンライズがガンダムシリーズの最新作として『機動戦士ガンダム NT』を発表しました。お台場ユニコーン立像完成の際に予告されていた「ガンダム UC の新プロジェクト」とはこれのことでしたか。
原作は『UC』と同じく福井晴敏氏。タイトルにもある「NT」が文字通りの「ナラティブ(物語)」と「ニュータイプ」のダブルミーニングになっているのは、「ユニコーン」と「宇宙世紀」をかけた「UC」と同じパターンでいかにも福井節。
そして登場するモビルスーツはユニコーンガンダム 3 号機《フェネクス》。これまでは旧ガンダムフロント東京での映像上映とスピンオフ小説、それにプラモのみで展開されてきた機体が改めて公式に映像化されることになります。

機動戦士ガンダム NT(ナラティブ)

現時点で公表されている情報を見る限り、基本的な設定とプロットは小説『不死鳥狩り』をベースとするようです。しかし主人公ヨナ・バシュタが搭乗する MS がジェガンではなく「ナラティブガンダム」になっていたり、敵 MS(?)として「シナンジュ・スタイン」が登場することになっていたり、いろいろと変更点も。つかスタインって連邦軍からの強奪後に外装を変更されて「シナンジュ」としてフル・フロンタルの乗機になったんじゃなかったっけ?そして『UC』のラストで崩壊したんじゃなかったっけ?とか謎は尽きません。またキャラクターデザインがあの微妙だった『Twilight AXIS』と同じ人、というところにも一抹の不安を感じます。とはいえ、『UC』を手がけたサンライズ第 1 スタジオが手がける『UC』の続編というだけで多大な期待をしたくなるじゃないですか。

『UC』のラストでユニコーンガンダムが光の結晶体となり、バナージがユニコーンと一体化したくだりは抽象的な表現でぼかされていて、原作小説を読んでいなければ理解しにくい部分がありました。今回のフェネクスにまつわる物語でもそれと似たような設定が出てくるはずですが、今度はどのように映像化されるのか。もしかすると『NT』を観ることで『UC』の理解が深まるものになるのではないでしょうか。音楽は再び澤野弘之氏が手がけるというし、とても楽しみです。

そして『NT』と同時に発表されたのが、その後さらに『閃光のハサウェイ』の映画化と『UC2(仮称)』の製作予告。『NT』はおそらく単発の劇場版アニメ、『閃ハサ』は三部作になるようですが、『UC2』は海外ドラマ方式(?)とのこと。テレビシリーズを複数シーズンに分けて展開するのではとも言われているようですが、あれだけの大風呂敷を広げて畳んだ後だけに、『UC』のキャラクターを使い回して新しい物語を作るのは蛇足にもなりそうでちょっと怖い。しかもその後の『F91』の時間軸では連邦は再び腐敗、アナハイムは没落していることになるわけで、設定の整合性を取りながら面白くまとめるのが難しいところでもあります。『UC2』でバナージが『Ζ』でのアムロみたいに不貞腐れて出てきたりしたらやだなあ(´д`)...。
『閃ハサ』の映像化はある意味願ったり叶ったりだけど、ストーリー的にこれまた難しいところ。小説は際どい表現も多いしラストがアレなので、『UC2』への繋ぎも考慮してプロットにはけっこう手が加えられるんじゃないでしょうか。とりあえず Ξ ガンダムとグスタフ・カールの MG 化はよ(ぉ

そういえば『THE ORIGIN』がルウム編をもって完結という話の続きが今回はありませんでした。やはり関係者の高齢化や健康問題からそのままの体制で続編を作るのが難しいため、今後のガンダムは『UC』を軸にやっていく(お台場の立像も建て替えたことだし)ということでしょうか。それはそれで寂しい気もしつつ、まずは GW 公開の『THE ORIGIN VI』と秋の『NT』を楽しみに待ちたいと思います。

福井晴敏 / 機動戦士ガンダム UC (11) 不死鳥狩り

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投稿者 B : 23:04 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/30 (Fri.)

ウィンストン・チャーチル @ TOHO シネマズ日比谷

日本では映画の内容そのものよりも特殊メイクを担当した辻一弘氏がアカデミー賞を受賞したことのほうで話題の映画ですが、個人的にはゲイリー・オールドマンの芝居が見たくて観に行ってきました。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

DARKEST HOUR

第二次世界大戦下で英国の首相に就き、ドイツに対する反攻作戦を主導したことでイギリスの英雄となったウィンストン・チャーチル。この映画はチャーチルの首相就任から第二次世界大戦序盤までのチャーチルの動きと人物像について描いています。物語の後半はフランス・ダンケルクにおける英陸軍の撤退戦を政府の視点から描いており、ある意味で半年前に映画化された『ダンケルク』と対をなすような作品になっています。

ゲイリー・オールドマンは本当に変幻自在な俳優だと思っていましたが、この映画におけるゲイリー・オールドマンは今まで以上にすごい。特殊メイクの効果もありますが、本人の芝居によって立ち居振る舞いまで教科書や当時の映像で見たことのあるあのチャーチルそのものに見える。よーく見ると目のあたりが確かにゲイリー・オールドマンなんですが、それ以外は完全にチャーチルを演じきっていて、ストーリーに引き込まれるとこれがゲイリー・オールドマンであることを忘れてしまいます。キャラクターの押しの強さ、アジテーションの巧みさ、それから時折見せるお茶目な人物像まで含め「ウィンストン・チャーチル」という人間の魅力を余すところなく見せてくれています。

物語の中で幾度となくチャーチルと対峙する当時の英国王ジョージ 6 世を演じるのが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でクレニック長官を演じていたベン・メンデルソーン。いい俳優さんだと思うんですが、『ローグ・ワン』を劇場から BD まで合計 7~8 回は観た私にとっては国王というより小物の悪役感が強すぎて(笑)、そこはちょっと惜しかったかなあ。

映像的には影の使い方が印象的でした。戦争映画ということで彩度が低く暗めの映像が続きますが、その中でも陰影を駆使して英国やチャーチルの置かれた状況や心境を表現しているようで、力強さのある映像。戦争映画でありながら戦場の映像はほとんど出てきませんが、代わりに閣僚会議や議会のシーンはある意味戦場のようで、法廷劇にも似たケレン味を感じます。とはいえ二時間ずっと陰惨なわけではなく、適度にユーモアや皮肉が織り交ぜられていて、最後まで疲れずに堪能できました。期待以上に素晴らしい映画でした。

TOHO シネマズ日比谷

今回鑑賞したのはまさに昨日オープンしたばかりの TOHO シネマズ日比谷。新しくできた東京ミッドタウン日比谷内の施設で、先日閉館した日劇に代わって東宝の旗艦を務める劇場です。本当はソニーのハプティックベストを導入したという『マジジュマンジ』も体感してみたかったんですがチケットが取れなかったし『ジュマンジ』自体にあまり興味が湧かなかったので見送り。

TOHO シネマズ日比谷

シャンテ前のかつてゴジラ像があった辺りには新しくシン・ゴジラ像が出現していました。

TOHO シネマズ渋谷、作りとしては近年オープンしている日本橋や新宿と似たような感じではありますが、日比谷の街を見下ろすロケーションだけあって高級感とゆったり感がありますね。TCX やドルビーアトモス、IMAX といったフラッグシップ館らしい設備も一通り揃っていて、いい映像・音響で楽しみたいときには積極的に利用したいところ。駅からのアクセスも良いし、銀座や有楽町での買い物のついでにも寄れるし、ちょくちょく来ようと思います。

投稿者 B : 22:22 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/29 (Thu.)

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』完結へ

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』アニメプロジェクト、5月5日(土)上映「誕生 赤い彗星」で完結!! / 山崎まさよし主題歌PV解禁!! | V-STORAGE

ゴールデンウィークの劇場公開まであと一ヶ月あまりと迫り、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI』の続報が発表されました。そこで明らかにされたのは、まさかの『THE ORIGIN』アニメ化プロジェクトが今回で完結となるという事実。
これまでのシリーズの舞台挨拶等を通じて、安彦総監督をはじめとしたキャストが口々に「皆さんの応援次第で一年戦争編のアニメ化が決まる」と訴えてきて、もはや既定路線かと思われていた一年戦争編の発表を前にまさかの完結宣言。文字通りに受け取れば、このルウム編が『THE ORIGIN』アニメ化のラストになることになります。まあ、一年戦争編は 1979 年のオリジナルアニメ(およびその劇場版)が既に存在するわけですが、みんなが期待していたのは現代の映像技術をふまえ、安彦先生の漫画版の要素をも踏まえてアップデートされたファーストガンダムなわけで、それが実現しないとするならばあまりにも淋しい。

ちょっと調べてみたところ、『THE ORIGIN』の BD/DVD の売上はアニメ作品の中ではかなり多い方とはいえ、『UC』に比べると大きく落ち込んでいるようで。まあ『UC』とは時代も違ってネット配信が普及したことは無視できませんが、ここにきてのプロジェクト終了の背景としては考えられなくはない要素です。
しかし、個人的に直接の理由と考えているのは、安彦総監督もしくは池田秀一氏の健康に問題があり、現在の体制のまま『THE ORIGIN』の制作を続けることが難しくなったのではないか?ということ。昨年の『V』の舞台挨拶での池田さんがあまりお元気そうに見えなかったことがとても気になっていました。安彦総監督・古谷徹氏・池田秀一氏というピースが揃っていないファーストガンダムは少なくとも『THE ORIGIN』とは言えないと思うし、仮にキャストを代えた形での一年戦争編のリメイクがあるとしても『THE ORIGIN』以外のタイトルがつくのではないか?とみています。ただ『機動戦士ガンダム 一年戦争』も『機動戦士ガンダム 0079』にしても、既にゲームで使われているタイトルなんですよね...。

来年はガンダム 40 周年の節目の年でもあるし、一年戦争編のリメイクは何らかの形で実現されるんだろうとは思っています。それがどういう形になるかは、『THE ORIGIN VI』の公開初日に明らかにされるんでしょうか。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星 [Blu-ray]

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投稿者 B : 22:24 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/20 (Tue.)

15 時 17 分、パリ行き @チネチッタ

期待していたクリント・イーストウッド監督の最新作を観に行く時間を、ようやく取ることができました。

15 時 17 分、パリ行き

15 時 17 分、パリ行き

イーストウッド作品といえば近年はすっかりドキュメンタリー映画の印象が強くなっていますが、本作も実話に基づいた映画化です。今回は 2015 年にフランスで発生したタリス銃乱射事件が題材。ここ数年のフランスはテロが頻発しすぎていて、その中で被害が小さく抑えられたこの事件は個人的にあまり印象に残っていないんですが、「どのようにして被害が抑えられたのか」に関するドキュメンタリーになっており、私はようやくこの事件の概要について理解することができました。

クリント・イーストウッドのノンフィクションは「極限状態に置かれたとき、人はどう動くのか」を描いた、重い作品が数多くあります。今回もテロ事件が題材ということでかなり重たそう、もうちょっと精神的に元気なときでないと辛いかもなあ...という覚悟を持って座席に着いたのですが、その覚悟はいい意味で裏切られました。
なんたって、肝心の事件そのものについて描かれたシーンが本当に終盤にしか出てこない(断片的には所々に挟み込まれてはいますが)。それよりも、この事件から多くの乗客を救った三人の英雄がどのように成長し勇気ある行動をするに至ったのか、についてかなりの尺をとって描写されています。だって映画の半分はゴツいアメリカ人男性三人がセルフィー撮りながら緩くヨーロッパ旅行してるシーンですよ(笑)。かわいすぎるだろ。私はプレイしてないけど FF15 の面白さもこういう部分だったのかもなあ、と思いながら観ていました。

ストーリーは三人の若者の中でも「戦場で人を救いたい」という想いで空軍のパラレスキューを目指すスペンサー・ストーンの成長を軸に描かれます。これがまた、人は努力さえすればなりたいものの近くまでは何とか行けるけど、その夢をストレートに叶えられるかどうかはまた別、という現実に直面させられる話。でもその結果の寄り道は必ずしも無駄ではなくて、後から振り返ってみれば必要な経験だったし、それがあったからこそ本当の意味で夢を叶えられるんだ、という話でもあります。人生において夢のど真ん中を掴むのって本当に難しい...と何度も経験してきた私としては、寄り道が無駄ではないというのも含めて身につまされる話だったし、まだまだ諦めちゃいけないのかもなあ、と思わされました。テロに関するノンフィクション映画を観に来たはずなのに、そんな人生観を見せつけられることになるとは思わなかった。

物語のエピローグ(三人がフランス政府から勲章を贈られるシーン)で急に画質が粗くなったな、ドキュメンタリー感を出すためにわざと解像度を落としているのか...?と思ったら、なんとこれ実際の叙勲時の映像じゃないですか!!つまり、主役三人(+α)はこの事件に関わった本人が出演しているということ。事前情報を仕入れずに観に行っていたので、これには驚いた。そりゃあ三人のヨーロッパ旅行シーンの演技がナチュラルだし、妙に仲が良い雰囲気が再現できているわけだ。本職の俳優にも見劣りしない演技には度肝を抜かれました。
旅行シーンあたりはイーストウッド作品っぽくない独特の空気感がありましたが、全体を通してみるといかにもイーストウッドらしいドキュメンタリー。重くなりすぎずにジワリと来る、良い映画でした。

ちなみにチネチッタでは LIVE ZOUND 以外のシアターを久しぶりに利用しました。そしたらどうやら先週から劇場のシステムがいろいろと変わったらしく、新しく会員カード制が開始され、予約席のキャンセルにも対応したとのこと。

チネチッタ | CINE CLUB(チネクラブ)

立川シネマシティのフォロワー的な施策ではありますが、独立系シネコンとしてリピーターを作ろうという試みは歓迎すべきものです。LIVE ZOUND 以外の設備はちょっと古さが出てきたこともあって私は近年チネチッタを敬遠気味でしたが、この調子でサービス拡充してくれるようならもっと積極的に利用しようかと思います。

投稿者 B : 23:57 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/17 (Sat.)

ガールズ&パンツァー 総集編 [Blu-ray]

極上爆音上映のために観始めた『ガルパン』、なんだかんだでハマってしまいました。あの戦車戦をもう一度ホームシアター環境で観たいと思っていたらテレビ版の総集編 BD が発売されたので、買ってみました。本当は発売日に届いてたんですが時間がなくてまだちょびっとしか観れていません。

ガールズ&パンツァー 第 63 回戦車道全国高校生大会 総集編 [Blu-ray]

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もはやジャケット画像で結末が盛大にネタバレしてしまっています(ぉ。

テレビアニメ全 12 話と OVA『これが本当のアンツィオ戦です!』を約二時間のダイジェストにまとめた Blu-ray。さすがに BD 全巻を集める気はないけど戦車戦シーンは繰り返し観たい、という私のニーズにちょうどいい企画でした。
状況説明をナレーションに任せることで日常パートを大胆にカットし、戦車戦を軸として再編集されています。戦車戦の映像と音響を楽しみたい自分には嬉しい構成ですが、再編集版を改めて観てみると、テレビ版の日常パートと戦車戦パートの緩急のつけ方が秀逸だったことが改めて分かるし、初見ならばこのダイジェスト版よりもテレビ版を最初から観るべきだと気づかされます。登場人物が多いのに全員ちゃんとキャラが立っているのは、あの日常パートがあったからこそなんだなあ。

私がこの総集編を買ったのは安い(ストーリー的にはテレビ版全編収録にも関わらず実売 3,000 円前後)こともあるんですが、テレビ版の BD の音声が DTS-HD Master Audio 2.1ch だったのに対してこの総集編は DTS-HD Master Audio 5.1ch。極上爆音上映の例を挙げるまでもなくガルパンは戦車戦の「音」が演出上重要な役割を果たしている作品だけに、四方から回り込んでくる砲弾や履帯の音を堪能できることが重要なのです。まあ、収録されている音声のダイナミックレンジが広すぎて、台詞を聴き取ろうとしてボリュームを上げると戦闘シーンの爆音に心臓が止まる思いをするわけですが(;´Д`)、そういうのも含めてオーディオ調整の楽しみすら与えてくれます。

実は勢い余って劇場版の BD まで買ってしまったので(笑)、時間を見つけてこれらを堪能するためのオーディオ環境の見直しをしてみようかと。

投稿者 B : 23:30 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/09 (Fri.)

ブレードランナー 2049 [Blu-ray]

近年、上映からパッケージメディア化&配信までのサイクルが短すぎて、とりあえず予約注文したのを忘れて気づいたら届いていることが少なくないのですが(汗、これも自宅に届いたことで発売されたことに気がつきました。

ブレードランナー 2049 4K ULTRA HD&ブルーレイセット

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『ブレードランナー 2049』です。とりあえず将来を見越して UHD BD&BD セットを購入。三時間近い大作を観る気力が今ないので、まだ断片的にしか観ていませんが。

劇場で鑑賞したときにも思いましたが、これ、評価が難しい(分かれる)作品ですよね。前作のファンとして言えば「ブレードランナーらしい」作風だという納得感はあるけど、続編としてこれは認めないというファンもいるだろうし、現代の SF アクション映画としてみるとテンポが良くなく決して万人受けするものではないよなあ...という。

結局『ブレードランナー』も『2049』も、SF 映画の皮を被った哲学映画なんだと思うんですよ。でも両者は、リドリー・スコットが『ブレードランナー』を原作の哲学っぽさを巧妙に残しつつハードボイルド・アクションとして簡略化したのに対して、『2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴはアクション映画のフリをした哲学を描いた、という点で対照的だ思います。だから『2049』は丁寧に、ときに冗長にいろんなシーンやエピソードを描いてそれを表現しようとしたんじゃないかと。例えば AI ホログラム「ジョイ」周りのエピソードは本編と直接絡みが少ないからカットしても成立しそうだけど、主人公 K の「人間らしさ」という物語の核を膨らませていくのには必要不可欠だったのでしょう。
また『ブレードランナー』では人間(と少なくとも自分では思っている)の視点からレプリカントに感情移入できるか?という描き方だったのに対して、『2049』ではレプリカント(であることを自覚している)が人間らしさを求め続けたことで、感情(さらには生殖能力すら)をもったレプリカントと人間を区別することはできるのか?というテーマを扱っています。そういう意味では一作目よりも『2049』のほうが原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』に近い本質を備えていると言えます。まさに哲学の映画なんだよなあ。

また本シリーズの最大の謎である「デッカードはレプリカントなのか?」という問いに対しては、今回も明確な答えを出していません。肉体が老化していることでデッカードはレプリではなく人間だとも思えるし、放射線に汚染されたラスベガスで長年生活している事実をもってレプリであるとも言える。『2049』を観るまで私は「デッカードはレプリ」派だったのですが、本作を観たことで「人間かレプリかなんて別に重要な問題じゃないじゃないか」と考えるようになりました(笑。

そういうのも含め、『2049』を観たらオリジナルをもう一度観たくなるし、やっぱりシリーズのファン向けにはよくできた作品だと思います。ただ二作通しで観ると五時間かかるんだよなあ(;´Д`)。

投稿者 B : 20:49 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/01 (Thu.)

『孤独のグルメ Season7』放送決定

4 月から『孤独のグルメ Season7』のドラマが放送されることが発表されました。

マジか!全然その予想はしてませんでした。だって松重さん今クールも『アンナチュラル』『バイプレイヤーズ』とドラマ二本を掛け持ちしてるのに、そのままこどグルの撮影に突入しちゃってるのか...。
Season6 が終わるときに、もうお店の撮影許可を取るのも難儀しているらしいし、そろそろレギュラードラマとしてはこれで終わりでお盆と正月のスペシャルドラマとしてたまに放送するような形になるのかもなあ、と思っていましたが、今や看板番組の一つになったこどグルをテレ東が手放すことはなかった、ということのようです(笑。

孤独のグルメ

新シーズンは初心に返って「世間にはあまり広く知られていない町での素晴らしいグルメとの出会いから始ま」るとのことですが、どんな感じになるんでしょうか。Season1 の第一話も渋い店だったけど門前仲町ってけっこう知られた町だし、原作コミック第一話の山谷周辺とか、板橋の大山町とか、本当にそういうなんでもない町の食堂だったりすると『孤独のグルメ』っぽい。ドラマのほうは人気上昇に伴って Season3~5 くらいは「味はそうでもないけど面白い店」という本来のこどグル(漫画版)の路線から外れて本当においしい店しか取り上げられなくなっていたきらいがありましたが、Season6 では原作オマージュを多く取り入れたりして試行錯誤している気配がありました。Season7 では「良い意味でのマンネリ」を続けながらどのように新機軸を打ち出してくるのか、楽しみではあります。

孤独のグルメ

Season7 の宣材写真を見る限り、序盤のお店としてメキシコ料理のお店が登場するようです。Season6 のテーマ曲もラテン系だったけど、今度もサルサだったりするんでしょうか。
とりあえず、ロケ地はこのメキシコ料理じゃないほうのお店を一軒特定したので、放送前に行ってくるかどうか考え中。だいぶ遠いんですよね(´д`)...。

ともかく、予想外のタイミングで発表された Season7、楽しみです。
敬虔な巡礼者たる私としては、まだ大晦日スペシャルの巡礼にも行けていないのに新シーズンが始まってしまうのはある種嬉しい悲鳴でもありつつ、悩ましい(´д`)。

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

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■関連リンク
【Season6巡礼完了】『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~6&原作 - NAVER まとめ

投稿者 B : 00:12 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/02/23 (Fri.)

グレイテスト・ショーマン [LIVE ZOUND] @チネチッタ

楽しみにしていた映画を観に行ってきました。

グレイテスト・ショーマン

グレイテスト・ショーマン

レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマンが主演し、『ラ・ラ・ランド』のスタッフが手がけたミュージカル映画と聞けば期待するなというほうが無理というもの。どちらもこの十年で観たミュージカル映画で私的ベストを争う名作です。

ストーリーとしては、実在したアメリカの興行師 P.T. バーナムの伝記物。低い身分からサーカス興行を起業して成功した人物のサクセスストーリーという側面を持っています。またしてもヒュー・ジャックマンが若い頃(少年時代は別の俳優さんが演じているけど)にパンを盗むシーンがあってヒヤリとさせられますが、今回はラッセル・クロウにストーキングされたりはしません(ぉ。
映画的にはオープニングからハイテンションな音楽とダンスでたたみ掛けてきて、映画館ではこういう音と映像の洪水に飲まれたい私としてはその瞬間から狂喜するわけです。

この映画は楽曲が本当に素晴らしい。オープニングを飾る『The Greatest Show』、実質的な主題曲と言える『This Is Me』はもちろんのこと、バーでバーナムとカーライルがパートナーシップを巡る駆け引きをするシーンや、オペラ歌手ジェニー・リンドのステージにも鳥肌が立ちました。上映中、何度スタンディング・オベイションをしたくなったか分かりません。

一方で脚本に関しては、バーナムの心境の変化、差別や偏見、バーナムとサーカスのメンバーとの間にあった信頼と確執、親子と家族...など切り口ごとに別の作品ができそうなほどたくさんのテーマを扱った作品でありながら、それらについてあまり深く掘り下げることなく話が進んでいくのが少し気持ち悪くもありました。差別や偏見ではなく多様性と自己肯定の話として観れば、とにかくテンションの高い歌曲群に押されて「自分ももっと自信持っていいんだ!」と思えそうですが、立場が違えばそういう感想は持てないような気もします。
ともあれ、本作は様々なテーマを内包しながらも、基本的には音楽を中心としたエンタテインメント・ミュージカルとして作られていて、あまり深く考えずにこの音と映像に浸るのが良いと思います。音楽だけでなく、ミュージカルシーンでは映像の演出も素晴らしい。

グレイテスト・ショーマン

今回鑑賞したのはチネチッタ。せっかくのミュージカル映画だから LIVE ZOUND で観たかった。LIVE ZOUND はちょっと低音偏重すぎて作品によっては違和感があるものの、この作品ではビートの効いた楽曲が多かったこともあってとても楽しめました。本作は音の良い映画館で観ないと損だと思います。
ちなみにシアターの入口付近にバーナムのステージ衣装が展示されていて、配給会社から支給された販促品なのかと思ったら「チネチッタスタッフの手作りです」と書いてあって和みました(笑。大手系シネコンの影響力がどんどん強まっている昨今、独立系シネコンは独自の音響システムだったりこういうスタッフとの距離感みたいなもので生き残っていくしかないということなんでしょう。

いいミュージカル映画でした。機会があればリピートしたいくらいだし、とりあえずサントラは買おう。

グレイテスト・ショーマン (サウンドトラック)

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投稿者 B : 23:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/02/11 (Sun.)

劇場版マクロス Δ 激情のワルキューレ @TOHO シネマズ川崎

『マクロス Δ』の劇場版を観に行ってきました。

劇場版マクロス Δ 激情のワルキューレ

劇場版マクロス Δ 激情のワルキューレ

サブタイトルは『激情のワルキューレ』。劇場版だから激情、って駄洒落もいいところですが(笑)、このサブタイトルのとおり主役はハヤテ・インメルマンではなくワルキューレだったと言って良いでしょう。まあ、テレビ版の頃から BD/DVD の売上はさほど振るわなかったけどワルキューレの楽曲やライヴチケットは売れていたと聞くので、こういう展開になった理由は肯けます。

ストーリーはマクロスシリーズにおける劇場版の例に漏れず、テレビ版を再構成したもの。しかし前作である劇場版マクロス F が内容を大きく改変したリメイクだったのに比べると、今回はストーリー自体は変えずに物語の構成を大胆にいじることで、同じ物語でも見え方が変わっていました。テレビ版は、前半こそいい感じに盛り上がったものの、後半、特に最終話でガックリ来てしまい、なんだか残念なアニメだったな...という印象を受けたものですが、劇場版では最後に向けてちゃんと盛り上げてしっかり締められていました。テレビ版で一番良かったくだりをそこに持ってくるかー、という驚きはありましたが、これはあくまで尺の短い劇場版向けに圧縮したからこそ成り立った手法であって、逆に放送期間の長いテレビ版ではこの構成は取れなかったでしょう。
そんな感じで 2 クール分のアニメ作品を 2 時間に収めてあるので、時系列は組み変わっているし、いろいろ省略もされています。特にテレビ版の放送時にキーワードとされていた三角関係要素はほとんどないし、ミラージュは戦闘シーンでの見せ場こそあったもののジーナス家出身という設定はほとんど活かせていないし、かなり割り切られています。ボリューム的には F 同様に前後編二部作になってもおかしくないのをここまで圧縮したのは、相当限られた予算の中で映画化する必要があったからではないか、とパンフレットを読んで感じました。

どれくらい割り切っているかというと本作の戦争の原因(ウィンダミアが新統合政府に対して宣戦布告した理由)が曖昧なままだし、本来の主人公だったハヤテも存在感が薄い。映画というよりもストーリーつきのライヴ映像という感覚で、この映画自体がワルキューレのステージパフォーマンスを軸に、それ以外の要素は PV として破綻しない程度に取捨選択して組み立てられたのでは?と思えるくらい大胆な作り。映像と音の濃さだけで言えば濃縮果汁を還元せずそのまま飲んでいるような感覚(笑。それでも終幕後の後味がテレビ版よりも全然スッキリしているんだから、あのテレビ版の脚本は何だったんだと言いたくもなります(ぉ

そんなワルキューレのステージの中でも圧巻は、制作費の大半を賭けたのではないかと思える序盤のライヴシーン。新曲『チェンジ!!!!!』を全編フル CG で映像化していて、テレビ版では絶対にできなかった劇場版ならではの映像表現に圧倒されました。これが観れただけでも映画館まで足を運んだ甲斐があったというものです。三曲あった劇場版向けの新曲はどれも効果的に使われていて、良いところで盛り上げてくれました。
メカ的にもサプライズが三つほどあったし、2 時間という尺の中ではかなりお腹いっぱい感のある映像と音で満足感高し。特に音響面では映画館のサラウンドでもライヴハウスのような音が出るように調整してあって驚きました。これは音の良い映画館で観るべき映画だと思います。不満があるとすれば、やっぱりクライマックスは『F』のラストのようにメドレーでたたみ掛けてきてほしかったということくらいでしょうか。
本当はこういう映画こそシネマシティの極爆上映やチネチッタの LIVE ZOUND で観たいところだけど、上映館がほぼ東宝系に限られてしまっているのが残念。まあ、前述の通り普通の劇場音響でも十分雰囲気は出ていますが...。

そういえばパンフレットでいろんな人が「今後の展開は今回の反響次第」と言っているのが気になりました。現場としては続編をやりたいけど、やれるかどうかは映画の興収と BD/DVD(あとスマホゲーム)の売上次第というところなのでしょう。最近ではガンダム THE ORIGIN でも関係者がよくそんなことを言っていますし、世知辛い世の中ではあります。好きなコンテンツが継続して作られるためにはファンは積極的に課金するしかないということですが、この濃密な音と映像の体験は繰り返し味わう価値がある。上映期間中にもう一度くらい観に行ってもいいかも、と思っています。

投稿者 B : 23:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/02/02 (Fri.)

祈りの幕が下りる時 @TOHO シネマズ新宿

まさか続編が作られるとは思っていなかった作品の最新作にして最終作を観に行ってきました。

祈りの幕が下りる時

祈りの幕が下りる時

聖地的には TOHO シネマズ日本橋で観たかったんですが、スケジュールの都合で新宿にて鑑賞。

前作は 6 年前の『麒麟の翼』ですよ。その後も東野圭吾作品のドラマ化や映画化は続いていましたが、まさかこのシリーズの続編が作られるとは。テレビドラマ版からすればもう 8 年も経っているわけで、もはや「新参者」とは言えないですよね(笑

物語の構造的には、

  • 一見無関係と思われる複数の事件が実は複雑に絡み合っている
  • 親子の絆(特に、親から子への無償の愛)がテーマ
  • 日本橋~人形町界隈の名所や名物が物語の鍵を握っている
というこのシリーズの作りを踏襲しています。繋がりの薄そうな複数の事件が、いくつかの物証や状況証拠をキーに少しずつ繋がっていくストーリーは本当に引き込まれます。特に今回は日本橋エリアに閉じず、宮城・滋賀・石川にまでおよぶロケが行われていることがさらにスケールを大きくしています。特に宮城ロケは仙台・女川など震災をふまえた内容になっていて、現地をこの目で見てきた身としては、心にくるものがありました。

それだけならばまあいつもの加賀恭一郎シリーズなわけですが、本作がいつもと違うのは、事件に加賀恭一郎自身の過去(というか、加賀の蒸発した母親の過去)が密接に絡んでくるところ。旧作でも事件の被害者や容疑者と対比させる形で加賀恭一郎と父親の関係性を表現するくだりはありましたが、本作では加賀の母親の過去そのものが事件に関連しています。だからいつも冷静沈着な加賀も、今回ばかりは複雑な心境で捜査するわけですが、それが映像にいつも以上の緊張感を生んでいます。

ラストは何とも救われないけど、カタルシスのある終わり方。事件の中心人物たる二人の関係性や過去は『白夜行』のような壮絶さを持っており、東野圭吾作品らしいな...と感じました。終盤はあまりにも重くて、スクリーンを正視するのが辛かった。

本作を以て「新参者」シリーズ(および原作の加賀恭一郎シリーズ)は完結となるそうですが、本作自体がまさかの新作だったとはいえ、もう続編が作られないとなるとそれはそれで寂しい(笑。私は東野圭吾作品はいくつか読んでいますが、加賀恭一郎シリーズは未読なので、この際原作に手を出してみようかなあ。ただ東野圭吾は電子書籍否定派で電子化されていないから、手を出しづらいんですよね...。

東野圭吾 / 祈りの幕が下りる時

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投稿者 B : 22:22 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック