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2014/12/15 (Mon.)

楽園追放 -Expelled from Paradise- [Blu-ray]

いやマジで、円盤の発売にこんなに振り回されたのは久しぶりですよ。

楽園追放 -Expelled from Paradise- 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

楽園追放 -Expelled from Paradise-

ええ、発売日に Amazon から konozama されたクチですが何か(´д`)。

発売日 1 週間前になって Amazon から「お届け予定日:12/14-16」というメールが届いて焦り、これは前日にヨドバシに行ってフラゲするしかないか...と思って退社後にヨドバシ川崎に行ってみたら、発売前日にもかかわらず完売!発売前日に完売なんて前代未聞だろう、と駅向こうのビックカメラに行っても跡形もなく。そしてなぜか仕事上がりのクマデジさんと川崎駅周辺の販売店を手分けして探したものの、結局どこでも手に入らず(その節はありがとうございました)。

最終的にそのまま Amazon からの発送を待つことにしたら、予定日よりも早く(ただし発売日は過ぎて)12/12(金)に自宅に届きました。が、週末はなんだかんだ忙しくて観る時間が取れず、今ようやくざっと流し観たところです。

楽園追放 -Expelled from Paradise-

買ったのはもちろん完全生産限定版。同梱物は、主題歌『EONIAN』の英語版を含むサウンドトラック CD、虚淵玄によるシナリオ決定稿冊子、そして劇場販売のパンフレット縮刷版の三種。パンフレットは劇場でも売り切れ続出で私も買えていなかったので、実質パンフの価格分=通常版と完全生産限定版の差額になっていることを考えれば、悪くない買い物かと。

楽園追放 -Expelled from Paradise-

パンフレットは 72P(表紙含む)という大作で、これはもう映画のパンフというよりちょっとしたムックと呼べるレベル。監督やキャストへのインタビュー、設定画集はもちろんのこと、3D 作画系のスタッフにまでしっかりとインタビューを取っており、かなり読み応えのある内容になっています。単なる鑑賞記念にとどまらず、これは劇場で売り切れるのも理解できます。

楽園追放 -Expelled from Paradise-

3DCG のキャラクターにまるで手描きアニメのような表情を与えたフェイス UI の解説まであって、これだけでもパンフを読む価値があるというもの。
ちなみに BD の特典映像には約 30 分におよぶメイキング映像も収録されています。これがパンフレットよりもさらに深掘りした内容になっており、とても面白い。通常、メイキングというと苦労話とか浪花節っぽい内容になりがちですが、徹底してこの作品における表現の意図とその実現手法にフォーカスしていて、アニメーション製作技術という側面から本作の理解を助けてくれます。

そういうのも踏まえ改めて本編を BD で鑑賞すると、初見時には気づかなかったいろいろな発見があってさらに楽しめますね。ディーヴァとリアルワールドの風景の描写の違いとか、キャラクターの細かい動きに込められた意図とか。この作品はやっぱり BD で繰り返し味わうのに向いている作品だと思います。が同時に、BD で細かい部分が見えてくると、改めて劇場の大画面でもう一度鑑賞したくもなってきます。劇場公開中に BD が発売されると、そういう楽しみ方ができるというのは新しいかも。上映が続いているうちに、もう一度くらい観に行きたくなってきました。

楽園追放 -Expelled from Paradise- 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

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投稿者 B : 23:47 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/12/13 (Sat.)

ホビット 決戦のゆくえ @TOHO シネマズ日本橋

ホビット 決戦のゆくえ

ホビット 決戦のゆくえ

本日封切りのところ、さっそく観に行ってきました。劇場は最近お気に入りの日本橋、当然 TCX&ドルビーアトモスによる 3D 字幕版にて。

二作目のラストがものすごくいいところで終わってしまったので、今作は前置き的なものも何もなく、いきなりその続きから始まります。
火竜スマウグとの戦いがかなり盛り上がるんだろうなと思っていましたが、確かに盛り上がったものの、思ったよりもあっさり。二作目であれだけ引っ張ったのならスマウグをもう少し見せてくれても良かったのに、と思います。ただ、むしろその後の展開のほうが密度が濃く、全体を通した「お腹いっぱい感」は十分。三部作の完結編だけのことはありますね。

結局最後まで主要キャラがほとんど死ななかった LOTR とは違い、今作では辛いシーンがかなり多い。しかも重要なキャラが死んでいったりするので、最後までハラハラドキドキ、観ていて肩が凝ったほどです。まあ、この後に LOTR が続くわけで、少なくとも LOTR に出てくるキャラは死なないと思える分には安心感がありますが...。

『決戦のゆくえ』のサブタイトルどおり、もう序盤からラストまでバトル続き。前二作にあったようなコメディシーンもほとんどなく、緊迫したシーンが続きます。
戦闘シーンは二作目とは違って『LOTR』シリーズらしい多対多の乱戦が中心。例によってトーリン無双、レゴラス無双、そして魔法使いなのに物理で殴りまくるガンダルフ無双(笑)です。そんなわけで映像も見慣れた雰囲気ですが、戦闘シーンに仕込まれたギミックが従来のシリーズのものより凝っていて、「えーそこからそうやって攻撃するの!」的な驚き...を超えて逆に笑ってしまうような場面も多々ありました。どういうことかというと、

あ...ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは 『戦国無双』をプレイしていたと思ったら いつのまにか『ワンダと巨像』をプレイしていた」
な...何を言っているのか わからねーと思うが おれも 何をされたのか わからなかった...
という感じ(ぉ。説明しても解らないと思うので、答えはぜひ劇場で(笑

画音質の話をすると、こういう広さのある舞台に多数のキャラクターが動き回る映像は TCX 向きだし、ドルビーアトモスも必要以上にサラウンドを意識させることなく、戦闘のその場に自分がいるかのような臨場感を自然に演出してくれていました。この映画こそ、TCX+ドルビーアトモスで観るべき、と言えるのではないでしょうか。これはそんじょそこらのホームシアターでは再現しきれないはずです。

2 時間半という長丁場でしたが、途中でだれることなく、疲れを感じることもなく走りきったような上映でした。観終わった後にどっと疲れを実感したのは、鑑賞中ずっと緊張していたからでしょう。
三部作の完結に相応しい仕上がりだと思います。ストーリーに詰め込みすぎ感がない分、LOTR よりもとっつきやすくはあるのかも。ただ、これを観たことでまた LOTR を最初から観返したくなりましたが、BD-BOX を最初から観ると 12 時間コースなんだよなあ(´д`)。

投稿者 B : 23:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/12/07 (Sun.)

EAMES FILMS: CHARLES & RAY EAMES

EAMES FILMS: チャールズ&レイ・イームズの映像世界 [DVD]

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「イームズ」といえば、インテリアデザイナー、特に椅子のデザイナーとしてあまりにも有名で、ちょっとお洒落なオフィスやショールームであればかなりの確率でイームズのチェアが置かれています。でも彼ら(夫婦で活動していたそうです)の活動は単なるインテリアデザインにとどまらず、グラフィックデザインや映画製作など、かなり多岐にわたっていた、ということを最近初めて知りました。この映像作品集の存在も最近まで知らなかったのですが、デザイン界隈の人にはかなり有名だそう。

中でも特にインパクトが強いのが「POWERS OF TEN」という、科学的な映像作品。

ピクニック場で昼寝をしている男性の俯瞰視点から、10 秒ごとに 10n メートルずつカメラが引いていき、次第に地球の大気圏を抜けて宇宙へ、そして銀河の外へ...と出ていきます。宇宙の果てまで到達したところで、今度は逆に 10 秒ごとに男性の肉体を 10-n メートルずつ拡大していき、人間の組織から細胞、そして原子サイズへと突入していきます。この宇宙は相似形の連鎖でできていることを、一目瞭然に見せてくれます。
ほんの 10 分にも満たない短編ではありますが、科学を映像化したという意味でも、映像の美しさという意味でも、どこか『2001 年宇宙の旅』序盤の無重力空間の表現を彷彿とさせます。SF 好きならばグッと来るのではないでしょうか。

個人的に印象深いのが、引きのシーンである時点までは星が止まって見えるのに、ある瞬間からはその星々が銀河という単位で認識できるようになり、宇宙は銀河の集まりでできている、と解ること。無限後退的な見方ではありますが、示唆に富んでいる見方でもあります。例えば物事を引いて見たときや中に入り込んで見たときに、ある深さまでは見え方があまり変わらないけど、ある閾値を越えると急にその物事を覆っている違う構造が見えてくる、というように。

この映像のオリジナル版が作られたのが、アポロ 11 号が月面に到達する前年の 1968 年。カラー版の製作は私が生まれたのと同じ 1977 年、という時間を考えると、映像表現としては確かに画期的。今でも多くの人に語り継がれる理由が分かる気がします。

投稿者 B : 22:57 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/12/04 (Thu.)

映画『寄生獣』 @TOHO シネマズ日本橋

映画『寄生獣』

寄生獣

TCX スクリーンにて鑑賞。

漫画『寄生獣』を読んだのは確か、大学時代に部室に単行本が一式置いてあったからじゃなかったかな。何気なく手に取ってみたら引き込まれ、一気に読まされてしまったのを覚えています。描写はグロいし展開はハードだけど、いろいろ考えさせられる哲学的な内容で、それまで読んできた漫画とは一線を画する作風が強く印象に残りました。
その『寄生獣』が映画化するというので...基本的にコミック原作の日本映画には否定派な私ですが、気になるわけです。で、平行して放送されているアニメ『寄生獣 セイの格率』のほうを試しに見てみたら、思っていたより全然悪くない。これなら、映画もそこまで悪くないだろうと思って、映画館に足を運んでみました。

映画は前後編の二部構成。後編は来年 4 月公開予定とのことです。前半は、パラサイトの登場から「島田事件」~広川登場まで。人間界にパラサイトの存在が公知となるまでが描かれており、後編では人類とパラサイトの全面対決が描かれることになるようです。
物語は前後編の 4 時間に収まるようかなり改変が加えられています。けっこうな数のキャラクターやエピソードが省略され、話の順序や設定まで含め大胆に再構成されているにもかかわらず、それほどひどい改悪という印象はなく、むしろうまく組み直してきたように思います。まさかアイツがアイツになる、なんて設定変更は予想していなかったので驚きましたが...。全体的に母性というか母子の関係性に焦点を当てた脚本になっていて、原作とは少し違うメッセージ性が込められています。

難点を挙げるとすれば、主役の三人かなあ。新一と里美の二人は現代風のキャラクターになっていて原作ほどの重みが感じられないし(逆に今の若者からは感情移入しやすいのかも)、何よりミギーの声が「ミギーらしくない」。阿部サダヲという俳優自体は個性的で好きなんですが、ミギーを演じるにはコミカルすぎで、感情が前面に出過ぎな印象。役回り自体が原作とは違ってマスコットキャラ寄りに位置づけられているようですが、もっと抑揚のない冷たい声で無感情に喋るほうが合っていると思います。そういう点では『セイの格率』の平野綾の声のほうがハマッていますね。

でも脇を固めている俳優陣は錚々たる顔ぶれだし、映像は全体的に重いし、戦闘シーンはかなり原作イメージ通りだし、『寄生獣』の実写映画化としては成功と言えるレベルだと思います。個人的には、ホラーは嫌いじゃないけどグロが苦手なので、漫画やアニメ以上に直視できないシーンがちょっと多かったですが...。

ここから後編はどういう展開になっていくのか。楽しみな反面、前編のテーマ改変具合からすると、もしかするとヒューマンドラマ寄りのオチにされてしまいそうなのがちょっと不安ではあります。必ずしもスッキリしない、深く考えさせられるラストになっていてくれるのを期待しています。

投稿者 B : 23:00 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/11/30 (Sun.)

楽園追放 -Expelled from Paradise- @新宿バルト 9

楽園追放 -Expelled from Paradise-

楽園追放 -Expelled from Paradise-

劇場公開されるまで完全にノーマークだった映画ですが、観て来た人たちが口を揃えて「面白かった!」と言っていたので、急に気になって観て来ました。

脚本は『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄、監督は『機動戦士ガンダム 00』の水島精二、という実力派によるタッグ。声の出演もメインどころが釘宮理恵、三木眞一郎、神谷浩史という現代を代表する声優陣が務めています。これだけ豪華なのに全然チェックしていませんでした...。

物語は未来の地球圏。人類は荒廃した地球を棄て、さらには肉体も棄てて精神をデータ化し、仮想世界「ディーヴァ」で生活していた。そこにある日「フロンティアセッター」を名乗るハッカーが不正アクセスを仕掛けてきた。フロンティアセッターは荒野となった地球からアクセスしてきていると思われ、ディーヴァの捜査官アンジェラ・ザルバックは培養された肉体マテリアル・ボディに精神データを移し、地球に降下する...。
ストーリーはいかにもな SF。『マトリックス』と『2001 年宇宙の旅』と『ガンダム 00』を混ぜ合わせたような世界観で、特に予備知識がなくとも物語に入り込め、また SF 好きのツボを突いてきます。ただ、序盤でいきなり予想される展開を裏切ってくるのが虚淵脚本。世界観と登場人物の説明的なくだりが終わり、ここからグリグリ動くロボットアクションが始まるのかと思った次の瞬間には、全く違う話が始まります。

この作品の技術的な見どころは、全編 3DCG によるセルルックアニメーションで製作されていること。最近ではアニメにセルルック CG が使われることがかなり増えており、動きの多いシーンなどではもはや手描きアニメを凌駕している部分もありますが、ほとんどの作品で 3DCG はあくまで手描きアニメの補完として使われるに留まっています。一部でフル CG のアニメ作品というのもありますが、アクションシーンならともかく普段の芝居のシーンでは逆に不自然さが出ていることも多く、全編セルルック CG ってどうよ...と思っていたのは事実。が、本作では芝居のシーンでもちょっとした仕草や顔の表情がちゃんとセルアニメ的に作り込まれていて、観ていて 3DCG であることを忘れそうになるほどです。ただ、あまりによく動くが故に、却って動きがカクついて見えるところもありましたが、それも途中から気にならなくなりました。これはもしかしたら、この作品が日本のアニメーション製作のターニングポイントになるのかもしれません。

楽園追放 -Expelled from Paradise-

話の展開は今までに何かの SF 映画やアニメ作品で見た覚えがあるようなものの組み合わせのような感じで新鮮味はありませんが、だからこそ安心して登場人物たちのドラマとクライマックスのアクションに集中することができるというものです。虚淵脚本なのに鬱展開への切り替わりがないのが最大の裏切り、かもしれません(笑。チョイ役の声優さんに至るまで超豪華で、カレーとハンバーグとエビフライがいっぺんに出てきたような、「こういうのが観たかったんだろ?んん?」と言われているようなあざとさはちょっと気になりましたが、2 時間足らずという短い時間でお腹いっぱいにしてくれるだけの密度をもった王道の SF 作品に仕上がっています。全体的にガンダム 00 風味ではありますが(笑。

SF 好きならばこれは観ておいて損はないと思います。私はもっと細かいところまで観てみたいので、来月発売される BD も買おうかなと。

楽園追放 -Expelled from Paradise- 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

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投稿者 B : 22:30 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/11/22 (Sat.)

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 青い瞳のキャスバル』公開日決定

「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」第1話が'15年2月にイベント上映。BDの先行販売も - AV Watch
機動戦士ガンダム THE ORIGIN

アニメ版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 青い瞳のキャスバル』の公開日が来年 2/28 に決定しました。公開方法は UC のときと同様、イベント上映+VOD 配信→後日 BD 発売、という形になります。

ずっと気になっていたキャストもようやく発表。

  • シャア・アズナブル(青年期):池田秀一
  • キャスバル・レム・ダイクン(少年期):田中真弓(『天空の城ラピュタ』パズー)
  • アルテイシア・ソム・ダイクン:潘めぐみ(『ハピネスチャージプリキュア!』キュアプリンセス)
  • ジオン・ズム・ダイクン:津田英三(洋画吹き替え多数)
  • アストライア・トア・ダイクン:恒松あゆみ(『機動戦士ガンダム 00』マリナ・イスマイール)
キャスバル少年の配役は本当に意外なところになりました。ラピュタのパズー、ドラゴンボールのクリリン、ワンピースのルフィなど主役級を張る大御所ではありますが、パズーが声変わりしてシャアになる、というのはちょっと想像できない(;´Д`)。公式サイトで公開されている最新版 PV に少しだけ声が出ていますが、明らかにキャスバルというよりルフィですね...。映像として完成された際には、もう少し違和感がなくなるのでしょうか。やや不安ではあります。 アルテイシア役の潘めぐみさんは、かつてララァを演じていた潘恵子さんの娘さん。親子でファーストガンダムに携わるというのが、35 年の歴史を感じさせます。

その他のキャストは、ギレン役は安定の銀河万丈氏。ドズル役が玄田哲章氏でないのはちょっと意外でしたが若々しさを出したかったのでしょうか。初登場となるジンバ・ラル役は二代目波平で知られる茶風林氏。ハモン役の沢城みゆき氏(『ヱヴァンゲリヲン:Q』の鈴原サクラ、『化物語』の神原駿河など)というのも意外でしたが、最近では峰不二子役もこなしていたりするし、確かに若い頃のハモンというのは納得です。

新 PV を見ると、作画は思っていたほどは重々しくなく、安彦良和氏が描く表情豊かなキャラクターをうまくアニメ化している印象。安彦氏自身が総監督を務めるわけだから、当然ですが。音楽担当として発表された服部隆之氏は、三谷映画の劇伴のイメージが強いですが、荘厳さとコミカルさが共存する安彦画の抑揚とうまくマッチしそうです。

商業的な展開手法は UC と同様ながら、作風としては UC とはずいぶん違った映像作品に仕上がりそう。公開まであと 3 ヶ月余り、今から楽しみでなりません。

安彦 良和 / 愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN V -シャア・セイラ編-

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投稿者 B : 12:00 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/10/11 (Sat.)

グッドモーニング,ベトナム

グッドモーニング,ベトナム

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2 ヶ月前に急逝したアメリカの名優、ロビン・ウィリアムズの代表作のひとつを観てみました。

同氏出演の映画では『グッド・ウィル・ハンティング』が大好きなんですが、むしろこの『グッドモーニング,ベトナム』のほうが、ロビン・ウィリアムズ本来の持ち味が出ています。独特の節回しが印象的なマシンガントークが活きるコメディ、でありながら、観る者に深い感動を与えるヒューマンドラマ。そんな作品です。

ベトナム戦争当時、戦地に送り込まれた空軍兵の DJ、クロンナウア(ロビン・ウィリアムズ)。彼のやや下品ながらも風刺の効いたトークが兵士たちの心をとらえ、人気を博すものの、軍の規律を重視する上官たちとの折り合いは悪化。いっぽうで、現地民の少女に一目惚れしたことをきっかけに、ベトナム人たちとも分け隔てなく付き合い、少女の兄・ツアンを親友と認めるようになっていきます。そんなある日、クロンナウアがビールを飲んでいたバーで爆弾テロが発生、その事件の情報を隠蔽しようとした軍部に反抗して、自身のラジオ番組内で事件のことを伝え...。
クロンナウアのラジオでの喋りは、下ネタが苦手な私にとってはちょっとうんざりするほど下品な内容でしたが(笑、故に軍やアメリカ・ソ連に対する皮肉が効いていて、たたみかけるようで妙にリズミカルな喋りも相まって、次第にクセになっていく感覚があります。それに合わせた映像も、力任せに感動させてやろうというものではなく、一見何気なく見えるけどじわりと来るものが多く、強く印象に残りました。特に、戦線が拡大していく映像の背景に流れる音楽がルイ・アームストロングの "What a Wonderful World" だったときには、何とも言えない気持ちになりましたね。

ベトナム戦争を題材にした映画というと『地獄の黙示録』を筆頭に重苦しい作品が多く、今までは敬遠していましたが、これはそれらの映画とは違い、反戦とは少し違った切り口から平和...というより、人と人とがわかり合うことの大切さを描いた名作だと思います。戦闘を直接描かなくても、戦争をテーマにしたこんなにいい映画が作れるものなんですね。
今さらではあるけれど、ロビン・ウィリアムズの出演作、他にもいくつか観てみようかなあ。

投稿者 B : 23:13 | Foreign Movie | Movie | コメント (4) | トラックバック

2014/10/06 (Mon.)

柘榴坂の仇討 @品川プリンスシネマ

柘榴坂の仇討

柘榴坂の仇討

最近は洋画よりも邦画のほうが個人的に面白いと感じる作品が多いのですが、これもキャストを見て「面白くないわけがない」と思い、観に行ってみました。

桜田門外の変の際に井伊直弼を守れなかった彦根藩の近習、中井貴一演じる志村金吾が、仇である水戸浪士一味を追い続ける話。ラストで対峙する水戸浪士の一人・佐橋十兵衛を阿部寛が、そして井伊直弼を中村吉右衛門が演じるとなれば、これは期待できます。まあ、中井貴一×阿部寛というと『ステキな金縛り』の検事×弁護士コンビなので、イメージビジュアルで二人の並びを見た瞬間には軽く吹いてしまいましたが(笑)、そこは日本を代表する俳優二人、映画が始まった瞬間にはシリアスな気分になっていました。

一言で言うと「いい映画でした」。明治維新を経て消滅してしまった藩にそこまで義理立てする心境はちょっと理解できないかもなあ、と序盤は思っていましたが、途中に数多く出てくる元士族たちの誇り高いふるまいを通じて、志村金吾のこだわりが最後にやっと解った気がしました。彼が守ったものは、藩や主君への忠義というよりも、むしろ武士としての誇りだったのだろうなあ。だからといって刀を置いた元士族たちが誇りを棄てたのかというとそうではなくて、その誇りの発露の向きが「家族や身の回りの人を守るための生き方」だったにすぎないのでしょう。

映画を観た後に調べてみたら、この作品は浅田次郎の短編、それもほんの 38 ページしかない小説が原作になっていたんですね。話そのものは短いにもかかわらず、内容がみっちりと詰まっていて、ストーリーの短さを感じませんでした。脚本や演出・編集の良さもあるんでしょうが、それ以上に俳優陣の芝居の重みが、この映画の濃厚さを作り上げているように思いました。主役の二人の演技ももちろん素晴らしかったですが、特に井伊直弼役の中村吉右衛門、そして金吾に十兵衛の居場所を伝えた元奉行・秋元和衛を演じた藤竜也の存在が、スクリーンに見事な緊張感をもたらしています。

柘榴坂

劇場はいつもならば東宝系の設備の整ったハコを選ぶところですが、今回はあえて品川プリンスシネマを選びました。というのも、この映画のクライマックスの舞台となった「柘榴(ざくろ)坂」は、品川プリンスシネマのすぐ近くにあります。品川駅の高輪口を出て真正面、マクドナルドの脇を抜けてグランドプリンスホテル新高輪へと上っていく坂が「柘榴坂」。プリンスシネマ自体はちょっと古くさい映画館なので、最新の映像作品を積極的に観たい場所でもありませんが、この映画だけは観終わった後にそのまま柘榴坂を歩きながら、登場人物たちに想いを馳せてみたいなあ...と思って。

今はちょうど他にもお金をかけてプロモーションしている映画がいろいろと重なっている時期で、この作品は他のものの影に隠れがちですが、映画好きであれば観る価値がある作品だと思います。私は繰り返し観ても良いくらいだなあ。

投稿者 B : 22:01 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/09/30 (Tue.)

ジャージー・ボーイズ @丸の内ピカデリー

ジャージー・ボーイズ

ジャージー・ボーイズ

クリント・イーストウッドが監督を手がける、男性ヴォーカル・グループを題材とした音楽映画。という全てにおいて俺得な映画が公開されるとあっては、観に行かないわけにはいかないでしょう!というわけで、早速劇場に足を運んできました。

取り上げられているのは、1960 年代に一世を風靡した、ドゥーワップ系ヴォーカル・グループ「フォー・シーズンズ」。'60 年代に青春時代を過ごした人でなくても、"Sherry" をはじめとした代表曲は必ずどこかで聴き覚えがあるはずです。特に、"Can't Take My Eyes Off You"(邦題『君の瞳に恋してる』)は聴いたことがない人はいないほどに有名。まあ、日本ではオリジナルよりもむしろボーイズ・タウン・ギャングがカヴァーした '80 年代ディスコサウンドのほうで定着していますが。
事実上初めて白人ヴォーカル・グループとして成功した 4 人のサクセス・ストーリーなわけですが、2005 年にブロードウェイ・ミュージカルとして同題で舞台化されていたんですね。この映画は、その舞台の脚本に基づいているようです。

ストーリーは、同じく事実に基づいたミュージカル映画である『ドリームガールズ』の男声グループ版、といった趣で、メンバーの出会いから下積み時代、デビューからスターダムに上り詰め、メンバー間の確執とグループ分裂、家族と仕事の間での悩み...という、この手のサクセス・ストーリーの王道そのものを行く展開。それ自体は特に目新しいわけではありませんが、それぞれのシーンを繋ぐ楽曲と歌唱が素晴らしい。曲が終わるたびに、映画館であることを忘れて拍手をしてしまいそうになったほど、没入感のあるステージでした。また、リードのフランキー・ヴァリと家族、特に娘との関係については、同じ娘の父親としてグッと来るものがありました。
途中、劇中にもかかわらず登場人物がスクリーンのこちら側に向かってナレーション的に心境を吐露するシーンが至るところにあり、実写映画でこういうメタ視点的な描写が挟み込まれるのも珍しいなと思いましたが、舞台的な演出をそのまま映画に持ち込んだらこうなるのだろう、と納得。

イーストウッド作品としてみると、ほかの作品に共通する「重さ」がなく、上映後に良かった、楽しかったとじんわり感じられる珍しい映画だと思います。自身も作曲家であるイーストウッドの音楽への思い入れがそうさせたのかもしれませんが、『ドリームガールズ』あたりの「面白かったんだけどあまり残るものはなかったな」というのとは違う、イーストウッドらしい手触りはやっぱり何かある。

見終わった後に、「映画って、本当にいいもんですね」という水野晴郎氏の名言が、ふと頭に浮かんできました。
大ヒットする作品じゃないんだろうけど、いい映画。これは BD が出たら買おうと思います。

投稿者 B : 00:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2014/09/24 (Wed.)

るろうに剣心 伝説の最期編 @TOHO シネマズ日本橋

京都大火編』に引き続き。

るろうに剣心 伝説の最期編

るろうに剣心 伝説の最期編

今回はせっかくだから江戸っぽいエリアで観よう、と思って最近お気に入りの TOHO シネマズ日本橋のシートを予約しました。設備はいいし、最近は接客の質もずいぶん向上して気持ちの良い映画館になったなあ...と思っていたら、今回私が観たスクリーン(TCX ではなく通常のスクリーン)はレンズにゴミがついていたのか?画面の一部にうっすらシミがある状態で、明るいシーンだとそれがちょっと気になってしまいました。ここは機材は良いので、あとは運用面ですね...。

さておき、るろ剣。前回がすごく良いところで終わってしまったので、続きがずっと気になっていました。まあストーリー的には昔原作を読んでいるので分かっている話ではありますが、演出の巧さですね。でも話の流れは映画化にあたっていろいろといじられているようで。演出上の改変はある程度アリだと思っていますが、志々雄の部下である十本刀の扱いが軽いのがとても残念でした。まあ映画の尺からいって全員を掘り下げることができないのは仕方ないにしても、十本刀がどういう奴らかさえ分からないうちに終わってしまいましたからね...。安慈とか、もうちょっと周辺を描いてほしかった。まだ京都大火編での刀狩りの張の扱いのほうが、いきがかり上大きかったくらいですからね。あと、四乃森蒼紫の絡ませ方はやっぱり雑な感じで、せっかくの原作のキャラが台無し(´д`)。

見どころはやっぱりアクション。特に神木隆之介演じる瀬田宗次郎の「縮地」と、藤原竜也演じる志々雄真実の炎の秘剣。CG なし(炎以外は)でスピード感含めよくここまで再現したな、という出来で、マンガがそのまま実写になって動いてる...というより、むしろ「実写版サムスピだろこれwww」的なインパクトがあります。志々雄の焔霊(ほむらだま)や紅蓮腕(ぐれんかいな)といった必殺技が実写で観られるとは、なんという胸熱。でも実写コントに見えないのは、やっぱり藤原竜也のキレた演技が画面を引き締めているからでしょうね。研究し尽くされた演技で、志々雄と瀬田の二人が、まるで週刊少年ジャンプの誌面からそのまま飛び出してきたような存在感に見えました。

重箱の隅を突いていくといろいろと突っ込みどころも多い映画だと思いますが、結果的に面白いと感じたのは、やはり悪役の二人が良かったから、に尽きると思います。個人的な法則として、悪役が主役を食ってしまうほどノリノリの映画にハズレなし。それを地で行くような映画でした。
あ、あと途中にちょっとだけ出てきた高荷恵(蒼井優)の演技も圧巻。ほぼワンシーンしか登場していないにもかかわらず、しっかり掴んでいきますね...。

原作で最も盛り上がったエピソードを映像化してしまったので、映画はこれにて完結でしょうか?いや、左頬の十字傷の由来、片方分しかまだ話に出てきていないんですよね。映画は邦画としてはかなりのヒットになっているようだし、これは『人誅編』の映画化に向けた伏線ということでしょうか。

投稿者 B : 00:14 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック