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2019/07/20 (Sat.)

天気の子 [IMAX] @T・ジョイ PRINCE 品川

公開初日の夜に早速観てきました。

天気の子

天気の子

新海誠作品って基本的には自分に合わないと思いつつ、初めてそこから逸脱した『君の名は。』のフォーメーションで作った新作ならば今回も期待して良いに違いない、と。いつも観てるような映画と明らかに客層が違うのが、三年前に社会現象になった監督の新作だけのことはあるなあ、という感じ。

上映が始まってみると、冒頭どころか直前の CM から始まるタイアップやプレイスメント(劇中にスポンサーの商品を登場させること)の嵐。これが商業的に成功するということか...と思い知らされます。
ただし見ようによってはプレイスメントは最初の 20 分できっちり終わり、それ以降は(要所要所では出てくるけど)基本的には物語に集中させる作りになっているのは「スポンサーのための時間はここまでで終わりですよ」と線引きしているようで、その点では好感が持てます(笑。しかしあまりにも金の匂いがしすぎたせいで、この 6~7 月に関東で異常なほど雨が続いたのもこの映画のプロモーションの一環だったのでは?などと訳の分からないことを考えてしまう始末(ぉ

ストーリーについては、私は『君の名は。』よりはこちらのほうが好きかな。空が晴れているだけで気分が明るくなるというのは本当にその通りだと思うし、その感覚を説得力のある映像で伝えてくるところは新海誠の真骨頂という感じ。前作のようなシナリオ上の仕掛けはありませんが、その分二人のラブストーリーにフォーカスしたシンプルな構造が逆に良かったです。
正直に言えば主人公・帆高と陽菜の家族に関する描写が(本編に登場する陽菜の弟の凪を除いて)希薄で、彼らの行動の動機がちょっと弱いのは気になりました。でもそこは物語をシンプルに二人の恋の物語にするためにあえて省略したのだろうな、と解釈することにしました。

後になって改めて考えるとシナリオはけっこう雑で、拳銃のくだりとか水の魚とか重要そうに見えて投げっぱなしな伏線は少なくないし、逆に陽菜が何を思って雨を終わらせようとし、帆高が何を考えて「晴れのほうがいい」と答えたのかなど先述の家族描写も含め心理的な伏線の配置が薄い。クライマックスに物語的なカタルシスがなく、終盤は映像と音楽の力で強引に感動させに来ている感があったのは事実です。
まあ、新海誠に丁寧な心理描写をさせるといつものグジグジした感じになってしまうだろうから、作品の構造としてはこれで良かったのかもしれませんが。

「この人と一緒にいられるなら、世界がどうなろうと知ったことじゃない」的な一途なラブストーリーはしばらく観ていなかったように思うので、終映後にこういう爽やかな気分に浸れたのは久しぶり。単に私がそういう作品を観る年代じゃなくなっただけかもしれませんが。
でも、近年は若い世代でも全体のために我慢することが求められがちで、それが社会としての閉塞感や諦観に繋がっているとも思うのです。それでも若いうちくらいは向こう見ずでもいいからもっと自分たち自身の幸せに対して我儘になっていいんじゃない?そういう個々の幸せの総和が社会としての充足に繋がっていくんじゃない?と背中を押すメッセージが込められた映画だと感じました。小さな世界でもいい、家族だろうと恋人だろうと仕事だろうと、自分の目に見える誰かに必要とされる実感こそ尊い。

前作が売れすぎたために賛否両論あるでしょうが、私は好きですよ、この作品。

投稿者 B : 21:00 | Anime | Movie | コメント (2) | トラックバック

2019/06/24 (Mon.)

ガールズ&パンツァー 最終章 第 2 話 [極爆] @シネマシティ

立川方面に行く用事があったので、ついでにシネマシティでガルパン最新作を観てきました。私もいつの間にかすっかりガルパンおじさんです。

ガールズ&パンツァー 最終章

ガールズ&パンツァー 最終章

ガルパンはいいぞ、で済ませるのもアレなので、あまりネタバレになりすぎない範囲でちょっと感想を書いておきます。

今回は第 1 話の続きで BC 自由学園との後半戦。前作では BC 自由学園の芝居に完全に翻弄されていた大洗女子が難局を乗り切り反攻に出る局面です。騙し討ちには騙し討ちを...という具合に得意のゲリラ的戦法で攪乱に出るのが大洗らしいところ。終盤はガチンコの撃ち合いもある激しい戦車戦が繰り広げられます。戦闘終盤のやり合いはかなりケレン味があって良かったなあ。
また BC 自由学園の隊長マリーが第 1 話では鷹揚な態度でケーキを食べているだけだったのが、第 2 話ではいろんな意味で見せ場が多い。キャラ立ちという意味ではあのダージリン様を超えてきたんじゃないでしょうか(笑。戦車戦パートで時折見せるリーダーらしい動きとギャグパートでのとぼけぶりの対比がすごくて、最終章からの新キャラでありながらガルパンが持つ「甘じょっぱい」世界観を凝縮したようなポジションだと思います。

大洗 vs. BC 自由学園の後は二回戦。第 2 話でも二回戦の途中までで「つづく」になります。どこと戦うかは劇場でのお楽しみということで伏せておきますが、対戦相手の名前を聞いたときに想像したのとは全く違う試合になっていて手に汗握る。シリーズ初の夜戦、かつ登場する戦車にも新機軸があって、今までのパターンとはまた違います。
二回戦の途中まで観て気付いたのは、テレビシリーズは無名の弱小校である大洗が奇策や奇襲を駆使して強豪校をどう倒すかでドラマを作っていたのに対して、最終章では既に王者である大洗がライバル校の挑戦を受けて立つ構図にすることで、ライバル校側の成長を描いているということです。まあ一度上り詰めてしまったらもう一度同じ構造の物語は作れないのがスポーツものの宿命だからこういう作りになるのは分かりますが、本作のラストシーンであの学校が見事なまでに変わることができた描写には、ちょっと感動してしまいました。

なお第 3 話については公開時期も含めまだ何も発表されていませんが、二回戦の決着が付いた後の三回戦の相手は継続高校では?と予想しておきます。

シネマシティ

なお今回視聴したハコはシネマ・ツーの b studio。G 列中央ちょい右というポジションで、スクリーンは見上げずに済む位置だけどあと 1~2 列前のほうが映像の迫力はあるかなあという印象。ただ音響的には G 列の方が中央に近い分サラウンド感は自然でしょう。
前作鑑賞時に利用した a studio とは機材の構成が違っていて、席数が少ない分 b studio のほうがスピーカは大人しめ。代わりにサブウーファはなんと 6 発(!)もあり、a studio に負けない勢いの重低音が腹底に響きました。

シネマシティの極上爆音上映は戦闘シーンは本当に迫力で、まるで戦車の主砲の口径がそれぞれ 1~2 段階ずつ上がったかのようなパワフルさがあります。また爆音なのに台詞等はボワつかずクリアに聞こえていいですね。やっぱり立川は遠いけどわざわざ観に来る価値がある。第 3 話上映の際にもなんとか機会を見つけて立川まで来れればと思います。

投稿者 B : 23:59 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/06/15 (Sat.)

河森正治 EXPO に行ってきました

東京ドームシティで開催中の河森正治 EXPO を見に行ってきました。

河森正治40周年企画 『河森正治EXPO』

河森正治 EXPO

マクロス関連の展示会には何度か行ったことがありますが、他の作品を含む河森正治監督自身の展示会はこれが初めて。プロデビュー 40 周年を記念したイベントということで、監督作品以外にもメカニックデザイン等で参加した作品から企画倒れになった作品まで(!)膨大な量の河森作品に触れることができる展示会になっています。私はリアルタイムではガンダムよりマクロスに触れて育った世代だけに、これは見に行っておきたかった。

河森正治 EXPO

入場してすぐのところにあるドーム型シアター(以前お台場にあったガンダムフロント東京の DOME-G を一回り小さくしたような感じ)で本イベント用の河森作品クロスオーバー映像(入場料とは別料金!)を観たらメインパビリオンに進んでいきます。
メインパビリオンは主に立体物中心の展示。実寸大とはいかないまでも大型(3m 弱くらい?)の立像が圧倒してきます。こちらは『劇場版マクロス F』のクライマックスに登場した YF-29 デュランダル、個人的には劇中で長く活躍した VF-25 メサイアを見せてほしかったけど、ディテール含めこだわりを感じる可変戦闘機の立体物を目にすると感激します。

河森正治 EXPO

こちらはアクエリオン EVOL の立像。河森作品といえば変形ロボですが、中でも三体が数パターンで変形合体するアクエリオンはバルキリーとはまた違った河森メカの真骨頂だと思います。これを机上の想像や CG によるシミュレーションではなくまずレゴブロックで試作検証するところから作る、というのがまたすごい。なおレゴブロックによる試作は過去のイベントでも展示されたことがありましたが、今回は初代マクロスの制作時にバルキリーの可変構造検討のために手作りしたペーパークラフト(!)が展示されていて、これまたのけぞりました。

河森正治 EXPO

ニルヴァーシュ(エウレカセブン)の立像の脇にさりげなく展示されていた AIBO ERS-220。子ライオンがモチーフだった ERS-210 をベースとしたバリエーションモデルですが、これもまた河森デザイン。ロボットをあくまでロボットとしてペット化するという概念は他の AIBO とは一線を画しており、また河森メカらしいフェイスデザインも相まって当時も強いインパクトを受けたのを憶えています。
なにげにこの展示会ではこの AIBO がいくつもの場所でフィーチャーされていたのが印象的でした。河森メカの中でも玩具ではなく実際に動作するロボットとして製品化されたのは今のところ唯一だし、河森監督的にもやっぱり思い入れあるんですかね。

河森正治 EXPO

歴代バルキリーのプラモデル。スケール違いやバリエーションモデルも含まれるとはいえ、これ全部独りでデザインしたものなんだからすごい。ガンダムだって作品によってデザイナー違いますからね。

なおこれらのプラモはバンダイをはじめとして現行キットばかりだったように見えますが、個人的には初期マクロスのプラモを販売していたアリイやイマイのものも見たかった。

河森正治 EXPO

VF-1 の着陸シーケンスを立体でコマ送り風に再現した展示。DX 超合金(ですよね)を並べただけといえばだけながら、きりもみしながらファイター→ガウォークに変形して着陸後にバトロイドになる一連の流れはテレビ版のオープニング映像を思い出させて、それだけで胸が熱くなります。

河森正治 EXPO

それまでほぼスーパーロボット系のアニメ・特撮や玩具にしか触れてこなかった自分にとって、ほとんど実在する戦闘機と同じ飛行機が二足歩行ロボットに変形するというのは子ども心にも衝撃でした。しかも VF-1 のデザインはバトロイド形態はさすがに時代を感じるけどファイターとガウォークは今見ても格好いい。プラモめっちゃ欲しかった記憶があります(確か一、二個だけ買ってもらえた)。

河森正治 EXPO

個人的にマクロス最大の発明だと思っているのがこのガウォーク。ファイターとバトロイドに加えて中間的なこの形態があることで、劇中でのバルキリーの芝居に広い幅が持たせられていると思います。

河森正治 EXPO

立体物の中でも圧巻だったのがこれ。アクエリオンの「無限拳」を河森作品関連のプラモの空き箱で作ったという展示です。河森監督自身はこれも立像化したかったそうですが、予算の都合で空き箱で組み立てることになったとのこと(笑。でも普通に立像化するよりもこういう展示のほうが、河森作品にある「一見馬鹿っぽいことでも全力でやりきる」という作風に通じるところがあって、なんかイイ。その対象がこの作風の真骨頂ともいえる無限拳なのがまたイイ。

河森正治 EXPO

有料の音声ガイドは河森監督、声優の東山奈央さん(『マクロス Δ』のレイナほか)、中村悠一さん(『マクロス F』のアルトほか)の 3 パターン。私はせっかくだから河森監督バージョンを利用しました。思っていたよりも(?)テンション高めのトークで楽しめましたが、3 バージョンで音声ガイドが聴けるポイントが違っていて、これなら追加料金払ってでもいいからあと 2 パターンも聴いてみたかった。

河森正治 EXPO

河森監督のデザイン画や絵コンテが展示されているクリエイティブパビリオンは残念ながら撮影禁止だったので、メインパビリオンに展示されていたキャラクターフィギュアの写真でお茶を濁します(ぉ。

このコーナーがまたメインパビリオン以上の物量で、圧倒される数の資料が壁中に貼られています。今までこういうアニメ系の展示会には何度か来ていますが、ここまでの物量があるイベントは初めてではないでしょうか。
中でも驚いたのは、マクロスシリーズでの作曲家への依頼メモにかなり具体的な内容が記載されていたこと。例えば『虹色クマクマ』のオーダーでは「魔法少女になったランカが不気味な(けど可愛い)モンスターを倒す」「アイテムとして鍵を持っている」「サビは観客と一緒に歌う」「リラメル・ララメル・ランルララン」「オープン・ランカ」など最終的に楽曲に取り入れられ、映像化されたキーワードに満ちています。マクロスシリーズの楽曲は半分は監督自身が作ったようなものだと言えるし、発注する時点で既に映像のイメージが出来上がっていてそれを逆算する形で必要な部品を集めていくスタイルで作品を作っていることがよく分かります。これはメカニックデザインや世界観のデザインについてもそうで、頭の中に一つの世界が出来上がっているという点では先日行ったシド・ミード展で触れたのと似た種類の衝撃を感じました。

河森正治 EXPO

河森監督といえば『機動戦士ガンダム 0083』にもメカニックデザインとして参加し、ガンダム GP01 と GP02 およびアルビオンのデザインを担当したことでも知られていますが、終盤に登場した GP03 だけはカトキハジメデザインだったのでした。が、この展示会の会期後半ではボツになったという河森版 GP03 のデザイン画が初公開されていて、私はこれを見るのを大きな楽しみの一つでした。
コーナー全体が撮影禁止だったため写真はありませんが、河森版 GP03 はまさかの「ネオ・ジオング」型!ネオ・ジオングも初登場時には想像の斜め上で驚きましたが、その二十年以上前にそういう斜め上の提案をしていたのが河森監督らしい(笑。

河森正治 EXPO

ここから写真撮影が再び OK になります。河森監督が若い頃にやっていた「大量のロケット花火を一斉に発射する遊び」の再現展示。こんなのまで大真面目に作り込んで展示する河森ワールド(笑。
でも後に板野一郎氏とこの話で盛り上がり、マクロス名物とも言えるミサイル一斉射「板野サーカス」に繋がるわけですから、貴重なエピソードです。ロケット花火のこの軌跡、まさに板野サーカスですよね。

河森正治 EXPO

ちなみに私は河森作品はマクロスシリーズとアクエリオンシリーズくらいしか観ていないんですが、メカニックデザイン等まで含めると「こんなものまで!?」と驚くほど数多くの作品に関わっていることに改めて気付きました。例えば河森監督がマクロスの前に仕事として関わったタカラ(現タカラトミー)の『ダイアクロン』、これは後にアメリカに渡ってあの『トランスフォーマー』シリーズに続くわけですが、この初期のメカデザインを二十代前半の河森監督が手がけていたとは!私、これ幼稚園くらいのときに持ってました(笑。そんな時代からお世話になっていたのか...。

河森正治 EXPO

高校時代の同級生に美樹本晴彦氏、細野不二彦氏、大野木寛氏という錚々たるメンバーに恵まれ、そのうち美樹本氏・大野木氏とともに『マクロス』を手がけることになるわけですからすごい話です。

またガンダムの前にガンダム的な世界観のロボットマンガを描き、ガンダムの同人誌まで作った上で『0083』にも参加するほどガンダム(とそれに近い世界観)を愛した河森監督ですが、『マクロス』の開始直前まで富野由悠季監督とともに『アステロイドワン』という作品の企画を進めていたそうで、その作品に関連する資料の展示もありました。その作品がもし世に出て成功していたら現在のように『ガンダム』と『マクロス』が長く支持されるのとは違った世界線になっていたかもしれませんが、観てみたかったなあ。

河森正治 EXPO

なお本イベントの展示には展示パネルに河森監督が直筆でいろんなコメントを記入していて、それを読むのも楽しみの一つ。加えてところどころに各作品に参加した他のクリエーターや声優さんのコメントやイラストも書かれていて、本当にみんなで楽しんで作り上げている展示会であることが伝わってきます。

河森正治 EXPO

また最近のニュースでは、AIBO 以来 18 年ぶりのソニー製品としてスマートウォッチ「wena wrist」のデザインを手がけることも発表されています。私は wena wrist には興味がありつつも自動改札を通るのに左手を差し出さなくてはならない(自動改札機の読取機は右側)というのが引っかかって今まで手を出さずにいたのですが、最近腕時計に興味が湧いているところでもありデザイン次第では河森モデル、買ってしまうかもしれません。

河森正治 EXPO

そして『マクロス Δ』の続編として完全新作となる『劇場版マクロス Δ 絶対 LIVE!!!!!!』の制作も発表されています。前作に輪をかけてもはやワルキューレが主役、場合によってはデルタ小隊も VF も出てこなくても可笑しくないくらい音楽を中心にしていることが伝わってきます(笑。ただ一つ気になるのは、今までのワルキューレの楽曲はタイトルや詩にメンバー五人にかけた「5」というキーワードを多用しており、最新曲『チェンジ!!!!!』でも!マークは五つだったのが、今回は「LIVE!!!!!!」にかかる!が六個。これはワルキューレに新メンバーが追加される予告なのではないでしょうか?とはいえ今から全くの新規キャラをメンバーに加えるとも考えにくいし、ここはひとつ旧劇場版で見せ場の少なかったミラージュがワルキューレ入りする説に一票入れたいと思います。過去にワルキューレ Ver. のフィギュアも作られたことがあるみたいですし(笑。

...と、このへんの写真を撮っていたところで、奥の方がやけにザワついてる。なんかあるのか?と振り向いてみたところ、

河森正治 EXPO

まさかの河森監督ご本人!!!!!

どうやら海外メディアの取材対応のタイミングに偶然出くわしたようですが、これにはさすがに取り乱しました。過去にイベントですごい遠くからご本人を見たことはあったんですが、今回は至近距離ですからね...。ほんの数分間の出来事でしたが、本当に行って良かった。

それにしても超おなかいっぱいになるイベントでした。絵コンテやデザイン画の写真撮影 NG だったのが本当に残念なくらいの展示物量には圧倒されました。全体で一時間ちょっとくらいのつもりで見に行ったところ、優に二時間は経っていたという(;´Д`)。河森作品のファンならば半日空けるつもりで見に行くべき展示会だと思います。

投稿者 B : 22:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/05/31 (Fri.)

STAR WARS: Galaxy's Edge

スター・ウォーズの世界を再現した巨大テーマランド「ギャラクシーズ・エッジ」 - AV Watch

米カリフォルニアのディズニーランドで今日からスター・ウォーズをモチーフとした「ギャラクシーズ・エッジ」エリアがオープンしたそうで。東京ディズニーランドに行けば毎回「スター・ツアーズ」に乗り映画との連動バージョンが稼動していると聞けば自ら家族を誘って TDL に行くほどの SW 好きとしては滅茶苦茶気になるわけです。だってミレニアム・ファルコンを自分で操縦できるアトラクションがあるなら乗りたくならないわけがないじゃないですか!!!

米本土のディズニーランドはちょうど 20 年前にフロリダのディズニーワールドのほうに一度行ったことがあって、折しも『ファントム・メナス』の公開直後だったこともあって SW 関連エリア以外も SW で盛り上がっていたことを覚えています。あれよりももっと濃い世界がエリア単位で繰り広げられるなら楽しいに違いない。

だってこれ↑ですよ。SW って映画では食事のシーンは多くないしあってもあまりおいしそうじゃないんですが(笑)、こういうのが出てくるならレストランじゃなくてパークサイドワゴンのほうが楽しそう。ライトセーバー型チュロスとか絶対あるか、そのうち出てくるに違いない。

このエリアがあるディズニーランドはカリフォルニア州アナハイムということで、LAX から私の最近の出張先への行き帰りに寄れないこともないという。週末にかぶせて出張を入れてみるか...?でも一人で本場のディズニーランドに行ったら家族から非難囂々だろうなあ(^^;;;。8 月にはフロリダにも同エリアがオープン予定とのことで、その流れでいずれ東京ディズニーランドにも展開されることを期待します。

投稿者 B : 21:40 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/05/25 (Sat.)

機動戦士ガンダム NT Blu-ray 豪華版

一般販路で購入した方のところにはフライングで届いたようですが、プレミアムバンダイで豪華版を購入した私には発売日(昨日)とどきました。

機動戦士ガンダム NT Blu-ray 豪華版(4K ULTRA HD Blu-ray 同梱)

機動戦士ガンダム NT

Blu-ray 豪華版は一万円超えとさすがに高価かったですが、買っちゃうんだなあ、これが!(←)今年こそ 4K 環境を導入したい自分のモチベーションを高める意味で UHD BD 同梱の豪華版以外の選択肢はありませんでした。
でも UHD BD が直販限定ってのはちょっとあこぎなことだと思うし、高価で割引きもない直販で買っているのに通常販路で買った人よりも後に届くというのは何だかなあ。せめてフライング販売と同日かちょっとくらい早く届けてくれるくらいの特典があっても良いのではないでしょうか。

機動戦士ガンダム NT

一枚目の写真ではめちゃくちゃ分厚いボックスに入っているように見えますが、BD と特典冊子が入っている金色の箱は実際にはこの半分弱。この金箱の中に一般売りと同じスリーブケースに入った 2K BD+特典ディスク、UHD BD+ドラマ CD、それと設定関連の冊子二冊が収まっています。スリーブケースは『UC』と同じデザインテイストになっているのが良いですね。このイラストでナラティブガンダム C 装備が思いっきりネタバレしてるのはどうかと思うけど(´д`)。

さておき、本編。クオリティ向上が図られたという作画に関しては、劇場公開時に感じられた(特にキャラクター周りにおける)作画の崩れが随分修正されているようで、全編を通して特にひどい作画崩壊シーンは見受けられませんでした。あとは単に私がこの金世俊氏のキャラクターデザインをあまり好きではないということだろうなあ...。

機動戦士ガンダム NT

豪華版パッケージの半分あまりを占める箱に収められていたのは、本パッケージ限定の FW GUNDAM CONVERGE ナラティブガンダム B 装備 パールメタリック ver. でした。私は今まで GUNDAM CONVERGE にはあまり興味がなかったんですが、SD ガンダムとはまた違った方向性でデフォルメされているこの感じ、悪くないですね。

機動戦士ガンダム NT

両腕に装備されているシールドはよく見ると『UC』でゼネラル・レビルに配備されていたジェガンや『F91』版のジェガンの装備品のカスタム版。『NT』の劇中でもナラティブガンダムの装備がユニバーサル仕様であるという台詞がありましたが、新造機ではなくルオ商会が不死鳥狩り作戦のためにあり合わせを用意した MS であることがこういう部分から感じられます。『UC』と『NT』の MS 群は前後の作品との技術的な継続性を意識して設定されている部分が多くて、ガノタ的には分析のし甲斐があるところ。

それと付属のドラマ CD について。『機動戦士ガンダム UC episode EX2 獅子の帰還』というタイトルを冠した、黒き獅子=リディ・マーセナス視点での『UC』後のストーリーが音声のみで描かれています。『NT』でミネバ・ザビとメガラニカがジオン共和国に身を寄せていた経緯やユニコーンガンダムとバンシィが解体封印されたいきさつなどを含む 40 分弱のエピソード。『UC』後のリディが一時的に『NT』にも登場したイアゴ隊に所属していたという設定や、アルベルトやカイ・シデンとの絡み具合がなかなか良い。しかしあんなことがあった後でもリディは相変わらずバナージにコンプレックスを抱いたままなのが、やっぱりリディだなと(笑)。そしてリディはやっぱり最後にそこに「帰還」するんですね...。
『NT』とこのドラマ CD を通じて、今後制作されるという『UC2(仮)』がどんな方向性のものか何となく想像できてきた気がしました。しかし同時並行的に『閃ハサ』のマフティー動乱が起きるわけだし、その後は『F91』に繋がっていくことを考えると持っていけるオチは選択肢が多いわけではありません。どんな物語になるんでしょうか。

しかしその前に次は今年末から公開される『閃ハサ』ですね。これはこれで救いようのない原作をどう映像化していくのか不安でもあり、楽しみでもあります。しばらくは『NT』をリピートしながら続報を待ちたいと思います。

投稿者 B : 21:39 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/04/26 (Fri.)

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 [Blu-ray]

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 4K ULTRA HD&エクステンデッド版ブルーレイセット [Blu-ray]

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 4K ULTRA HD&エクステンデッド版ブルーレイセット (初回仕様/3枚組/

ゴールデンウィークを前にしてファンタビ第二話の BD が発売されたのでさっそく購入しました。
前作の BD は 4K+3D+2D/2K の三枚組だったのに(その 3D 版ディスクに不具合があったのも記憶に新しいところ)、今回は 4K UHD と 3D BD は別パッケージになっている(かつ 2D/2K ディスクはどちらにも付属)というのが、3D Blu-ray に対するニーズが着実に減っていることを感じさせます。私は今回も将来の 4K 環境の導入を想定して 4K UHD 版を購入。早く 4K で観たい...。

劇場公開時には展開早め、情報量多めの本編に引っ張られるように見入ってしまったわけですが、改めて観るとやっぱり一作目とのギャップが激しい。前作はニュート・スキャマンダーと魔法生物が主役のファンタジーという感じだったのに、今回はもう完全に悪役グリンデルバルトと若き日のダンブルドアに主役を取られ、ニュートも魔法生物も存在感が薄い薄い。前作のメインキャラだった四人の描写も意志があるというよりはどこか物語の都合で動かされているような印象で、二話目にして全く別の作品が始まったかのようでさえあります。それだけグリンデルバルト(ジョニー・デップ)とダンブルドア(ジュード・ロウ)の存在感が大きいということでもあるんでしょうが。
作風ももはや完全にダークファンタジー。『ハリー・ポッター』シリーズ本編も四話(炎のゴブレット)あたりまでは徐々にシリアスになりながらも魔法やクリーチャー、クィディッチなどの要素でワクワクもさせてくれたものでしたが、『ファンタスティック・ビースト』シリーズは二話目にしてここまで重い話にしてくるとは。まあ最終的に『ハリポタ』に繋がっていく話だから重くならざるを得ないし、登場人物の年齢層もハリポタより高めだからそうなるよね...という気はしますが、魔法生物につられて前作を見始めた若年層はちょっと引いちゃうのでは...とウチの次女のリアクションを見て思いました(´д`)。

一作目と続けて観るといろいろツッコミどころは感じますが、それ以上に映像のパワーと勢いを感じる作品ではあります。そして終盤にホグワーツの映像とあの象徴的なメロディが聞こえてきたときの高揚感...『スター・ウォーズ』新三部作と同じく結末が分かっている物語とはいえ、それがどんな形であの始まりに繋がっていくのか。改めて早く続きが観たくなりました。

投稿者 B : 22:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/04/17 (Wed.)

ボヘミアン・ラプソディ [Blu-ray]

ボヘミアン・ラプソディ [4K ULTRA HD + Blu-ray]

ボヘミアン・ラプソディ(2枚組)[4K ULTRA HD + Blu-ray]

ボヘミアン・ラプソディの BD が発売されたので購入しました。
海外版は 2 月に発売に発売されていて、字幕が要らないならそっちの方が安くていいか(UHD BD は北米版でも日本語字幕が収録されている模様)と思っていたんですが、もたもたしているうちに国内版まで発売されてしまったという。発表から発売まで二週間という、通常よりも大幅に唐突な発売で驚きました。

私は Queen はど真ん中世代ではないので本作の劇場公開時も「そこまで好きなわけじゃないけど知ってる曲多いし、ミュージカル映画として面白そうだから観ておくか」という感覚だったのですが、一度観てからはサントラを買ってしまうほどにこの映画に魅了されてしまいました。フレディ・マーキュリーと Queen のサクセスストーリーに関しては、フレディの病気のくだり以外はアメリカの音楽映画ではよくある展開だから新鮮味は感じなかったのですが、とにかく Queen の楽曲が良いのに加えて映像内での音楽の使い方とライヴパフォーマンスが素晴らしい。BD を購入したのもライヴシーンだけ繰り返し観る価値があると思ったからです。

実はまだ本編を再鑑賞する時間が取れていないんですが、BD 版の目玉ともいえる特典映像「ライヴ・エイド完全版」だけ先に観ました(笑。
劇場版のライヴシーンに 6 曲追加された完全版という特典映像は、映画のタイトル曲でもある "Bohemian Rhapsody" に始まって "Radio Ga Ga"、"Hammer To Fall" という劇場公開版どおりの流れを受け、未公開シーンの "Crazy Little Thing Called Love"(邦題『愛という名の欲望』)およびライヴパフォーマンスで最高に盛り上がる "We Will Rock You" を挟んで、最後に王道中の王道 "We Are The Champion" で締める 6 曲。特に "We Will Rock You" はスタジアムでのライヴシーンを是非観たいと思っていたので、これは嬉しいですね。
映画として全部観るとけっこうなボリュームのある作品なので、本編のライヴシーン+ライヴ・エイド完全版だけのプレイリスト的な再生ができるともっと嬉しいんだけどなあ。

今度の GW に改めてじっくり堪能しようと思います。音楽もサントラは買ったけどこれはある意味ベスト盤みたいなものなので、改めて時系列でアルバム単位で聴き込んでみたくなりました。

投稿者 B : 23:59 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/04/14 (Sun.)

STAR WARS: The Rise of Skywalker

この年末に上映を控えたスター・ウォーズ Episode IX の予告映像とサブタイトルが公開されました。

英語版のサブタイトルは「The Rise of Skywalker」。そのまま訳すとしたら「スカイウォーカーの復活」?前作で伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーがその生命をもってレジスタンスを救い、次からはレイ/フィン/ポーという「何者でもない者たち」が英雄になる物語がいよいよ始まるのかと思ったら、ここでまたスカイウォーカーですか。ディズニー傘下に入ってからの SW は脱スカイウォーカーを経て新たな物語として SW サーガを長く続けていこうとしていると私は推測していますが、それでもスカイウォーカーの血筋の物語を完結させるにはナンバリングタイトル三話分が必要だった、ということですかね。なお本作で映画シリーズとしての SW は小休止し、しばらくはテレビシリーズや配信向けの作品で繋いでいくようです。

予告映像の中身を見ると、レイがルーク・スカイウォーカーから受け継いだライトセーバー(改良済み?)、カイロ・レンのタイ・サイレンサー、修復されたカイロ・レンのマスク、BB-8 よりもさらに小さな新ドロイド D-O、ミレニアム・ファルコンでハン・ソロの代わりにチューバッカの隣に座っているのはメインメンバーに復帰したランド・カルリジアン、未公開映像を使って最出演したレイア(故キャリー・フィッシャー)、そして墜落したデス・スター II の残骸と最後に鳴り響く皇帝パルパティーンらしき笑い声...。少なくとも『最後のジェダイ』の展開をふまえて Episode IX に期待した要素とサプライズは一通り網羅されているように見え、期待を高めるに足る内容になっています。
と同時に、この動画からは複数の疑問も立ち上がってきます。ラストの笑い声は皇帝の復活を意味しているのか?ルークを喪ったレジスタンスはどう動くのか?そしてサブタイトルのとおり復活する「スカイウォーカー」とは誰を指しているのか?特に皇帝は『ジェダイの帰還』では直接的に絶命した描写がなかったので復活できなくもないとは思いますが、本当に復活してきたらそれはそれで興ざめだなあと(笑

まあ何にせよ公開前には期待が高まり、公開されたら賛否両論が渦巻くのが SW というもの。私も今から予想・妄想しながら公開日を楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 22:09 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/03/18 (Mon.)

運び屋 @T・ジョイ PRINCE 品川

『グラン・トリノ』以来約十年ぶりとなるクリント・イーストウッドの監督兼主演作品を観てきました。

運び屋

運び屋

監督としては毎年のように新作を発表し続けている一方で、一度は『グラン・トリノ』で俳優引退宣言をしたイーストウッド、『人生の特等席』以来二度目の俳優復帰(笑。

本作は五年前に新聞記事となった実際の事件をもとにしたフィクションです。90 歳の老人がメキシコの麻薬カルテルの運び屋として働いていた、という話。来年には 90 歳を迎えるイーストウッド自身がこの悲しい運び屋を演じています。

退役軍人であり、除隊後は園芸家として働いていたアール・ストーンは、家庭を顧みずに仕事に打ち込むあまり妻や娘と事実上の絶縁状態にあり、彼に心を開いていたのは唯一孫娘だけ。かつては仕事で成功していたアールも、時代の変化に伴って仕事が立ち行かなくなり、生活に困窮し始めます。しかし孫娘の結婚資金を出してやりたいという一心で始めた「運び屋」稼業が思いのほかうまくいき、金を稼ぐことで失った家族や仲間との関係を取り戻せる...と考えてどんどん深みにはまっていきます。そのうち自分がしている仕事のヤバさに気がついてももう後戻りはできない。最後に改めて「仕事か家庭か」の二択を迫られたときに、彼が選んだのは...というお話です。

というあらすじだけ書くとサスペンスっぽい印象を受けますが、上映時間の半分は「頑固じじいがマイペースに運び屋の仕事をやって、それにマフィアが振り回される話」。当初は予定通りに荷を運ばなかったら殺すと凄むようなチンピラやマフィアのボスも、いろいろ寄り道しながらもうまく警察を巻き、しっかり仕事を全うするアールにみんなほだされていきます(笑。シリアスな話のはずなのにどこかコミカルな描き方は先日観た『グリーンブック』に通ずるものがあって妙に和む。イーストウッド映画といえば重いテーマの作品が多くて元気がないと観れないものですが、これは肩肘張る必要のない、むしろ癒やし映画かもしれません。荷台に億単位の麻薬を載せて鼻歌交じりに走って行くイーストウッドがやけにかわいい(笑。

とはいえ「頑固で家族との距離の取り方が分からない不器用で孤独な老人」というキャラクターは、近年のイーストウッド主演作品に共通するもの。観れば観るほど、これは 90 歳の運び屋の話ではなくイーストウッド自身の家族に対する贖罪の物語なのではないだろうか?と思えてきます。本当に最近のイーストウッドは監督作では史実ものばかりだし、主演作は自身を投影したかのような役どころばかり。で、本作は監督兼主演だから(以下略。でも自分にも微妙に心当たりがあるように取り戻せない家族との時間をカネやモノで埋めようとしてしまうのは、彼に限らず働く男の悲しい性なのでしょう。
ラストシーンは必ずしもハッピーエンドではなかったかもしれませんが、アールの満足げな表情を見る限り、彼にとっては最後に家族との心の距離を埋めることができたことは幸せだったに違いない。

個人的にはイーストウッドがどことなく亡くなった祖父を思い出させるというのを以前書いた気がしますが(まああんなにカッコ良くないけど)、シャレや皮肉好きで、麦わら帽子で畑仕事に勤しむ姿やキャップと作業着みたいなブルゾンを纏ってトラックを乗り回す姿が生前の祖父と完全に同じで、スクリーンを見つめながら何度か涙がこぼれてきてしまいました(笑。妻子との距離感や孫を喜ばせるのに必死になる姿が本当に一緒なんだよなあ。

クリント・イーストウッドの監督作も主演作も、毎回「これが見納めになるかもしれない」と思いながら映画館に足を運んでいるわけですが、こんな「人生の最後に、何をもって幸せだったと言えるか」というテーマの作品を見せられると、本当にこれが遺作になってもおかしくないと思ってしまいます。でもこれからも一年でも長く元気に過ごして、また映画を作り続けてほしい。なんか勝手に孫目線で応援してしまっている自分がいます(笑。

投稿者 B : 22:28 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/03/15 (Fri.)

フロントランナー

先日の出張の機内ではもう一本映画を観ていました。

フロントランナー

『レ・ミゼラブル』『グレイテスト・ショーマン』と当たり続きのヒュー・ジャックマン主演映画とくれば気になるじゃないですか。しかし前二作と違い今回はミュージカル映画ではなく、史実を元にした政治スキャンダルもの。1988 年のアメリカ大統領選挙において、予備選をリードしていた民主党のゲイリー・ハートの物語です。
私は当時まだ小学生で、選挙についてもよく知らない間に大統領がレーガンからブッシュ(・シニア)に交代していたくらいなので、ゲイリー・ハートについてはよく知りません。もっと言えば物心ついたときにはレーガンが大統領で、彼がかつて俳優だったという事実も『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観て初めて知ったほどです(笑。でも私の世代的なものを抜きにしても、ゲイリー・ハートという人物は日本ではよく知られていないのではないでしょうか?少なくとも今日時点で日本語版 Wikipedia にはページが存在しませんでした。

「ジョン・F・ケネディの再来」と言われるほど高いカリスマ性を発揮し、選挙戦序盤をフロントランナー(最有力候補)としてひた走るゲイリー。しかしプレイボーイとしても知られていた彼は、選挙戦中に新聞に不倫スキャンダルをすっぱ抜かれる。政策とプライベートは関係ないとして引き続き選挙戦を戦おうとするゲイリーに対して、加熱する報道。そこで彼自身が、家族が、選挙スタッフが、不倫相手が、マスコミが取った行動とは...という群像劇的な構造になっています。ゲイリーの参謀として『セッション』やサム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズ等で圧倒的な存在感を見せた J・K・シモンズが、いつもとはちょっと違った渋めのキャラクターで登場しているのも印象的。

物語の描き方は叙事的で、様々な登場人物の動きを時系列で淡々と追っています。ゲイリーと参謀たちの思惑の違いや選挙スタッフとマスコミの駆け引きはなかなかにスリリング。ただ、ゲイリー・ハートという政治家のカリスマ性やプロパガンダの巧さは映像を通じて理解できたものの、彼がどういう信念で政治を行い何故そこまで高く支持されたのかについては登場人物の台詞の中で表現されるにすぎず、リアルタイムを知らない視点から見るとやや説得力に欠ける印象もありました。ゲイリーが何故大衆が政策とプライベートを分けて見てくれると思ったのか、もっと上手く立ち回ることはできなかったのか...が今一つ理解できず、ゲイリーに感情移入するよりも自分自身もこの事件の傍観者の一人という意識でスクリーンを見つめていました。ただ、ゲイリーが妻から突きつけられる台詞だけは、妻子ある身としては無茶苦茶痛い(;´Д`)。これ当事者として浴びせられたらたまらないだろうなあ...。

本作のテーマは「政治家は完璧に清廉潔白であるべきか」「加熱するスキャンダル報道の行く末」といったあたり。「政策よりもスキャンダルで動くこの政治は、まるでスポーツになろうとしている」というゲイリーの言葉は近年の米大統領選の状況を連想させるような部分もあるし、日本や東京の政治に重ねてもいろいろと思うところはあります。それでもスキャンダルの発端となったマイアミ・ヘラルド誌の編集長が「これが選挙の本質だ」(うろ覚え)と反論する一言は、良い悪いにかかわらず実情としては本質を言い当てているよなあ、とも思うわけです。だから何、というわけでもなく、その判断は観客それぞれに委ねられています。

面白かった...んだけど、「ヒュー・ジャックマンがカッコ良かった」以外の印象が薄い映画でもありました(ぉ。直前に観た『グリーンブック』の出来が良すぎたせいもあるのかもしれませんが。

投稿者 B : 22:27 | Foreign Movie | Movie | コメント (2) | トラックバック

2019/03/12 (Tue.)

グリーンブック

先日の北米出張時の機内では『ギフテッド』以外にも観たかった映画がいろいろ入っていたので、睡眠以外の時間はほぼ映画を観ていました。

グリーンブック

これはあの『ボヘミアン・ラプソディ』を抑えて今年度のアカデミー作品賞を獲得した作品です。個人的にはアカデミー賞よりも前に Aretha Franklin の "Think"(『ブルース・ブラザース』のダイナーのシーンで Aretha 本人が唄っていた楽曲)を使った TVCM が気になって、『ブルース・ブラザース』のファンとしてはどんなものか観ておかなくてはなるまい...と思っていたのでした。
日本では今月から上映が始まったばかりで AA の機内では日本語版が用意されていなかったので、英語音声+英語字幕にて鑑賞。

実在した黒人ピアニストの "ドクター"・ドン・シャーリーと、彼が雇ったイタリア系白人の運転手トニー・"リップ"・ヴァレロンガの二人がコンサートツアーの旅を通じて遭遇するさまざまな出来事を描いた作品です。タイトルにもなっている「グリーンブック」は、まだ黒人差別が根強く残っていた当時のアメリカ南部において、黒人が利用できる施設を記したガイドブックのこと。
黒人の中では裕福な家庭に生まれ、ホワイトハウスで演奏したりカーネギーホールの上階に住むなどピアニストとしても成功したドク・シャーリーに対して、用心棒や賭博などでその日暮らしの生活を営み、粗野な言動が目立つトニー。当時のアメリカの白人と黒人のおかれた環境からすると対象的な状況ですが、トニーは報酬がいいことを理由にドックの運転手の仕事を引き受け、8 週間にわたる南部のコンサートツアーに同行します。そこで衝突する二人の価値観や二人が遭遇するさまざまな人種差別、そういうものを経て二人の価値観と関係性がどう変わっていくか...に焦点を当てた物語。

これ、単に高潔な白人が差別を受ける黒人を救う話だったらこんなに面白くなかったはず。粗野な白人と高潔な黒人という逆転した組み合わせの二人がアメリカ南部を行く話だからこそ面白い。

  • ちょっとした万引きを当たり前のようにするトニーを強く咎めるドク
  • 手づかみで物を食べたことがないというドクに対して「ケンタッキー(州)でケンタッキー(・フライドチキン)を食べるなんて最高じゃねえか」と言いながら強引に食べさせるトニー
  • 黒人 NG なんてお構いなしに一人であっちこっち行ってはトラブルに巻き込まれるドク、それを助けに行くトニー
  • ボキャブラリーに乏しいトニーが妻に宛てた手紙を毎回添削してやるドク
  • 映画の冒頭では黒人を差別していたのに、終盤では不当な扱いを受けるドクの代わりに白人にキレるトニー
少しずつ変わっていく二人の関係性がすごく良い。おっさん二人が旅しているだけなのに、次第にこの二人に対してなぜか「かわいい」という感情が湧いてきます(笑。個人的にはちょいちょい挟み込まれ、最後のオチにも使われる手紙の添削のエピソードがすごく好き。 ベースにあるのは当時の(今も地域によっては残っているに違いない)アメリカ国内の人種差別なんですが、それをストレートに描くと重々しい作品になってしまうところ、問題提起はしつつもあまり重苦しくしない脚本が良い。特に爆笑ではなく「プッ」と笑わせてくるコメディのセンスが秀逸で、私は飛行機内にもかかわらず鑑賞中に三回くらい声が出てしまいました(笑

あとこの映画、特に音楽がいい。ドン・シャーリー自身が演奏するジャズやクラシックはもちろんのこと、劇中で使われる楽曲も 1960 年代のオールディーズやソウルが中心で、私のツボを突いてきます。Aretha Franklin の楽曲ももちろん出てきますが、残念ながら "Think" じゃなかった(´д`)。あの CM、日本の映画業界らしくけっこうミスリードを誘う作りじゃないですかね...。

さておき、主人公トニーを演じるのはなんと『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでアラゴルンを演じたヴィゴ・モーテンセン(!)。あの高潔な勇者から粗野な太ったおっさんへのギャップ。この撮影のためにわざわざ 20kg くらい増量したというからすごい。言われなければ同一人物だとはまず気付きません。私は『ロード~』以外で彼の出演作を観たことがありませんが、こんなに演技の幅がある人だったんですね...。
対するドクを演じるマハーシャラ・アリの芝居もいい。最初はお堅い感じなのに、次第に打ち解けてお茶目な一面を見せ始めるジワジワとした変化が秀逸。と思ったら、何と本作でアカデミー助演男優賞を受賞していたんですね(ヴィゴ・モーテンセンのほうは主演男優賞ノミネート止まり)。

アカデミー賞抜きにしても、いい映画でした。今年ここまで観てきた中では(ってもまだあまり観てないけど)一番良かったような。『ボヘミアン・ラプソディ』のような派手さがないのであまり話題になっている印象がありませんが、個人的にはとてもおすすめです。

投稿者 B : 22:25 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/03/09 (Sat.)

gifted/ギフテッド

今回の北米出張には初めてアメリカン航空を利用したのですが、機内エンタテインメントで少し気になっていた映画がラインアップされていたので、移動中の時間潰しがてら鑑賞しました。

gifted/ギフテッド

gifted/ギフテッド

自殺した姉に託された「特別な才能」をもつ姪を独りで育てる男の物語です。"gift" には「神からの贈り物=天賦の才能」という意味もあり、つまりはそれだけ傑出した才能をもつ子をどう育てるか?という話。

ボートの修理工として働くフランクは、彼の姉譲りの天才的な数学の才能をもつ少女メアリーを姉の遺言に従って「普通の学校」に通わせようとするが、周囲の子たちとの能力の違いから校内で浮き、次第に問題を起こすようになる。それでも彼女なりの信念に基づいた行動で同級生たちと馴染み始めたところで、絶縁状態だったフランクの母=メアリーの祖母イブリンが現れ、メアリーを一流の教育機関に移そうとする。母親との衝突の末自殺を選んだ姉の気持ちを組みメアリーを普通に育てようとするフランクと母イブリンは最終的に法廷で親権を争うようになり...というのが大まかな流れです。
扱っているテーマ的には『グッド・ウィル・ハンティング』と共通するところがあるものの、『グッド〜』がトラウマに埋もれた才能を見出して彼の能力を発揮できる場所へと導く話であるのに対して、本作は才能ある子を特殊な環境に置かず「普通の感覚」を学ばせるために育てるという点で、逆方向を向いたような話になっています。まあ、人間社会で生きていくために才能よりも社会性を育てる必要のある幼少期と、ある程度人格が形成された青年期とでは導くべき方向性が異なって当然ではありますが。

映画は基本的に主人公であるフランクの視点で描かれます。だから特別な才能があっても家族の前では年相応に子どもらしいメアリーはとてもかわいいし、姉の遺言も関係なく近くで成長を見守りたくなる気持ちはわかる。一方で自分も一人の親としての視点、そして自分の親に育てられてきた経験をふまえると、自分が為し得なかったことを子や孫に投影し、その才能を最大限に伸ばしてやりたいイブリンの気持ちもまあわかる。どちらの生き方が正解かは、実際に大人になったときの本人次第でもあるわけで、難しい話です。
ただエンディングまで観た限りでは、最終的にはこの映画は育て方がどうこうというよりも、固い絆で結ばれた事実上の父娘の愛を描いた作品なのだなあ...という感想を持ちました。多くのシーンで表現されていた「メアリーの子どもらしいかわいさ」は、才能云々を離れた幸せな親子像を映像で表現したものに違いない。

我が家も長女が一年前に中学受験を経験し、来月四年生に上がる次女が塾に通い始めたこともあって、子どもの能力の伸ばし方について考えることが増えた身としてはいろいろ感じるところがありました。私は別に娘を天才数学者にするつもりはないけれど(笑)、娘たちが将来自分で生きる道を選ぶ日が来たときにできるだけの選択肢を用意しておいてやりたい。また娘たちが通う都内の小学校で実際に学級崩壊や崩壊寸前の状況に何度か遭遇したことで、今の東京で「普通の学校」に通わせることが必ずしも幼少期の幸せや健全な成長につながるとは限らない。かといって一定水準の環境を子どもに与えるためには相応のお金がかかる。この映画のような二元論ではいかない話だし、近年の私の最大の関心事は実はそれだったりします。でもそういう状況だからこそ、この映画を観てみたいと思っていたのでした。

話を映画に戻すと、この作品は本当に芝居と演出が素晴らしい。アクション映画のような派手さはないものの、クリス・エヴァンス(『キャプテン・アメリカ』)を筆頭とするベテラン俳優陣が実に深みのある芝居をしています。でもそれ以上に圧巻だったのがメアリー役のマッケンナ・グレイス。撮影当時まだ 10 歳やそこらだったにもかかわらず、学校のシーンでは自分の能力に自信をもつ大人びた小学生として演じ、フランクや愛猫フレッドと触れ合うシーンは屈託のない笑顔や仕草を見せ、フランクとの関係性が変化していくシーンでは微妙な心境を表現してみせ...本当に振り幅が広くて素晴らしい。しかも自分の子じゃないのに「この子を絶対幸せにしてやりたい」と思ってしまうかわいさ!(笑)この感情、娘を持つ親ならば共感してもらえるんじゃないでしょうか。
映像についてもメアリーがフランクやフレッド、隣人のロバータと接する何気ないカットの使い方がとても巧く、変に科白で言わせなくても彼らの関係性がしみじみ伝わってくる、いい画なんですよね。

ラストはまあ「めでたしめでたし」で丸く収めた感じの脚本だけど、翻って自分の子どもたちの幸せって何なんだろう...?と考えてしまう部分はありました。でもウチの場合は二人とも、少なくともこれまでの選択の結果については納得しつつ充実した日々を送ってくれているようだし、これで良かったと思いたい。

いい映画でした。映像作品としても余韻のあるいい画がとても多いし、定期的に見返したくなる作品だと思います。

投稿者 B : 22:27 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/02/17 (Sun.)

ファースト・マン [IMAX] @109 シネマズ川崎

宇宙もの映画が好きな私としてはこれは観ておきたかった。

ファースト・マン

ファースト・マン

「ファースト・マン」...人類で初めて月まで行った男、つまりニール・アームストロングの物語です。『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリング主演で史実宇宙もの?というのにちょっと違和感を持ちましたが、それでもアームストロングの伝記の映画化となれば観たいじゃないですか。

物語はアポロ 11 号が月面に着陸する十年ほど前から始まります。冒頭はアームストロングのテストパイロット時代、超高高度へのテスト飛行の映像から始まります。この映像がまた美しく、ああここから始まる壮大な宇宙開発史とそのロマンが堪能できるのか...と思ったら、その後当分にわたってアームストロングの飛行シーンは出てきません(´д`)。その後はむしろ、難病で幼くして亡くなった愛娘に関するエピソードや打ち上げの失敗・テスト中の事故などで同僚が次々と亡くなっていく話が続き、何とも重い雰囲気に包まれます。そんなこともあってかずっとどこか孤独で、寡黙な空気を纏い続けた人。他の二人の息子に対しても、決して育児放棄しているわけではないけれどあまり多くを語らず、挙げ句の果てにアポロ 11 号の打ち上げ前夜に「これでもう会えなくなる可能性もあるっていうのに、子どもたちに何か言ったらどうなの!」とブチギレられる始末。

ニール・アームストロングというと英雄視されすぎていて、その功績からくるイメージに対してはライアン・ゴズリングってなんか違うような...という先入観を持っていましたが、こういう暗めであまり救われないエピソードをたたみ掛けられると「あー、だからライアン・ゴズリングなのか...」と妙に納得(´д`)。『ラ・ラ・ランド』でも『ブレードランナー 2049』でもライアン・ゴズリングは目的を果たすけどなんか報われない、そういう役どころでした。しかしまあ、「アームストロングの映画」に対して多くの人が抱く期待とはずいぶん違う内容で、劇場のシートに座りながらずっとモヤモヤしてしまったのも事実です。同じ宇宙開発ものなら、メインキャラが誰も自分では宇宙に行かない『ドリーム』のほうがよほどロマンがあったし、『アポロ 13』のほうが分かりやすいドラマがあった。

ただ、そういうモヤモヤがあったからこそクライマックスのアポロ 11 号の打ち上げ~月面到達シーンは感動しましたね。アームストロングがついに月面に降り立ち、あの有名な「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」の言葉を無線で伝えた瞬間には、思わず涙がこぼれました。

ファースト・マン

なお今回は川崎の 109 シネマズにて鑑賞。IMAX なら通常は T・ジョイ PRINCE 品川を利用しているわけですが、今回は初めて IMAX レーザーで鑑賞すべく、わざわざ川崎を選びました。IMAX レーザーは最近までは大阪にしか施設がなかったのが、昨年 11 月に川崎にも導入されました。4K レーザープロジェクタを使用して従来よりも高輝度・高コントラストの映像が楽しめるのが特長で、4K/HDR 時代のリファレンスになり得る設備だと思います。

レーザープロジェクタの威力は確かに絶大で、真っ暗な宇宙空間に浮かぶ地球の青の鮮やかさや大気を介さない太陽の眩しさがプロジェクタの映像とは思えない高コントラストで描かれていました。特に本作ではアームストロングが地球や月を目にする瞬間を「まずは宇宙服のバイザーへの反射で表現し、その後スクリーン全体にそのものを映す」というもったいぶったやり方で表現しているため、観る側の期待の高まり具合も含めて強烈な効果を発揮していたと言えます。
一方、撮影は IMAX 70mm フィルムを使用して(おそらく意図的に)ある程度のフィルムグレインが載り、かつ手持ち撮影されたシーンも多いことから、4K の鮮明さを感じられるシーンはあまり多くなかったのはちょっと残念。それでもあの地球の青さはわざわざ IMAX レーザーの劇場を選んだ価値はあったと思えます。

ただし、劇場そのものとしては品川の IMAX のほうがスクリーンが大きく座席の配置もいい。非レーザーでも品川のプロジェクタは十分に輝度もコントラストも高いので、全体の満足度としては依然として品川のほうが高いかな、というのが正直な感想。品川は座席の傾斜が大きいのでどの席でも視界が開けていますが、川崎は前席に背の高いお客さんがいたら頭がスクリーンに被りがちなんですよね...。シートも川崎の方が広くて快適です。
IMAX もレーザー導入劇場を限定するつもりはないでしょうし、T・ジョイも都内最大級の IMAX シアターである品川には力を入れているはずなので、品川にも早く IMAX レーザーが導入されることを期待しています。

投稿者 B : 23:01 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/02/12 (Tue.)

劇場版シティーハンター @TOHO シネマズ新宿

わざわざ新宿まで観に行ってきました。

劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ

劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ

私は別に熱心なファンというわけではないんですが、ジャンプ黄金期世代なのでアニメはなんだかんだリアルタイム(田舎だったのでたぶん遅れネット)で観ていたし、原作もジャンプ本誌やコミックで全部読んでました。コミックはかかりつけの医院とか高校時代によく行ったお好み焼き屋とかに置いてあって読んでいたような記憶が。だから二十年ぶりにアニメ化、しかもほぼオリジナルキャストでの制作と聞いて懐かしくなり、興味を持ちました。

ストーリーはある美女から依頼を受けた冴羽獠が悪者から依頼人を護りつつ、途中にお色気シーンや香にハンマーで殴られたりなんのかんのあって悪役を倒して事件を解決する、といういつもの『シティハンター』。原作連載当時とは時代が違うため登場するツールが現代に合わせて変更されてはいるものの、大枠はフォーマットを踏襲していて観ているこちらとしても安心感があります(笑。いいシーンでは必ず旧作のテーマ曲がかかるところがものすごく郷愁を誘う。時代設定は現代なのに、空気感が完全に '80 年代後半のそれでした。

シティハンターといえば「XYZ」の伝言板。私が学生時代に上京してきた頃にはまだかろうじて伝言板は現役だったけど、携帯電話の普及に伴いどの駅からも姿を消して久しい。獠への依頼が果たしてどのような形で行われるのか...と思ったら、意外な形で伝言板のモチーフを使っていてちょっと感心してしまいました。

今回の(今回も)舞台は新宿。リアルタイムでテレビシリーズを観ていた頃には「漫画やアニメの中の世界」に過ぎなかった新宿も、東京に住んで二十年経った目で見ると「自分のよく知っている風景の中で獠や香たちが動いている」ように見え、何とも言えない気分になります。特に今作はサブタイトルに「新宿」とあえて入れていることから、特に意識的に新宿の名所を舞台にしたのでしょうが。自分が今まさに観ているこの映画館の外で事件が繰り広げられていると思うと、わざわざ新宿まで見に来た甲斐があったと思えます(笑。

劇場版ということでテレビシリーズよりもちょっとスケールが大きめの話、だけど話が特別に面白いか?と言われればそうでもないような(笑。でもフォーマットどおりに展開して様式美のようなギャグシーンがあって期待通り『Get Wild』で締めてくれる『シティハンター』が約三十年ぶり(過去の劇場版やスペシャルは観なかったので)に観られただけで満足です。いやむしろ ED の『Get Wild』のために 90 分の映画を観たと言っても過言ではないくらい(ぉ、『Get Wild』と ED の演出は色褪せないカッコ良さを持っていると思います。少年時代の自分と同窓会を開いたような感覚に陥る映画でした。

投稿者 B : 23:45 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/02/09 (Sat.)

SUITS/スーツ [Prime Video]

今の仕事は海外出張を含め英語を使う機会が多いんですが、私は読み書きとリスニングはまあできるけどスピーキングが苦手。なので最近は英会話学校に通っていたりします。四十代になって習いごとを始めるとは思っていなかった(;´Д`)。
さておき、講師の中で映画やドラマが好きという先生が「ビジネス的な言い回しもよく出てくるから」と勧めてくれた海外ドラマを観始めてみました。

SUITS/スーツ

私は『24』も『ER』も『ゲーム・オブ・スローンズ』もちゃんと観たことがないくらい海外ドラマに縁がなかったんですが(でも昔のホームコメディは好き)、それでもこのタイトルくらいは聞いたことがありました。2011 年から 9 シーズンも続いているシリーズらしいですね。

型破りで傲慢な凄腕弁護士・ハーヴィーと、ひょんなことから彼の部下として働くことになった元フリーター(だけど記憶力は天才的)・マイクがバディを組んで様々な訴訟に取り組んでいく、というストーリー。まだシーズン 1 の三話目まで観ただけですが、最初はマイクがハーヴィーの事務所に採用されるくだりが荒唐無稽すぎてなんじゃこりゃ?と思ったものの、実際の訴訟を扱っていく二話目以降はなかなかに面白い。弁護士見習いのマイクがハーヴィーに放置され手探りでの証拠集めに苦労する中、いいところで登場したハーヴィーが一発逆転の策を授ける、という展開が基本のようです。基本的に一話完結で話のペースが速く、途中にコメディシーンもちょいちょい挟んでくるから飽きない。海外ドラマらしい濃い作りです。

弁護士ものというと殺人事件を扱った法廷劇のイメージが強いですが、この作品は企業系の訴訟案件がメインで、かつ法廷外の駆け引きが多い。ビジネスに関連する言い回しが多用されるし、出演者の英語も聴き取りやすい。これは確かにビジネス英語のトレーニングにうってつけのドラマかもしれません。謎解き的な要素はほぼありませんが、スピード感ある展開と最後で大逆転するケレン味に引き込まれるので、むしろ英語そっちのけで楽しんでしまっている自分がいます(笑。Prime Video ではシーズン 6 まで見放題対象になっているので、ちょっとずつ観ていこうと思います。

投稿者 B : 22:11 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2019/01/30 (Wed.)

ペンギン・ハイウェイ [Blu-ray]

最近は映画もほとんど配信で観るようになってディスクが発売されても買うことがめっきり少なくなったんですが、これは Blu-ray で持っておきたいと思って購入しました。

ペンギン・ハイウェイ Blu-ray スタンダードエディション

ペンギン・ハイウェイ Blu-ray スタンダードエディション

去年の夏に観た映画の中では、個人的には一番ツボにはまった作品。

サイエンス・ファンタジー要素を取り入れた典型的なジュブナイルものの作品ですが、主人公が熱血漢ではなく物事を少し斜めに見る大人びたタイプの少年というあたりが現代的。でもある日突然街に現れたペンギンと「海」の謎を解くストーリーにはこのキャラクターが必要だったのでしょう。また大人びていながらも、年上のお姉さんに憧れたり、他人の気持ちや恋という感情を理解していなかったり、そういう内面が物語を通じてちゃんと成長していくさまが描かれているのも良い。私はなんとなく自分の少年期を追体験するような視点で観てしまう作品です。だからこそ思い入れが生まれるというか、人によっては「なんだこの生意気な子ども」と感じて物語に入っていけないかもしれません(笑。

前半は何気ない日常の中に出現した超常の謎を、子どもらしい視点(しかし科学的アプローチとしては正しい)で解いていこうという話。建物から文房具に至るまで細かく描き込まれた舞台装置がリアリティを添えています。一方でクライマックスは完全にファンタジーの世界、リアルを捨てて天地がひっくり返る映像に「コロリドらしい」疾走感のある演出。最終的にはペンギンとお姉さんの謎は完全に解けるわけではないけれど、余計な寄り道をせずにメインキャラ陣の成長にフォーカスしたシナリオとこの前後半のギャップの大きさがラストのカタルシスに繋がっている。また舞台は主人公アオヤマ君の街からほぼ出ないのに作品のテーマとしては宇宙にも繋がっていく構造になっているあたりが「子どもの目からみた世界」の狭さとその先の可能性を暗喩しているようにも思います。改めて考えると、映像として表現するのが難しい小説をこういう形で映像化してしまったことの凄さを感じる作品です。

実は私は夏休みに長女にこの小説を勧めて読ませていたのでした(笑。長女の性格ならこの作品は面白いと感じたに違いないので、今度の週末にでも一緒に観ようかと。

投稿者 B : 22:38 | Anime | Movie | コメント (2) | トラックバック

2019/01/18 (Fri.)

コーヒーが冷めないうちに

私は気になった映画はすぐに映画館で観ちゃう方なので飛行機に乗っても機内エンタテインメントであえて観たい映画も特にないことが多いのですが、今回はちょっと気になるけどネット配信が始まってからでいいか...と思っていた映画が JAL 国際線にラインアップされていたので、珍しく機上で鑑賞しました。

コーヒーが冷めないうちに

コーヒーが冷めないうちに 通常版 [Blu-ray]

本屋大賞にノミネートされた小説の映画化らしいですね。私はどちらかというと松重豊が出てるというので気になったクチです(ぉ。映画としては気になってはいたんだけど、「泣ける映画」という触れ込みで売り出される邦画があまり好きではなくて、なのに「4 回泣けます」とか宣伝されると逆に萎えるじゃないですか。確かに映画って日常とは違った感動を味わいたくて観るものだと思うけど、みんなそんなに泣きたいのか...。

さておき、この映画。ある喫茶店の特定の席に座ってコーヒーを飲むと、そのコーヒーが冷めきるまでの間だけ自分の行きたい時間(必ずしも過去とは限らない)に行ける、ただしコーヒーが冷める前に飲み干さなければ二度と現在には戻ってこれなくなる...というファンタジー設定の中で、登場人物がどの時間に行って誰に会い、何をするのか?を描いた作品です。二時間ものの映画だけど実際には四つのショートストーリーを組み合わせたオムニバスドラマ的な形式を取っていて、以下のエピソードが描かれます。

  • 幼なじみの男性と喧嘩別れした女性(波瑠)が喧嘩する直前に戻る話
  • 認知症で記憶を失い夫の顔さえも忘れてしまった妻(薬師丸ひろ子)の過去に会いに行く夫(松重豊)の話
  • 妹に実家の旅館を押し付けて気ままに生きる姉(吉田羊)が、急逝したその妹に再会しにいく話
  • 過去に囚われて現代に帰ってこれなくなった母(石田ゆり子)にもう一度会いに行きたい娘(有村架純)の話

「泣ける」を標榜する日本映画では往々にして主要キャラの誰かが難病にかかって死んでしまうことが多いですが、この映画はあまりそういう感じではなく(人が死ぬ話は出てくるけど)人間の望みや後悔について丁寧に描いた作風なのがなかなか良かったです。最後のエピソードは、人を過去に送ることはできても自分が過去に行くことはできない数ちゃん(有村架純)がどうやって過去に行くのか...というトリックが SF(サイエンスファンタジー)的で面白かった。

で、実際泣けたか?というと個人的にはそこまでなく感じではなく、むしろじんわり感動する系の作風だと思ったのですが、二番目の認知症の初老夫婦の話は思わずグッと来るものがありました。

コーヒーが冷めないうちに

だって松重さんのこの顔ですよ。嬉しさと悲しさ、それに深い愛情がないまぜになったこの複雑な表情。それを受ける薬師丸ひろ子の表情もいい。人の死をもって泣かせる話じゃなく、片方が病気になったときに夫婦としてどう生きていくか...を描いた話だからこそ他のエピソードよりもリアリティがあって、仮に自分もあと二十〜三十年後に同じような状況に陥ったらどうするだろうか...と考えてしまいました。

そこまで期待したわけでもなかった割にはいい映画だったかな。映像のスケールが大きいわけではないので映画館ではなく配信でも十分楽しめます。
それにしてもこういう喫茶店を題材にした映画を見ると喫茶店に行きたくなりますね。こないだ松重さん繋がりでヴィヴモン・ディモンシュに行って個店系の喫茶店の良さを実感しただけに、なおのことそう思います。特に戻りたい過去があるわけではありませんが(笑)、こういう過去に戻れそうな喫茶店を探してみようかな。


投稿者 B : 22:56 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/12/27 (Thu.)

カメラを止めるな! [PS Video]

劇場公開中にリピートしたかったのが果たせずじまいだったので、配信が始まったのを見計らって PS Video で改めて鑑賞。

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

そろそろネタバレを恐れずに書いても良いですかね(笑

前半は完全に B 級ホラー映画をまるまる見せられて、後半にそのタネ明かしを含めた撮影風景を追体験する、という二段構成になっています。前半の劇中劇『ONE CUT OF THE DEAD』も小劇場芝居のようなノリが面白く、また本当にノーカットで収録されている凄みを感じられます。ところどころ引っかかりのある構成は、初見の時には後半のネタばらしで「あれが伏線だったのかー!」と納得しながら観るのも面白かったんですが、一度ネタが判った状態で最初から改めて観るのもまた違った面白さがあります。ちょいちょい挟み込まれる変なシーン、変なカットの裏がどうなっているかを想像しながら観ると、初見とは別の場所で笑いがこみ上げてくる。劇場で観たときに自分とは違う部分で反応していたお客さん、あれはリピーターだったのか!

この作品は SNS で話題になり、それをテレビがフォローすることでヒットした、いわゆる「バズった」映画の典型例でしたが、その契機は意外にも新聞の映画評コーナーに掲載され、初期は映画好きのシニアが単館の席を埋めたことがきっかけだったといいます(ソース:小寺信良さんと西田宗千佳さんのメルマガ)。SNS 的には「ネタバレは憚られるけど観に行った人の熱量がクチコミで伝わりやすい構造」を持つ作品ではありますが、一方で制作陣の映画愛、演劇愛が強く感じられる作風が、そういう映画好きや業界人の心を掴んだことがヒットの種火になったのではないでしょうか。そういう意味では『ラ・ラ・ランド』や『ニュー・シネマ・パラダイス』といった作品が映画好きに支持されたのと同じ根っこを持っているように思います。

とにかくイヤなことを忘れてひたすら笑えるいい映画です。私もディテールを忘れた頃にもう一度観ようと思います。

投稿者 B : 22:07 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/12/20 (Thu.)

2001 年宇宙の旅 [UHD BD]

発売延期されていた UHD BD がついに発売され、我が家にも届きました。

2001 年宇宙の旅 日本語吹替音声追加収録版 [UHD Blu-ray]

2001年宇宙の旅 日本語吹替音声追加収録版  4K ULTRA HD&HDデジタル・リマスター ブルーレイ (初回限定生産/3枚組/ブックレット&アートカード付) [Blu-ray]

IMAX 上映も観てきたけど、自宅で 4K HDR による『2001 年』が堪能できるとあればもう買うしかないじゃないですか。まあ我が家にはまだ 4K HDR の再生環境がないわけですが、機材の前の先行投資ということで。ガンダムとスター・ウォーズと 2001 年だけは何度メディアチェンジしても買い換えるつもりです。さすがに 4K HDR が物理メディアとしては最後の世代になるんだろうな...って Blu-ray 時代にも思ったけど、今回はいよいよ本当に最後じゃないでしょうか。

私が購入した UHD BD パッケージには 4K UHD だけでなく 2K BD も同梱されていたので、とりあえず 2K BD で新旧ディスクの画質差を比較してみました。2K 版も解像度が違って HDR 非対応なだけで 4K 版と同じ新マスターを使っているようで、画質的には旧版とは随分違います。

2001 年宇宙の旅

まずはタイトルバック。タイトル文字の輪郭からしてクッキリしているし、画面下の「(c)MCMLXVIII by...」の文字も HD デジタル・リマスター版では潰れていません。また一見して分かるのがホワイトバランスで、こうして見ると旧マスターはなんだか黄ばんで見えます。コントラストも向上しているようで、新マスターでは地球の向こうに見える太陽が眩しく感じます。

2001 年宇宙の旅

古代の地球における一場面。画面全体にフィルムグレインが出ているのは新旧変わらずですが、旧版では潰れがちだった階調がちゃんと出て、雲や岩肌の質感が見えてきているのが明らかに分かります。色調も新マスターのほうが自然。

2001 年宇宙の旅

新マスターの画質が最も感じられるのはやっぱり宇宙のシーンではないでしょうか。地球の青さ、透明感、階調が新マスターではしっかり表現されているだけでなく、宇宙ステーションのディテールも新マスターのほうが上。そして何より、漆黒の宇宙に浮かぶ星々が旧マスターではやや潰れ気味だったのが、新マスターでは一つ一つまでくっきりと描かれています。画質が上がることで特撮やプロップの粗が気になるかと思ったら、逆にこんなに古い映画でも画質が高い方が臨場感が高まるというのには驚きます。

2001 年宇宙の旅

月面のシーン。カラーバランスが見直され、ディテールや階調が見えてくることで、新版のほうが宇宙空間の寒々とした空気感(真空だけど)が強まっています。この後にモノリスが発信する神秘的だけど怖いシーンに繋がっていく雰囲気がよく出ています。

旧マスター版 BD も古いフィルムにしては健闘している画質だと思っていましたが、HD デジタル・リマスター版を一度見てしまうともう旧版には戻れませんね。しかも、画質以上に音質が新旧で大きく違う!テレビの内蔵スピーカで鳴らしても情報量や音場感の違いが分かるレベル。『ツァラトゥストラはかく語りき』『美しく青きドナウ』などの名曲の存在抜きには語れない作品だけに、この音質差は無視できません。

ほんの二ヶ月前に映画館で観てきたところだけど、ちょっと気合い入れてもう一度観るしかないですねこれは。そして 4K UHD 版はさらにこれを上回る画質になるわけで、一日も早く 4K 環境を整えたくなってきました。

投稿者 B : 20:01 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/12/09 (Sun.)

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 @109 シネマズ川崎

『ファンタスティック・ビースト』シリーズの最新作を観てきました。

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

本当は IMAX で観たかったんですが、109 シネマズではムビチケ(前売券)が利用できるのは通常上映のみで、IMAX は通常決済しかできないらしく、ムビチケ購入済みだった私は泣く泣く通常の 2D 上映を観てきました。他系列なら IMAX でもムビチケ使えるのに...こんなことならいつもの品川に行けば良かった。

さておき、本作は原題のロゴで "Fantastic Beasts" よりも "The Crimes of Grindelwald" の方が圧倒的に大きいことからも分かるように(笑)、前作とは打って変わって魔法動物はそこまでフィーチャーされません。それ以上に主人公であるはずのニュート・スキャマンダーの存在感さえも薄く、完全にグリンデルバルトが主役だったと言って良いでしょう。なんか『ハリー・ポッター』シリーズを観た、というよりジョニー・デップ映画を観た感覚の方が強い(ぉ。まあ、この先は『ハリー・ポッター』本編に繋がる前日譚としてダンブルドア(ジュード・ロウ)とグリンデルバルトの対決の話が描かれていくんでしょうから、ニュートは狂言回し的な役割が強くなりそうではあります。

映画は前作のラストで米魔法省に拘束されたグリンデルバルトが、イギリスへの移送中に脱走するところから始まります。ここからしてダークな作風になる雰囲気マンマン。そして前作の最後にバラバラになった四人のメインキャラが再集結し、前作で死んだと思われていたクリーデンス少年が実は生きていたことと、その出生の秘密を追う...という情報量的にはけっこう詰まった展開。前作では世界観やキャラクターの紹介、魔法動物の描写など導入部が少し冗長なくらいだったのに対して、今回は観客が一通りのことを知っている前提でどんどん話が進んでいきます。さらには物語の舞台としてホグワーツも登場。あの城の映像とテーマ曲がかかった瞬間には何とも言えない懐かしさがこみ上げてきました。前作では『ハリー・ポッター』本編との繋がりは単にキーワードとして示されるに過ぎませんでしたが、いよいよ本編に繋がっていくことが実感できると興奮するものです。映画としても展開早め、アクション多めの濃い内容だったこともあり、第一作目よりグッと面白さが増しています。

ラストには「今まで(『ハリー・ポッター』シリーズの中で)聞いてたんと違う新事実」も出てきて、気を持たせる終わり方。全五部作で続きは二年後とのことですが、三作目が今から楽しみになりました。

投稿者 B : 21:30 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/12/01 (Sat.)

機動戦士ガンダム NT @新宿ピカデリー

昨日公開された劇場版新作、初日朝の回でさっそく観てきました。

機動戦士ガンダム NT(ナラティブ)

機動戦士ガンダム NT

『機動戦士ガンダム UC』の続編として制作された完全新作アニメ。続編とはいっても小説『不死鳥狩り』をベースに話を膨らませたシナリオで、あくまで『UC』の外伝的な作品ではあります。

『UC』同様に福井晴敏が脚本を手がけ、サンライズ第 1 スタジオが制作を担当する『UC』の続編とあっては期待も高まるものですが、外伝ゆえに本編のスケールを超えるものではないこと、そして何よりキャラクターデザインがガンダム作品としては近年まれに見る駄作だった『Twilight AXIS』の人、ということで期待値を下げて観に行きました。

結果...期待していたよりずっと良いじゃないですか。ストーリーは『不死鳥狩り』から大きく逸脱するものではないためだいたい想像通りではあったけど、90 分という尺の中に濃密に詰め込まれた映像の熱量は『UC』のそれ。劇伴は澤野弘之がオケ主体だった『UC』の楽曲に電子音を加えて発展させたビート感の強い楽曲が多く、映像の濃さを増強しています。そして終盤に登場するサプライズは『UC』ファンへのサービスに満ちていて、かなり満足度の高い作品に仕上がっています。
モビルスーツ戦は CG ベースで動きが軽かった『THE ORIGIN』とは違い、重さを感じる手描き主体のアクション。『UC』以上にスピード感があって圧倒されます。一方でキャラクター作画は『Twilight AXIS』同様に微妙...顔が崩れているように見える作画も多くて、ここだけは作り直してほしいレベルで不満。特に旧作にも登場しているキャラは顔が薄くなっていて、違和感が強いです。
しかしそれを差し引いても「面白かった」と言えるだけの濃さがある作品だと感じました。

原作『不死鳥狩り』は『UC』とほぼ同じ時間軸において、スタークジェガンという量産機で非ニュータイプパイロットがフェネクスを追う...というのが良かったんですが、本作では主役機としてナラティブガンダム、ライバル機としてシナンジュ・スタインと II(セカンド)ネオ・ジオングが登場します。まあ映像化するにあたっては新型のガンダムを登場させないわけにはいかないというサンライズ/バンダイ側の都合はあるのでしょうが(笑)、フェネクス捕獲作戦にガンダムタイプ(というかサイコフレーム搭載型)の MS が必要だったというのはちゃんと理由が用意されてあり、納得できるところ。
一方でシナンジュ(スタイン)とネオ・ジオングに予備機があったという設定はさすがに苦しいとは思いますが、ルオ商会の差し金というやや苦しい伏線は用意されています。まあ『UC』のクライマックスでネオ・ジオングを出した以上、それに匹敵するラスボスを用意する必要があったんだろうし、『UC』のラストバトルはあまり戦闘になっていなかったから改めてユニコーンタイプとネオ・ジオングをガチンコ対決させたい...という制作側の欲求もあったのだろうと思います。ゆえに終盤の展開が『UC』の焼き直しになった感は否めませんが、ナラティブガンダムの換装ギミックをうまく使ったメカニック的なサプライズが二度仕込まれていたのはなかなかアツい展開ではありました。公開直前まで隠されていた「C 装備」がああいう形だとは思わなかった。

いやあ面白かったです。特に戦闘シーンには迫力があり、もう一度堪能しつつ分析的に観てみたい気もします。上映期間中にリピートしようかと思っています。

投稿者 B : 22:22 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/11/21 (Wed.)

GUNDAM 40th

動く実物大ガンダム'20年夏に横浜で公開、ORIGIN TV放送、閃光のハサウェイ劇場版 - AV Watch

来年のガンダム 40 周年を控えて今後のガンダムシリーズの展開が発表されました。
主な内容は以下の通り。

  • 「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」(動く実寸大ガンダム)の成果を 2020 年に横浜で公開
  • 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』をテレビシリーズとして再構成し、2019 年 4 月から NHK で放送
  • 『機動戦士ガンダム 00』舞台化
  • 「ガンダムビルドシリーズ」の新作を制作中
  • 劇場版『G のレコンギスタ』を 2019 年に上映
  • 『閃光のハサウェイ』を劇場版アニメ三部作として制作

「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」は最初にプロジェクトが発表・公募開始されてからちょうど三年が経ちました。本来のスケジュールでは 2016 年 9 月には基本設計プランが決定しているはずでしたが、公式サイトによると本日時点で採用に至ったプランはないとのこと。公開まであと二年しかないのに本当に大丈夫なんですかね?個人的には、最終的にガンダムが立って歩くようなものではなく、せいぜい上半身の一部を動かす程度でお茶を濁すんじゃないかと予想。お台場ユニコーンだって完全変身を実現できていないわけだし、正直あまり期待していません(´д`)。

『THE ORIGIN』テレビシリーズの話はちょっといきなりで驚きました。『UC』もまさかのニチアサ枠でテレビ放映されましたが、もともとテレビを想定していない作りだったので各エピソードがぶつ切りになっていた点に強い違和感がありました。『ORIGIN』も OVA 全 6 話を 13 話のテレビアニメとして再構成するとのことですが、どう切るんですかね。民放と違って放送枠の調整の自由度がある NHK なら、毎回少しずつ尺が違うように区切っても成立するということなのかもしれません。私は劇場と OVA でもう何度となく観ていますが、放送されたらまた観ちゃうんだろうなあ(笑。

閃ハサ』の三部作による映画化は半年前に予告されていた通りで、今回は Ξ ガンダムとハサウェイ・ノアをフィーチャーしたキービジュアルが公表されたのみ。原作小説はあまりスケールの大きな作品ではなく、終盤の展開は劇場アニメ化するにはキツい内容でもあるので、シナリオには何らかの手が加えられるに違いありません。『NT』だってアニメ化にあたってジオン残党が出てきたりしたんだから、今回もそんな感じで膨らますんでしょうね...。
また小説版は『ベルトーチカ・チルドレン』の続編として書かれたものであり、アニメ版『逆シャア』とは設定上繋がっていないことも考えると、『閃ハサ』の映像化はアニメ版『逆シャア』をふまえたものになるはず。そうすると、ハサウェイの性格や結末は小説とはちょっと変わったものになるのではないでしょうか。

劇場版『G-レコ』については期待していません(´д`)。あのテレビアニメを再構成して何とかなるものとは思えない。『新訳 Ζ』とは違うんですよ...。

40 周年にしてはどの企画も小粒という感が否めませんが、とりあえず『閃ハサ』は期待して良いんでしょうか。

投稿者 B : 22:40 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/11/19 (Mon.)

ボヘミアン・ラプソディ [ATMOS] @TOHO シネマズ日本橋

私が普段聴く洋楽はブラックミュージック系ばかりだし、世代もちょっと違うから Queen については有名な楽曲くらいしか知らないのですが、音楽映画好きとしては観に行くべき作品だと予感したので劇場に足を運んできました。

ボヘミアン・ラプソディ

ボヘミアン・ラプソディ

最も偉大なロックミュージシャンの一人であるフレディ・マーキュリーの生涯とロックバンド「Queen」について描いた音楽ドキュメンタリー映画。
音楽映画というと被差別を含む底辺の生活からグループ結成、ブレイクからの生活の一変、成功したことで周りが見えなくなってのメンバーや友人との決裂、いったん落ちぶれてからの再起...というところまでがテンプレート。本作も、フレディ自身の生まれがそこそこ裕福な家庭だったというスタート地点を除いてはほぼその流れに沿っています。むしろフレディ自身の心情を描写する場面が少ないこともあり、他の音楽映画に比べるとドラマパートは凡庸と言っていい(私が Queen にあまり思い入れがなかったせいもあるかもしれません)。
しかしそれを補って余りあるのがレコーディングやコンサートなどの演奏シーンであり、音楽を通じてフレディが生きた時代を追体験できる点がこの映画の本質であると言えます。ラミ・マレックが演ずるフレディのパフォーマンスは本人そのものにしか見えないし、楽曲は Queen のマスター音源を使用しているというだけあって圧巻。"We Will Rock You" や "We Are The Champions" などのシーンでは、私もライヴ観客の一人となって歌い出したくなる感覚に襲われました。これ、音楽映画におけるライヴシーンとしては史上最高レベルなんじゃないでしょうか。個人的には『ブルース・ブラザース』に匹敵するパフォーマンスだと思います。

こういう映画だからこそ BD や配信を待たずに劇場で観るべきなのですが、単に劇場に行くだけでなく音の良い設備にはこだわりたい。そうなると IMAX かドルビーアトモスが導入されているシアター、あるいは関東ならチネチッタの LIVE ZOUND またはシネマシティの極上音響上映のいずれかが候補になります。私は最後まで LIVE ZOUND にするか迷った挙げ句、きっとスタジアムライヴの熱狂が味わえるに違いないと信じて久々にドルビーアトモスが導入されている日本橋 TOHO を選択。結果的に、期待したとおりに密度の高いサラウンド感が得られ、スクリーンの中にいるはずのスタジアムの観客たちとの一体感を味わえました。LIVE ZOUND や極音上映ではきっとまた違った感じで、ライヴ会場の PA を通したようなサウンドが楽しめるんじゃないかと思うので、機会があればそちらも聴きに行ってみたい(もはや映画を観るのではなくライヴを聴きに行く感覚)。

劇中に登場した楽曲はほとんどが聞き覚えのあるものばかりで、さすが大ヒット曲を多数もち日本でも馴染みの深い Queen の映画。これはファンでなくとも楽しめる、音楽好きならば観ておく価値があると言えます。私はまんまとサントラが欲しくなってしまいました。

投稿者 B : 23:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/11/14 (Wed.)

映画『聲の形』

二年前の劇場公開時には他に観たい映画がいろいろあってスルーしてしまっていましたが、今さらながら鑑賞。

映画『聲の形』

映画『聲の形』Blu-ray 通常版

聴覚障害をもつ転校生・硝子へのいじめの主犯格だった小学生時代の主人公・将也。そのことが学校で問題となり、同級生や教師からも全ての責任を押しつけられたことで、将也は罪悪感と人間不信から心を閉ざしてしまう。やがて高校生になり、硝子との再会をきっかけに彼を取り巻く人間関係が変わり始めて...という話。
あまり予備知識を入れずに見たので、聴覚障害が題材のアニメ映画だという程度の認識しかありませんでしたが、爽やかな感動青春モノっぽいキービジュアルとは裏腹に重たい作品でした。障害やいじめを扱うとどうしても重くなりがちなものですが、それよりも傷を持つ思春期の心のぶつかり合いが重い。

障害をもつけどとにかく人当たりの良い女の子。典型的なガキ大将タイプ。気弱だけど誰にでも分け隔てなく優しい子。ちょっとスレた、女子グループのリーダー的存在。外見も性格も欠点の見当たらないお嬢様タイプ。など、登場人物はどこか一昔前の漫画/アニメのテンプレ的なキャラクターばかりですが、それぞれ第一印象とはちょっと違う内面を持ち、物語内の時間の経過に伴って成長・変化していきます。ステレオタイプに見えつつも実は複雑で外からは理解できない瞬間もあるこの年代の心理描写が見事。基本的には将也の視点で描かれるため、内面を直接吐露するのは将也くらいですが、ちょっとした表情や仕草、溜め、といったもので機微が表現されているのがすごい。と思ったら、キャラデザがいつもと違うから途中まで気付かなかったんですが、これ京都アニメーション制作なんですね。

私は「いじめはされる側にも原因がある」とも「障害者は常に無謬であるべき」とも思いませんが、センシティブな故に当たり障りのない綺麗事でまとめられがちなこういうテーマの作品で、加害者・被害者(登場人物の一人はそのどちらでもある)の心境がフラットに描かれている点は率直に良いと感じました。精神がネガティブなときって何でも自分が悪いと考えがちだし、人の顔まともに見れないし、よくわかる。一方で加害側の「自分は悪くない」的な発想や、傍観者がつい見て見ぬふりをしてしまう状況も理解できる気はする。そのあたりの客観性をもった表現が秀逸です。

あくまで 130 分の映画の尺の中で描かれる物語なので具体的な成長の描写は将也・硝子の二人にフォーカスが当たっています。それ以外に明確な変化や成長が感じられるのは植野・佐原くらいで、真柴あたりは最後までどんな奴なのか解らずじまいでしたが、原作漫画ではそのあたりまである程度描写されているようですね。そんな中で、個人的に印象深かったのが硝子の妹・結弦(ゆづる)。彼女自身が狂言回しの役どころでありながら、物語を通じて最も変化・成長するキャラクターであり、見ていて飽きない。誰が声を当てているのかと思ったら悠木碧さん。今までまどマギのイメージくらいしかありませんでしたが、こんな中性的な声も出せるんですね。『SSSS.GRIDMAN』のボラーちゃんくんといい、同時期にこういう方向性の演技を立て続けに聴いて驚きました。

いじめに関する描写はストレートに痛いし、思春期らしいトゲトゲした言葉の応酬も刺さってくるし観終わった後はドッと疲れる「重い」作品ではあります。それでも救いはあるし、そうやって通り過ぎていくのが青春でもある。観るのにはけっこう体力を要するけど、良い映画だと思います。

投稿者 B : 22:59 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/10/30 (Tue.)

『孤独のグルメ 2018 大晦日スペシャル』放送決定

今年も大晦日に『孤独のグルメ』のスペシャルドラマが放送されることが発表されました。

こどグルはテレビ東京においてもはや年末年始特番の定番になったため今年もきっとやるんだろうなあとは思っていましたが、今年もまた紅白にぶつけるとは。昨年の大晦日 SP でそれなりに視聴率が取れたということですかね(笑。

去年は中四国を巡った後に成田山の年越し蕎麦で〆でしたが、公式情報によると「はたして今回の仕事先はどの地方に!」との記述もあり、またしても東京都外になる可能性が示唆されています。ドラマで今まで訪れていないのは新潟を除く北信越地方か沖縄ですが、どうでしょうね。また今年はドラマ前半で生ドラマパートを昨年より拡大して行うとのことで、どのような形になるのか楽しみです。前半だとすると初詣スポットではなさそうだし、大晦日らしい人気スポットといえば上野アメ横、浅草寺、深大寺(深大寺蕎麦で年越し?)あたりでしょうか。想像ですが、序盤に生ドラマで小芝居を入れつつ「今年最後の仕事も大変だったなあ...」と振り返る形で本編が始まり、最後には今年も蕎麦を啜りながら年越し、というようなスタイルになるのではないでしょうか。

孤独のグルメ

レギュラードラマのほうでは散々食べた後に白飯に残り汁をぶっかけて締める、みたいな無茶な食べ方が常態化してきていて、最近はさすがに松重さんの体調が心配になるほど(松重さん自身の提案で追加した回もあるようですが)。舞台出身の松重さんなら生ドラマの緊張感も苦にはならないかもしれませんが、あまり無理をせずにがんばってほしいと思います。

投稿者 B : 22:56 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/10/27 (Sat.)

LIVE2018 "ワルキューレは裏切らない" at 横浜アリーナ [Blu-ray]

某クマの人が Day-2 に参戦したというワルキューレの 3rd LIVE の BD を購入しました。

LIVE2018 "ワルキューレは裏切らない" at 横浜アリーナ <Day-1+Day-2> [Blu-ray]

LIVE2018 ワルキューレは裏切らない at 横浜アリーナ Day-1+Day-2 (初回限定盤) [Blu-ray]

テレビアニメ&劇場版『マクロス Δ』を観て、脚本はまあ微妙な部分もあるけどライヴパフォーマンスは良いからそこだけに特化した PV 集なんかがあればいいのに...と思っていたほどでした。そういう意味ではライヴ BD というのは純粋に音楽&パフォーマンスだけを楽しめる良い媒体だと思います。ワルキューレの楽曲には Earth, Wind & Fire をはじめとする '70s ソウルへのオマージュを感じるものも多く、その点でもライヴは絶対楽しいはずと思っていました。

時間がなくてまだかいつまんでしか観れていない...んですが、一度再生し始めると止められなくなりますねこれ(;´Д`)。25 曲、MC まで含めると 3 時間を超える大ボリュームでお腹いっぱいになります。しかも単に歌っているだけじゃなくちゃんとコーラスもハモりあり、さらに激しめのダンスあり。声優(一人は本職のシンガーですが)とかアイドルだとかそういうレベルではないパフォーマンスに圧倒されます。「ワルキューレのワクチンライヴが地球で開催された」という設定のため基本的に「中の人」ではなく劇中の配役としての出演で、映像や光の演出もアニメ準拠だったりもして、実際にマクロス世界では地球でこんなライヴがあったに違いないと思える内容。ライヴ BD としても 5~6 台以上(?)のカメラを駆使して様々な角度から臨場感を感じることができます。

BD メディアとしては二日間にわたって開催されたライヴを Day-1、Day-2 別々に発売し、かつ Day-1+Day-2 の二枚組版まで発売するというがめつい商売(;´Д`)。差分はアンコールに登場するシークレットゲストで、Day-1 がシェリル・ノーム starring May'n、Day-2 がランカ・リー=中島愛という違いくらい。一般的にはどこか一日、あるいは編集してまとめて発売するところ、当日の参加者にとっては「自分が行った回をそのまままた観れる」という点では嬉しいでしょうが、制作サイドはファンから絞れるだけ絞ってきますね...。

それでも『マクロス Δ』でテレビ版の再構築ではない完全新作が製作されることも含め、もはや『Δ』はマクロスやバルキリーではなくワルキューレの人気によって支えられているのだなあ、とこの BD を観て再認識しました。このクオリティで楽曲やパフォーマンスが生み出されて新作映像に繋がっていくのであれば、課金だと思って円盤も買います(ぉ

熱量の高いライヴ BD でした。ワルキューレのライヴチケットの競争率は相当高いらしいですが、もし新作映画の公開に合わせて 4th があるなら私も狙ってみたくなりました。

投稿者 B : 23:35 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/10/24 (Wed.)

2001 年宇宙の旅 [IMAX] @T・ジョイ PRINCE 品川

この映画が劇場で、しかも IMAX で観られるとあれば行くしかないじゃないですか。

2001 年宇宙の旅

2001 年宇宙の旅

今年はこの映画が公開されてちょうど五十年という節目にあたります。今月前半にはオリジナルネガからのアンレストア・ニュープリント版が限定上映されましたが、残念ながらそちらには行けず。この IMAX 版も短期間限定での上映になるようですが、この機を逃すな!とばかりに行ってきました。劇場は当然都内の IMAX シアターではベストと言える T・ジョイ PRINCE 品川。
今回のために起こされたポスターの「五十年前、一つの映画が全ての映画を変えた」というコピーにジーンと来ます。

IMAX 版は 70mm ニュープリント版ではなく来月発売される UHD Blu-ray と共通のマスターを使用しているとのことで、残念ながら 70mm フィルム版の「五十年前と同じ状態での上映」ではありませんが、4K リマスターを経たフィルム版以上の高画質が IMAX グレードのシアターで堪能できます。

映画の内容は今さらなので割愛しますが、何よりも IMAX の巨大スクリーンで『2001 年』の世界に没入することができ、自宅では難しい大音量で音響を堪能できるというのはやはり他ではできない体験。現代の音質に慣れた耳には録音はダイナミックレンジが狭いし、映像も高画質・大画面になった結果合成のアラが見えてしまうところはありましたが、何よりもあの宇宙空間や宇宙ステーション、ディスカバリー号に自分がいると錯覚するかのような体験にはお金を払う価値があると言えます。哲学的で難解と言われがちな映画ですが、きっと当時の観客の多くは内容以上に「宇宙に行ける体験」としてこの作品を受け止めたんじゃないか、と思いました。

私はこれまで、テレビ・DVD・BD と幾度となく『2001 年』を観てきましたが、映画館で鑑賞するのはこれが初めて。IMAX での上映方式はフィルム時代のお作法に倣ったもので、上映前に客電が薄く点いた状態で音楽のイントロが流れ始め、三分ほどかけて徐々にシアター内が暗くなり、真っ暗になったところで『ツァラトゥストラはかく語りき』と共に上映が始まります。また DVD 等では「INTERMISSION」と表示されるだけだった休憩時間もちゃんと 15 分の休憩が設けられていました。デジタル上映になりフィルムの掛け替えが不要になった現在では休憩を挟む必要はありませんが、そこまで再現してくれると逆に気分が高まるというものです。特に本作は二時間半にわたる大作でもあり、途中で一度トイレに立てるという意味でもありがたい(笑)。近年の大作映画も三時間近くあるものが少なくないですが、途中休憩を挟んでほしいと思っていたりします。
また終映後もエンドロールの後に『美しく青きドナウ』が流れ続ける中で客電がつき、まだ音楽が鳴っている中を退出する...というのも現代の映画ではまずない体験。五十年前の人たちはこういうスタイルで映画を楽しんでいたのか、という新鮮な感動がありました。

古い映画ということもあって空席が目立ち、他のお客さんはいかにも SF 映画好きそうなおじさんばかり(←オマエだって完全にその一人だ)でしたが、本作のファンの一人としては感激する、幸せな時間を過ごせました。この体験は UHD BD 版を買ったとしてもそうそう再現できるものではありません。『2001 年』に思い入れのある人なら期間中に観に行っておくべきだと思います。

投稿者 B : 20:01 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/10/17 (Wed.)

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [Blu-ray]

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [4K UHD MovieNEX]

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 4K UHD MovieNEX(4枚組) [4K ULTRA HD+3D+Blu-ray+デジタルコピー+MovieNEXワールド]

ジェダイもフォースもほぼ登場しない『スター・ウォーズ』スピンオフシリーズ第二弾。魂にフォースを宿す者としては、もちろん BD が出たからには確保するわけです。一応将来のテレビ等買い換えを見越して UHD BD 同梱版を購入。

『ローグ・ワン』の熱量が高すぎた反動であまり評価されていない感のある本作ですが、私はけっこう好き。オリジナル三部作で語られていたハン・ソロとミレニアム・ファルコンに関する過去のエピソードについてきっちり描かれています。主演のオールデン・エアエンライクはハリソン・フォードのハン・ソロをよく研究していると思うし、ファルコンのスピード感のある映像も素晴らしい。物足りない原因は主に脚本が小さくまとまっているせいで、旧三部作に物語が繋がった瞬間のカタルシスが感じられないところにあるのではないかと思います。

できれば本作で食い足りない部分や投げっぱなしの伏線を回収する続編を製作してほしいところではありますが、オビ=ワンやボバ・フェットを主人公としたスピンオフ映画は製作凍結されたという噂のまま進展はないし、一方でボバに関係がありそうなキャラクターが主人公で時系列の異なる『The Mandalorian』というスピンオフ作品がテレビシリーズとして公開されることが発表されていたりして、今後のスピンオフ作品がどういう位置づけになるかはイマイチよく分かりません。

個人的に今作で一番微妙だと思っているのがドロイド「L3-37」の存在。SW の新作に個性的な新型ドロイドが登場するというのはお約束ですが、どうしてこういうキャラクター設定である必要があったのか。ドロイドにも自由と権利を、という思想を持つキャラクターというのは現代的だけど、SW という時系列が存在する作品の中でこういう前後の脈絡がないことをやる必要はなかったのではないか。やはりディズニー傘下になってからの SW シリーズは脚本に現代の社会性を絡ませることが目的化している。『最後のジェダイ』でも鼻につく部分はいくつもあったけど、それは「新しい時代の新しい価値観(血筋に関係なく誰でもヒーローになり得る)における SW の表現」としてであればある程度は受け容れられる。しかし当時の SW の世界観を掘り下げるための作品では、そういうことはすべきではないと思うのです。
そういう意味では、私は『ローグ・ワン』での K2-SO の最期には泣けたけど、今回の L3 にはなんか感情移入できませんでした。これは何度繰り返して観ても変わらないでしょう。だいいち L3 視点で見てもドロイドが自由と権利を求めて立ち上がった結果、ミレニアム・ファルコンに組み込まれて最速ルートを提示するだけのデータベース兼 AI に成り果てるって何の皮肉だよ。

まあ 40 年の歴史を持つシリーズだけに、上記のようなめんどくさいファンからのクレームも少なくないでしょうし、そんな中で興行的に成功させるのも大変に違いありません。主要キャストの世代交代や時代の変化もふまえつつ、なお現役のコンテンツであり続けることの難しさはガンダムシリーズ等にも通じるものがあります。長年のファンとしては、細かいツッコミどころはありつつも「今あるもので最大限楽しむ」というスタンスで今後も受け止めたいと思っています。

投稿者 B : 22:12 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/10/09 (Tue.)

ガールズ&パンツァー 総集編 [MX4D] @TOHO シネマズ新宿

ガルパン総集編が 4D で劇場上映されていると聞いて、映画館まで行ってきました。

ガールズ&パンツァー 第 63 回戦車道全国高校生大会 総集編

ガールズ&パンツァー 総集編

総集編は BD を買って持ってるだろオマエ、というセルフツッコミをしつつも一度 4D 上映でこれを観てみたかった。4D 上映は何度か劇場で観てみて、面白いけど映像に集中できないしよっぽど 4D 向きの映画でもない限りは IMAX のほうが好きかな...と思っていたんですが、『ハン・ソロ』を MX4D で観たのがすごく楽しかったので、同じ乗り物アトラクション系のガルパンは絶対楽しいはず。そしたら総集編が MX4D/4DX で上映されるというのでこれは行かない手はありません。

映像そのものは BD で発売済みの総集編そのもので、戦車道大会への参加の経緯や日常シーンなどは主要キャラによるナレーションで繋ぎつつ、主に戦闘シーンの「おいしいところ」をつまみ食い...ではなく原液掛け流しで味わえます。戦闘シーンが中心になることで、MX4D の演出を 120 分ほぼフルに堪能できるのは却って総集編との相性が良かったように思います。

ただ、上映前の他の映画の予告編まで 4D の演出つきだったのは(本作に限らず 4D 全部に言えることですが)ちょっと疲れますね。予告編はインパクトのあるシーンを切り貼りして作られることが多いため、それに全部 4D 演出が乗ってくるとかなり激しいことになります。本来観たい作品ではなく「あまり興味もないのに見せられている作品」でこのクドい 4D(再生中ずっと椅子が揺れたり動いたりしている状態)を強制されるのはさすがにツライ。これは 4D の制作サイドに一考してほしいところです。

で、ガルパン総集編の MX4D がどんな感じかというと、戦車のエンジンの振動や履帯の感触、加減速、主砲の発射や被弾の衝撃が全身で感じられてこれは楽しい!私は本物の戦車に乗ったことがないためこの演出がどの程度リアルなのかは分かりませんが、自分自身が戦車に乗り込んで戦っているような感覚を味わえます。大洗女子はゲリラ戦や撹乱戦が多いから戦車が走っている感覚も楽しいし、黒森峰の重戦車マウスの主砲発射シーンは「くるぞくるぞ」と身構えていたら想像以上の衝撃に風圧まで感じられたのには驚きました。まさに全身で体感する戦車戦。ほぼ 120 分まるまる戦車戦シーンだから体力は使うけど、それに見合う満足感が得られます。

立川シネマシティの極爆上映も良かったけど、MX4D のガルパンはまた違った面白さがありますね。今後は新作として『最終章』の続編も予定されていますが、これは 4D 版を積極的に観に行きたいと思います。

ガールズ&パンツァー 第 63 回戦車道全国高校生大会 総集編 [Blu-ray]

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2018/09/04 (Tue.)

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

「頭で考えるんじゃない、心を口の中に集めて感じるんだ。うまさとひとつになれ」

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

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6 月末の放送終了からまだほんの二ヶ月あまり。ドラマ『孤独のグルメ Season7』の Blu-ray BOX が早くも発売されました(厳密には明日が発売日でフライングゲット)。全話録画してあっても BOX を入手するのが巡礼者としてのあるべき姿です(ぉ

今回はいつもより 1 枚多い 5 枚組。というのも、昨年末に放送された大晦日スペシャルの分が 1 枚多く収録されているわけです。
大晦日スペシャルは終盤にまさかの生ドラマが挿入されるという驚きの構成でしたが、この BD では生放送パートは「LIVE」のテロップ入りで、しかも最後のプレゼント告知までそのまま収録されていて、いつもの放送とはちょっと空気の違ったあの感じが蘇ってきます。

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

定番のピクチャーレーベル。この写真を見ているだけで、あの幸せな生鮭のタルタルバターが脳裏に浮かんできます。もう一度食べたいなあ...。

まだ届いたばかりで全部は観れていないのですが、とりあえず特典ディスクだけひととおり視聴しました。

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

映像特典はいつもどおりのラインアップ。だけど、メイキング映像は各話の舞台裏はいつもよりあっさりめで、代わりに大晦日スペシャルの生ドラマの舞台裏を見せてくれたのと(新勝寺の初詣客が万一少なかったときのための別ナレーションまで収録してあったとは驚きました)、三年ぶりの海外ロケとなった韓国編の様子が厚めに収録されています。
中でも韓国編にゴローちゃんのクライアント役で登場したソン・シギョンさん(本業は歌手)のこどグル愛がアツい(笑。来日した際にドラマの聖地を 5~6 店ほど巡礼済みだったり、ドラマ冒頭の「時間や社会にとらわれず~」のナレーションを暗唱できるほどのマニアで、私の巡礼仲間の中でもここまで愛が深い人はそういないレベル(笑。妙に親近感が湧いてしまいました。

また、ドラマ登場店の放送後の反響をインタビューした「追跡!その後のグルメ」は今回も収録されていて、あらかた巡礼してきた身としては嬉しい。特に広尾のサルシータの店員さんが言っていた「放送直後に来るお客さんはマニア度が違う。放送前に来るお客さんはプライドを持っている」というコメントには、ちょっとギクッときてしまいました(汗。

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

ロケハン日記はシーズンを重ねるごとにお店探しの苦労が重くなってきているのを実感します。
特に今シーズンは山手線内のお店が広尾しかなく、山手線外もマニアックな立地ばかりで、かなりの苦労が偲ばれます。さらに最近は松重さんも映画やドラマに引っ張りだこでスケジュール確保が大変だったろうし、次が作れるのかどうか。でもメイキングで松重さん自身が撮影を楽しみ、時にはメニューや食べ方について提案を出している様子を見ると、年一回のスペシャルドラマでもいいから細く長く続けてほしいなあ、と思います。

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

そういえば最終話を飾った八丁堀の中華シブヤ。築地市場の豊洲への移転に伴って今月末に閉店してしまうそうですね。ドラマや原作に登場したお店が閉店してしまう例は過去にも複数ありますが、放送からこれだけ短期間のうちに移転でもなく完全閉店というのは例がないのではないでしょうか。残念でもありますが、今まで長きにわたって八丁堀サラリーマンの空腹を幸福に満たしてきただろうお店だけに、お疲れさまでしたと言いたいです。閉店までにもう一度行く機会、あるかなあ...。

個人的には、Season7 の聖地巡礼はあと一箇所だけ残っています。Blu-ray BOX の発売前に勢い任せに韓国遠征まで完了しているとは自分でも予想していませんでしたが(笑)、思っていたよりも良いペースで巡礼してこれたかな。残りの一店も近いうちに攻略してこようと計画中。

■関連リンク
【Season7巡礼中】『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~7&原作 - NAVER まとめ

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2018/08/30 (Thu.)

ちいさな英雄 ーカニとタマゴと透明人間ー@TOHO シネマズ川崎

あまり話題になっていない(?)スタジオポノックの新作映画を観てきました。

ポノック短編劇場『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』

ちいさな英雄 ーカニとタマゴと透明人間ー

この夏はスタジオ地図(細田守)、コロリド、ポノック、コミックス・ウェーブ・フィルム(新海誠監督じゃないけど)という「ポストジブリ」とよく形容されるアニメ制作スタジオ 4 社が揃って新作を公開するという稀有な年になっています。個人的には、そろそろポストジブリとか言うのをやめて質の高い作品を作れるスタジオが増えてきたことを純粋に喜ぶべきと考えていますが、こうも公開が続くとどうしても比較目線で見てしまうわけで。
さておき、スタジオポノックとしては昨年の『メアリと魔女の花』以来わずか一年半での新作。しかも同じく日本テレビが出資する『未来のミライ』と公開時期がかぶってしまったこともあってかプロモーションもあまりされていない、やや残念な位置づけになっているのが不安要素ではありました。

本作は短編三本立てで一時間弱という、劇場映画としては小粒なものになっています。短編三本立てというだけでも実験的な香りがしますが、内容も映画館向けというよりジブリ美術館で上映されるような実験的なものだったので何だろう?と思ったら、東洋経済オンラインに経緯が書かれていました。

「短編アニメ映画」の公開が相次ぐ本当の理由 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン

なるほど、当初は配信向けを想定して作られていたんですね。しかも本来は三本立てではなくジブリの高畑勲監督も招いての四本立てになるはずだった模様。なのにそれが一気に 100~150 館規模での上映になるというのは、いろいろと大人の事情が感じられます。

ともあれ、内容的には以下のような感じでした。

■カニーニとカニーノ

擬人化されたカニの兄弟(観終わるまで兄妹だと思ってた!)の、ちょっとした冒険の物語。ファンタジックな映像でありながら、内容的にはちょっと冷酷な生命と食物連鎖の話。

米林宏昌監督が手がけただけあって、『メアリと魔女の花』に勝るとも劣らない濃厚な背景描写。しかし冒頭からまるで『トトロ』のオープニングのような楽曲に合わせて『ポニョ』の世界観をそのまま引っ張ってきたかのような水中の映像が繰り広げられるのには呆気にとられます。『メアリ』のラストシーンでメアリに「魔法が使えるのは、これが最後」と言わせておきながら次の作品でいきなりこれかよ!と思わず叫びたくなりました。

無声劇に近い内容で台詞もほぼなし。ストーリーも深みがあるとは言えず、映画ではなく美しい映像を見せられている感覚。作画が素晴らしいのに反して、三本の中では一番残念に感じました。

■サムライエッグ

重度の卵アレルギーと闘う母子の物語。私は身近にアナフィラキシーが出るほどのアレルギー持ちがいないので(仮にいてもみんな大人なので対処法が自分で解っているのかも)、本当に深刻な人はここまでになってしまうというのを本作で初めて見ました。今後アレルギー持ちの人と食事の席(に限らないけど)を共にすることがあったら気をつけよう。

『カニーニ』とは打って変わってパステルと水彩で描かれたような映像には引き込まれます。しかもダンスシーンのように動きの激しい場面まで含め、全てこのタッチを用いた手描きアニメで表現されているという。CG 全盛の現代にあって、あえて手描きでこれだけ見せられると圧倒されますね。まるで晩年の高畑勲作品を観ているかのような感覚。三本の中では最も印象に残りました。

■透明人間

他人にはまず見えず、あまりの存在の軽さに重ささえももたない「透明人間」の悲哀の物語。

今度は『サムライエッグ』とは対照的に、油彩のような背景の中をキャラクターが動き回る映像。設定も相まって、『世にも奇妙な物語』のような不思議な体験を共有させられている感覚があります。前の二本は子ども向けの作風でしたが、本作はちょっと大人向け。
報われない透明人間が最後には少し救われる話で、ボリュームこそないけど起承転結はあります。


...というように、それぞれの作品は特に映像・音響面で実験的な試みが盛り込まれ、ギミック的には面白かったんですが、全体的にはやはり詰め合わせ感が強く、映画としての物足りなさを感じてしまいました。やっぱり映画館に来たからには 90~120 分くらい一つの物語に浸って最後にはカタルシスを得たいものなんですよ。そういう意味では、本作は無理に映画館で流すのではなく、配信のほうが向いていたのでは...と改めて思いました。
また、三本ともに短編とはいえ脚本はもっとやりようがあったように思います。三本とも監督が脚本も書いていますが、原作つきの作品をやるなり外部脚本家を起用するなりすべきだったのでは。そういう意味では、この夏のアニメ映画は原作つきの『ペンギン・ハイウェイ』と監督兼脚本の『未来のミライ』『ちいさな英雄』で明暗が分かれたのではないでしょうか。「ポストジブリ」と言われるアニメーションスタジオは、いずれも作画や演出は素晴らしいけど脚本まで自前でやろうとして失敗する例が多いように思います。

スポンサーの関係で難しいのかもしれませんが、スタジオポノックには今後あまりジブリを意識せずに自由に快活な作品を創っていってほしいところです。

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2018/08/27 (Mon.)

劇場版マクロス Δ 激情のワルキューレ [Blu-ray]

明日発売の Blu-ray がフライングで届きました。

劇場版マクロス Δ 激情のワルキューレ 特装限定版 [Blu-ray]

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音楽が菅野よう子じゃないのかとか、流行りに乗ってアイドルグループものかよとか、オチもなんだかんだいって『F』の焼き直しだし...いろいろとツッコミどころはあってもなんかハマってしまったのが『Δ』。これまでのシリーズとは違って最初から「戦場で歌う意味」が明示されていて、最大の見せ場であるドッグファイト×ステージパフォーマンスをふんだんに使えることと、'70s テイストを含みつつテンポとコーラス重視の分かりやすい楽曲(だけど構成自体はけっこう複雑)が良かったのではないかと分析しています。ワルキューレの五人を軸とした TV 版から劇場版への大胆な再編集ぶりを見ると、本作においてストーリーや三角関係はもはや添え物でしかなかったんや!とすら思えてきます。

届いたばかりでまだ部分的にしか観ていませんが、やはり圧巻は劇場版のために用意された新曲『チェンジ!!!!!』。全編 CG で作画されたライヴシーンは楽曲のパワーも相まってたたみ掛けてきます。細かく見ていくとキャラクターの顔のモデリングは特に斜め向きになったときにやや不自然で、このあたりは娘が観ている『アイカツ!』シリーズのほうが技術的にこなれていると感じますが(しかもこのクオリティを毎週放送しているんだから本当にすごいと思う)、それでも手描きアニメとほぼシームレスな作画でグリグリ踊る映像は圧倒的。さらにステージ全体が舞台装置として動くギミックまで含め『劇場版マクロス F』から続いてきた AR 的ライヴ演出は遂にこのレベルまで到達したのか、と。映像と音楽の洪水に語彙力を押し流され、ボーグでなくとも魅了されてしまうものがあります。
そして何より象徴的なのが、劇場版での最大の見せ場であるこのライヴシーンにおいて VF によるドッグファイトシーンが挿入されないこと。順当に考えればラストバトルの最も盛り上がるドッグファイトシーンに新作画のライヴ映像を入れるだろうところが、今回は戦闘とは直接関係のない純粋なライヴシーンに最大の労力を割いてきました。つまり可変戦闘機はもはやマクロスの中心ではなくワルキューレこそが主役であり、本質的にはアイドルアニメであると宣言している点が、今までのマクロスシリーズと大きく異なります。でも多分マクロスシリーズでなければ私はこれを観ていなかったと思うので、そういう意味ではおのれワルキューレ!(←

相対的に見せ場の少なくなってしまったメカについては、ドッグファイトが減った代わりに VF-31F リル・ドラケン装備型とミラージュ専用ドラケン、とどめにアーマードジークフリードというサプライズ要素で魅せてくれました。特にテレビ版の VF はファイター形態以外の印象が薄かったので、新メカがいずれもクライマックスでバトロイド形態で活躍してくれるのが嬉しいところ。私も今度の週末にでも、1/72 のジクフリを傍らに置いてじっくり鑑賞しようと思います。

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2018/08/25 (Sat.)

ペンギン・ハイウェイ @チネチッタ

この映画、実はちょっと注目していました。

ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ

台風のノルダ』以来三年ぶりとなるスタジオコロリドの新作です。この夏のアニメとしては『未来のミライ』と比べてプロモーションは地味だしあまり認知されていない感じもしますが、劇場で流れていた予告編を見てけっこう楽しみにしていました。『ノルダ』は脚本はちょっと物足りなかったけど映像は素晴らしかったし、今回は原作つきの長編ということで期待できるに違いない、と。

ストーリーは研究好きの小学四年生「アオヤマ君」が、街にある日突然現れたペンギンたちと超常現象の謎を解くため、仲の良い近所の「お姉さん」と一緒にその研究をしたり、旅に出たりする経験を通じて少しずつ成長していく...というもの。物語の大枠としてはファンタジーでありながらアプローチは SF 的な、いわゆるサイエンス・ファンタジーの体裁を取っています。
このお姉さんがまた、「近所に住む憧れのお姉さんという概念」に歯科助手属性を加えて具現化したような存在で、自分の子ども時代の淡い感情がやたらと刺激される(笑。でもあくまで小学生視点での憧れのお姉さんという描写が徹底されていて、下品な見せ方になっていないのがまたいい。私は完全にアオヤマ君目線で作品に入り込んでいました。自分もアオヤマ君みたいに理屈っぽい小学生だったけど、あんな少年時代を送れなかったのは何故なんだぜ(´д`)。

「お姉さん」役は蒼井優。ちょっとサバサバした感じのハスキーボイスでアニメっぽすぎず、かといって不自然さもなく、自然な「お姉さん」感。なお登場するキャラクターには一通り名前が与えられているのにお姉さんだけは「お姉さん」だし、お姉さんがアオヤマ君を呼ぶときも「少年」。ここだけ不自然に抽象化された表現には何か意味があるんだろうと思ったら...やはりそういうことでしたか。
アオヤマ君の CV は北香那ってどこかで聞いた名前だと思ったら、ドラマ『バイプレイヤーズ』で大杉漣の中国人マネージャー役をやってた人か!あのドラマでも途中まで本当の中国人だと思っていたくらい上手かったけど、アオヤマ君役も良かった。『未来のミライ』のくんちゃんの声に最後まで馴染めなかったのとは対照的な配役。彼女、まだ若いけどいい女優さんになるんじゃないでしょうか。
他、声の出演は実写系の俳優と声優を取り混ぜて起用していましたが、中でも某有名声優を起用したウチダ君(アオヤマ君の親友)のかわいさは異常(笑。

ストーリーは観てのお楽しみですが、謎解きあり、冒険あり、友情あり、恋心あり、コロリドの持ち味である疾走感ある映像あり、夏らしい爽やかさあり...夏に観るべきアニメ映画の定番になり得る名作と言えるのではないでしょうか。少なくとも『未来のミライ』に期待して得られなかった要素が『ペンギン・ハイウェイ』にはほぼ全部入っていたと言って良い。そう、こういうのが観たかったんだよ!
子ども向け映画としては、女の子視点で面白いかは分かりませんが(男の子なら刺さるんじゃないかと思う)、疑問や課題への取り組み方という点で重要なメッセージが込められていて、私は子どもに見せてやりたいと感じました。話の展開上投げっぱなしの謎もいくつか残っているけど、アオヤマ君ならばそれらもいずれは解明して、いつか「お姉さん」に再びたどり着くに違いない。

あまり派手に宣伝されている映画ではありませんが、これはクチコミでこそ広がっていくタイプの作品だと思います。いい余韻が残る映画でもあるし、私も上映期間中にもう一度くらい観に行きたいところ。

森見登美彦 / ペンギン・ハイウェイ

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2018/08/21 (Tue.)

カメラを止めるな! @チネチッタ

巷で話題の映画を観てきました。

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

これ、ネタバレせずに感想を書くのが難しいですね(´д`)。とにかく「面白かったです」あるいは「カメ止めはいいぞ」としか言いようがない(笑

ゾンビものの映画撮影中に本物のゾンビが現れて...というホラー作品なんですが、その一方でコメディでもある。キービジュアルが B 級映画感満載で、実際の映像も途中まで B 級っぽいんですが、大どんでん返しのギミックが仕込まれているという。先に観に行った人の反応を見てこれは事前情報を仕入れずに観るべきだなと思い情報をシャットアウトして観に行ったんですが、正解でした。いやあ面白い!これは絶対に予告編すら見ずに映画館に行くべきだと思います。もしまだ観てないならこの続きは読まずにすぐ映画館に行くべし。

ゾンビ映像の途中、なんか間が不自然なシーンがいくつもあったから何だろう?と思っていたら、後からそういうことだったのかー!と判ると恐怖が笑いに転化していく二重構造。演出がどことなく映画よりも舞台寄りだなと思ったら、この脚本は元々は舞台演劇だった作品を原案にしているんですね。...と感心していたら、その原作者との間でまさにゴタゴタが発生しているようですが、だからといって作品の面白さが変わるわけではありません。密室劇であることやドタバタ的な作りになっているあたり、初期の三谷幸喜映画を観ているような感覚にさえなりました。本作は舞台や映画好きな人ほど楽しめるのではないでしょうか。

正直そこまで期待していなかったというか「話題作だから一応観ておこうかな」くらいのつもりで観に行ったら良い意味で裏切られました。改めて最初から観たらまた新たな発見がありそうで、もう一度観に行きたい気持ちになっています。

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2018/08/20 (Mon.)

祈りの幕が下りる時 [Blu-ray]

半年前に劇場で一度観た映画ですが、BD がリリースされていたのでレンタルで再鑑賞。

祈りの幕が下りる時 [Blu-ray]

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東野圭吾原作「新参者」シリーズの完結編にあたる映画です。

荒川沿いの古アパートで発見された腐乱死体と、近くの河原で発生したホームレスの焼死事件。迷宮入りしかけた二つの事件に、主人公の刑事・加賀恭一郎の 16 年前に死去した母の過去が絡み、その真相が明らかになっていく――というストーリー。複雑な事件で長ったるくなりそうなプロットを緩急つけてまとめてあり、謎解きよりも親子の情とそれが巻き起こした事件の顛末に集中して見せる作りになっています。

一度観てストーリーを知った状態で改めて最初から観返してみると、それぞれのシーンでの演出や演技の意図が見えてさらに深まります。中でも松嶋菜々子演じる重要参考人・浅居博美の芝居が、台詞のみならず表情や目つきからも凄味が感じられる。でもそれ以上に圧巻なのが、回想シーンに登場する中学生時代の博美(桜田ひより)とその父忠雄(小日向文世)。借金に追われて逃避行し、その途上で重大な事件に巻き込まれた結果引き裂かれてしまう親子の芝居は重く、圧倒的な存在感があります。この二人の芝居があったからこそ終盤のカタルシスがもたらされたと言っても過言ではない。また同時に中学生の娘を持つ父親としては、感情移入なしには観られませんでした。それくらい、この二人の愛と絆を感じさせる芝居が深い。

本作が他の刑事もの、あるいは同シリーズの別作品と明確に違うと感じたのは、捜査本部が加賀・松宮コンビの推理を肯定ベースで捜査が進んでいくところ。数少ない状況証拠から短絡的に犯人を決めつけて冤罪まがいの捜査が進む中、はぐれ者の主人公が真実にたどり着いていく...的な刑事ものにありがちな展開ではなく、やや荒唐無稽にも思える加賀・松宮の仮説に対して上司たちが「いい推理だ」と言いながらパンパン捜査が進んでいく様子には却って違和感もありましたが、変に茶々を入れずに本筋に集中させるために捜査上のゴタゴタをあえて省略した描写はシンプルで良い。例えば『シン・ゴジラ』における優秀な政治家や官僚の描写にも共通する「何を見せたいか、そのためには何を割り切るべきか」が明確な描き方だと感じます。

そんな感じで原作・脚本・演出・演技いずれも素晴らしい作品なわけですが、さらに抜いて語れないのが映像の美しさ。映画化された前作『麒麟の翼』は内容としては面白かったものの映像的には映画ではなくテレビでも十分では...と感じたものですが、本作は日本橋だけでなく宮城や滋賀、能登の風景を引きで収めた美しい映像が随所に散りばめられていて、やはりこれはスクリーンで観て正解だったな、と思いました。

近年観た邦画の中でも突出した傑作のひとつだと思います。人気シリーズの完結編に相応しい出来ではないでしょうか。

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2018/08/17 (Fri.)

『機動戦士ガンダム NT』続報

機動戦士ガンダム NT、11月30日から90劇場でロードショー。特報映像も - AV Watch

『機動戦士ガンダム UC』の続編となる『機動戦士ガンダム NT(ナラティブ)』の続報が公表されました。公開時期と上映劇場、追加設定、特報映像が公開されています。

設定には連邦およびジオン側のパイロットに加えてミネバ・ザビやマーサ・カーバインらの情報が追加されており、原作小説『不死鳥狩り』から大きく内容を膨らませつつ『UC』世界との繋がりを強く意識したものとなっているようです。特にミネバは『UC』のラスト以降はメガラニカを拠点としているという設定がされており、その後どうしていたのかへの言及がありそう。ただ、そうするとユニコーンガンダムやバナージのその後についても触れないと不自然になるわけで、劇中では何らかの情報が明かされる可能性が高いでしょう。正直なところ『UC』の結末は大風呂敷を広げすぎた感があり、そこから『閃ハサ』までの間はファンの想像に任せておいた方が無難なのでは...と思っていましたが、ある程度明確に描くつもりがあるということのようです。

モビルスーツについてはジェスタやジェガンなど脇役の設定が公開されたのみですが、シナンジュ・スタインがどう使われるのか不明だったところが結局ジオン側の MS として出てくることが確定しています。本来の設定ではシナンジュ・スタインはアナハイムから「袖付き」に強奪され、外装とカラーリングの変更を経てフロンタルの乗機となった挙げ句『UC』のラストで崩壊したはずですが、この様子だと実は 2 号機が存在していたという話になりそうです。まあ小説『不死鳥狩り』のラスボスは例のアレだったわけで、それに代わるラスボスを出したい、かといってこの期に及んでジオンの新 MS を出すのも設定上不自然...となると、消去法でそういうことになりそうではあります。ナラティブガンダム自体が ν ガンダムの試験機という設定だし、その他の MS も旧作の使い回しだし、大規模な戦争がなく軍縮期だったという時代設定からすると、MS の設定が地味めになるのは致し方ない話。

小説『不死鳥狩り』では行方不明になったフェネクスが再び現れたのには目的がありましたが、アニメ版『UC』の世界線にはその目的そのものが存在しません。だからそのフェネクスの登場理由とニュータイプ神話の結論がどう描かれているか、が本作のキモになるはず。福井晴敏脚本なら整合性については不安はありませんが、あの『Twilight AXIS』と同じキャラクターデザインにはどうしても不安を感じてしまいますね。ミネバもなんか顔が薄いし(´д`)。
期待半分、不安半分ながら、あと三ヶ月あまり待ちたいと思います。

福井晴敏 / 機動戦士ガンダム UC (11) 不死鳥狩り

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2018/07/22 (Sun.)

未来のミライ @チネチッタ

細田守監督の最新作を観に行ってきました。

未来のミライ

未来のミライ

本作、久しぶりに細田守監督らしい活劇を見せてくれるのではという期待がありました。映画のキービジュアルが『時をかける少女』とほぼ同じ構図・背景の雲使いで、それ以外の作品は主人公がドーンと正面に向いていたのとは一線を画して「原点回帰」っぽい雰囲気があったことと、タイムリープっぽい設定がそう思わせたのでしょう。細田作品は家族をテーマするのが標準になりつつあり、かつ作品を重ねるごとに勢いが落ちてきている印象があったので、ここらで巻き返してほしいという思いもありました。

が、幕が開いてみるとなんだか事前の宣伝から期待された内容と違う。主人公の男の子が未来から来た妹と何かを求めて冒険する...という物語を想像していたのですが、全然そんな話ではありませんでした。主人公の「くんちゃん」を軸とした成長物語ではあるものの、妹の「未来のミライ」はタイトルになっているほどには登場も活躍もせず、プロモーションと実体の乖離具合は『ベイマックス』を彷彿とさせるものがあります。なんか夏空、JK、タイムリープものかつボーイミーツガールもの...という枠に当てはめたいプロモーション側の都合が見える乖離度合い。

物語は妹の「未来」が誕生し、今後の育児と生活は建築家として独立した旦那さんが兼業主夫として面倒を見、奥さんはすぐに社会復帰する...というところから始まります。旦那さんは一人目の子どものときはあまり自覚がもてず仕事優先で(これ自体は自分にも身に覚えがあるからまあわかる)、二人目の子どもなのにまるで初めての子かのようにミルクの与え方すらわからない(まずこれが理解不能)。なのに旦那さんは家事全般を引き受けようとするし、奥さんはそんな旦那に家を任せて生後三ヶ月でいきなりフルタイムで働き始めていきなり泊まりがけの出張に行ったりする。しかも復帰の理由が「同僚が産休に入って人手不足になるから」。そんなの生活が破綻するのは目に見えてるし、会社側も配慮なさ過ぎだろ!というのが気になってしまい、物語に入り込めなくなってしまいました。あまりにもリアリティがない...。

個々のシーンを見れば映像は美しいし、キャラクターの動きもすごく丁寧に描かれているし、素晴らしい。それぞれのエピソード自体は悪くないんですが、全体として見たときに抑揚がなく、「くんちゃん」の成長がイマイチ見えてきません。いや成長自体はしているんだけど、それが周囲の大人や友達との関係性の中で育まれるものじゃなく、不思議体験(という妄想)の中で起こるものという点がなんだかモヤる。

作中でくんちゃんが「不思議体験」をする場面の多くが大人にかまってもらえず、庭で一人で遊んでいる間に発生する...というところで気がついたのが、「本作はもしかして現代版の『となりのトトロ』を作ろうとしたのではないか?」ということです。トトロとは違う前提ながら母親が家におらず、父子家庭に近い環境で、子どもが不思議体験(明確には描かれないが空想や妄想である可能性もある)を通じて成長するという点で、この二作は似通っています。ただ、それぞれのイベントを通じてクライマックスへと盛り上げて行ったトトロとは違い、本作は散発的なエピソードの組み合わせで盛り上がりきらないまま終わってしまう。そういうところが物足りない理由の一つなのだろうと思います。

私が観た劇場では半分以上が幼稚園~小学生くらいの家族連れという感じで、特に前半のコミカルなシーンではたくさんの笑いが起きていました。子ども向けアニメとしてはよくできた作品なのかもしれませんが、大人向けとしては残念ながら物足りない。特にキャラの表情とか演出がすごくいいだけに、脚本がもったいなさすぎる。やっぱり細田監督は脚本は誰かに任せて監督に専念した方が良いのではないでしょうか...。

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2018/07/12 (Thu.)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星 [Blu-ray]

機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星 [Blu-ray]

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イベント上映から二ヶ月、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI』の Blu-ray の一般販売が開始されました。正確には明日が発売日ですが、我が家にはフライングで今日届いていました。劇場公開期間中に BD を発売してしまう映画すらある状況での二ヶ月待ち、というのはもはや長いという感覚すらあります。

今回がアニメ『THE ORIGIN』としての完結編。前作までは一年戦争編に向けた期待を煽っておきながら突然の終了宣言で、次が作られないとなるとやや萎えてしまうのが消費者心理の一つでもあります。また本作は前半が圧倒的な迫力を誇る戦闘シーンの連続だったのに対して、後半はドラマ中心でグワーッと盛り上げていく終わり方ではないところも、観終わった後にやや食い足りなさを感じる要因かもしれません。
ただ、原作となった漫画版『THE ORIGIN』の醍醐味は戦闘シーン以上に大河ドラマばりの人物描写や政治的駆け引きの表現にあり、そこが丁寧に映像化されているという点で後半の作りもまた素晴らしい。特に和平を求めるデギンの意向を受けた(ように見えた)キシリアがレビルの解放とマ・クベの派遣によって戦争継続を促すくだりとか、ラストシーンのレビル将軍のアジテーションに至る流れとか。I~III までがシャア・セイラ視点で描かれていたのが IV 以降は群像劇の性格を強く帯びてきた『THE ORIGIN』、その真骨頂が VI であると言えます。むしろサブタイトルももっと群像的というか、大過に至る止められない流れ...的なものの方が相応しいのではないかと思うほど。

それにしても過去編をここまで丁寧に映像化しておきながら、一年戦争編を作らないというのはつくづく惜しい。凝縮されたストーリーの方が歓迎される現代なら、過去編を三話くらいに凝縮してさっさと本編に入ってしまっても良かったのではとも思います。ファースト以上にキャラクターの深みを増したランバ・ラル、ハモン、ドズル、ガルマ、レビルらが活躍する一年戦争編が観たかった。
とはいえ、年齢的に安彦総監督で一年戦争を(現在のペースで)最後までアニメ化するのは時間的に難しいと思うので、そういう観点もあっての現体制でのプロジェクト終了ということなのかもしれません。希望的観測を言えば、『NT』『閃ハサ』『UC2』の映像化が終わった頃に『THE ORIGIN』をベースとした福井晴敏シリーズ構成・脚本によるリブートみたいな形で実現する可能性もあるのでは...と思っています。UC の続編三作品の反響次第で「UC でもっと稼げそう」になるのか「やっぱりファーストだ」となるのかが分かれそう。

とりあえず今は全編の BD リリースを記念して、今度の三連休あたりを利用して『THE ORIGIN』からファースト劇場版三部作までの独りマラソン上映会でも開催しようかと思います。

投稿者 B : 23:06 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/07/09 (Mon.)

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [MX4D] @TOHO シネマズ新宿

公開直後に一度観に行きましたが、改めて MX4D で鑑賞。

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

IMAX3D での上映は映像も音響も良かったんですが、同時に「これは 4D 上映のほうが合いそうだな」という直感がありました。
というのも、ハン・ソロが愛機ミレニアム・ファルコンと出合う映画なわけですよ。つまり、ファルコンの見せ場がふんだんに用意されているというわけ。MX4D は『最後のジェダイ』でも体験して、これはこれでアリだけど IMAX のほうが良かったかな...という感想でしたが、ミレニアム・ファルコンがこれだけ活躍する『ハン・ソロ』ならもっと合うだろうと思いました。

実際に体験してみると、冒頭のカーチェイスシーンからスピードを感じることができ、これは楽しい。でも何よりミレニアム・ファルコンですよ。ハン・ソロが初めてミレニアム・ファルコンに乗り込んでライトスピードを体験するシーン、「ケッセル・ランを 12 パーセク」で駆け抜けたブーストの感覚、そしてラストシーンのハン・ソロとチューイが二人でライトスピードに突入するシーン...いずれもあの加速度を自分でも感じられるのが嬉しい。まさに長編の「スター・ツアーズ」とでもいうような感覚で(シートの動きはあそこまで大きくないけど)、自分もハンと一緒にミレニアム・ファルコンに乗っているような気がしました。これは楽しい!

この映画はハン・ソロが主役で、プロモーション上はチューバッカも大きくフィーチャーされているけれど、本当の主人公はミレニアム・ファルコンなんだろうと思います。サイドストーリーも含めこれまでの『スター・ウォーズ』に必ず登場してきた R2-D2 も C-3PO もライトセーバーも登場しないけど、『スター・ウォーズ』のもう一つのシンボルであるファルコンの魅力を余すところなく体感できる。本作を本当に楽しみたかったら 4D 上映以外にないのではないか...とさえ感じました。

これでストーリーのほうももっとスッキリハッキリしていたら最高だったんだけどなあ。こればかりは別のサイドストーリーがちゃんと製作されて、そこで今回の伏線が回収されることに期待するしかありません。

1/144 スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン (ランド・カルリジアン Ver.)

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2018/07/06 (Fri.)

GUNDAM、ハリウッドで映画化へ

「機動戦士ガンダム」実写映画化、サンライズとLEGENDARYが契約 - AV Watch

GUNDAM

唐突で驚いたニュース。サンライズが『機動戦士ガンダム』の実写映画化について米レジェンダリー・ピクチャーズと契約を結んだ、とのこと。

まじかーーー。アニメ作品の実写映画化は、邦画/洋画を問わず死屍累々の歴史だというのに、そこに手を出しますか。しかも実写版ガンダムといえば 20 年前に『G-SAVIOUR』をやって大失敗したはずなのに...と思ったら『G-SAVIOUR』はハリウッドじゃなくてカナダだし映画じゃなくてテレビシリーズだったんですね(明らかに地雷すぎたので観てない人)。『G-SAVIOUR』がガンダム 20 周年を記念して作られたのに対して、今回のハリウッド映画化はガンダム 40 周年の節目に製作されるというのだから、歳を取るわけだ...。

でもレジェンダリーといえば『パシフィック・リム』、『バットマン』シリーズ、『ジュラシック・ワールド』、『インターステラー』といった SF やファンタジー系の名作を多数生み出してきたスタジオなわけで、少なくとも映像のクオリティについては期待して良さそう。問題はどんな脚本にするのか。
イメージビジュアルに描かれているのは、地球の大気圏に何かの光が飛びこんでいく、あるいは大気圏から光が飛び出してくる様子。仮に宇宙世紀ガンダムシリーズに当てはめるなら、ルウム戦役におけるコロニー落としか「シャアの反乱」におけるアクシズ・ショックか...というところですが、既存作品との関連性も明らかになっていないので全く無関係かもしれません。というより、無関係であってほしい(笑。我々の知ってるガンダムとは別の物語、というアナザーガンダム状態であってくれたほうが、こちらとしても割り切って観れるというものです。

『THE ORIGIN』を一年戦争前で終わらせておいてこれかよ、というのが正直な感想ですが、お台場ガンダムの(主に外国人による)盛況を見るにつけ、今後もうパイが広がらないだろう国内ファン向けの商売よりも外に出て行くことを考えたくなるのは解らないでもありません。それならそれで、めんどくさいガノタも納得するものを作るか、めんどくさいガノタがぐうの音も出ないくらい商業的に成功して、実写版もシリーズ化するか、くらいまで振り切ってほしい。中途半端でみんなが不幸になるのだけは避けてほしいところです。

G-SAVIOUR -フルバージョン- [DVD]

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2018/07/01 (Sun.)

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [IMAX3D] @T・ジョイ PRINCE 品川

楽しみにしていた映画を観に行ってきました。

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

端的に感想を言うと...面白かった、んだけど期待値が高すぎてちょっと物足りなかった、というところでしょうか。

米国での興行が想定を下回ったせいか、日本での封切り前から酷評が多く、劇場に行く前からやや不安ではありました。実際のお客さんの入りも、公開初週末なのに品川の IMAX が埋まっていないというのは、前評判や「サイドストーリー含め濫発しすぎ」で注目度が下がっていることを裏付けているように感じました。

※まだ公開三日目につき、これから劇場に行くつもりの人は続きは鑑賞後に読むことをオススメします。










ストーリーは『スター・ウォーズ』シリーズの主要キャラであるハン・ソロの若き日を描いています。ナンバリングタイトルにも登場する、

  • 相棒チューバッカとの出会い
  • 愛用のブラスター入手の経緯
  • 悪友ランド・カルリジアンとの出会い
  • ミレニアム・ファルコン入手の経緯
  • 「ケッセル・ランを 12 パーセクで飛んだ」ファルコンの伝説
というくだりを初めて映像化したという意味では貴重な作品。今まではセリフで触れられるにすぎず、我々が脳内で補完するしかなかったエピソードが公式に語られます。 また天涯孤独の身だったただの「ハン青年」が「ハン・ソロ」を名乗るようになったくだりも描かれていますが、これがなんとも示唆的。邦題は『ハン・ソロ』とつけられていますが、原題『SOLO』のほうが本作のテーマには相応しいと言えます。劇中ではほとんどのキャラクターが「SOLO」であり、ラストシーンで生涯の相棒と居場所を得たハンがついに「SOLO」ではなくなって終幕、というのが実に深い。

本作の前評判を下げている要因の一つが「ハン・ソロがハリソン・フォードではない、少なくとも似てもいない」という点でしょう。これは確かにそうで、キービジュアルだけを見ていたときには私も違和感があったのですが、映画が始まったらほとんど気にならなくなりました。確かに顔は似ているとは言い難いけど、表情の作り方とかブラスターの構え方とか、かなりハリソン版ハン・ソロに寄せた役作りがされていて、確かにこれはハン・ソロの若い頃だね、と思えます。しかし、本作のハン・ソロは映画全編を通じてピュアな熱血漢であり、Episode IV 以降の「捉えどころのないニヒリスト」的な人物像への変遷が描き切れていないのがもったいないなあ、と。そうなったきっかけは描かれているんですけどね。

ハン・ソロの過去として必要なエピソードは網羅されているし、アクションシーンやミレニアム・ファルコンのチェイスシーンも個々にはとてもよくできていてカッコイイ。でも、なんか個々のエピソードを淡々と描いただけで、Episode IV に繋がっていく強いうねりのようなものが欠けていて、そこが物足りなかった要因なのかもしれません。『ローグ・ワン』のラストで Episode IV へのリンクが描かれたことで強烈なカタルシスを味わった身としては、他のサイドストーリーにも同じくらいの強さを期待してしまった。ジェダイやライトセーバーが登場しないのは時系列上しょうがないにせよ、単にキャラクターの過去を描くだけでなく「自分が知っているあのシーン」への繋がりを感じたかったのだと思います。

そういう意味では、本作は既存作品の何かに繋げて終わったわけではなく、いくつかの伏線を残したまま終幕しています。終盤で「意外なあの人」が登場したのはサプライズでしたが、あれは単なるサプライズだったのか、あるいはそこは別のサイドストーリーで語るつもりだったのか。本作の失敗で『スター・ウォーズ・ストーリー』シリーズの続編制作が打ち切られたという噂も出ていますが、続編ありきの脚本だったのだとしたらちょっと残念。どうやら「意外なあの人」はアニメ版『クローン・ウォーズ』には登場していて本作に至る経緯を知ることもできるようなのですが、あのバタ臭い絵で百話以上もあるアニメを観る気にはちょっとなれないんだよなあ...。

そんなわけで、面白かったんだけどやや消化不良感のある映画でした。ルーカスフィルムは毎年新作を出すことにこだわらなくていいから、一本一本をもっと大事に作ってほしいところ。

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2018/06/02 (Sat.)

宇宙よりも遠い場所 [Prime Video]

ある人が強烈にオススメしていたのが気になっていたところ Prime Video の見放題リストに含まれていたので、この一週間ほどで一気に観てしまいました。

宇宙よりも遠い場所

4 人の女子高生が南極観測隊に参加するお話です。

女子高生 4~5 人が主人公のアニメって『けいおん!』に代表されるような日常系なのかと思ったら、これはちゃんと目的を持ってそこに向かって突き進んでいくお話でした。4 人のキャラクターにはテンプレっぽさを感じますが、ちゃんと個性が立っていて分かりやすくはあります。

南極の昭和基地と観測船「しらせ」が民間に払い下げられたという設定(現実ではそんなことはない)で、民間の南極観測隊に女子高生 4 人が参加して南極を目指していきます。彼女らが観測隊に参加するまで、日本を出発してから観測船で南極に到達するまで、そして南極での生活が 13 話をかけて丁寧に描かれています。
南極といえば、私は世代的に子どもの頃に映画『南極物語』を観た世代で、当時就役したばかりだった「しらせ」の名前もよく憶えていますが、その程度。このアニメを観ることで南極への道程やそこでの生活が実際にどうなのかの片鱗を感じることができ、物語そのものと同じくらい、南極の実態や観測隊の生活について興味深く見入ってしまいました。今や宇宙をテーマにした映像作品は星の数ほどあって宇宙船やコロニーでの生活をイメージすることは難しくないですが、地球の果てを目指す生活がどんなものかを知れる映像作品というのは稀有だと思います。

女子高生が南極に行くというストーリーはアニメとしても異色ではありますが、その設定の中に敷かれたストーリーが実に深い。4 人のうち 3 人は心に何らかの孤独を抱えて生きていて、南極を目指す中でそれぞれに自分の孤独と向き合い、克服していきます。また「孤独」というのは家族や友達と表裏一体のものであり、彼女らが孤独を克服していく上で「友達とは何か」「親子とは何か」を考えさせられるものになっています。
友達に依存して生きてきた少女、友達に何と言われようと南極で行方不明になった母を追って自分も南極を目指した少女、友達に裏切られたことで他人と距離を取るようになった少女、芸能界に入ったことで本当の友達と言える相手を持てずに生きてきた少女。彼女たちが南極への旅を経て自分の中に軸を見つけ、「別々に暮らしていても孤独ではない」と思えるようになる成長の過程が、実に深い感動をもたらしてくれます。私は「泣ける●●」みたいな触れ込みの作品はあまり好きではないのですが、本作は一見ほのぼの日常モノっぽいタッチでありながら、ジワジワ感動させてくるところが良い。13 話あるエピソードのどこを切っても良さしかない中でも、個人的にはキマリと幼馴染みとの気持ちのズレが描かれる 5 話と、それまでほとんど陰を見せなかった日向の孤独の正体が描かれる 11 話が特に心に残っています。

普段ガンダムとマクロス以外のアニメはあまり追っかけていないのでリアルタイム(今年の 1~3 月に放送されていた)では全くノーマークだったんですが、本当に良い作品でした。見逃しても BD/DVD の発売を待たずに VOD ですぐにキャッチアップできるというのは実に良い時代になったものです。いろいろと感じるところがあったので、今度はそろそろ多感な年頃になってきた長女にも勧めてみようかと思っています。

宇宙よりも遠い場所 1 [Blu-ray]

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2018/05/23 (Wed.)

グレイテスト・ショーマン [Blu-ray]

えっとなんかもう BD が発売されたんですが、これ劇場公開からまだ三ヶ月しか経ってないし、なんならまだ上映中ですよ(;´Д`)ヾ。

グレイテスト・ショーマン [4K ULTRA HD + Blu-ray]

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まあ楽しみにしていたから買いましたが。将来 4K 環境に移行したときのために UHD BD+BD パッケージ版です。

この映画、あまり冴えないけど夢だけはあった男が社会的弱者や曲者を集めて興行を始め、大成功する...というストーリーラインは『SING/シング』とほぼ同じ。差別や自己肯定といったテーマやショービジネスを扱った映画はそれだけ普遍的なものということなのかもしれません。が、脚本としてメインテーマの掘り下げがちゃんとできているのは『SING』のほうだと思います。本作はせっかく個性豊かなキャラクターが登場しているのに、彼らの扱いがほぼ「その他大勢」だし、差別も黒人差別くらいしか描けていないし、実にもったいない。最後にバーナムとサーカスのメンバーが和解するシーンもバーナムは特に何もしていないのに何となく和解してしまうし...。

それでもこの映画はその音楽と映像によって「傑作」と言って良いレベルに仕上がっているとも思います。サントラだけでも素晴らしいし、もうけっこう聴き込んだつもりだったのに、改めて映像付きで観るともう一度感動してしまう。『The Greatest Show』『This Is Me』の群衆によるダンスは観ているこちらまで高揚するし、『The Other Side』のバーナムとカーライル(+バーテンダー)による掛け合いは繰り返し観たくなるほど楽しい。『Never Enough』の心に響く歌声と『Rewrite The Stars』の映像の美しさはミュージカル映画史に残るシーンだろうと思います。
この Blu-ray には特典映像として楽曲のシーンだけを再生する機能がついているんですが、通しで観るのは週末にしてとりあえずいくつか気に入っている楽曲のシーンだけ観よう...と手をつけたところ、気づいたら全曲聴いてしまっていて小一時間が過ぎていました(;´Д`)。それくらい本作のミュージカルシーンは素晴らしい。

今週末にでも改めてじっくり鑑賞しようと思います。でも BD で観たらもう一度映画館の音響で観たくなってきてしまいました。さすがに BD の発売に伴って今週いっぱいで終映する劇場が多いようで、その前に行ってこようかな...。

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2018/05/21 (Mon.)

蚤とり侍 @T・ジョイ PRINCE 品川

阿部寛主演(松重豊助演)のコメディ系時代劇という私好みっぽい映画が公開されたので、観に行ってきました。

蚤とり侍

蚤とり侍

越後長岡藩の生真面目な忠臣・寛之進(阿部寛)が、その真面目さに起因する失言でバカ殿(松重豊)の怒りを買い「猫の蚤取りとして無様に生きよ」と藩を追放される。寛之進はその命令にも忠実に従い蚤取りの職に就くが、その稼業の実態は女たちを満足させるための「娼夫」で...という話。R15 指定で「そういう映像」が出てくる映画でもあります。

超高速!参勤交代』や『殿、利息でござる!』といったコメディ時代劇がコメディを装った人情劇だったのに比べると、本作は阿部寛、豊川悦司、松重豊、寺島しのぶ、風間杜夫、大竹しのぶといった大御所揃いでコメディをやっているという対照的な作り。基本は笑わせに来ていながらも、要所要所で締めにくる俳優陣の演技には圧倒されます。まあ、主要キャストの四人(阿部寛、豊川悦司、斎藤工、松重豊)が軒並み 185~190cm 級の身長という点でも圧倒されるわけですが(笑。

ただ...個別のシーンは面白かったし、芝居はすごく良かったんですが、肝心の脚本と全体構成がなんだか中途半端。寛之進がなぜここまで実直に娼夫稼業に取り組んでいるのかの背景があまり描かれず、個々のエピソードもやや散発的。前述の『参勤交代』や『利息でござる』が細かい笑いをたくさん挟みながらもストーリーの軸が一切ぶれなかったのとはまさに対照的だと思います。
あまり発散させずに清兵衛(豊川悦司)やおみね(寺島しのぶ)とのエピソードに絞ったほうが軸がハッキリしたかもしれないし、せっかく R15 なんだから濡れ場も半端にコミカルにしないほうが良かった。笑わせたいのか、映像を通じて何かメッセージを伝えたいのか、どっちつかずな印象を受けました。伏線もばら撒きっぱなしで、例えば蚤取り屋の主夫婦(風間杜夫&大竹しのぶ)による「寛之進は肉親の敵討ちのためにあえて蚤取りに身をやつしている」という誤解がいろんな人に伝わってどんどん話が大きくなりクライマックスに繋がる...というような脚本だったらもっとカタルシスが得られたかもしれません。

それにしても本作でいろんな意味で最もオイシイ役どころは豊川悦司でしょう。下ネタあり、絡みありで主役の阿部寛以上に存在感があったし、ここまで従来のイメージを崩してきたトヨエツも珍しいのではないでしょうか。

投稿者 B : 23:33 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/05/20 (Sun.)

セッション [Prime Video]

以前から気になっていた映画が Amazon Prime Video の見放題リストに入っていたので鑑賞しました。

セッション

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ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督と名優 J・K・シモンズが助演(実質的には主演と言って差し支えないと思う)というところで注目していたのでした。

ジャズドラマーを目指す青年アンドリュー・ニーマンが、所属する音大で最高峰の指揮者テレンス・フレッチャーに才能を認められるものの、そこからの指導が地獄のような厳しさで...という話。「厳格なマネジャー」という点では J・K・シモンズらしさを存分に引き出す役どころですが、今までの J・K・シモンズのイメージすら覆すほどキレた役。指導中に怒号は当たり前、罵声や放送禁止用語、果ては椅子まで飛ぶ激しい指導。それは邦題にある『セッション』という愉しげなものではなく(この邦題の意味はラストシーンでようやく理解できました)、原題『Whiplash(ムチ打ち)』をそのまま当てるのが妥当と感じます。
私もかつて言葉の暴力や苛烈なプレッシャーでメンタルをやりかけた経験はあるだけに、このフレッチャーの強烈な圧力は見ていて辛いものがあります。しかし一方で「自分ができることは他人にもできて当然」というような要求を誰かにしたことがなかったかと言われると否定もできないわけで、自分が受けてきたプレッシャーと他人に与えてきたかもしれないプレッシャーをいろいろと思い浮かべながら観てしまいました。

一流のアスリートやプロ棋士の名言として「報われるか分からない努力を続けられることそのものが『才能』である」とか「努力を努力と思っているうちは真の努力ではない。人並み以上の努力を当たり前に継続できる者だけが何かを成し遂げることができる」という話を聞くことがあります。それ自体は確かに納得できるものだし、何者かになるために自分が自分に課す言葉として重みがあるものだと思いますが、果たして自分の教え子や後輩、あるいは子どもに常識外の努力を強いるための言葉として使って良いものかどうか。この作品におけるフレッチャーの指導は指導というよりもむしろ、自分が理想とする音楽を作り上げるための駒として教え子たちに強要しているものであり、ハラスメントに他なりません。フレッチャーは果たして教育者として正しかったのか。
が、芸術にせよスポーツにせよ世の中に影響を与えるほど強烈な成果というのは稀有な才能と非常識なほどの努力や無理の結果生まれることが多いのも事実。トップレベルであるほど踏み台や噛ませ犬となる「犠牲」も必要悪だし、そこに集まってくる人員も覚悟はできているのかもしれません。私(少なくとも今の年齢の)はそんなのはまっぴらごめんですが...。

そんなフレッチャーの自分の理想とする音楽への執着と、それに振り回されたニーマンの関係がどうなるかは、ラストシーンで示されます。フレッチャーの強烈な指導はニーマンという才能を開花させたけど、そこまでに多くの若者の人生を滅茶苦茶にしてきたであろうことを考えると、果たしてそれは良いことだったのかどうか。ジャズ界という括りの中ではそれは良かったことなのかもしれませんが。
ジャズを扱った映画ではありますが、人の生き方や価値観について考えさせられる映画でした。

そういえば本作も『ラ・ラ・ランド』もジャズをストイックに追い続けた男の話という点では共通点があるし、本作でフレッチャーを演じた J・K・シモンズが『ラ・ラ・ランド』ではセブ(ライアン・ゴズリング)にジャズを禁じクリスマスソングだけ演奏させる役どころというのも洒落が効いていて面白い。いろんな観点から楽しめる作品だと思います。

投稿者 B : 21:18 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/05/08 (Tue.)

オリエント急行殺人事件 [PS Video]

劇場公開時にちょっと気になりながら観れていなかった映画を VOD にて鑑賞。さすがに Prime Video には来ておらずペイパービューだけだったので、PS4+PS Video を利用しました。

オリエント急行殺人事件

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知らない人はいないほど有名な、アガサ・クリスティ原作サスペンスの映画化。あまりにも有名すぎて何度も映像化されているし、NHK でもイギリスのドラマ『名探偵ポワロ』の一エピソードとして何度も放送されている話です。

主演は『ハリー・ポッター』シリーズでのロックハート先生役や、近年では『ダンケルク』にも出演していたケネス・ブラナー。渋い配役だと思ったら、主演だけでなく監督も務めているとか。直近ではディズニーの実写版『シンデレラ』の監督も務めていたというから、監督としても実力派だったんですね。
そのほかの役者陣もジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ(『007』シリーズの「M」役)、デイジー・リドリー(『スター・ウォーズ』新三部作のレイ役)、ウィレム・デフォー(『スパイダーマン』のノーマン/グリーン・ゴブリン役)、ジョシュ・ギャッド(実写版『美女と野獣』のル・フウ役)と、顔を見ただけで役名ではなく本名の方が先に出てくるレベルの名優揃い。

『オリエント急行殺人事件』といえば私でもオチを知っているほどよく知られた話です。誰もが犯人やトリックを知っているようなミステリーを今さら映像化して何になる?という疑問が湧きそうなところですが、これはもはやサスペンスの古典であり「犯人が誰か」というよりは「この独特な話と個性的な登場人物を誰がどう演じるのか」を観るためのものであり、日本でいう落語や歌舞伎の古典のようなものと言ったほうが良いでしょう。なんたって本事件における被害者ラチェット(ジョニー・デップ)が、序盤で殺されてしまうにも関わらず他の出演者よりも圧倒的に印象に残っているほど存在感のある演技が観られるわけですから(笑)、物語よりも芝居を堪能するための映画なのです。

主役のエルキュール・ポアロ(ポワロ)探偵に関しては、日本人としては NHK で放送されていたドラマ版のデヴィッド・スーシェ(と熊倉一雄による吹き替え)の印象があまりにも強く、それがどうこの映画で上書きされるのかに興味がありました。スーシェ版ポワロは禿げ頭(+帽子)に黒いちょび髭のイメージでしたが、ブラナー版ポアロは豊かな銀髪にわざとらしいくらい立派すぎる口髭。この口髭には賢さよりも力強さを感じるわけですが、実際にスーシェ版ポワロにはなかったアクション的なシーンも所々に散りばめられ、ブラナー版ポアロは若々しい印象。カンバーバッチ版シャーロック・ホームズほど大胆な演出はありませんが、既存のポワロ像を脱皮させることに成功しています。
ただ、惜しいのは謎解きのシーンで、ポアロ自身が悩んだり伏線を一つ一つ解き明かしていく様子はあまり丁寧に描写されず、ポアロがその才能でいきなり事件の真相に辿り着いたかのように見えてしまったこと。もうみんなオチは知ってるんだからそこはいいでしょと言われているように感じましたが、やっぱりサスペンスを観てるんだからそこはちゃんと溜めていってほしかった。あと、他の俳優陣も要所要所でいい芝居をしているのに、全体の印象としてはケネス・ブラナーとジョニー・デップに持ってかれた感が強いのも微妙に惜しいですね...。

65mm フィルムで撮影されたという映像は本当に美しい。真っ白い雪の中を走るオリエント急行、薄暗い列車内に射し込む光、そしてときどきアクセント的に使われる鮮やかな青。謎解きシーンでこれまでの映像化作品にはなかった「最後の晩餐」を模した構図も示唆的だったし、作り込まれた映像と芝居の重厚さには圧倒されました。それだけに、謎解きがあっさりしているのが惜しい...。

同じケネス・ブラナー監督/主演で続編『ナイルに死す』も製作中とのことなので、こちらも公開されたら観てみようと思います。

投稿者 B : 23:40 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/05/05 (Sat.)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI イベント上映 [LIVE ZOUND] @チネチッタ

『THE ORIGIN』アニメ化プロジェクトの完結編となる『誕生 赤い彗星』が劇場公開/配信開始されたので、初日の初回上映に行ってきました。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN

機動戦士ガンダム THE ORIGIN

いつもなら事前のプレミア上映会なり舞台挨拶つき上映に行くところですが、今回はプレミア上映会はなかったし忙しくて舞台挨拶回のチケットを取りそびれてしまったため、通常の上映で鑑賞。チネチッタの LIVE ZOUND シアターを利用しました。

「あのシャア専用ザク」の発艦シーンという最も盛り上がったところで唐突に終わった前作からの続き。ルウム戦役の戦端が開かれる場面から本作は始まります。あのラストシーンのテンションを引き継いで始まるから冒頭からそれはもうアツい。シャアが「赤い彗星」と呼ばれるようになった一騎当千の戦いぶりや専用武器で大暴れする黒い三連星も良かったですが、個人的には最後まで武人らしさを貫いたドズル・ザビの戦いぶりが良かった。やっぱり私は『THE ORIGIN』の中ではドズルかランバ・ラルが好きなようです(笑)今回、ランバ・ラルとハモンの出番はなかったけど...。

ルウム戦役の様子はファーストガンダムの劇中では過去の話として何度か登場するのみで、映像として本格的に表現されたのは今回が初めてでした(『THE ORIGIN I』のアバンタイトルでもさわりだけ描かれていましたが)。ガンダムシリーズの中でも珍しい大規模な艦隊戦と、機動性に優れるモビルスーツに連邦軍の艦船が翻弄される様子は一見の価値あり。まあ、シャアザクの動きは一年戦争当時のザクとしてはいくらなんでも動きすぎだろうというレベルだし、CG ベースの MS 戦は(技術の進歩によって随分クオリティが上がったとはいえ)全体的にまだちょっと軽すぎるように感じるし、違和感はあるもののこの高いテンションも相まって没入させられました。

ルウム戦の後は捕虜となったレビル将軍の脱走劇、ザビ家の確執、シャアがドズルから連邦の「V 作戦」調査を拝命されるまで等が描かれていき、一年戦争の本編への橋渡しが行われていきます。主に政治的な話に終始するため、戦闘シーンはほぼなく映像的には地味になるものの、様々なシーンで駆け引きが行われ、戦時中ということもあって画面にはずっと緊張感が流れます。前半の熱量と比べると抑え気味のトーンで進むので自分のテンションのやり場には困りましたが(笑)、終盤では後のホワイトベース・クルーに対して説明のテロップが添えられて「このまま『THE ORIGIN』の続編として映像化されることがなくなった」ことを示唆しつつ、ファーストガンダムの第一話に向かって状況が整理されていきます。
エンディング後にはついにホワイトベースが登場し、サイド 7 にてガンダムを受領しに向かうシーンが描きながら終幕。緊張から再びテンションを高めに来たところで締められてしまうのは、目の前で据え膳を下げられてしまったかのような飢餓感があります。劇場の客電が点灯する瞬間まで「終映後に一年戦争編アニメ化の発表がされるんじゃないか」という期待を捨てずにいたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。

しかし、本作の公開直前に掲載されたアニメイトタイムズの安彦総監督ロングインタビューによると、現場としては続きをやりたい意思はあり、売れ行きによっては今後の展開がまた変わる可能性があることを匂わせています。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』安彦良和総監督インタビュー | アニメイトタイムズ

あのホワイトベースの映像を見せられてしまうと、やっぱりこのクオリティで一年戦争をリメイクしてほしかった、という思いが強くなるわけで。まあ過去編でさえ OVA 一本でコミック一巻分を映像化するのがやっとだったので、このペースで一年戦争を描いたらあと 17 話必要になってしまう計算になります。このクオリティでテレビシリーズをやるのは無理だろうし、思い切って端折っていくしかないのでしょうが、せめて劇場版ガンダム三部作のリメイク的な位置づけででも作ってくれないかなあ...。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN

イベント上映の定番となった特典色紙はメカ作監の鈴木卓也氏による黒い三連星ザク(両肩シールド/バズーカ仕様なのでガイア機ですね)のものでした。前回までは特典色紙は週替わりで各一種類だったのが、今回は週替わりで三種類ずつのランダム配布になった模様。キャストによる舞台挨拶も初日ではなく前夜祭と二日目にやっているようだし、今まで以上に明らかにリピーター狙いの施策を打ってきています。これで『THE ORIGIN』は完結だから最後まで搾り取ってやろう...とでもいうようなサンライズの意図が透けて見えて、微妙(´д`)。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN

完結記念ということで劇場で販売されていた、公式プログラム収納ケース(¥500)を買ってきました。ガンプラの旧キットの箱を模したデザインになっていて(旧ザクのデザインがケース本体、ザク II のほうがスリーブ)レトロなフォント使いが何とも言えない。ひとまずここまで全て劇場に足を運んできた記念になりました。

Blu-ray の一般発売まではあと二ヶ月ほどありますが、上映期間中にもう一度くらいは映画館で観ようと思っています。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星 [Blu-ray]

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2018/05/01 (Tue.)

レディ・プレイヤー 1 [IMAX3D] @T・ジョイ PRINCE 品川

一部界隈で「オレはガンダムで行く!」が今年の流行語大賞にノミネートされそうな勢いの話題作をようやく観てくることができました。

レディ・プレイヤー 1

READY PLAYER ONE

スティーブン・スピルバーグといえば近年は史実をベースとした映画ばかりですっかり社会派になってしまった感がありましたが、本作は久しぶりにど真ん中のエンタテインメント作品。スピルバーグ作品で劇場公開を心待ちにしたのなんて『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』以来十年ぶりだし、感覚的には『ジュラシック・パーク』以来のスピルバーグが戻ってきてくれたのでは、という期待さえありました。またテーマは VR 世界での冒険ということで社会的にはタイムリーなネタであり、またスピルバーグらしい映像のアミューズメントパーク感が存分に発揮されそうな分野でもあります。

以下、若干のネタバレを含むのでこれから観に行く方はこのままそっと閉じて後日閲覧されることを推奨します。











本作の「仮想世界の創造主が残した謎を解くために主人公を含むスーパープレイヤー達が立ち上がる」「仮想世界の支配を企む悪者と、仮想と現実を行き来しながら丁丁発止やり合う」というストーリーは、近年の創作で比較的よく見る手法。『マトリックス』『サマーウォーズ』『ソードアート・オンライン』あたりを観たことがあればそろそろ使い古された話にも見えてくるでしょう。でもこの原作となった小説『READY PLAYER ONE(邦題:ゲームウォーズ)』は 2011 年であり、Oculus Rift も HTC Vive もこの世になかったタイミングで発表されたものであり、逆に本作(と『SAO』)が Oculus の原点のひとつになったという点で、重要な意味をもつ作品であると言えます。現実の未来というのは時折、小説や映像などの創作を起点として形作られるものです。

VR を体験していると、ふとした瞬間に「つまらない現実よりも、このまま VR の世界にずっと没頭していたい」と感じる瞬間がありますが、本作のスタート地点はまさにそこ。そこから、現在は技術的な制約により実現できていないけど将来的にこうなったら楽しいよね、と語られている VR が実現した未来の映像へと引きずり込まれていきます。

主に 1970~80 年代のポップカルチャーやサブカルチャーを過剰なほどにまぶした映像で、その時代をリアルタイムに過ごした世代にとってはたまらない作品でしょう。「あのキャラが一瞬映ってた!」「ああ、これはあの映画へのオマージュだな」という細かいネタが随所に隠されていて、ストーリーの本筋を忘れてそっちにのめり込みそうになります(笑。逆に言えば非常にハイコンテクストな映像でもあり、今の十~二十代がこれ観て楽しめるのだろうか?と疑問に思ったほど。まああまり深く考えずに「昔そういうのがいろいろあったのね」という理解で止めても楽しめる作品ではありますが。私も ATARI とかリアルタイムで知らないし...。
とにかくそれくらい、日米の人気 IP をカネとスピルバーグの影響力で引っ張ってきたかのような豪華映像が繰り広げられるわけですが、真性のガノタとしてはガンダムの扱いがどうにも気になりました。ファーストガンダムなのに登場シーンではダブルゼータの決めポーズを取るし、ビームサーベルの構え方が「アバンストラッシュ持ち」だし、スピルバーグ本当にガンダム観たことある?と突っ込みたくてしょうがなかった。他のキャラクターの扱いについてもその筋のマニアから見れば微妙なのかもしれないし、「仮想世界の創始者ハリデーの 1970~80 年代カルチャーへの愛を表現した世界」の割には詰めが甘いのでは...というのをガンダムを見て思ってしまいました。とはいえ、THE ORIGIN のプロジェクト完結により一年戦争編のリメイクが叶わなくなった今、CG ベースの RX-78-2 ガンダムがグリグリ動く姿をスピルバーグが見せてくれたというだけで感涙モノでしたけどね!(ぉ

ツッコミどころはいろいろあるけど、それでもとにかくスペクタクル・エンタテインメントとしては圧巻の 140 分でした。楽しかった。
もう一つ残念な点を挙げるとすれば、終盤で示された「リアルにこそ、仮想世界で得られない大切なものがある」というメッセージが、伏線がなさすぎてあまりにも取って付けた感があったことでしょうか。このあたりはさすがに原作小説を読んで補完するしかないのかなあ。電子書籍版も出ているようだし、とりあえず GW を使って読んでみるかなあ...。

アーネスト・クライン / ゲームウォーズ(上)(下) [Kindle]

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2018/04/25 (Wed.)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ [Blu-ray]

ずっと待っていた BD がついに発売されました。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ [4K UHD MovieNEX]

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劇場公開中に 4 回も観に行ったわけですが(笑)、BD の発売も楽しみにしていました。
パッケージは UHD BD、3D BD、2D BD が全て含まれている 4K UHD MovieNEX 版。おまけがたくさんついているプレミアム BOX ではないけれど、ディスクとしては「全部入り」バージョンです。『フォースの覚醒』が 2K BD 止まり、かつ 3D 版は別売という微妙な販売方式でしたが、今回はディズニーも反省したのか最初から全部入りで出してきてくれました。

平日は本編をじっくり観ている時間がないので、とりあえずボーナスディスクをつまみ食い的に再生してみたら、まあライアン・ジョンソン監督自ら語る語る(笑。それぞれのシーンをライアン・ジョンソンが何を考えながら作っていったのかがよく分かります。『最後のジェダイ』はある意味で今までのジェダイ伝説を壊した作品なわけで世の中的な評価も真っ二つに分かれているようですが、それは良くも悪くもライアン・ジョンソン自身が監督である一方でスター・ウォーズ・サーガの熱心なファンであることに由来しているんだなあ、というのを特典映像を観て改めて感じました。ツッコミどころが多い作品だし私も部分的には「それは無しでは?」と感じてしまうシーンはいくつかあるのも事実ですが、細かいことは置いといてこれからもほぼ毎年『スター・ウォーズ』の新作が観られるのであればポジティブに受け入れなくては損というものでしょう。ただホルド提督と DJ(コード破り)のキャラはやっぱりもう少し使いようがあったように思います。

それと特典映像のインタビューの中に故キャリー・フィッシャーが少しだけだけど登場しているのに目頭が熱くなりました。劇中のどこかずっと憂いを湛えたレイア将軍とは少し雰囲気が違っていて、ああやっぱり次作でカイロ・レンと和解するなりしてこの憂いが解れた姿をスクリーンで観たかったなあ...としんみりしてしまいました。

本編の方は連休中にじっくり鑑賞しようと思います。早く 4K/HDR 対応プロジェクタが欲しいなあ。

投稿者 B : 23:58 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/04/20 (Fri.)

機動戦士ガンダム NT

「機動戦士ガンダム NT(ナラティブ)」11月劇場公開。ユニコーンの続編 - AV Watch

サンライズがガンダムシリーズの最新作として『機動戦士ガンダム NT』を発表しました。お台場ユニコーン立像完成の際に予告されていた「ガンダム UC の新プロジェクト」とはこれのことでしたか。
原作は『UC』と同じく福井晴敏氏。タイトルにもある「NT」が文字通りの「ナラティブ(物語)」と「ニュータイプ」のダブルミーニングになっているのは、「ユニコーン」と「宇宙世紀」をかけた「UC」と同じパターンでいかにも福井節。
そして登場するモビルスーツはユニコーンガンダム 3 号機《フェネクス》。これまでは旧ガンダムフロント東京での映像上映とスピンオフ小説、それにプラモのみで展開されてきた機体が改めて公式に映像化されることになります。

機動戦士ガンダム NT(ナラティブ)

現時点で公表されている情報を見る限り、基本的な設定とプロットは小説『不死鳥狩り』をベースとするようです。しかし主人公ヨナ・バシュタが搭乗する MS がジェガンではなく「ナラティブガンダム」になっていたり、敵 MS(?)として「シナンジュ・スタイン」が登場することになっていたり、いろいろと変更点も。つかスタインって連邦軍からの強奪後に外装を変更されて「シナンジュ」としてフル・フロンタルの乗機になったんじゃなかったっけ?そして『UC』のラストで崩壊したんじゃなかったっけ?とか謎は尽きません。またキャラクターデザインがあの微妙だった『Twilight AXIS』と同じ人、というところにも一抹の不安を感じます。とはいえ、『UC』を手がけたサンライズ第 1 スタジオが手がける『UC』の続編というだけで多大な期待をしたくなるじゃないですか。

『UC』のラストでユニコーンガンダムが光の結晶体となり、バナージがユニコーンと一体化したくだりは抽象的な表現でぼかされていて、原作小説を読んでいなければ理解しにくい部分がありました。今回のフェネクスにまつわる物語でもそれと似たような設定が出てくるはずですが、今度はどのように映像化されるのか。もしかすると『NT』を観ることで『UC』の理解が深まるものになるのではないでしょうか。音楽は再び澤野弘之氏が手がけるというし、とても楽しみです。

そして『NT』と同時に発表されたのが、その後さらに『閃光のハサウェイ』の映画化と『UC2(仮称)』の製作予告。『NT』はおそらく単発の劇場版アニメ、『閃ハサ』は三部作になるようですが、『UC2』は海外ドラマ方式(?)とのこと。テレビシリーズを複数シーズンに分けて展開するのではとも言われているようですが、あれだけの大風呂敷を広げて畳んだ後だけに、『UC』のキャラクターを使い回して新しい物語を作るのは蛇足にもなりそうでちょっと怖い。しかもその後の『F91』の時間軸では連邦は再び腐敗、アナハイムは没落していることになるわけで、設定の整合性を取りながら面白くまとめるのが難しいところでもあります。『UC2』でバナージが『Ζ』でのアムロみたいに不貞腐れて出てきたりしたらやだなあ(´д`)...。
『閃ハサ』の映像化はある意味願ったり叶ったりだけど、ストーリー的にこれまた難しいところ。小説は際どい表現も多いしラストがアレなので、『UC2』への繋ぎも考慮してプロットにはけっこう手が加えられるんじゃないでしょうか。とりあえず Ξ ガンダムとグスタフ・カールの MG 化はよ(ぉ

そういえば『THE ORIGIN』がルウム編をもって完結という話の続きが今回はありませんでした。やはり関係者の高齢化や健康問題からそのままの体制で続編を作るのが難しいため、今後のガンダムは『UC』を軸にやっていく(お台場の立像も建て替えたことだし)ということでしょうか。それはそれで寂しい気もしつつ、まずは GW 公開の『THE ORIGIN VI』と秋の『NT』を楽しみに待ちたいと思います。

福井晴敏 / 機動戦士ガンダム UC (11) 不死鳥狩り

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投稿者 B : 23:04 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/30 (Fri.)

ウィンストン・チャーチル @ TOHO シネマズ日比谷

日本では映画の内容そのものよりも特殊メイクを担当した辻一弘氏がアカデミー賞を受賞したことのほうで話題の映画ですが、個人的にはゲイリー・オールドマンの芝居が見たくて観に行ってきました。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

DARKEST HOUR

第二次世界大戦下で英国の首相に就き、ドイツに対する反攻作戦を主導したことでイギリスの英雄となったウィンストン・チャーチル。この映画はチャーチルの首相就任から第二次世界大戦序盤までのチャーチルの動きと人物像について描いています。物語の後半はフランス・ダンケルクにおける英陸軍の撤退戦を政府の視点から描いており、ある意味で半年前に映画化された『ダンケルク』と対をなすような作品になっています。

ゲイリー・オールドマンは本当に変幻自在な俳優だと思っていましたが、この映画におけるゲイリー・オールドマンは今まで以上にすごい。特殊メイクの効果もありますが、本人の芝居によって立ち居振る舞いまで教科書や当時の映像で見たことのあるあのチャーチルそのものに見える。よーく見ると目のあたりが確かにゲイリー・オールドマンなんですが、それ以外は完全にチャーチルを演じきっていて、ストーリーに引き込まれるとこれがゲイリー・オールドマンであることを忘れてしまいます。キャラクターの押しの強さ、アジテーションの巧みさ、それから時折見せるお茶目な人物像まで含め「ウィンストン・チャーチル」という人間の魅力を余すところなく見せてくれています。

物語の中で幾度となくチャーチルと対峙する当時の英国王ジョージ 6 世を演じるのが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でクレニック長官を演じていたベン・メンデルソーン。いい俳優さんだと思うんですが、『ローグ・ワン』を劇場から BD まで合計 7~8 回は観た私にとっては国王というより小物の悪役感が強すぎて(笑)、そこはちょっと惜しかったかなあ。

映像的には影の使い方が印象的でした。戦争映画ということで彩度が低く暗めの映像が続きますが、その中でも陰影を駆使して英国やチャーチルの置かれた状況や心境を表現しているようで、力強さのある映像。戦争映画でありながら戦場の映像はほとんど出てきませんが、代わりに閣僚会議や議会のシーンはある意味戦場のようで、法廷劇にも似たケレン味を感じます。とはいえ二時間ずっと陰惨なわけではなく、適度にユーモアや皮肉が織り交ぜられていて、最後まで疲れずに堪能できました。期待以上に素晴らしい映画でした。

TOHO シネマズ日比谷

今回鑑賞したのはまさに昨日オープンしたばかりの TOHO シネマズ日比谷。新しくできた東京ミッドタウン日比谷内の施設で、先日閉館した日劇に代わって東宝の旗艦を務める劇場です。本当はソニーのハプティックベストを導入したという『マジジュマンジ』も体感してみたかったんですがチケットが取れなかったし『ジュマンジ』自体にあまり興味が湧かなかったので見送り。

TOHO シネマズ日比谷

シャンテ前のかつてゴジラ像があった辺りには新しくシン・ゴジラ像が出現していました。

TOHO シネマズ渋谷、作りとしては近年オープンしている日本橋や新宿と似たような感じではありますが、日比谷の街を見下ろすロケーションだけあって高級感とゆったり感がありますね。TCX やドルビーアトモス、IMAX といったフラッグシップ館らしい設備も一通り揃っていて、いい映像・音響で楽しみたいときには積極的に利用したいところ。駅からのアクセスも良いし、銀座や有楽町での買い物のついでにも寄れるし、ちょくちょく来ようと思います。

投稿者 B : 22:22 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/29 (Thu.)

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』完結へ

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』アニメプロジェクト、5月5日(土)上映「誕生 赤い彗星」で完結!! / 山崎まさよし主題歌PV解禁!! | V-STORAGE

ゴールデンウィークの劇場公開まであと一ヶ月あまりと迫り、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI』の続報が発表されました。そこで明らかにされたのは、まさかの『THE ORIGIN』アニメ化プロジェクトが今回で完結となるという事実。
これまでのシリーズの舞台挨拶等を通じて、安彦総監督をはじめとしたキャストが口々に「皆さんの応援次第で一年戦争編のアニメ化が決まる」と訴えてきて、もはや既定路線かと思われていた一年戦争編の発表を前にまさかの完結宣言。文字通りに受け取れば、このルウム編が『THE ORIGIN』アニメ化のラストになることになります。まあ、一年戦争編は 1979 年のオリジナルアニメ(およびその劇場版)が既に存在するわけですが、みんなが期待していたのは現代の映像技術をふまえ、安彦先生の漫画版の要素をも踏まえてアップデートされたファーストガンダムなわけで、それが実現しないとするならばあまりにも淋しい。

ちょっと調べてみたところ、『THE ORIGIN』の BD/DVD の売上はアニメ作品の中ではかなり多い方とはいえ、『UC』に比べると大きく落ち込んでいるようで。まあ『UC』とは時代も違ってネット配信が普及したことは無視できませんが、ここにきてのプロジェクト終了の背景としては考えられなくはない要素です。
しかし、個人的に直接の理由と考えているのは、安彦総監督もしくは池田秀一氏の健康に問題があり、現在の体制のまま『THE ORIGIN』の制作を続けることが難しくなったのではないか?ということ。昨年の『V』の舞台挨拶での池田さんがあまりお元気そうに見えなかったことがとても気になっていました。安彦総監督・古谷徹氏・池田秀一氏というピースが揃っていないファーストガンダムは少なくとも『THE ORIGIN』とは言えないと思うし、仮にキャストを代えた形での一年戦争編のリメイクがあるとしても『THE ORIGIN』以外のタイトルがつくのではないか?とみています。ただ『機動戦士ガンダム 一年戦争』も『機動戦士ガンダム 0079』にしても、既にゲームで使われているタイトルなんですよね...。

来年はガンダム 40 周年の節目の年でもあるし、一年戦争編のリメイクは何らかの形で実現されるんだろうとは思っています。それがどういう形になるかは、『THE ORIGIN VI』の公開初日に明らかにされるんでしょうか。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星 [Blu-ray]

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2018/03/20 (Tue.)

15 時 17 分、パリ行き @チネチッタ

期待していたクリント・イーストウッド監督の最新作を観に行く時間を、ようやく取ることができました。

15 時 17 分、パリ行き

15 時 17 分、パリ行き

イーストウッド作品といえば近年はすっかりドキュメンタリー映画の印象が強くなっていますが、本作も実話に基づいた映画化です。今回は 2015 年にフランスで発生したタリス銃乱射事件が題材。ここ数年のフランスはテロが頻発しすぎていて、その中で被害が小さく抑えられたこの事件は個人的にあまり印象に残っていないんですが、「どのようにして被害が抑えられたのか」に関するドキュメンタリーになっており、私はようやくこの事件の概要について理解することができました。

クリント・イーストウッドのノンフィクションは「極限状態に置かれたとき、人はどう動くのか」を描いた、重い作品が数多くあります。今回もテロ事件が題材ということでかなり重たそう、もうちょっと精神的に元気なときでないと辛いかもなあ...という覚悟を持って座席に着いたのですが、その覚悟はいい意味で裏切られました。
なんたって、肝心の事件そのものについて描かれたシーンが本当に終盤にしか出てこない(断片的には所々に挟み込まれてはいますが)。それよりも、この事件から多くの乗客を救った三人の英雄がどのように成長し勇気ある行動をするに至ったのか、についてかなりの尺をとって描写されています。だって映画の半分はゴツいアメリカ人男性三人がセルフィー撮りながら緩くヨーロッパ旅行してるシーンですよ(笑)。かわいすぎるだろ。私はプレイしてないけど FF15 の面白さもこういう部分だったのかもなあ、と思いながら観ていました。

ストーリーは三人の若者の中でも「戦場で人を救いたい」という想いで空軍のパラレスキューを目指すスペンサー・ストーンの成長を軸に描かれます。これがまた、人は努力さえすればなりたいものの近くまでは何とか行けるけど、その夢をストレートに叶えられるかどうかはまた別、という現実に直面させられる話。でもその結果の寄り道は必ずしも無駄ではなくて、後から振り返ってみれば必要な経験だったし、それがあったからこそ本当の意味で夢を叶えられるんだ、という話でもあります。人生において夢のど真ん中を掴むのって本当に難しい...と何度も経験してきた私としては、寄り道が無駄ではないというのも含めて身につまされる話だったし、まだまだ諦めちゃいけないのかもなあ、と思わされました。テロに関するノンフィクション映画を観に来たはずなのに、そんな人生観を見せつけられることになるとは思わなかった。

物語のエピローグ(三人がフランス政府から勲章を贈られるシーン)で急に画質が粗くなったな、ドキュメンタリー感を出すためにわざと解像度を落としているのか...?と思ったら、なんとこれ実際の叙勲時の映像じゃないですか!!つまり、主役三人(+α)はこの事件に関わった本人が出演しているということ。事前情報を仕入れずに観に行っていたので、これには驚いた。そりゃあ三人のヨーロッパ旅行シーンの演技がナチュラルだし、妙に仲が良い雰囲気が再現できているわけだ。本職の俳優にも見劣りしない演技には度肝を抜かれました。
旅行シーンあたりはイーストウッド作品っぽくない独特の空気感がありましたが、全体を通してみるといかにもイーストウッドらしいドキュメンタリー。重くなりすぎずにジワリと来る、良い映画でした。

ちなみにチネチッタでは LIVE ZOUND 以外のシアターを久しぶりに利用しました。そしたらどうやら先週から劇場のシステムがいろいろと変わったらしく、新しく会員カード制が開始され、予約席のキャンセルにも対応したとのこと。

チネチッタ | CINE CLUB(チネクラブ)

立川シネマシティのフォロワー的な施策ではありますが、独立系シネコンとしてリピーターを作ろうという試みは歓迎すべきものです。LIVE ZOUND 以外の設備はちょっと古さが出てきたこともあって私は近年チネチッタを敬遠気味でしたが、この調子でサービス拡充してくれるようならもっと積極的に利用しようかと思います。

投稿者 B : 23:57 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/17 (Sat.)

ガールズ&パンツァー 総集編 [Blu-ray]

極上爆音上映のために観始めた『ガルパン』、なんだかんだでハマってしまいました。あの戦車戦をもう一度ホームシアター環境で観たいと思っていたらテレビ版の総集編 BD が発売されたので、買ってみました。本当は発売日に届いてたんですが時間がなくてまだちょびっとしか観れていません。

ガールズ&パンツァー 第 63 回戦車道全国高校生大会 総集編 [Blu-ray]

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もはやジャケット画像で結末が盛大にネタバレしてしまっています(ぉ。

テレビアニメ全 12 話と OVA『これが本当のアンツィオ戦です!』を約二時間のダイジェストにまとめた Blu-ray。さすがに BD 全巻を集める気はないけど戦車戦シーンは繰り返し観たい、という私のニーズにちょうどいい企画でした。
状況説明をナレーションに任せることで日常パートを大胆にカットし、戦車戦を軸として再編集されています。戦車戦の映像と音響を楽しみたい自分には嬉しい構成ですが、再編集版を改めて観てみると、テレビ版の日常パートと戦車戦パートの緩急のつけ方が秀逸だったことが改めて分かるし、初見ならばこのダイジェスト版よりもテレビ版を最初から観るべきだと気づかされます。登場人物が多いのに全員ちゃんとキャラが立っているのは、あの日常パートがあったからこそなんだなあ。

私がこの総集編を買ったのは安い(ストーリー的にはテレビ版全編収録にも関わらず実売 3,000 円前後)こともあるんですが、テレビ版の BD の音声が DTS-HD Master Audio 2.1ch だったのに対してこの総集編は DTS-HD Master Audio 5.1ch。極上爆音上映の例を挙げるまでもなくガルパンは戦車戦の「音」が演出上重要な役割を果たしている作品だけに、四方から回り込んでくる砲弾や履帯の音を堪能できることが重要なのです。まあ、収録されている音声のダイナミックレンジが広すぎて、台詞を聴き取ろうとしてボリュームを上げると戦闘シーンの爆音に心臓が止まる思いをするわけですが(;´Д`)、そういうのも含めてオーディオ調整の楽しみすら与えてくれます。

実は勢い余って劇場版の BD まで買ってしまったので(笑)、時間を見つけてこれらを堪能するためのオーディオ環境の見直しをしてみようかと。

投稿者 B : 23:30 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/09 (Fri.)

ブレードランナー 2049 [Blu-ray]

近年、上映からパッケージメディア化&配信までのサイクルが短すぎて、とりあえず予約注文したのを忘れて気づいたら届いていることが少なくないのですが(汗、これも自宅に届いたことで発売されたことに気がつきました。

ブレードランナー 2049 4K ULTRA HD&ブルーレイセット

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『ブレードランナー 2049』です。とりあえず将来を見越して UHD BD&BD セットを購入。三時間近い大作を観る気力が今ないので、まだ断片的にしか観ていませんが。

劇場で鑑賞したときにも思いましたが、これ、評価が難しい(分かれる)作品ですよね。前作のファンとして言えば「ブレードランナーらしい」作風だという納得感はあるけど、続編としてこれは認めないというファンもいるだろうし、現代の SF アクション映画としてみるとテンポが良くなく決して万人受けするものではないよなあ...という。

結局『ブレードランナー』も『2049』も、SF 映画の皮を被った哲学映画なんだと思うんですよ。でも両者は、リドリー・スコットが『ブレードランナー』を原作の哲学っぽさを巧妙に残しつつハードボイルド・アクションとして簡略化したのに対して、『2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴはアクション映画のフリをした哲学を描いた、という点で対照的だ思います。だから『2049』は丁寧に、ときに冗長にいろんなシーンやエピソードを描いてそれを表現しようとしたんじゃないかと。例えば AI ホログラム「ジョイ」周りのエピソードは本編と直接絡みが少ないからカットしても成立しそうだけど、主人公 K の「人間らしさ」という物語の核を膨らませていくのには必要不可欠だったのでしょう。
また『ブレードランナー』では人間(と少なくとも自分では思っている)の視点からレプリカントに感情移入できるか?という描き方だったのに対して、『2049』ではレプリカント(であることを自覚している)が人間らしさを求め続けたことで、感情(さらには生殖能力すら)をもったレプリカントと人間を区別することはできるのか?というテーマを扱っています。そういう意味では一作目よりも『2049』のほうが原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』に近い本質を備えていると言えます。まさに哲学の映画なんだよなあ。

また本シリーズの最大の謎である「デッカードはレプリカントなのか?」という問いに対しては、今回も明確な答えを出していません。肉体が老化していることでデッカードはレプリではなく人間だとも思えるし、放射線に汚染されたラスベガスで長年生活している事実をもってレプリであるとも言える。『2049』を観るまで私は「デッカードはレプリ」派だったのですが、本作を観たことで「人間かレプリかなんて別に重要な問題じゃないじゃないか」と考えるようになりました(笑。

そういうのも含め、『2049』を観たらオリジナルをもう一度観たくなるし、やっぱりシリーズのファン向けにはよくできた作品だと思います。ただ二作通しで観ると五時間かかるんだよなあ(;´Д`)。

投稿者 B : 20:49 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/01 (Thu.)

『孤独のグルメ Season7』放送決定

4 月から『孤独のグルメ Season7』のドラマが放送されることが発表されました。

マジか!全然その予想はしてませんでした。だって松重さん今クールも『アンナチュラル』『バイプレイヤーズ』とドラマ二本を掛け持ちしてるのに、そのままこどグルの撮影に突入しちゃってるのか...。
Season6 が終わるときに、もうお店の撮影許可を取るのも難儀しているらしいし、そろそろレギュラードラマとしてはこれで終わりでお盆と正月のスペシャルドラマとしてたまに放送するような形になるのかもなあ、と思っていましたが、今や看板番組の一つになったこどグルをテレ東が手放すことはなかった、ということのようです(笑。

孤独のグルメ

新シーズンは初心に返って「世間にはあまり広く知られていない町での素晴らしいグルメとの出会いから始ま」るとのことですが、どんな感じになるんでしょうか。Season1 の第一話も渋い店だったけど門前仲町ってけっこう知られた町だし、原作コミック第一話の山谷周辺とか、板橋の大山町とか、本当にそういうなんでもない町の食堂だったりすると『孤独のグルメ』っぽい。ドラマのほうは人気上昇に伴って Season3~5 くらいは「味はそうでもないけど面白い店」という本来のこどグル(漫画版)の路線から外れて本当においしい店しか取り上げられなくなっていたきらいがありましたが、Season6 では原作オマージュを多く取り入れたりして試行錯誤している気配がありました。Season7 では「良い意味でのマンネリ」を続けながらどのように新機軸を打ち出してくるのか、楽しみではあります。

孤独のグルメ

Season7 の宣材写真を見る限り、序盤のお店としてメキシコ料理のお店が登場するようです。Season6 のテーマ曲もラテン系だったけど、今度もサルサだったりするんでしょうか。
とりあえず、ロケ地はこのメキシコ料理じゃないほうのお店を一軒特定したので、放送前に行ってくるかどうか考え中。だいぶ遠いんですよね(´д`)...。

ともかく、予想外のタイミングで発表された Season7、楽しみです。
敬虔な巡礼者たる私としては、まだ大晦日スペシャルの巡礼にも行けていないのに新シーズンが始まってしまうのはある種嬉しい悲鳴でもありつつ、悩ましい(´д`)。

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

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■関連リンク
【Season6巡礼完了】『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~6&原作 - NAVER まとめ

投稿者 B : 00:12 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/02/23 (Fri.)

グレイテスト・ショーマン [LIVE ZOUND] @チネチッタ

楽しみにしていた映画を観に行ってきました。

グレイテスト・ショーマン

グレイテスト・ショーマン

レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマンが主演し、『ラ・ラ・ランド』のスタッフが手がけたミュージカル映画と聞けば期待するなというほうが無理というもの。どちらもこの十年で観たミュージカル映画で私的ベストを争う名作です。

ストーリーとしては、実在したアメリカの興行師 P.T. バーナムの伝記物。低い身分からサーカス興行を起業して成功した人物のサクセスストーリーという側面を持っています。またしてもヒュー・ジャックマンが若い頃(少年時代は別の俳優さんが演じているけど)にパンを盗むシーンがあってヒヤリとさせられますが、今回はラッセル・クロウにストーキングされたりはしません(ぉ。
映画的にはオープニングからハイテンションな音楽とダンスでたたみ掛けてきて、映画館ではこういう音と映像の洪水に飲まれたい私としてはその瞬間から狂喜するわけです。

この映画は楽曲が本当に素晴らしい。オープニングを飾る『The Greatest Show』、実質的な主題曲と言える『This Is Me』はもちろんのこと、バーでバーナムとカーライルがパートナーシップを巡る駆け引きをするシーンや、オペラ歌手ジェニー・リンドのステージにも鳥肌が立ちました。上映中、何度スタンディング・オベイションをしたくなったか分かりません。

一方で脚本に関しては、バーナムの心境の変化、差別や偏見、バーナムとサーカスのメンバーとの間にあった信頼と確執、親子と家族...など切り口ごとに別の作品ができそうなほどたくさんのテーマを扱った作品でありながら、それらについてあまり深く掘り下げることなく話が進んでいくのが少し気持ち悪くもありました。差別や偏見ではなく多様性と自己肯定の話として観れば、とにかくテンションの高い歌曲群に押されて「自分ももっと自信持っていいんだ!」と思えそうですが、立場が違えばそういう感想は持てないような気もします。
ともあれ、本作は様々なテーマを内包しながらも、基本的には音楽を中心としたエンタテインメント・ミュージカルとして作られていて、あまり深く考えずにこの音と映像に浸るのが良いと思います。音楽だけでなく、ミュージカルシーンでは映像の演出も素晴らしい。

グレイテスト・ショーマン

今回鑑賞したのはチネチッタ。せっかくのミュージカル映画だから LIVE ZOUND で観たかった。LIVE ZOUND はちょっと低音偏重すぎて作品によっては違和感があるものの、この作品ではビートの効いた楽曲が多かったこともあってとても楽しめました。本作は音の良い映画館で観ないと損だと思います。
ちなみにシアターの入口付近にバーナムのステージ衣装が展示されていて、配給会社から支給された販促品なのかと思ったら「チネチッタスタッフの手作りです」と書いてあって和みました(笑。大手系シネコンの影響力がどんどん強まっている昨今、独立系シネコンは独自の音響システムだったりこういうスタッフとの距離感みたいなもので生き残っていくしかないということなんでしょう。

いいミュージカル映画でした。機会があればリピートしたいくらいだし、とりあえずサントラは買おう。

グレイテスト・ショーマン (サウンドトラック)

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2018/02/11 (Sun.)

劇場版マクロス Δ 激情のワルキューレ @TOHO シネマズ川崎

『マクロス Δ』の劇場版を観に行ってきました。

劇場版マクロス Δ 激情のワルキューレ

劇場版マクロス Δ 激情のワルキューレ

サブタイトルは『激情のワルキューレ』。劇場版だから激情、って駄洒落もいいところですが(笑)、このサブタイトルのとおり主役はハヤテ・インメルマンではなくワルキューレだったと言って良いでしょう。まあ、テレビ版の頃から BD/DVD の売上はさほど振るわなかったけどワルキューレの楽曲やライヴチケットは売れていたと聞くので、こういう展開になった理由は肯けます。

ストーリーはマクロスシリーズにおける劇場版の例に漏れず、テレビ版を再構成したもの。しかし前作である劇場版マクロス F が内容を大きく改変したリメイクだったのに比べると、今回はストーリー自体は変えずに物語の構成を大胆にいじることで、同じ物語でも見え方が変わっていました。テレビ版は、前半こそいい感じに盛り上がったものの、後半、特に最終話でガックリ来てしまい、なんだか残念なアニメだったな...という印象を受けたものですが、劇場版では最後に向けてちゃんと盛り上げてしっかり締められていました。テレビ版で一番良かったくだりをそこに持ってくるかー、という驚きはありましたが、これはあくまで尺の短い劇場版向けに圧縮したからこそ成り立った手法であって、逆に放送期間の長いテレビ版ではこの構成は取れなかったでしょう。
そんな感じで 2 クール分のアニメ作品を 2 時間に収めてあるので、時系列は組み変わっているし、いろいろ省略もされています。特にテレビ版の放送時にキーワードとされていた三角関係要素はほとんどないし、ミラージュは戦闘シーンでの見せ場こそあったもののジーナス家出身という設定はほとんど活かせていないし、かなり割り切られています。ボリューム的には F 同様に前後編二部作になってもおかしくないのをここまで圧縮したのは、相当限られた予算の中で映画化する必要があったからではないか、とパンフレットを読んで感じました。

どれくらい割り切っているかというと本作の戦争の原因(ウィンダミアが新統合政府に対して宣戦布告した理由)が曖昧なままだし、本来の主人公だったハヤテも存在感が薄い。映画というよりもストーリーつきのライヴ映像という感覚で、この映画自体がワルキューレのステージパフォーマンスを軸に、それ以外の要素は PV として破綻しない程度に取捨選択して組み立てられたのでは?と思えるくらい大胆な作り。映像と音の濃さだけで言えば濃縮果汁を還元せずそのまま飲んでいるような感覚(笑。それでも終幕後の後味がテレビ版よりも全然スッキリしているんだから、あのテレビ版の脚本は何だったんだと言いたくもなります(ぉ

そんなワルキューレのステージの中でも圧巻は、制作費の大半を賭けたのではないかと思える序盤のライヴシーン。新曲『チェンジ!!!!!』を全編フル CG で映像化していて、テレビ版では絶対にできなかった劇場版ならではの映像表現に圧倒されました。これが観れただけでも映画館まで足を運んだ甲斐があったというものです。三曲あった劇場版向けの新曲はどれも効果的に使われていて、良いところで盛り上げてくれました。
メカ的にもサプライズが三つほどあったし、2 時間という尺の中ではかなりお腹いっぱい感のある映像と音で満足感高し。特に音響面では映画館のサラウンドでもライヴハウスのような音が出るように調整してあって驚きました。これは音の良い映画館で観るべき映画だと思います。不満があるとすれば、やっぱりクライマックスは『F』のラストのようにメドレーでたたみ掛けてきてほしかったということくらいでしょうか。
本当はこういう映画こそシネマシティの極爆上映やチネチッタの LIVE ZOUND で観たいところだけど、上映館がほぼ東宝系に限られてしまっているのが残念。まあ、前述の通り普通の劇場音響でも十分雰囲気は出ていますが...。

そういえばパンフレットでいろんな人が「今後の展開は今回の反響次第」と言っているのが気になりました。現場としては続編をやりたいけど、やれるかどうかは映画の興収と BD/DVD(あとスマホゲーム)の売上次第というところなのでしょう。最近ではガンダム THE ORIGIN でも関係者がよくそんなことを言っていますし、世知辛い世の中ではあります。好きなコンテンツが継続して作られるためにはファンは積極的に課金するしかないということですが、この濃密な音と映像の体験は繰り返し味わう価値がある。上映期間中にもう一度くらい観に行ってもいいかも、と思っています。

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2018/02/02 (Fri.)

祈りの幕が下りる時 @TOHO シネマズ新宿

まさか続編が作られるとは思っていなかった作品の最新作にして最終作を観に行ってきました。

祈りの幕が下りる時

祈りの幕が下りる時

聖地的には TOHO シネマズ日本橋で観たかったんですが、スケジュールの都合で新宿にて鑑賞。

前作は 6 年前の『麒麟の翼』ですよ。その後も東野圭吾作品のドラマ化や映画化は続いていましたが、まさかこのシリーズの続編が作られるとは。テレビドラマ版からすればもう 8 年も経っているわけで、もはや「新参者」とは言えないですよね(笑

物語の構造的には、

  • 一見無関係と思われる複数の事件が実は複雑に絡み合っている
  • 親子の絆(特に、親から子への無償の愛)がテーマ
  • 日本橋~人形町界隈の名所や名物が物語の鍵を握っている
というこのシリーズの作りを踏襲しています。繋がりの薄そうな複数の事件が、いくつかの物証や状況証拠をキーに少しずつ繋がっていくストーリーは本当に引き込まれます。特に今回は日本橋エリアに閉じず、宮城・滋賀・石川にまでおよぶロケが行われていることがさらにスケールを大きくしています。特に宮城ロケは仙台・女川など震災をふまえた内容になっていて、現地をこの目で見てきた身としては、心にくるものがありました。

それだけならばまあいつもの加賀恭一郎シリーズなわけですが、本作がいつもと違うのは、事件に加賀恭一郎自身の過去(というか、加賀の蒸発した母親の過去)が密接に絡んでくるところ。旧作でも事件の被害者や容疑者と対比させる形で加賀恭一郎と父親の関係性を表現するくだりはありましたが、本作では加賀の母親の過去そのものが事件に関連しています。だからいつも冷静沈着な加賀も、今回ばかりは複雑な心境で捜査するわけですが、それが映像にいつも以上の緊張感を生んでいます。

ラストは何とも救われないけど、カタルシスのある終わり方。事件の中心人物たる二人の関係性や過去は『白夜行』のような壮絶さを持っており、東野圭吾作品らしいな...と感じました。終盤はあまりにも重くて、スクリーンを正視するのが辛かった。

本作を以て「新参者」シリーズ(および原作の加賀恭一郎シリーズ)は完結となるそうですが、本作自体がまさかの新作だったとはいえ、もう続編が作られないとなるとそれはそれで寂しい(笑。私は東野圭吾作品はいくつか読んでいますが、加賀恭一郎シリーズは未読なので、この際原作に手を出してみようかなあ。ただ東野圭吾は電子書籍否定派で電子化されていないから、手を出しづらいんですよね...。

東野圭吾 / 祈りの幕が下りる時

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投稿者 B : 22:22 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/01/20 (Sat.)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ [4DX] @シネマサンシャイン平和島

MX4D を観たら 4DX と比較したくなるのが人情ってやつで、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の 4 回目の鑑賞を 4DX でしてきました。

4DX®とは | シネマサンシャイン cinema sunshine×4DX

4DX

私が行きやすい範囲で 4DX が導入されている劇場は、ユナイテッド・シネマお台場、イオンシネマみなとみらい、シネマサンシャイン平和島、あとちょっと足を伸ばしてユナイテッド・シネマ豊洲あたり。今回は上映時間の関係で平和島を選びました。シネマサンシャイン平和島は競艇場に隣接する娯楽施設に入っていて、温泉には昔来たことがあったけど映画館は初めて入りました。大手系列のシネコンと比べると、23 区内にあるのに地方の映画館っぽい素朴さがあります。

4DX

シートは座面や前後感覚がゆったりしていて、4 席一組で駆動するところまで含め MX4D とよく似ています。しかし布張りだったのがちょっと以外でした。水しぶきで濡れそうなものですけどね。
上映開始直前に、シート駆動用のモーターらしき音が「ヴーン...」と低く鳴り始めたのでうるさくならないか心配でしたが、上映が始まったら音響の方が大きかったので特に気になりませんでした。

4DX

水しぶき・風・匂いの吹出口は前席の背もたれの後ろについていました。MX4D だと肘掛けの前方についているため水しぶきや風に指向性を強く感じて、映像によっては違和感がありましたが、4DX は前方やや遠くから来るから自然。ただ匂いは MX4D よりも弱く、意識して嗅がないと気づかない感じでした。
水しぶきは『最後のジェダイ』ではあまり適したシーンがないのか、特に印象に残る使い方はされていませんでした。が、左右の壁(サラウンドスピーカの上方)にも風と水を出す装置がついていて、雨のシーンではシアター内にも土砂降りにならない程度に雨が降り、これはなかなか臨場感がありました。ルークが惑星オクトーで魚を獲りに行くシーンなんかは本当に現場で見ている感覚があった。

ちなみに前方から出てくる水しぶきに関しては、肘掛けにあるスイッチでオン・オフを切り替えることが可能。鬱陶しかったら切ろうと思っていましたが、そもそもあまり水が出てくるシーンがなかったので大丈夫でした。

4DX

4DX の体験全体に関して言えば、ギミック自体は MX4D のほうが多機能なようですが、4DX のほうが総じて演出が派手。シートの動きも X-ウイングやファルコンの戦闘シーンでは肘掛けに掴まっていたくなるほどの揺れで、MX4D 以上に「これは映画というよりアトラクションだ」という感覚を強く受けます。しかし MX4D が「ここぞ」というシーンでシートを動かすのに対して 4DX はほぼずっと動いているような感じで、落ち着きがない印象もあるので一長一短。このほか MX4D 比での 4DX の長所短所をまとめるとこんな感じ。

■4DX のほうが良いところ

  • 雨天シーンでの雨風の出し方が秀逸
  • 水しぶきや風の効果に指向性が少なく、MX4D に比べて自然
  • ストロボ(光)の演出が、MX4D ではスクリーン脇の光源が直接見えて興ざめなのに対して、4DX は光源が後方にあるため自然に「強い光」を感じられる

■4DX のイマイチなところ

  • シートの動きに落ち着きがなく、映像に集中しづらい
  • 音響に合わせて積極的にシートを震動させてくるから臨場感が高いけど、ウーファが鳴ってないようなシーンでも座面が震えることも多く、やり過ぎ感が強い
  • 3D が XpanD(アクティブシャッターメガネ)方式のため映像が暗い。特にクライマックスの惑星クレイトのシーンでは「真っ白な大地に真っ赤な軌跡を上げて進むスピーダー」がカッコイイのに、白も赤もくすんでしまって台無しな感じ。もしかしたら映画館によっては偏光メガネ方式の 4DX もあるのかもしれませんが
MX4D と 4DX のどちらが良いかと言われると、難しいところではあるけど個人的には MX4D のほうが良いかなあ。演出過剰ではないのでちゃんと映像に集中できることと、偏光メガネ式で映像が美しいことが大きいです。
ただ両方式ともにイマイチという点もあって、背中をつつく演出は不要だと思うし、フォグもあまり効果的とは思えません。あと風や水の演出はどうしてもコンプレッサーの「プシューッ!」という音がつきもので、ちょっと耳障りなんですよね。それに「宇宙空間なのに風が吹いてくる」という演出も、劇中の「無重力空間なのに爆撃機が爆弾を『落下』させる」シーン並みに矛盾しています。まあそれを言ったら宇宙空間での戦闘で音がする、という一作目以来の演出も否定することになりますが(笑。

そんなわけで、4D 上映は期待作の場合は最初から観に行くよりも、一度 IMAX 等で映像そのものを堪能した後、二回目に「別腹」のつもりで行くのがいいんじゃないかと思います。あるいはガルパンのように戦闘シーンの比重が高い作品であればいきなり 4D 上映でも楽しめるかもしれません。どんな映画でも 4D 上映されるわけではなく、内容的に相性が良いものだけが 4D 化される傾向にあるので、最初から 4D を観に行っても大きく外れることはないのでしょうが。

投稿者 B : 23:08 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/01/08 (Mon.)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ [MX4D] @TOHO シネマズ川崎

三回目の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を観に行ってきました。

MX4D™ || TOHOシネマズ

MX4D

劇場は川崎の TOHO。IMAX→極爆ときたらあとは 4D 系も観ておきたいと思って。4D 上映が一般的な映画館で展開されるようになって三年近く経ちますが、私は今回が初体験でした。いい映画は画音質重視で IMAX に行きがちだったので。でも SW シリーズのようなアトラクション的作品であれば、4D 系で観る価値があると言えます。

4D の上映方式には米国 MediaMation 社の MX4D(国内の劇場導入はソニーが担当)と韓国 CJ 4DPLEX 社の 4DX があります。MX4D は主に東宝系で、4DX はイオンシネマとユナイテッドシネマ系で採用されています。Web 上に書かれている比較レビューだと、MX4D のほうが機能は多いけど演出はおとなしめ、4DX は機能は少ないけど派手、という違いがあるようです。
今回はよく映画を観に行く川崎で MX4D を体験してみました。

MX4D

MX4D のシートは革張りで豪華。水しぶきが出たりするのでベルベット調のシートだとメンテナンスが大変というのもあるんでしょうが、通常のシアターよりも座面や前後間隔がゆったりしていることもあって、いつもよりいい席に座っている感覚があります(まあ通常のシアターのプレミアシートよりも高いチケット代を払っているわけだから当然ですが)。通常の上映もこのシートで観たいくらい。

4D 演出のほうは、椅子が動くということでディズニーランドの「スター・ツアーズ」みたいな感じ。でも「スター・ツアーズ」が一貫して主観視点なのに対して、映画はほとんどが客観視点なのに椅子が動いても違和感があるんじゃないか?という危惧はありました。空撮のシーンなどではもちろん自分が撮影のヘリに乗っているような浮遊感がありましたが、客観視点でも宇宙船や X-ウイングのシーンで画面の動きに合わせてシートが揺れたり震えたりするのは映画との一体感を生み、想像以上に没入感が得られますね。
あとは風。爆発シーン等で音と一緒に風が吹いてくるのも臨場感の向上に一役買っています。できれば爆風ならばせめて温風を出してほしいところではありますが...。

一方で、背中やお尻を突くギミックや、水しぶきや匂いの演出は中途半端に感じました。客観視点なのに自分の背中やお尻を突かれるのは違和感があるし、匂いは一種類しか出ないようで(しかも『最後のジェダイ』では爆発シーン等に火薬っぽい匂いが出てくる)、もう少し種類があればまだしも、ワンパターンだと却って没入感が削がれるようにも感じました。

というわけで、MX4D がアリかナシかと問われると確かに「アリ」ではあるけど、通常上映の 1.5 倍以上のチケット代を払うかと言われれば、観る前から MX4D の効果が十分に期待できる作品に限るかなあ...というのが正直な感想です。『最後のジェダイ』の MX4D は面白かったですけどね。
機会があれば 4DX 版も比較のために観てみたいところ。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

映画そのものは三度目ともなると少し引いた視点で観ることができました。いろいろとツッコミどころはあるものの、ラストを知った上で逆算しながら観ると、また違った深みがあります。でもホルド提督はもうちょっと使いようがあったんじゃないかと(´д`)。

前回書いたとおり、本作は「過去を否定しながら、そうやって昔からのファンが見たいと思っていたものを見せてくれるハイブリッドな作風」でありながらも、おそらく旧作のヒーロー達が活躍するのは今回が最後で、次作では新世代のヒーロー達が中心となって活躍する物語に変わっていくのだと思います。今回以上に賛否両論を呼ぶことになるのでしょうが、それもまた『スター・ウォーズ』的だなあとも思うわけです。旧作の世界観のまま新作が観たければ『ローグ・ワン』や今年公開予定の『ハン・ソロ』のようなサイドストーリーがあるという構造。ガンダムに例えるならば『フォースの覚醒』以降の正史は『UC』のようなアムロ/シャア以後の(かつ非富野)シリーズなんだろうし、サイドストーリーは『0083』や『サンダーボルト』などの一年戦争関連作品と思えばいい。ディズニー体制下の SW は公式な二次創作と揶揄する向きもあるようですが、こういう構造だと理解すれば個人的には納得だし、あらゆる形で『スター・ウォーズ』の新作が毎年観れるというのは何と幸福なことではないでしょうか。

投稿者 B : 22:40 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/01/03 (Wed.)

ガールズ&パンツァー 最終章 第 1 話 [極爆] @シネマシティ

スター・ウォーズの極上爆音上映を観にわざわざ立川シネマシティまで行ったなら映画一本で帰ってくるのはちょっともったいない。というわけでもう一本観てきました。

ガールズ&パンツァー 最終章

ガールズ&パンツァー 最終章

シネマシティで観るならやっぱりこれでしょう。極爆上映のおかげでシネマシティは大洗に次ぐガルパンの「聖地」となった感があります。
私はいろいろと噂は聞きながらも今までガルパンはスルーしてきていました。でもせっかく観るならちゃんと予習してから、と思って VOD でテレビシリーズから劇場版まで一週間ほどで一気に鑑賞。テレビシリーズの時点から、毎週のテレビアニメとは思えない映像のクオリティとダイナミックな音響、そしてケレン味のある...いやむしろケレン味しかない戦闘シーンの連続で、めちゃくちゃ面白いじゃないですか。これは劇場版にリピーターが多かったのも肯けます。
今年と言わず去年シネマシティに行ったときに劇場版を観ておくべきだったと後悔したし、予習が終わった時点でこのガルパン最終章のほうが一度観た『最後のジェダイ』よりも楽しみに思えてしまったほどでした。

これまでのテレビ版、劇場版ともに「少女達が通う高校の廃校の危機を救うために部活(正確には授業の一環だけど)で名を挙げる」という、どこかで聞いたようなストーリーでしたが(ありがちな分だけ、ストーリーよりも戦闘シーンに注力したのであろうことがよく解る)、これまでの試合で十分以上に有名になった大洗女子学園が今度は何のために戦うのか?と思ったら、割と他愛のない、だけど「仲間のために戦う」大洗女子らしい理由で戦いに臨みます。
試合は序盤相手に翻弄されて苦戦、しかし中盤に西住みほの機転と大胆な作戦で体制を立て直す...という展開はある意味予定調和ではありますが、新登場メンバーも含め分かりやすくキャラの立った登場人物と、グリグリ動く戦車の作画と音響に浸っているだけで愉しい。ほんの 50 分ほどの作品ですが、劇場版に負けず劣らず濃密な時間を過ごせます。

ガールズ&パンツァー 最終章

私はミリタリー方面に明るくないのでこの作品中での戦車戦の描写がどれくらいリアルかは分かりませんが、登場する戦車の描写が細かく、またそれぞれの戦車の特性を活かした戦いをしている(ように見える)ところに制作サイドの戦車とキャラクターに対する強い愛が感じられますね。その熱量が伝わってくることで、戦車に詳しくなくてもリアリティを感じる部分もあるように思います。こどグル巡礼者としては、その熱が昇華することで大洗にまで聖地巡礼に行きたくなってしまうファンの気持ちも理解できる気がします。

シネマシティ

音響のほうは「極上爆音上映」だけあって、戦車の発砲・着弾や走行シーンの一つ一つにシートが揺れるほどの震動が伝わってきます。それでいて低音の「収まり」が良いので、いつまでもその響きを引きずることなく、次の効果音や BGM がちゃんと生きている。ただ音がデカいだけでない、低音が響くだけでない音響は、シネマシティ自体の設備が良いのはもちろんのこと、ガルパンの音響監督自身が監修しているからでもあるんでしょう。映像の迫力も相まって、アニメ映画を観ているというよりは何かのアトラクションを体験しているかのような 50 分でした。終映後には「もう一度観たいな」と思えました。
ちなみに座席は『最後のジェダイ』も本作も E 列を取りました。奥行きのある a studio の中ではかなり前方の席ですが、音響も楽しみつつ映像もできるだけ大画面で堪能したいと思ったら、E~G 列くらいがベストではないかと個人的には思います。

遅ればせながら、「ガルパンはいいぞ」。第 2 話以降もできるだけ音響のいい映画館で観ようと思います。

投稿者 B : 22:08 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/01/02 (Tue.)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ [極爆] @シネマシティ

せっかく冬休みなんだから休みにしかできないことをしようと思い、立川まで映画を観に行ってきました。

立川の映画館 シネマ・ワン&シネマ・ツー|シネマシティ

シネマシティ

去年の冬休みにも『ローグ・ワン』の極上爆音上映を体験しに来た立川シネマシティ。『最後のジェダイ』のこけら落としは IMAX 2D のある意味映像も音響も理想的な環境で鑑賞したけど、これがシネマシティの極爆だったらどんな音響になるんだろう?というのは興味があったところでした。

というわけで、ちょうど一年ぶりにシネマシティにやって来ました。自宅からだと軽く一時間半はかかる道のりですが、大手系列のシネコンでは感じられない「映画愛」に溢れた映画館で、ここに来るだけでワクワクしてしまう自分がいます。

シネマシティ

鑑賞したのは昨年同様にシネマ・ツー内の a studio。
Meyer のラインアレイスピーカを使ったサラウンドシステムは今年も変わらず。一方で映像の方は 11 月にスクリーンを Stewart 製に貼り替えたとのことで、とにかく低コストで回す一般シネコンとは違い、クオリティを追求していくことで映画好きの心を掴もうという進取的な姿勢に好感が持てます。

『最後のジェダイ』の音に関しては、IMAX やドルビーアトモスが「どの劇場でも制作者の意図をできるだけ正確に再現すること」を目指しているモニター的な音作りとするならば、シネマシティの極上爆音上映は「制作者の意図を誇張してでも、迫力がある美しい音で感動させたい」リスニング的な音作り。劇中に幾度となく登場する艦隊戦ではウーファの重低音が客席を揺らして臨場感を伝えてくるし(でも低音はブーミーではなくちゃんと締まりがあって、消えるべきタイミングで消えてくれるから聴き疲れしない)、レイとカイロ・レンが共闘するライトセーバー戦の包囲感も素晴らしい。でも特に印象に残ったのが、惑星オクトーでレイがフォースの修行の際にダークサイドの「穴」に落ち、そこで鏡面に映る無数の自分自身に向かって指を鳴らすシーン。このサラウンド感はもしかすると IMAX の音響以上ではないでしょうか。

シネマシティの爆音上映は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で有名になったせいか「爆音」のイメージが強いですが、他館の音を聴いた後に改めてシネマシティの音を聴くと、そもそも映画館の音響としてちゃんとした上での「爆音」であることがよく解ります。川崎チネチッタの「LIVE ZOUND」も悪くはないんですが、あくまでライブハウス音響がベースになっていて映画音響としてはちょっとブーミーすぎる。シネマシティの極爆上映は音響のバランスやサラウンドの調整がしっかりしていて、ウーファの迫力抜きでも一般的な映画館よりもレベルの高い音響を実現していると思います。これでもう少し生活圏に近ければメインシアターにしたいくらいなんだけどなあ...。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

で、『最後のジェダイ』。話の流れを知った上で二度目を観ると、相変わらずツッコミどころは多いし、シナリオにも粗が目立つ。でもクライマックスの盛り上がりっぷりを見るにつけ、ああこのシーンに全ての感情を集約させるために細かい無理にはいろいろ目を瞑ったんだろうなあ...ということを感じました。過去や伝統、血筋といった古いものを否定して世代交代するためのエピソードというのは前回書いたとおりですが、大筋では古いものを否定しながらも、R2-D2 やミレニアム・ファルコン、そしてルーク・スカイウォーカーといった旧作のヒーローにちゃんと見せ場を用意してある。ルークなんて Ep6 の時点でもまだ粗削りで最後に皇帝を倒したのもルークではなくベイダーだったくらいだし、「続編があるならジェダイとして完成されたルークの活躍をちゃんと見てみたい」とは思っていました。過去を否定しながら、そうやって昔からのファンが見たいと思っていたものを見せてくれるハイブリッドな作風が『最後のジェダイ』の真骨頂なのではないかと思うのです。だからこそ、これだけ賛否両論に溢れているのではないかと。

この濃さを持った『最後のジェダイ』を完成させたからこそ、次の Episode IX ではスカイウォーカー家の伝説から徐々に離れていく物語が紡がれるのではないでしょうか。ラストシーンでフォースの片鱗を見せた名もなき少年が、二年後の新作でどのような活躍を見せるのか、今から想像が止まりません。

投稿者 B : 23:08 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/12/29 (Fri.)

機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争 Blu-ray メモリアルボックス

夏の終わりに発売されていたことを今ごろになって思い出して、慌てて購入しました。

機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争 Blu-ray メモリアルボックス

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主にクリスマスシーズンを舞台とした物語なので、せめてあと一週間早く買ってクリスマスに観れば良かった...。

一年戦争時代をモチーフとしたガンダムのスピンオフ作品は多数発表されていますが、その中では私はこれが一番好きかな。0083 もモビルスーツ戦の描写はすごく好きだけどストーリーがちょっと...。
ガンダム世界における戦争を、モビルスーツに乗らない一般人の少年(というか児童)の視点から描いた、ガンダムの中でも異色作と言って良い作品です。しかし、だからこそガンダムシリーズに奥行きとリアリティを与えた作品だと思います。

いち早く Blu-ray 化された 0083 に比べると、そろそろ Blu-ray の時代も終わりそうな今ごろになっての発売ですが、その分 4K スキャン&HD リマスタリングによる高画質で収録されています。軽く流し見てみたところ、30 年近く前のセルアニメだから近年のデジタル作画ほどパキッとした画質ではないものの、作画や塗りのタッチまで見える高精細さ。当然ながら本作品としては歴代最高画質に仕上がっています。

機動戦士ガンダム 0080

スリーブケースも描き下ろしイラストですが、インナージャケットもキャラクターデザインの美樹本晴彦による描き下ろし。クリスが「誰?」というレベルで絵柄が変わっていますが(笑、美樹本絵と判るテイストを保ちながら時代に合わせて絵柄を進化させ、今でもイラストレーター/キャラクターデザイナー/漫画家として現役を張っているのは流石としか。
そういえば主人公アルを演じた浪川大輔が、その 20 年後に『UC』でリディ・マーセナスを演じているという事実にもまた刻の涙を見ざるを得ません...。

機動戦士ガンダム 0080

付録は 100 ページからなるブックレットと、当時アニメージュの付録として制作されたスピンオフ小説の復刻版。絵柄といいフォントの使い方といい、1980 年代後半ってこうだったよなあ...。
小説の表紙に本作とは全く関係のない『逆シャア』時代のシャアとアムロが描かれているのは、いろいろと商業的な理由を感じます(笑

機動戦士ガンダム 0080

ブックレットには当然設定資料集も収録されています。本作はガンダムよりもケンプファー、ハイゴッグ、ズゴックエクスペリメントの三機ですよ。オリジナルの一年戦争世代 MS に大胆な独自解釈を加えたデザインは今見ても古さを感じません。むしろこれらが活躍するシーンを観たいがために BD-BOX を買ったと言っても過言ではない(断言)。私が MS では汎用機や全部入り機よりも局地用や特化型が好きなのは、ここにルーツがあると思っています。

ガンダムシリーズの中では地味な作品ですが、私は好きです。
お正月はだらだらテレビ観ててもしょうがないし、これを観て過ごそうと思います。

投稿者 B : 23:58 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/12/15 (Fri.)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ @T・ジョイ PRINCE 品川

本日ついに公開のスター・ウォーズ最新作!もう朝イチで観に行ってきましたよ(笑。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

スター・ウォーズ/最後のジェダイ

当然 IMAX シアターで鑑賞したわけです。前作と違って国内では今回は IMAX 2D のみの上映。3D 上映は MX4D・4DX 限定なようですね。

スター・ウォーズで「三部作のうちの二作目」だと必然的に名作を期待してしまうわけですが、期待に違わぬ大作でした。二時間半を超える上映時間が全く苦にならなかった。

ネタバレを避けながら感想を書くことが難しいので、続きは映画館に行った後で読むことを推奨します。










いろんな意味でスター・ウォーズのフォーマットを忠実に守った『フォースの覚醒』から一転、『最後のジェダイ』では先の読めない展開にハラハラドキドキさせられました。まあレジスタンスがファースト・オーダーに追い詰められていく流れとか、レイがルーク・スカイウォーカーの元を訪れるくだりなんかは『帝国の逆襲』を意識したものだとは思いますが、『帝国の逆襲』を下敷きにしたらこういう物語になるはずだ、という予想はことごとく裏切られました。

想像の斜め上をいく部分はいくつもありましたが、フォースの使い方に関してこれまでにない大胆な描写も複数あり、「えーそれはちょっとナシでしょ」と思ってしまったのも事実。フォースでそんなことができるなら旧作の前提だって変わってくるわけで(;´Д`)ヾ。まあ、それもこれも「スカイウォーカー家の強大なフォースの力」ということにすれば強引に説明がついてしまうわけですが...。
もう一つ意外だったことは「スノークの正体が今回も明かされなかったこと」と逆に「レイの出自が意外な形で明かされたこと」。レイに関しては今後のエピソードで「アレは実は嘘でした」となる可能性もなきにしもあらずですが、アナキン・スカイウォーカーの父親は誰かというシリーズ最大の謎を有耶無耶にしているスター・ウォーズだけに、キャラクターの正体についてはさほど頓着していないのかもしれません。

また今作の根底に流れるテーマとして「過去や伝統の否定」と「血筋の否定」というのがあるように感じます。前者に関しては明確にそういう描写があるわけですが、これは「『フォースの覚醒』までは旧来のファン向けに今までの文脈を踏襲したけど、今後は過去の拡大再生産ではなくて新しい物語を作っていく」というメタなメッセージでしょう。後者に関しては、少なくとも Ep I~VI までは「スカイウォーカーの血の物語」だったのが、今作では「誰でもヒーローになれる可能性の物語」に明確に切り替わったのだと感じました。時代が変わり、シリーズの版権もディズニーに移ったことでダイバーシティに配慮した表現をしなくてはならないという背景もあるのでしょう。そもそも Ep I~VI まではメインキャラが全員白人だったのに対して、Ep VII 以降は女性が主人公で男性メインキャラ(カイロ・レン、フィン、ポー・ダメロン)のうち一人が黒人になっていました。そこに今回はさらに「出自は関係なく誰でもヒーローになり得る」というメッセージが付加されたことで、スカイウォーカーの血を巡る物語は終わらざるを得なかったのだろうなあと思います。
まあダイバーシティに配慮するなら活躍するキャラクターがことごとく地球人タイプというのは偏っているし、別にグンガン人のジェダイが大活躍する物語があったっていいとは思うんですが、それじゃ絶対売れないだろうなあ(笑

それから本作はレイア役のキャリー・フィッシャーの遺作でもあります。劇中で最初にレイア・オーガナの姿が映し出された瞬間にはグッと来ましたが、スクリーン上で活き活きと動く彼女を見るうちに、既に故人となっている意識が次第に薄れていきました。で、エンドロールに「我々の愛すべき姫君 キャリー・フィッシャーに捧ぐ(意訳)」という文字列を見つけた瞬間、涙腺決壊(T_T)。Ep IX でもレイアは重要な役割を演じるとのことですが、『ローグ・ワン』のラストシーンに登場したレイア姫のように、他の役者さんの演技に CG を重ねたものになるんでしょうね...。

面白かったです。冬休みの間にあと 1~2 回は観に行くつもり。

投稿者 B : 23:20 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/12/01 (Fri.)

探偵は BAR にいる 3 @109 シネマズ川崎

楽しみにしていたシリーズ最新作の封切り日、かつ映画の日で割安料金が重なったので、初日から早速観に行ってきました。

探偵は BAR にいる 3

探偵は BAR にいる 3

前作を観た後に原作小説や関連作品をひととおり読み、世界観への理解が深まった状態での三作目。今回は原作小説とは異なるオリジナルストーリーが展開するとのことで期待半分、不安半分でした。
が、蓋を開けてみると序盤のプロットは小説第一作『探偵はバーにいる』の流れをなぞります。主人公「俺」は相棒である高田の大学の後輩から「行方不明になった恋人を捜してほしい」と泣きつかれ、気分で安請け合いしてしまいます。しかしそれが面倒な事件に巻き込まれるきっかけとなり...という部分までは小説とほぼ同じ。でも、そこからは小説とは全く違った展開に突入していきます。

映画版の「俺」も一作目から 6 年の月日が経過し、四十代半ばになった大泉洋と同様に、旧作と比べてそれなりに歳を取った雰囲気が出ています。それもあってか、作風はアクションやコメディが多く派手さを狙った感じだった前作とは打って変わって、全体的に落ち着いたものに。アクションシーンも数が減り、演出も速さより「打撃の重さ」を感じさせるものに変わっています。それもそのはず、今回は前二作とは監督が替わっているんですね。前作は脚本が発散系でまとまりがなかったし、反原発とか時事ネタを半端に入れ込むなど鼻につく部分もありましたが、今作は脚本も演出も安定感があって良かったです。

今回のヒロインは北川景子。このシリーズのヒロインは基本的に物語を引っかき回す役どころですが、今回はシリーズ最大級に引っかき回してきます。その悪女感と、でもどこか嫌いになれない影のある感じがとても良かった。ただ、最後に明らかになる彼女の行動の動機が取って付けたような感じで肩透かしを食らいましたが、そこは「俺」自身が言っていた「人間は、他人から見れば馬鹿らしいようなことにでも命を燃やせることがある」というところに繋がるんだろうなあ...。

原作小説の読者目線では、小説版に登場したコールガールの「モンロー」が初めて映画版に登場しているのもポイントでしょう。小説版では第十作『旧友は春に帰る』で哀しいことになってしまうモンローですが、映画版では小さいながらも自分なりの幸せを手に入れた、そういう世界線の物語として描かれていることにジーンと来てしまいました。
キャラクターといえば「俺」の情報交換相手であるヤクザの相田(松重豊)。松重さんといえば以前なら「ああ、あのよくヤクザ役やってる人」というイメージだったのが、この五年ですっかりブレイクしてしまい、久しぶりのヤクザ役は却ってコメディに見えてしまいますね(笑。しかも今回は今までに比べて相田の見せ場が増えていたような...(笑

今作では「俺」と高田がコンビ解消か?という展開になるわけですが、エンドロール後にはちゃんと「オチ」も用意されていて笑いました。ここに限らず、小さい笑いを仕込んだシーンではシアター内が一つになったような笑い声が上がり、やっぱりこういう人気シリーズの最新作は初日に劇場で観るに限りますね。一週間も経ってお客さんがまばらになってしまうと、なかなかこうはいきません。

面白かったです。久しぶりに小説版を読み返したくなったし、ススキノに飲みに行きたくなりました。出張するような仕事が入らないかなあ...。

東直己 / 探偵はバーにいる

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投稿者 B : 23:53 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/11/30 (Thu.)

タテアニメ『孤独のグルメ』

『孤独のグルメ』史上初めてのアニメ化が、スマホアプリ「タテアニメ」で配信開始されたということで、さっそく見てみました。

タテアニメ~タテアニメを見るスマホアプリ~

タテアニメ『孤独のグルメ』

「タテアニメ」って Production I.G が展開しているアプリだったんですね。攻殻機動隊のイメージが強すぎて結びつかなかった...。
でも、アニメに限らず動画はまだまだテレビベースの 16:9 が主流なのに対して、スマホでの視聴を主軸とした縦長アニメというのは挑戦的だし、これからの時代に合っているような気もします。

『孤独のグルメ』の記念すべき配信第一話は、原作どおり「東京都台東区山谷のぶた肉いためライス」。この舞台となった「きぬ川」はちょうど一ヶ月前に閉店したところで、聖地巡礼してきた私としてはその店が今改めてアニメとして立ち上がってくることには感激すらおぼえます。

映像は、故・谷口ジロー先生の漫画を忠実に再現しつつ動画化しており、シナリオやゴローのセリフも漫画そのまんま。世界観を大切に守りつつアニメ化したんだろうなあ、というのが伝わってきます。ただ、ほぼトレスに近いような構図で、動きもあまり大きくないせいもあって、一昔前に流行った Flash アニメのような安っぽさが出てしまっているのは残念なところ。実際低予算ではあるのでしょうが...。
井之頭五郎の声は堀内賢雄氏。私は『機動戦士ガンダム ΖΖ』のマシュマー・セロと『ふしぎの海のナディア』のサンソンくらいしか知らず、近年の出演作品を観ていないのですが、少なくとも井之頭五郎役に関しては、松重ゴローとは似ても似つかないけど、漫画版ゴローの素のイメージとしては悪くない方向性だと思います。ただ、このゴローちゃんが二十年後にあの松重ゴローになるか?と言われると...まあ、漫画版のゴローも近年の作品はキャラがだいぶ変わってますが(笑。

と、ここまではいいとして、最も違和感があったのは BGM の使い方ですよ。楽曲はスクリーントーンズが演奏するドラマ版のサントラをそのまま使っているんですが、選曲が全然ダメ。ドラマだったらこのシーンでこういうテイストの曲は使わないだろう、とか、なんでこのシーンでこの曲を使うのかとか(例えば料理の登場シーンで「五郎's セレクション」の曲ではなく「腹が、減った」の三段引きの曲が使われる)、ほぼ違和感しかない。ドラマの楽曲を使うならドラマを意識した使い方をしてほしかったし、無視して使うなら無関係な楽曲を用意してほしかった。これのせいで、私は最後まで入り込めませんでした...。

一話完結のショートストーリーという点でスマートフォン向けアニメ配信というフォーマットと相性が良いと期待していただけに、ちょっと残念。Season6 まで続いてきたドラマ版のイメージが定着しすぎた、というのもあるのでしょうが...。しかも、第二話以降は不定期配信になることが早速決まっているなど、先行きに不安も感じます。できるだけ早いうちに挽回して、ドラマ版に負けない定番の地位を築いてほしいところではありますが、大丈夫かなあ。

久住昌之、谷口ジロー / 孤独のグルメ 【新装版】

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投稿者 B : 23:56 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/11/27 (Mon.)

ラ・ラ・ランド [PS Video]

ブレードランナー 2049』を観たらライアン・ゴズリング繋がりでもう一度観たくなったので、劇場まで観に行った名作を VOD でもう一度鑑賞しました。

ラ・ラ・ランド

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初見でもすごく良かったけど、サントラを聴き込んだ上で観るとまた深まりますね。楽曲が粒ぞろいで、アカデミー賞作曲賞・歌曲賞を獲っただけのことはあります。映像からも全体的にミュージカル愛が伝わってきます。
主演のライアン・ゴズリングは私は本作で初めて知りましたが、『ブレードランナー 2049』を観た上で『ラ・ラ・ランド』に戻ってくると、イケメンなんだけどナイーブな内面を持つちょっと哀しい男の役どころが見事にハマる俳優だなあ、というのを改めて感じますね。

この映画のテーマの一つでもある、自分が本当にやりたいことと、世の中に求められることと、家族や生活のために必要な収入のどれを選ぶか?という話は何度観ても考えさせられます。その全てが一致することというのは稀で、普通はどこにバランスを求めるか、という話になる。近年の自分もまさにその悩みの中にあったりするので、個人的にはセブの気持ちがよく分かるし、最後まで夢を貫き通したミアの考えは甘いとさえ思う(夢を叶えたのは結果論であり、誰もが同じようにやって成功するとは限らない)。男女の思考回路の違いというよりは、守るべきものができたときに二者択一を迫られるのが人間だし、二十代の自分だったらミアに共感していただろうけど、今の自分はセブの立場を取るんだろうと思います。言い換えれば、誰もが一度は通る道だからこそ、多くの人の共感を呼ぶ作品に仕上がっているのでしょう。

映像も音楽も素晴らしくて、改めてこれは劇場で観ておいて良かったと思います。と同時に、映画館ほどではないけどホームシアター環境を持っていて良かった、と感じられる映画でもあります。自宅で観るなら、テレビの内蔵スピーカではなくせめてちょっといい外部スピーカで鳴らしたい一本。

投稿者 B : 23:30 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/11/22 (Wed.)

機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER @新宿ピカデリー

昨年の『DECEMBER SKY』の続編となる、劇場版ガンダムサンダーボルトの新作を観てきました。

機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER

機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER

今回はサンダーボルトに加えてガンダムファンクラブ限定で配信されていた『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』の再編集劇場版も同時上映。私はファンクラブはもうやめてしまって Twilight AXIS のアニメは観れていないので、むしろこっちを楽しみにしていました。

サンダーボルトのほうは、既に配信されている第 5~8 話を繋ぎ合わせたもの。追加シーンもちらほらありましたが、ストーリーに関わるものではなくあくまで演出の追加程度。だから劇場版を観る価値がないかというと、サンダーボルトのフリースタイルジャズ×戦闘という作りはやっぱり自宅のテレビで観るより劇場の音響と大画面のほうが圧倒的に楽しい。まあ、前作は大々的にジャズをフィーチャーしていたのが、本作ではジャズが大々的に使われるのは序盤だけで、途中からポップスあり、民謡っぽいのあり、宗教音楽(といっても西洋ではなくアジア系密教寄り)あり、とバラエティに富んでいて、個人的にはもっとジャズ×爆発音のシーンをもっと堪能したかったところはあります。

音楽だけでなく作風も前作とは随分変わっていて、前作では悲壮感のある登場人物だらけの中に一人戦闘狂なイオ・フレミングという構図だったのが、今回はイオにあまり孤独感がなく、対するダリルは前作とはまた違った方向に悩んでいる感じ。そして新ヒロインとして登場するビアンカ・カーライルの開放的なキャラクターが、作品が重くなりすぎるのを食い止めている印象。残酷なシーンは相変わらず多いですが、前回ほど陰鬱な気持ちにならずに最後まで観ることができました。
ただ、ストーリー的には全く中途半端なところで終わっているし、今回の中でイオとダリルは一度も邂逅することがありません。続編作る気マンマンな終わり方ですが、終映後に 3rd Season の予告等は特になし。舞台挨拶でも反響が大きければ続編が作れる的な発言がされているとおり(これは最近のガンダムのイベント上映の常套手段)、製作サイドも探り探り作っている部分があるようです。

同時上映の Twilight AXIS。上映自体は Twilight AXIS の後にサンダーボルトという順序でした。

時間軸としては『ガンダム UC』の後。アクシズの残骸に残されたサザビーの調査に、ジオンの元関係者が派遣されて...というお話。小説版のキービジュアルとして地球のシルエットと中破したサザビーが提示されたときには滅茶苦茶期待したものでした。

が、映像はほんの 30 分弱のダイジェスト版的なもの。ガンダムファンクラブでの配信版も 1 話あたり数分×6 話ということで尺が足りないことは想定していましたが、内容的にも『新訳 Ζ』も真っ青なダイジェスト映像。私は小説を読んであったのである程度理解できましたが、アニメ版が初見な人は何がどうなったのかさっぱり理解できないのではないでしょうか(´д`)。戦闘シーンも止め絵をパンやズームで動かして見せているだけのカットが多かったし、肝心のクライマックスのバトルも『0083』の劣化コピーだし、正直期待外れ。あくまでスピンオフだから予算がかかっていないのは分かりますが、『UC』や『THE ORIGIN』で線の多いモビルスーツがグリグリ動く映像を見慣れてしまっただけに、これはいくらなんでも物足りません。尺も含め、せめてサンダーボルト並みの予算をかけて作った映像で観てみたかった。

まあこの作品、原作小説自体が予告なしの休載を二度もやっているし(実は現在も「次回 9 月上旬更新予定」のまま止まっている)、アニメが小説を追い抜いてしまった状態になっているんですよね。いろいろと中途半端というか、企画倒れ感が強い作品ではあります。

とはいえガンダム自体が「おじさんが観るアニメ」になり、原作者が子ども向けを銘打った新作子どもアニメの時間帯に殺伐とした作品を出してお世辞にも成功したとは言えない結果をふまえて、誰向けにどういう作品をどういう販売形態で出すと受けるのか、試行錯誤している段階にあるように感じています。『THE ORIGIN』こそガンダム 40 周年を目前にして本格的に展開するフェーズに入たものの過去編では安彦総監督自ら「みなさんの応援があれば次も作れます」と言わされ続けていたし、 OVA+イベント上映や様々な配信形態を試すことで、テレビ放送+模型販売に依存しないビジネスモデルを模索しているところなのでしょう。ただ、『UC』の大ヒットの後にこの時間軸の新作を作るのであれば、もうちょっと予算はかけてほしかったなあ...。

機動戦士ガンダム Twilight AXIS 赤き残影 [Blu-ray]

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投稿者 B : 23:59 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/11/21 (Tue.)

『孤独のグルメ 大晦日スペシャル』放送決定

ドラマ『孤独のグルメ』のスペシャル版の放送が告知されました。

近年はお正月スペシャルが定着しつつあるので、そろそろまた告知があるんだろうな...と思っていたら、まさかの大晦日に紅白の裏番組として放送するという大抜擢。思わず笑ってしまいましたが、松重豊さんも発表に併せて「テレ東はこの時間帯を捨てたなと思いました」というコメントを寄せています(笑。でももはやテレ東の看板ドラマとなった番組だけに、案外いい数字残すんじゃないの?という気もしています。ちなみに我が家は大晦日は何となく紅白を観ながら過ごす習慣がついているので、今回ばかりは録画視聴になりそうです。

孤独のグルメ

今回の舞台は「瀬戸内」。まあ過去の出張回では北から順に北海道、宮城、新潟、大阪、福岡と巡ってきているので、次は順当にいって四国だろうとは思っていました。ただ四国ではなく「瀬戸内出張編」となっているあたり、案外メインは倉敷あたりで展開しつつ、ちょっとうどんを食べに瀬戸大橋を渡る...みたいな脚本が用意されている可能性もあります(今年のお正月スペシャルも東京都中野からの千葉県津田沼だったし)。むしろ高松まで脚を伸ばしても食べるのはうどん以外を選んできそうなのがこのドラマ。どういう内容になるのか予想もつきません。

孤独のグルメ

今年は谷口ジロー先生が亡くなり、先月末には原作第一話の舞台となった山谷の「きぬ川」がついに閉店するなど、『孤独のグルメ』的には一つの節目を迎えた感があります。個人的にも Season6 までの全店を巡礼完了してちょっとやりきった感もあったのですが(笑)、ドラマの方はまだまだ終わらないようです。松重さんのラジオ『深夜の音楽食堂』でも、ゲストミュージシャンに「『孤独のグルメ』出る?」みたいな振りもあったりして、Season7 や今後のさらなるスペシャルドラマの可能性は十分考えられます。

私は今まで四国に上陸したことがないんですが、そろそろ出張の計画を立て始めますかね...。

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

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投稿者 B : 22:56 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/11/10 (Fri.)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦 [Blu-ray]

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦 [Blu-ray]

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『機動戦士ガンダム THE ORIGIN V』の Blu-ray 一般販売が始まりました。今回ももちろん購入しています。
私はイベント上映時に三回も劇場に足を運んだので、セリフもある程度諳んじられるようになっていますが(ぉ)改めて自宅環境で鑑賞。

シャアとセイラの成長の物語だった IV までと違い、今回からは戦争に突入していく状況の話になります。物語の構造は群像劇に近くなり、特定のキャラクターではなく状況の推移を客観的に描くようになってきました。その中でも安彦ガンダムらしく登場人物の心理描写が秀逸で、特にドズル・ザビとランバ・ラルという二人のおっさんが中間管理職なりに苦悩している様子には、自分も年齢的にシャアやアムロ以上に共感できるところが増えたなあ...と実感してしまいます。まあ、設定上はドズルもランバもとうに年下だけど(´д`)。
あとはやっぱりハモンさんですよね...沢城みゆき演じるハモンの存在感は『I』の頃から圧倒的でしたが、今回もワンシーンだけの登場でありながら印象的なシーンとなっています。クラブ・エデンでクランプとコズンを見送り、キシリア機関を追い返した後にピアノ弾き語りで唄う『Don't Say Goodbye』(歌唱は澤田かおり)の深さといったら!アニメ映画の中でまるまる 2 コーラス流すに値する力強さだと思います。そして、それを聴きながら物思いに耽るランバ・ラルと、スッとウィスキーを注いでグッと煽るタチの芝居が、セリフがないからこそ印象に残る。ここまでのストーリーで何億人の人間が死に、そしてこの後に「クラブ・エデン」の関係者がことごとく戦死する結末を知っているだけに。

映像特典はいつものやつに加えて『IV』の劇場公開時の舞台挨拶の模様が収録されていました。初日と二週目の舞台挨拶でしたが、初日はまさにピカデリーまで私が観に行った回のもの。撮影は民生用ビデオカメラっぽい画質ではありましたが、これが改めて Blu-ray で観られるというのは嬉しい。

一年戦争編の前日譚は次の『VI』が最後。その先はいよいよファーストガンダムのリメイクに相当するエピソードへと突入していきます。こうなるとさらに期待が高まってくるところですが、まずは『VI』が公開される来年のゴールデンウィークを、今から楽しみに待ちたいと思います。

投稿者 B : 23:05 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/11/01 (Wed.)

ブレードランナー 2049 @T・ジョイ PRINCE 品川

今年『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の次くらいに楽しみにしていた映画を観に行ってきました。

ブレードランナー 2049

ブレードランナー 2049

当然 IMAX で鑑賞すべく品川へ。

前作の公開から 35 年、舞台設定としてはオリジナルの 30 年後を描いた作品です。これまで関連作品が全く出てこなかったのに何故今になって続編なのかとか、原作のない完全新作というあたりに少し不安もありましたが、ハリソン・フォードがデッカード役で再登場するというなら観るしかないじゃないですか!

映像はイントロからオリジナルへのオマージュ的カットが多用され、名作『ブレードランナー』の正統なる続編であることを自己主張しています。確かに映像のスケールは大きいし、アメリカとアジアをミックスしたような未来都市とか、ずっと雨が降っているウェットな世界観とか、間違いなく『ブレードランナー』なんですが、何かが少しずつ違う。あの許諾を取ったかも定かでない「強力わかもと」のネオンではなく、ちゃんとプレイスメント(創作映像の中に製品やブランドロゴを露出させること)して映像が作り込まれているし、オリジナルのカオスさはなりを潜めています。なんというか、続編というよりはよくできた二次創作的な何かを感じます。

が、劇中にオリジナルの作中のシーンが(音声のみ)出てきて、当時のキーマンの一人であるガフが再登場したあたりからその「ズレ」が少しずつ重なってきて、最終的にデッカードが画面に現れた時点で映像が完全に『ブレードランナー』の世界観と一致しました。

作品のテーマは「人間らしさとは何か」「本物と偽物を分けるものは何か」。これはオリジナルの『ブレードランナー』はもちろんのこと、全ての原作となった小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』から一貫した問いです。元になった二つは人間の視点から「人間らしさとは何か」を問うた作品であったのに対して、本作では最初から主人公「K」がレプリカント(アンドロイド)であることが明示されており、人間のフェイクであるレプリカントの視点から「人間らしさとは何か」に向き合った作品であると言えます。レプリカントの「繁殖」という可能性に対して、人間とレプリカントがそれぞれにそれを手に入れようとする理由が正反対であることがまた興味深い。そして「K」が最後に手に入れた「人間らしさ」をラストでそう表現しますか...という切なさがあります。

面白かった、んだけど、でもどこかちょっと冗長だったような、その割に投げっぱなしの伏線も多いような、終映後の気分としてはそういう中途半端さが残ったのも事実。「K」が自分の存在意義を見出す物語としては見事に完結しているものの、それ以外のものは全て世界観や主人公の物語を動かすための舞台装置としてだけ描かれているようで、消化不良感があります。ラストシーンは結局「K」の存在意義以外については何も解決していないし、この話の続きがどうなったのかすごく気になる(さらなる続編に繋げる意図なのかもしれませんが)。
冗長さに関しては、監督が『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴという時点でそういう作風なのかもしれません。『メッセージ』は丁寧だったけどちょっと長さを感じたのも事実で、『ブレードランナー 2049』に至っては上映時間が三時間に迫る大作。観ている間も「もうちょっとテンポ良くできたんじゃない?」と感じてしまったので、オリジナルのファンでなければ途中で疲れてしまう可能性もあります。正直ハリソン・フォードにアクションさせるためだけにあのシーン作ったでしょ?とは思いました...。

テンポの良さと、ストーリーとテーマのシンクロがもうちょっとあれば文句なかったんだけどなあ。面白かったし、名作の続編としては期待通りよくできた映画ではあると思いますが、あくまでファンのための続編だと感じました。

投稿者 B : 22:49 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/10/06 (Fri.)

ドリーム @TOHO シネマズ川崎

あまり話題になっていませんが、これけっこう名作なんじゃないかと思うんです。

ドリーム

Hidden Figures

これ、国内プロモーションが始まった頃の邦題サブタイトルが『私たちのアポロ計画』になっていてバッシングされ、その後修正したことのほうが話題になっていましたが、それはそれとして私は映画の中身のほうが気になっていました。

【Hidden Figures】日本公開題名が「ドリーム 私たちのアポロ計画」の邦題を変更して「ドリーム」に。 - Togetterまとめ

アポロ計画以前の時代、アメリカとソ連が初の有人宇宙飛行を競っていた頃の話。当時の NASA ではスペースシャトルの軌道などの計算を全て人力で行っており、計算を専門職とする労働者が多数働いていました。
この映画は、その NASA において人種差別、女性差別を乗り越えながらアメリカの宇宙開発に多大なる貢献をした黒人女性たちの史実に基づいた物語です。

今から 50 年以上前の時代、「Computer」とは「計算」ではなく「計算」という職種の意味合いで使われていました。今ではちょっと考えられない話ですが、NASA にはそれ専門の部署もあったようです。そういった部署で、優秀な頭脳を持ちながら「黒人女性である」という点だけで白人よりも悪い条件でしか働けない「計算手」はたくさんいました。
Wikipedia によるとこの映画の表現にはやや誇張があり、少なくとも当時の NASA ではそこまで差別的な扱いはなかったようですが、欧米の人種差別について知識としてしか知らない日本人としては、アメリカの社会的背景としての人種差別がどのようなものだったかを知るという点で印象的な描写が多数ありました。特に Space Task Group(宇宙開発部門)の責任者アル・ハリソン(ケビン・コスナー)が主人公キャサリンが職場で受けている不当な差別を知り、「有色人種用トイレ」の表示板をバールでもぎ取った上で「これからは席に近いトイレを使うように」と言うシーンは、フィクションであったとしてもグッと来るものがありました。
NASA ほどの人材が集まる職場であれば、人種や出自で人を差別するよりも他社の能力を素直に認め、組織全体として最も成果を出せるやり方を追求しそうなものだよなあ...とは思いました。が、多くの人にとって差別とは無意識に刷り込まれているものだし(自分も差別的でない言動が 100% できているかと言われれば自信はない)、日本でも優秀な人が集まる大企業ほど他者の足を引っ張る行為が日常茶飯事だし、と思うと理解できる気もしました(ぉ

どうしても人種差別・女性差別といったテーマに視点が行きがちな映画ですが、個人的には「仕事との向き合い方」という点に注目していました。

「計算手」たちが主人公なこの映画において、重要な役割を果たす機械が物語の途中に登場します。IBM の当時の最先端メインフレーム・コンピュータ「7090」がそれ。
いかに計算手たちの能力が高くとも、当時でいうスパコンの演算能力に敵うものではありません。三人の主人公のうちの一人・ドロシーはそのことに気づき、メインフレーム(劇中ではずっと「IBM」と呼ばれる)の使い方や FORTRAN(メインフレームで使われた開発言語)を独学で学び、さらには同僚達にも同じ勉強をさせます。そして NASA や IBM の技術者が最新のコンピュータの使い方が分からず右往左往しているところにドロシーがセットアップをしてみせ、プログラマーが必要と言われれば「私たちならできる」と主張してみせる。
新社会人として SE になりたての頃、最初に配属されたプロジェクトルームの隣がパンチャールーム(紙の帳票をコンピュータ入力するオペレーターの部屋)で、上司に「今のプロジェクトが終わったらここの人たちは必要なくなるんだ」と言われたことが後に転職を考えるきっかけの一つになった私としては、このシーンは多少の脚色が入っているとしても、心に来るものがありました。「これからは計算は IBM がやる。君の仕事はもうない」というシーンは、まさにそれそのものだったので...。
そこで自分たちで開発言語を学んでプログラマーにクラスチェンジする彼女たちは見事だし、仮に脚色だったとしてもそういう能力の高さとバイタリティこそが彼女たちを「黒人」「女性」という制約から解き放った原動力だと思います。しかし、コンピュータの登場と進歩がそういった「単純だけど価値の高い仕事」を人々から奪い去り、社会人に複合スキルとストレス耐性を求める要因となっていったのではないかと思うと、IT に長く携わってきた人間の一人としては悩むところでもあります。またそれは、当の IBM がメインフレームとオフコン以外に自社ロゴを冠したコンピュータを売れなくなってしまったことと同根であるとも思います(まあこれは IT の進歩だけでなくグローバリゼーションによるところも大きいですが)。

人種/男女差別、宇宙開発、仕事、家族、などテーマが多岐にわたる映画で、見方によって楽しみ方も大きく変わる作品です。派手さはないし、宇宙計画ものの割に宇宙関連のシーンも少ないけれど、派手なだけのハリウッド映画は飽きた、もっと深みのある映画が観たいという人には解ってもらえる作品なんじゃないでしょうか。
いい映画でした。

投稿者 B : 23:19 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/10/04 (Wed.)

SING/シング [Blu-ray]

SING/シング [Blu-ray]

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去年の劇場公開時に気になりつつもスルーしてしまっていた映画を BD で鑑賞しました。
『ミニオンズ』のイルミネーション・エンターテインメントの作品です。

けもの動物たちが暮らす世界で、潰れかけの劇場を救うべく劇場主のコアラことバスター・ムーンが賞金を懸けた歌のオーディションを開催します。そこに集まったのは、それぞれに何かコンプレックスを抱えつつも歌うことが大好きな動物たち。様々なドタバタを経ながらもオーディションは進み、初めてのステージに向けてリハーサルが進んでいき...というお話。
ストーリー自体はアメリカのコメディ系サクセスストーリーとしてはありがちな話ですが、個性的なキャラクターたちとテンポの良いストーリー、そして何より珠玉の楽曲たちにより、最後まで高いテンションのまま画面に引きつけられました。

私がイルミネーション・エンターテインメントの作品をまともに観たのはこれが初めてですが、ディズニーやピクサーとはまた違うタッチの CG アニメーションは動きのキレが良く、各キャラクターの個性が活き活きと描かれていて良い。ピタゴラスイッチ的な装置やホタルイカのショーなど、映像的なギミックも満載で、音楽以外のシーンも楽しい。
でも何よりもやっぱり音楽ですよ。フランク・シナトラやスティービー・ワンダーのようなオールディーズから現代のテイラー・スウィフト、なんならきゃりーぱみゅぱみゅまで網羅した楽曲の幅広さが素晴らしい。新旧のヒット曲を織り交ぜながらも散漫な感じはなく、音楽、特に歌が好きな人であれば高揚せずにはいられないでしょう。

オチまで含めて予定調和的だけど、この作品はそういう分かりやすいハッピーエンドがちょうど良い。親子でも安心して楽しめる名エンタテインメント作品だと思います。これは劇場公開中に観に行っておくべきだったなあ。

投稿者 B : 22:30 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/09/27 (Wed.)

美女と野獣 [PS Video]

Blu-ray Disc の発売は来週ですが、一足先に配信が始まっていたので、セル版を購入して鑑賞しました。

美女と野獣

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劇場公開から五ヶ月足らずでの配信開始。劇場公開時のパブリシティ効果が残っているうちに配信とパッケージも売っちゃいたいのは分かるけど、さすがに早くないですか(;´Д`)ヾ。

元々のアニメ版『美女と野獣』も、ディズニー映画の中でもトップクラスに完成度の高い作品だと思います。が、この実写化によってさらに一段レベルが上がったのでは、と思います。
冒頭のベルが村の中を歩いて行くシーン、ガストンがメインの酒場のシーン、ベルの晩餐のシーン、舞踏会に向けてドレスを身に纏うシーン、そして何より有名なベルと野獣のダンスシーン...どれも素晴らしい。美しい映像と音楽の洪水を浴びているような感覚で、男の私でさえ「すてき!」と感じてしまったわけだから、これ年頃の女の子が観たら夢見ちゃうんじゃないですかね(と思ってしまうあたりがおっさんなのかもしれませんが)。

構成的にはアニメ版よりも映画らしい尺にするためか、ベルが両親の過去について知るシーンや野獣の独唱シーンなど、細かくエピソードが追加されていますが、それほど違和感なく物語の深みを増すことに成功していると思います。個人的には、近世フランスあたりが舞台のはずなのに(ファンタジーだから厳密な定義はないのでしょうが)登場人物の人種が混在している「大人の配慮」が却って違和感を生み出しているように感じました。まあそれも映画全体の完成度からみれば些末な問題であるとは思いますが...。

これは何度観ても味わえる名作だと思います。全体通して観るのには時間がかかるけど、セル版を買ったことだしミュージカルシーンだけでも繰り返し観よう。

投稿者 B : 23:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/09/21 (Thu.)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V』の公開から間もなく三週間が経とうとしていますが、これを体験するために改めて新宿ピカデリーへ行ってきました。

ルウム会戦をシャアザクのコックピットで体験するVRコンテンツ、現在予約受付中! - GAME Watch

機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-

その名も『機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-』。ルウム戦役におけるシャア・アズナブルの出撃シーンを VR で体験できるアトラクションです。四週間ある劇場公開期間の後半、それも平日しかやっていないというハードルの高さ。しかもこの体験には当日分の『THE ORIGIN V』の鑑賞半券が必要ということで集客の落ちる時期のテコ入れ策感満載だけど、ガンダムでシャアで VR ならば自分が行かずに誰が行くんだ!という気持ちで強引に時間を作って行ってきました。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-

新宿ピカデリーの 1F ロビー、いつもは新作絡みの特別展示をやっているスペースに、VR 用のブースが作られていました。
体験には Web 予約が必要ですが、金曜夜でもなければ案外空いているようで、当日でも空きがあれば体験可能です。

内部には VR ブースが 4 部屋設けられていて、受付を済ませると空いている部屋に通されます。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-

ブース内はこんな感じ。ドスパラ製のゲーミング PC と HTC Vive を使っているようです。
椅子に座ると手際よく HMD とヘッドホンを装着され、あまり前置きもないまま(私が VR 経験者で注意事項の必要がなかったのもあるかも)いきなり VR コンテンツがスタート。

流れをざっくり説明すると、

  1. パプア級補給艦のモビルスーツデッキで出撃準備
  2. シャア専用ザク II に搭乗し、コクピット内で発進シークエンス
  3. 輸送艦から発艦、宇宙空間を連邦艦隊に向かって進む
  4. 連邦軍のマゼラン級(サラミスだったかも)と交戦
という感じ。基本的にはシャア視点で体験することになります。

最初に VR 空間内にモビルスーツデッキが現れたときにはちょっと震えました。シャアザクだけでなくハンガーに格納されている量産型ザクも複数見ることができ、『THE ORIGIN V』クライマックスの出撃直前のシーンはこんな感じだったのかー!という感激があります。そしてザクのコクピット内は、Ζ ガンダム以降の全天球モニタ表現を見慣れた身としては視界が狭く、初期の MS は死角だらけだったことがよく分かります。
出撃シーンでは、ドレン「出撃指示はまだ出ていません!」シャア「攻撃隊の責任者は私だぞ」(うろ覚え)という劇中のやりとりまで再現されていたのは嬉しかったですが、セリフがあるのはここまで。発艦してしまうと追加のセリフはほぼなく、あとは映像を見ているだけになってしまうのが残念。ザクの操縦桿を握ったり無数のボタンをパチパチ押してリミッター解除したりしたかったのに(´д`)。もっと言えば最後の「私に跪け、神よ!」のセリフも欲しかったところ。
序盤が没入感あっただけに、後半が惜しかったなあ。身体性(操縦桿やボタンに触れることでザクに乗っている感が高まる)かセリフのどちらかがあればもっと良かったのに。同じガンダムの VR でも『ダイバ強襲』はアムロのセリフと身体性(ガンダムのマニピュレーターに座ることができて、さらに揺れる)があって濃い体験ができたから、そのレベルを求めてしまいます。まあ有料アトラクションと「映画のおまけ」という違いはありますが。

ゲームではなく見るだけの VR なので過度に期待すべきものでもありませんが、「モビルスーツに乗れる VR」という点ではおそらく史上初。コンテンツの作り的には SteamVR で配布/販売できるはずですし、横展開や今後の発展にも期待したいところです。もし『THE ORIGIN V』をまだ観ていなければ、ついでにこの VR を体験する目的でピカデリーに行っても良いと思います。平日しかやってませんが...。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN

というわけで三週目の劇場特典は 1/144 のザクマシンガン(限定カラー)のガンプラでした。私は 1/144 のザクは RG しか持っていないけど、このガンプラはどうしようかなあ...。
ちなみに実は先週も一度観に行ったので二週目の特典、セイラのミニ色紙も入手済みです(ぉ

イベント上映はあと一週間あまり残っていますが、私はあとは Blu-ray の発売をおとなしく待とうと思います...。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦 [Blu-ray]

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投稿者 B : 23:00 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/09/20 (Wed.)

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

「まさに今日の俺が出会うべき料理を、俺は食べることができた」

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

ドラマ『孤独のグルメ Season6』の Blu-ray BOX が発売になりました。
私もここまで付き合ったからにはもちろん購入済み。

「スペシャル版」の BD-BOX まで含めると通算 7 パッケージ目ともなれば目新しさも減っていますが、今回も内容をご紹介していきます。

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

いつもの感じのピクチャーレーベルに、ディスクは本編 3 枚+特典 1 枚という構成。

特典映像もいつも通りですが、いつもはメイキング映像の中に含まれているゲストの一言が、今回は個別に切り出してまとめられています。各回ゲスト(最終回定番ゲストの久住さん含む!)の食に関するインタビューが中心で、なかなか普段聞くことのできない俳優さんたちの普段の食の様子が分かって面白い。
メイキングのほうは、撮影現場や松重さんというよりも企画会議的な部分にスポットが当たっていて、Season6 では今まで以上に店選びに難航した経緯が分かります。ある程度エリアを決めたらあとはスタッフでローラー作戦的に店を当たっていく、というやり方。これだけ影響力のあるシリーズになったからには半端な店は紹介できないし、断られることも増えているんだろうし、これは大変そうだ...。

そして私が毎度 BD-BOX で楽しみにしているのが「その後のグルメ」。ドラマに登場したお店を改めて訪れ、放送後の様子を店員さんに伺うという企画ですが、自分でひととおり巡礼した後に見ると行ったときの様子まで含めて思い出せて楽しいんですよね。

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

付録冊子の「ロケハン日記」にも店探しの苦労は今まで以上に滲んでいます。特に焼肉店は決定までに二ヶ月近くを要しており、相当難航した様子が窺えます。
また制作スケジュール全体についても、今回松重さんは直前の 1~3 月クールに『バイプレーヤーズ』、同じ 4~6 月クールにはフジテレビ月 9『貴族探偵』にも出演していて、この二本の撮影の狭間にとにかく撮れるだけ撮っておいたという日程。これは松重さんもスタッフの皆さんも大変だったろうなあ。

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

日記の中には「食べ過ぎで体調不良」みたいな記録がちょいちょい挟まれています。実際にドラマに登場したお店の数倍は回っていると考えると、確かにいくら美味しい店とはいっても具合悪くなりますよね...。

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

冊子の末尾には「ごちそうさまでした」の文字。なんとなくですがレギュラードラマとしての『孤独のグルメ』は Season6 で終わりかなあ、という気がしているので、この文字もそういう風に読み取れてしまいます。

Season6 のお店は既に全店巡礼済みですが、Season6 は私の生活圏に近い店も多かったし、溝口憲司監督にも偶然お会いすることができたし、いろいろと感慨深いシリーズでした。
BD を観ているとそれだけでお腹が空いてきて(;´Д`)。あの店とかその店とか、近いうちにまた行きたいなあ...。

というわけで、自分で書いた巡礼レポートを読み返しながら、どこから攻め直すか考えていたりします。

【Season6巡礼完了】『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~6&原作 - NAVER まとめ

松重さん、久住さん、スタッフの皆さん、Season6 もお疲れさまでした。
またいつかテレビ画面越しに『孤独のグルメ』に再会できる日を楽しみにしています。

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

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投稿者 B : 23:56 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/09/18 (Mon.)

ダンケルク @TOHO シネマズ新宿

今秋の話題作を観てきました。

ダンケルク

ダンケルク

第二次世界大戦中に実際に行われた撤退作戦「ダンケルクの戦い」をモチーフにした戦争映画。日本人としては、第二次世界大戦のうち太平洋戦争に関しては多少の知識はあるし関連する映画もときどき観るけど、ヨーロッパで繰り広げられていた戦争のことは意外なほど知らないものです。私もこの「ダンケルクの戦い」のことは知らなかったので、特に予備知識等もないまま映画館に足を運びました。

冒頭から何の背景説明もなく、いきなり戦闘状況からスタート。「欧米人なら『ダンケルクの戦い』が何かは知ってるよね?」とでも言いたげで、日本人的にはついていくのがちょっと大変だったりします。映画にしてはセリフもかなり少なくて、説明的なものはとにかく省略されている感じ。でもだからこそこの緊張感とリアリティが生まれている、とも思います。

とにかく戦争映画っぽい演出やプロパガンダは排除されています。人の死についても、戦争というのは尊厳もなくただ人が死んでいくだけなのだ、とでも言うかのようなあっさりした表現。誰かが死んだからといって泣きたくなるような気分ではなく、次は自分ではないか、どうやったら生き延びることができるのか、そういう心境でスクリーンを見つめ続けました。
銃弾、砲弾、爆弾、魚雷、海水(溺死)。いつどんな形で死んでしまうか分からないのが戦場。劇中には敵であるドイツ兵やドイツ軍の様子が一切描写されないことも、どこでどう攻撃されるか分からない不安感を生んでいます。船倉にいたからといって安心できない、自分自身がこの戦場の一兵卒であるかのような感覚。淡々とした描写ではあるんだけど、それはドキュメンタリーではなく映画として意図した演出なのでしょう。
撤退戦だけに勝敗のつく爽快感はなく、観終わってもとにかく無事に生き延びたという安堵感と疲労感が残る映画です。でも、祖国に帰ったときに「無事帰ったこと」を喜んでくれる市民の描写がすごくいい。

今回は IMAX 上映のある TOHO シネマズ新宿を利用しました。広大なスクリーンで描写されるダンケルクの海岸や戦闘機のドッグファイトシーンは素晴らしく、音響も相まってとても没入感がありました。正味 110 分足らずの上映時間なのに、観終わったときには 150~180 分ものの映画を観た後のようなどっとした疲れがあったほど。この映画は Blu-ray を待つのではなく、良いハコでこそ観る価値があると思います。

投稿者 B : 22:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/09/02 (Sat.)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V イベント上映 @チネチッタ

前作から待つこと 10 ヶ月。ようやく『THE ORIGIN』の最新話が公開されました。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V

私ももちろん初日から行ってきましたよ。

前回までは一般公開前のプレミア上映会が開催されていたのが、今回は特になく、初日舞台挨拶つきのイベント上映がガンダムファンクラブ会員向けに用意されていた程度。製作がギリギリまでかかっていてプレミア上映ができなかったのか、今回から興行方針が少し変わったのか。まあ今回は上映時間も増えて正味 85 分ほどになったし、上映劇場も倍増したので、今までは「濃いファンを集めて着実な実績を積み重ねていく」という方針だったのが、本来の一年戦争編に近づいたことで「最初から広く展開して利益を上げる」というやり方に変わったのかな?という気がします。

主にシャアとセイラの過去を扱った IV までとは打って変わって、今回はルウム戦役開戦の経緯が描かれます。シャア・セイラだけでなくファーストガンダムの登場人物が多数出てき始め、物語の構造としては群像劇に近い形になってきました。ルウム戦役編ならばいよいよ大規模なモビルスーツ戦が描かれるのか!と期待しましたが、今回はあくまで戦闘開始まで。気を持たせた終わり方になってしまいましたが、戦争状態に突入した重い雰囲気の中で繰り広げられる人間模様が素晴らしい。

開戦当初のアムロはじめサイド 7 の少年たちのシーンから始まり、コロニー落としに使われたサイド 2「アイランド・イフィッシュ」攻略戦の模様、ブリティッシュ作戦(コロニー落とし)に関わったドズルとランバ・ラルの苦悩、赤い彗星と黒い三連星の確執、開戦当時のクラブ・エデン、人の命を救う仕事に就いたはずが守るためとはいえ人を殺すことになるセイラ、そしてルウム戦役の始まり...とまあ名シーンしかない。
アイランド・イフィッシュにおけるユウキとファン・リーの美しくも悲しいエピソードは原作コミックでも屈指の名シーンでしたが、映像として見せられると改めて泣ける。それからドズルの「一人のミネバでさえこんなにかわいいのに...オレは何億人ものミネバを殺したんだ!」のセリフも圧巻だし、THE ORIGIN はエピソードを重ねるごとにドズルの好感度上昇半端ない(ぉ。そして、ラストのシャア専用ザク II 初出撃シーンの演出には本気で鳥肌が立ちました。これまでの五作の中でも最も中身が詰まっていると感じられる、濃密な 85 分間でした。

ちなみに鑑賞したのは今回から上映館に加わった川崎チネチッタ。いつもならガンダムのイベント上映は新宿ピカデリーに行くことが多いですが、今回はルウム戦役の戦闘シーンを LIVE ZOUND で体感してみたいという狙いもあってチネチッタにしてみました。前回 LIVE ZOUND を視聴したときは立川シネマシティの極爆上映と比べてしまったこともあってイマイチだと思いましたが、今回は(他と比較していないのもあるでしょうが)なかなか良かった。特にコロニー落下シーンでは自分自身が衝撃波に呑まれる感覚だったし、艦隊戦もすごく包囲感がありました。クラブ・エデンに追加されたハモンの弾き語りも良かった。同じ時間帯に隣の市の映画館で観た方もいるようですが、ブルク 13 のボワボワした音響(最近行っていないので変わっているかもしれませんが)よりはチネチッタの方が正解なんじゃないかと思います。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V

私が観たのは丸の内ピカデリーで開催された初日舞台挨拶のライブビューイングがついている回でした。登壇者は安彦良和監督と池田秀一氏(シャア)、銀河万丈氏(ギレン)、古谷徹氏(アムロ)、古川登志夫氏(カイ)の五名。私は生の池田さんと古谷さんはイベントや舞台挨拶で何度か見たことがありますが、銀河さんと古川さんを生で見たことはなく、これならガンダムファンクラブを退会しなければ良かった!!とちょっと後悔(´д`)。
舞台挨拶の内容は GUNDAM.INFO でレポートされているので、詳細はそちらへ。

全国35館で上映開始!「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦」初日舞台挨拶レポート | GUNDAM.INFO | 公式ガンダム情報ポータルサイト

皆さんサービス精神旺盛で(古谷徹さんなんてサービスしすぎでむしろ若井おさむじゃないかと疑ったほど(ぉ))、非常に楽しい舞台挨拶でした。ラストには銀河万丈氏による演説と「ジーク・ジオン!」の大合唱がサプライズで用意されていました。ジークジオンの大合唱といえば昨年の『ジオンの世紀』でさえギレンは映像出演にすぎなかったので、生演説が聴けるなら本当にファンクラブ辞めなければよかったと(ry

あと気になったのは池田さんが舞台上でも一人帽子をかぶったままだったことでしょうか。以前の舞台挨拶に比べても顔色があまり良くないように見えたし、何か健康に問題があるのでは...と心配になってしまいました。ビルドファイターズに登場したシャアの声が別人だったという話もあるし、健康上の問題で仕事を減らしているのだとすれば、ご本人の健康もシリーズの今後もとても気になるところです。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V

期間限定の入場特典はいつもの安彦先生によるキャラクターミニ色紙。この姿のシャア・アズナブルが描かれると、いよいよガンダムの本編に突入するのだなあ...と感慨深いですね。また「V」の文字が V 作戦のロゴマーク風になっているのも細かい。

この作品は Blu-ray や配信もいいけど、劇場の音響でこそ堪能できると思うので、上映中にもう一度くらい観に行ってこようと思います。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦 [Blu-ray]

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投稿者 B : 21:00 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/08/25 (Fri.)

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? @TOHO シネマズ 六本木ヒルズ

シャフト作品といえば『まどマギ』『〈物語〉シリーズ』『3 月のライオン』くらいしか観ていませんが、どれも良かったのでこの映画もけっこう期待していました。が公開されてみたらネガティブな感想ばかりで、大丈夫なのか?と心配になりつつ、劇場に足を運んできました。

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

この作品は元々は岩井俊二監督の出世作となったテレビドラマのアニメリメイク。さらには制作がシャフト、プロデュースが『君の名は。』の大ヒットも記憶に新しい川村元気とあって、商業的にもかなり売る気マンマン感が伝わってきていました。私は元のドラマ版は観たことがなかったのですが、このアニメ映画版は楽しみな反面、岩井俊二のあの叙情的な映像美と、シャフトのロジカルに組み立てられた映像世界って本当に融合できるの?という不安はありました。

キャッチコピーにもある「繰り返す夏休みの 1 日」という設定は、ループもののアニメ作品としては王道中の王道。その制作にシャフトが選ばれたのは、やっぱり 2010 年代のループものアニメのテンプレとなった『まどマギ』がきっかけなんでしょうか。同じ時間を何度も繰り返しながら、自分の望む結末に少しずつ近づいていく流れは、確かにアレを彷彿とさせるものがありました。

物語の世界観は完全にシャフト。というか〈物語〉シリーズの記号化された世界の中を別のキャラクターが動き回っているような感覚を受けました。でも岩井俊二の叙情的というか、私的な印象を受ける世界観を下敷きに、シャフトのちょっとクセの強い映像表現を乗っけるところにちょっと無理があるような。あのソフトフィルタを使ったかのような、常にレンズフレアが入っているような淡い映像と、シャフトのパキッとした画作りはちょっと相容れないと感じるんですよね。まあ、水とか空とか花火のキラキラした表現は、新海誠に負けず劣らず美しくて見入ってしまいましたが。

声に関しては、脇を固めるのがいつもの声優陣で、主役の二人だけが声優ではない俳優。個人的にはアニメに俳優が声を当てるのは好きではありません。主人公・島田典道(菅田将暉)は声も芝居も絵柄に合ってなくて、観ているのがちょっと辛かったなあ。ヒロインの及川なずな(広瀬すず)に関してもさほど期待してはいなかったんですが、声優っぽくはないんだけど棒読みでもなく、思春期のコロコロ変わる少女の雰囲気がよく出ていて良かった。もっと言えばかわいかったです(ぉ。ストーリーとか映像美とかいろいろあるけれど、なんかこの作品はヒロインに惚れさせたら勝ち、みたいな意図で作られたんじゃないだろうかとさえ思いました(笑

「岩井俊二原作」ということを意識しすぎると違和感が強くなるけど、映像は近年の 2D アニメ映画の中でもトップクラスだし、何よりなずながかわいい(しつこい)。個人的には酷評されているほどには悪くなかったと思います。自分にはこういう青春はなかったので「いいなあ...」と指を噛みながら観てしまいました。

投稿者 B : 22:50 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/08/01 (Tue.)

モアナと伝説の海 [Blu-ray]

モアナと伝説の海 [Blu-ray]

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夏休みっぽい映画でも観てみようと思って BD で鑑賞。

ディズニー映画の割には劇場公開時のプロモーションのかけ方が地味だったような印象があります。いわゆる「プリンセスもの」ではないから引きが弱いってのもあるでしょうし、数年前の『アナ雪』が主題歌も含めて分かりやすすぎたからそれと比較してしまうというのもあるでしょう。私も劇場公開時には何となく足が向きませんでした。

ストーリーは小さな島の古い村に住む村長の娘・モアナが、食糧危機に瀕した島を救うために海の外へ旅に出る、という内容。もともと海に強い興味を抱いていたモアナが旅に出ることを村長である父に強硬に反対されるとか、それでもおばあちゃんは応援してくれるとか、まあいろいろあるわけですが、この世界を作った英雄(ある種の神に近い存在)であるマウイと出会い、村、ひいては闇に包まれつつある世界を救いに行きます。世界が闇に包まれた原因はかつてマウイがこの世界の女神テ・フィティの心を盗み出したためで、その心を取り戻し、テ・フィティに返せば世界は元に戻る...というもの。
ディズニー映画というと、『アナ雪』や『美女と野獣』に代表されるように空気を読まずに正義をなす勇気の象徴のような主人公と社会的マイノリティのメタファーのような対役(逆の場合もある)が最終的には人間の欲の権化である悪役を倒す、というのが王道のストーリー。ですが、今回は悪役らしい悪役は不在で、村長はかつて自分が冒した危険を娘には繰り返させないようにしたかっただけだし、そもそもの原因となったマウイの行為も「人間の敬意や感謝を受けたかっただけ」だし、モアナを動かすのも阻むのも全て他の登場人物のちょっとした善意や虚栄心によるもの。ラスボスである溶岩の魔神テ・カアが怒っていた理由もたった一つだけ(それが解決されれば鎮まる)。というように、「欲望=悪」という思想をベースにした勧善懲悪ではないシナリオがディズニーっぽくなく、主に子ども向けにしておくにはちょっともったいないレベルの作品だと感じました。

映像はディズニー・アニメーション・スタジオだから折り紙付きだし(特に空と海の表現が素晴らしかった!)、音楽に関しても自然や南国がモチーフだけに『ライオン・キング』にも似た力強さがあるし(個人的にはマウイと巨大ガニのタマトア関連の楽曲のノリが気に入った)、非常にクオリティが高い。ノーマークだったけど個人的には『アナ雪』よりも好きかもしれません。未見ならばこの夏休みの間にオススメしたい一本です。

投稿者 B : 22:55 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/07/31 (Mon.)

君の名は。 [PS Video]

君の名は。

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劇場公開から一年経って、『君の名は。』の BD/DVD およびネット配信が始まりました。つい春先までやってた映画館もけっこうあったためあまり待たされた感はありませんでしたが、『シン・ゴジラ』と同時期に上映していた映画と考えるとリリースまでは引っ張りましたね。BD 買ってもいいかなとちらっと考えたんですが、ここのところ欲しいもののリリースが続いているし、繰り返し観たり特典映像を見たりする余裕も当面なさそうなので、配信で観ました。

映画館で一度観た上で再鑑賞すると、初見では気がつかなかった伏線がざっくざく見つかって面白い。けっこう細かいところまで仕込んであって、計算され尽くし具合に感心した一方で、逆に序盤に出てくる伏線はむしろ時系列おかしくないか?と思ってしまった部分もあり。計算して仕込まれた伏線とストーリー上矛盾してても演出的に入れた伏線が混在してる感じですが、初見だと「ああよくできてるなあ」となるように作られているんですね。

改めて観ても映像は本当にキレイだし、何よりキャラクターが活き活きとして実在感あるのがいい。キャラクターデザインの勝利もありますが、動きのつけ方や声の当て方まで含め、今までの新海誠作品とは変えてきてイマドキのアニメに寄せてきた感がありますが、それがいいんだと思います。私もあの後新海誠の旧作を改めて少し観てみたけど、やっぱり入り込めなかったからなあ。
この作品の成功はとにもかくにも東宝とプロデューサーの川村元気氏が「新海誠っぽさ」を削りに削った結果の産物なのではないでしょうか。売れてからの宮崎駿が自分のメッセージを強く作品に込めると説教臭くなってしまったのと同じで、新海誠も自分の好きにさせないほうが商業的にはうまくいく、ということなのだと思います。新海誠っぽさを好きな人のことを否定するつもりはありませんが。

本作のヒットで「ポスト宮崎駿」みたいな持ち上げられ方をしているアニメ監督の一人ですが(まあ近年マス向けにヒットしたアニメ監督が皆通る道でもありますが)、本当に国民的なアニメーション監督になれるかどうか、はむしろ次回作の出来にかかっているのではないでしょうか。

投稿者 B : 23:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/07/15 (Sat.)

機動戦士ガンダム サンダーボルト #8 [PS Video]

『サンダーボルト』の最新話が配信開始されていたので、さっそく視聴しました。

機動戦士ガンダム サンダーボルト

2nd Season の最終話ということで、イオとダリルが地上で再び相まみえる...かと思ったら、かすりさえもしない(;´Д`)ヾ。しかも尻切れトンボ的な終わり方で、「えっこれ本当に最終話なの?」という感じ。そのまま 3rd Season に続くのか(原作コミックの方はまだ続いているようですね)、あるいは秋予定の劇場版が結末も含めた完全版という位置づけになるのか。まあかなりの伏線が投げっぱなし状態なので、少し尺を伸ばした劇場版程度では回収し切れなさそうですが。

ストーリーは前作からのそのまま続き。イオは敵対する南洋同盟の指揮官が 1st Season で死んだはずのかつての恋人・クローディアであることに気づき、南洋同盟側 MS の激しい攻撃をかいくぐりながらクローディアとコミュニケーションを図ろうとします。一方のダリルはスパイ回収作戦の途上で南洋同盟と交戦状態に入り...直接は関係しない二つの戦場で、しかも三つの勢力が戦闘を行うという複雑なシナリオ。このシリーズ自体、各回の尺が短くて説明が少なめなこともあって、観ている側としてはなかなか状況が掴みづらいところですが、今回は特にストーリーよりもマニアックな戦闘シーンの迫力を感じるための回、と言い切っても良いでしょう(ぉ

今回登場する MS は連邦軍が陸戦型ガンダム&ジムの改修型、ジオン残党軍がアッガイ、南洋同盟がグフ&ダーレ(ジムやザクのパーツをニコイチサンコイチして作った機体)という、今までのシリーズから比べると時代背景に沿った機体が中心です。でもアッガイは相変わらず超絶ギミック内蔵だし、グフも妙なフライトユニット搭載で飛ぶし、イオの陸戦型ジムに至っては「コルベット・ブースター」という MS に合体可能なベースジャバーを使うし、やっぱり何でもアリ。設定的なツッコミどころを気にしながら観たら『サンダーボルト』楽しめないのでそのへんは流すとして(笑)、MS の動きや戦闘における駆け引き、壊れるときの「重さ」みたいな表現はさすが『UC』を手がけた制作チームだなあと感心しました。ダリルのアッガイがフリージーヤードを放出した瞬間にはさすがに「はゎー!」って声が出た(ぉ

『08MS』におけるグフカスタム戦、『0083』におけるトリントン戦、『UC』での同トリントン戦やガルダ戦のように地上戦、あるいは大気圏内の空中戦はこれまでも見応えのあるものが多かったですが、今作の戦闘シーンもそれらに引けを取らない出来だと思います。やはり接近戦と重力を感じる描写はいい。それ自体が「地球の重力に魂を引かれた人の認識」そのものなのかもしれませんが(笑。

投稿者 B : 23:03 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/07/09 (Sun.)

メアリと魔女の花 @T・ジョイ PRINCE 品川

昨日劇場公開されたばかりのこの映画を早速観に行ってきました。

メアリと魔女の花

メアリと魔女の花

借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』の米林宏昌監督が、ジブリ退社後に初めて手がけた長編アニメ作品です。マーニーのときに「次は動きのあるファンタジーを」という話だったのでずっと楽しみにしていましたが、元ジブリの西村プロデューサーが立ち上げた「スタジオポノック」でそれが満を持して形になりました。プロデューサーと監督のみならず制作スタッフの大半が元ジブリ作品の関係者で、事前プロモーションも「ジブリを継ぐ者」というイメージで煽ってきており(当の宮崎駿監督の引退撤回発表で水を差されてしまいましたが)、注目度は高かったように思います。が実際に映画館に足を運んでみたら、公開二日目の日曜日でこれ?というくらい席が空いていて(半分くらいしか埋まっていなかったように見えた)若干心配になりました。

以下、感想ですがネタバレに触れずに書くことが難しいので、ちょっと行間を空けておきます。













「元ジブリのスタッフが手がける魔女もの」となれば必然的に 28 年前の名作と比較されてしまうわけで、自らハードルを上げてしまっている本作。それ故に厳しい評価も多いようですが、個人的にはけっこう好きでした。

オープニングはジブリの「31 年前のあの名作」を彷彿とさせるもので、これはおそらく制作サイドが(あるいはスポンサーからの要望で)意識してやっているのだと思います。他にも背景美術の美しさ、色彩、生きものの動き、などなど画面上の表現はジブリそのもの。「これはあの作品のあのシーンだな」というカットも多々ありますが、これは狙ったというより制作陣に流れる「血」のようなものではないでしょうか。それでいて、あのジブリ作品の主人公が「魔女は血で飛ぶの」と言っていたのに対して、本作のメアリは魔女の血を引いていないのに箒で空を飛ぶ、というのは明確なアンチテーゼだと思います。

この作品のテーマはおそらく、コンプレックスを持つ少年少女の自己肯定と成長。『マーニー』でもそういう側面はありましたが、今作は序盤のメアリが「なんかヒロインにしては微妙なキャラデザだなあ」という顔だったのが、物語が進み成長するにつれて表情豊かになり、魅力的な顔つきに変わっていくという作画上の演出がよくできています。が、対役であるピーター少年が残念。デザインも微妙だし、「ヒロインに最初は嫌われるけどあることをきっかけに関係が進展する」というテンプレをなぞるだけで掘り下げが浅く、どうも感情移入がしきれませんでした。脚本の都合で動かされるだけという点では細田守作品のヒロインの位置づけに近いように思います。これがもうちょっと何とかなっていれば、さらに満足度の高い作品になっていたと思うだけに残念です。
その点も含め脚本は全体的に厚みがあまりなく、大人が見るにはやや物足りない点もありますが、全年齢向けとしてはまあ良い塩梅なんじゃないでしょうか。実際私が行った館でも半分程度が家族連れだったようでした。後半、メアリたちがピンチに陥るシーンで号泣するお子様多数(笑。

ツッコミどころもあるし、画が画だけに批判の的になりやすいのも事実ですが、個人的には少なくとも過去 20 年のジブリに期待しながら出てこなかった「ジブリクオリティの映像で活劇」がようやく見られただけで満足です。ただやはり次はこのクオリティを持ちながら「ジブリ的でない」作品も見てみたい。ラストシーンにおけるメアリの「魔法が使えるのは、これが最後」という台詞は、米林監督のそういう自覚が言わせたメタ発言ではないかと思うのです。
米林監督に限らず、ジブリの流れから出てきたクリエイターが宮崎駿・高畑勲の呪縛を打ち破って世の中の支持を得られて初めて「ポスト・ジブリ」と言える時代になるのだろうなあ、と思います。スタジオポノックの次の作品にも期待しています。

投稿者 B : 21:20 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/07/06 (Thu.)

ドラマ『野武士のグルメ』 [Netflix]

先月でドラマ『孤独のグルメ Season6』が放送終了してしまって、私は軽い井之頭ロスに陥っています(ぉ。その心のスキマを埋める意味で、3 月に Netflix にて配信開始されていたこのドラマを今さらながら視聴しています。

野武士のグルメ | Netflix

Netflix に限らず SVOD は今まで未契約だったんですが、hulu がシステムリニューアルで大ゴケした状況も考えると、これは日本でも Netflix が覇権を取る流れになるかもなあ...という読みもあり、とりあえずサインアップして無料期間中に本作だけでも観ておこうかと。

『野武士のグルメ』はもともと久住昌之先生のエッセイとそれを土山しげる先生が漫画化した作品が存在し、これはそれをドラマ化したものになります。制作スタッフは共同テレビの『孤独のグルメ』チームが、サントラはスクリーントーンズが担当。キャストが変わっただけでほぼ『孤独のグルメ』そのもの、と言えるかもしれません。

が...、映像を見ると明らかに『孤独のグルメ』とは違う。原作者が同じでも切り口が異なるので別の作品であることには間違いがないのですが、テレ東の(Season1 に比べて今は大所帯になったとはいえ)低予算ドラマと違って Netflix がオリジナル作品に割り当てる大きなバジェットがあればここまで映像を作り込めるのか!と驚かされました(笑。とにかく照明の使い方が贅沢だし、主人公・香住武の自宅はハウススタジオを使って撮ってるし。毎回ちょっとしか出てこない妻役が鈴木保奈美とか贅沢すぎる(ぉ。

香住武役の竹中直人は漫画版のイメージとは違うものの、おそらく久住さんご本人をイメージした配役であろうことはドラマ化発表時にも書いたとおり。しかし会社員として真面目一徹で働いてきて、定年で急に自由な時間ができた初老の男という役どころは、一般的にイメージされている竹中直人とは真逆(笑。ギラギラしてない竹中直人というのは新鮮で、それだけでも一見の価値があります。食事シーンでは『孤独のグルメ』ばりにモノローグがふんだんに挿入されているわけですが、その語り口も竹中直人っぽくなくて、聞いているだけで妙に笑える(笑。
「野武士」役の玉山鉄二もいい味を出しています。ここは竹中直人の一人二役でギラギラした野武士にしても面白かったんじゃないの?とも思いますが、竹中直人でそれをやるとコメディ色が強くなりすぎる気もするし、これでいいか(ぉ

ドラマの作りとしては原作のストーリーラインをほぼ忠実に映像化したものになっています。撮影は実在の店舗をロケ地にしているようですが、例えば焼肉回では上野という設定なのにお店だけ新宿の店舗を使っているなど、『孤独のグルメ』のようなドキュメンタリードラマではなく『食の軍師』と同じフィクションの作り方。ただお店選びはかなり原作の雰囲気を意識して選ばれており、中華回のラーメン店はあまりにもコテコテだったから撮影用に内装を変えたのかと思ったほど(笑。料理は 100% そのお店のものが出てきているわけではなさそうですが、キラキラして死ぬほどうまそうなアジの干物とか、照明とカメラワークによってメシテロ映像の新たな境地を開拓していると思います。

『孤独のグルメ』とは違ってストーリーの比重が大きめなドラマなので、純粋なメシテロ力としては『孤独のグルメ』ほど強くない印象はありますが、役者の力もあってなかなか面白い。私はまだ 4 話までしか観ていないので、とりあえず無料期間である今月中に残りも観てみようと思います。

投稿者 B : 00:24 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/06/11 (Sun.)

花戦さ @T・ジョイ PRINCE 品川

久しぶりに時代映画を観てきました。

花戦さ

以前観た『のぼうの城』が面白かったので、同じ野村萬斎主演で時代的にもほぼ同じ、脇を固める助演陣も実力派揃いと来れば期待できないわけがないと思い。野村萬斎が演じると良くも悪くもどんな役でも野村萬斎になってしまいますが、型破りな華道家という役どころであれば萬斎流が活きないわけがなく。期待通りに奇抜で、しかし奥の深いキャラクターを見せてくれました。

時代は安土桃山。織田信長から豊臣秀吉へと天下統一の機運が引き継がれていく頃、京都で華道に勤しんでいた花僧・池坊専好の物語です。実在した人物および事実を基にしたフィクション(小説原作の映画化)のようですが、織田信長・豊臣秀吉・石田三成・前田利家・千利休といった歴史上よく知る人物が登場するので、スッと世界観に入っていけます。序盤はあまり繋がりのないエピソードが並列的に語られ、戦乱から太平に向かう世での花僧の生き様を淡々と語るのかと思ったら...後半はそれらの伏線が一気に繋がり終盤へとなだれ込んでいきました。クライマックスは「秀吉に一泡吹かせる」ということで、『のぼうの城』のようなスペクタクルが...華道ではあるはずもなく(笑)、特に刀を使うでもなく情に訴える話。大砂物(巨大な生け花)の圧倒される美しさと周到に張られた伏線、抑揚の効いた俳優陣の芝居によって、派手な殺陣はないながらも実に深みのあるラストへと繋がっていきました。
ストーリー自体は時代劇によくある「弱者が知恵と団結力によって権力者の横暴に反抗する物語」のテンプレートそのものですが、アクションに頼るでも笑いに逃げるでもなく、台詞と芝居で正面から向き合った作風の時代映画って最近では珍しいんじゃないでしょうか。また専好の生け花や利休の茶の所作もひとつひとつが美しく、映像そのものにも引き込まれるものがありました。

公開直後にも関わらずあまり話題になっている感のない映画ですが、私はとても良かったです。時代映画好きならば観に行って損はないと思います。

投稿者 B : 22:15 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/06/05 (Mon.)

機動戦士ガンダム サンダーボルト #7 [PS Video]

先週配信開始された『サンダーボルト』の最新話を観ました。

機動戦士ガンダム サンダーボルト

シリアスな世界観の中で「戦争」という名の残酷な殺し合いが繰り広げられる本シリーズにおいて、今回はちょっと異色な作風になっています。タイトルバックはお花畑だし、冒頭からやや脳天気な楽曲に合わせてダリルとカーラがキャッキャウフフ...という演出に意表を突かれてしまいました。が、その直後にこのシーンが「カーラが一年戦争末期の出来事によって精神的退行を起こしたことに対する治療」であることが明らかになると、そのシーンもまた別の意味合いを持って見えてきます。

前回いきなり中破させてしまったアトラスガンダムが修理中ということで、今回はイオ(連邦軍)側のエピソードはちょっとしかなく、完全にダリル(ジオン残党軍)側の話がメイン。同軍の支配地域にスパイの回収に出るというのが主たるエピソードなわけですが、そこに使われるのがアッガイ中隊!という。これはアッガイスキーな某氏は必見なんじゃないですかね。

しかもこのアッガイ、残党軍による現地改修機という設定なのか、個体ごとに細かく仕様が違っていて、見ているだけで楽しい。やはり『ガンダム UC』のスタッフが制作しているだけあって、こういうのを描かせると MS の設定や描写が細かくて面白いですね。改修についても、序盤に登場したシールドアームつきジムやサイコ・ザクあたりに比べれば世界観に合っているし、悪くない。ダリル機だけはアッガイのくせにまた超長距離射撃でもやるのかよ!という見てくれでしたが、実際にはレーダーを強化した偵察機ということで安心しました(笑。

音楽といい映像といい今までの本シリーズの雰囲気とはちょっと違って面食らいましたが(なんたって唯一の出撃シーン BGM がジャズでもオールディーズでもなく日本民謡!)、四作単位で起承転結を形作っている中での三本目としては、いい「転」になっているのではないでしょうか。
ラストシーンでは死んだはずのあのキャラがまさかの復活を果たしていたり、2nd Season のラストに向けて期待が高まってきました。

MG 1/100 MSM-04 アッガイ

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投稿者 B : 23:30 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/06/01 (Thu.)

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』3D BD 不具合対応

「ファンタスティック・ビースト」3D BDの字幕が3Dに対応していなかった不具合。交換対応 - AV Watch

4/19 に発売された『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』Blu-ray Disc において、3D BD の字幕に不具合があったことが 5/11 に告知されていました。私は即日交換を申し込んでいたのですが、その交換ディスクが本日届きました。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

申し込みはメールで行ったんですが、告知当日の 21 時台に送ったメールに 25 分後に返信があって驚きました。テンプレ通りの回答とはいえ、通常であればサポート窓口も閉まっているような時間帯。さすがに頭が下がります。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

送られてきたのは字幕を差し替えたディスクだけではなく、ジャケットとスリーブケース、さらにオビまで修正版が入っていました(驚。そうそう、字幕だけではなく収録されている音声フォーマットにも誤記があったんですよね。私も印刷物関連の仕事は経験がありますが、誤記が発覚してから版を修正して紙と輪転機を押さえて色校正をかけて印刷...想像しただけで吐きそうになってきました(;´Д`)。それにしてもジャケットとスリーブはともかく、オビまで修正版が送られてくるとは。発売直後に買ったお客さんの心理としてはそこも大事にする人が多い、ということでしょうが。
ちなみに不具合のあったディスクはこちら側で廃棄ではなく、同封の封筒でワーナーに返送する必要があるようです。回収してもワーナー側で処分するだけだとは思いますが、不具合入りとはいえ著作物なのでちゃんと管理する必要がある、ということでしょう。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

音声仕様は正しくは 2D BD と UHD BD のみドルビーアトモスあり、3D BD はドルビーアトモスなし。まあ私は 3D は PSVR しか再生環境を持っていないので、アトモスの恩恵は受けられないからどっちでもいいです。
私はこれ買ったはいいけどまだ 3D 版まで観る時間が取れていなかったので、今回の不具合には気がついていませんでした(笑。念のため見比べてみたら、確かに不具合版は字幕の表示レイヤーがおかしくて、本来なら視界の最も手前のレイヤーに字幕が浮いて見えなくてはならないところ、人物や他のオブジェクトに字幕が「埋まって」いるかのように見えて気持ちが悪い。
いい機会なので、今度の週末にでも改めて 3D 版を観る時間を作るかな...。

それにしても、

「ファンタスティック・ビースト」BD 3枚組にUHD BDが入っていない不具合。3D字幕修正版 - AV Watch

3D BD を差し替えたバージョンを再発売したら、今度は UHD BD を入れずに 3D BD を二枚入れてしまった、とかさすがにかっこ悪すぎるでしょ(;´Д`)。こういうときこそ「まずは君が落ち着け」と言いたいですね...。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 4K ULTRA HD&3D&2D ブルーレイセット [Blu-ray]

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2017/05/24 (Wed.)

メッセージ @T・ジョイ PRINCE 品川

オデッセイ』以来(?)の本格 SF 大作を観に行ってきました。

メッセージ

個人的には、ばかうけコラボプロモーションはちょっとどうかと思うんですが...まあ、感動ドラマとして宣伝されてしまった戦隊アニメに比べれば、作品そのものに対するリスペクトがある分マシですかね。ただ邦題『メッセージ』は日本人の解りやすさ重視でストレートなタイトルをつけたんでしょうが、原題『Arrival(到来、到達)』のほうがダブルミーニング的で、観終わった後の納得感は高いように思います。

この映画はいわゆる宇宙人とのファースト・コンタクトものです。それも『インデペンデンス・デイ』ではなく『未知との遭遇』的な方向性で、アメリカにしては珍しく宇宙人と対話しようとします(ぉ。
こういうファースト・コンタクトもので重要なのは、宇宙人がどんな姿形でどのようなコミュニケーションをするのか、という点。人間に近いサイズ感で何かしらの音声コミュニケーションを行う...みたいなのは地球人の常識にとらわれすぎだと思うけど、そうじゃない表現を劇場版ガンダムでやってしまった事例(ぉ)もあったりするので難しいところです。私は言語学に疎いので本作の設定にどれほどのリアリティがあるのかはよく分かりませんが、テレパシーのようにぶっとんだ設定ではない形で提示されたことには納得感がありました。また、映画の尺の大半を未知の知的生命体とのコミュニケーション確立の過程描写に使っていて、SF とは関係のないところで「そうだよなあ、コミュニケーションって異文化間でなくても共通言語化と総合の要求を正しく理解することから始まるんだよなあ」としみじみ考えたりもしました。

ちなみに主人公ルイーズのよき理解者である米軍のウェバー大佐、どこかで見た顔だと思ったら『ローグ・ワン』でソウ・ゲレラを演じていたフォレスト・ウィテカーだったんですね。随分印象が違う役だけど、独特の存在感ある役者さんです。

個人的に素晴らしいと思ったのは音響。宇宙人ヘプタポッドの音声コミュニケーションの表現も興味深かったですが、ルイーズが初めて宇宙船に足を踏み入れるシーンの重圧感をはじめとして心理描写が音響で表されているのがすごい。この音のせいで、自分自身がその場にいるような感覚で、強いプレッシャーを受けたほど。ノーチェックだったんですが、これアカデミー賞の音響編集部門賞を受賞しているんですね。これは映画館の音響で体感すべきだと思います。

本作に登場する宇宙船は『2001 年宇宙の旅』の冒頭以来 400 万年ぶりに地球に再来したモノリスであるようにも思えるし、時空の概念については『インターステラー』に通じる部分もある。今までの様々な SF 映画を下敷きにした奥行きのある作品です。が、宇宙ものとしてのリアリティよりはもっと人生観寄りの部分に共感してしまう、深い作品でもあります。うまく言語化できないけど、観終わったときに「いい映画だった」と感じました。

この映画を監督したドゥニ・ヴィルヌーヴの次作が『ブレードランナー 2049』なんですよね。オリジナルの『ブレードランナー』は哲学的だった原作とは違ってエンタテインメントに振り切った映画でしたが、『2049』はこの監督の手でどんな作風になるのか。今から楽しみになってきました。

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2017/05/06 (Sat.)

美女と野獣 @T・ジョイ PRINCE 品川

私には漫画やアニメ作品を何でも実写化するのには懐疑的で、これも実写化の報を最初に聞いたときには「ルミエールやポット夫人をリアル化しても気持ち悪いだけでしょw」と思っていたのですが...観に行ってきました。

美女と野獣

美女と野獣

だってヒロインがエマ・ワトソンですよ!?聡明で勇敢であり、かつ美しい。これ以上ベル役に相応しい女優さんもいないんじゃないでしょうか。まあそれも単に『ハリー・ポッター』シリーズにおけるハーマイオニーのイメージでしかないわけですけど(笑
ともかくこの配役と、主題歌がジョン・レジェンド&アリアナ・グランデのデュエットによる "Beauty and the Beast" という点にとどめを刺されて、映画館まで足を運んできました。

結論からいうと「期待以上でした」。CG で作られたルミエールやコグスワースのデザインは控えめに言っても子ども向けという感じではなかったけど(笑)、とにかく映像が美しい!アニメ版と比べても画のダイナミックレンジが広いというか...とにかくキラキラしていて、まさにディズニー・プリンセスの世界。そこに聴き慣れた名曲たちと共に繰り広げられるミュージカル。スタッフやキャスト陣のオリジナルのアニメ版へのリスペクトが伝わってくるようで、実に大切に作られた映画であることがよく解ります。
個人的にはガストン&ル・フウの悪役二人組の、あの「すごくウザいんだけど何故か憎みきれない」キャラが見事に再現されていたのがツボでした。特にガストンは『ホビット』でバルド役を演じていたルーク・エヴァンズということをエンドロールを見るまで気づかなかったという...。

とにかく良い映画でした。全体を通しても良いけど、個別のシーン(特にミュージカルシーン)の完成度が素晴らしいので、これは BD が出たら買って部分リピートして観たいくらいだなあ。でもあのキラキラした映像美と音楽は、映画館でこそベストな状態で鑑賞できるとも思います。映画好きならば良いハコまで観に行くべき作品と言えます。

投稿者 B : 23:07 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/05/05 (Fri.)

機動戦士ガンダム サンダーボルト #6 [PS Video]

GW 直前に配信開始されていたのをすっかり忘れていて、今ごろようやく観ました。

機動戦士ガンダム サンダーボルト

2nd Season はいよいよこれからが本番。地球が舞台となっている 2nd Season ですが、今回はいきなり見どころといえる水中戦がメインになっています。

水中といえばジオン軍にはズゴック、ゴッグ、ゾック、アッガイ、グラブロ等といった名作 MS/MA が揃っていますが、対する連邦軍には最初から水中での運用を考慮した MS が存在せず、アクア・ジムなど既存 MS の改修機を使用しているというのがファーストガンダム時代から続く一年戦争の設定。戦略上優位なジオンに連邦がどう立ち向かうか、が見どころです。
主役機アトラスガンダム登場まで前哨戦として、地上編のヒロインであるビアンカ・カーライルのガンキャノン・アクアとゴッグの戦闘が発生するわけですが、これが超カッコイイ。1st Season では宇宙での狙撃戦が中心だったため接近戦はほとんどありませんでしたが、MS ならばやっぱり接近戦が見たいところ。その欲求を満たしてくれる接近戦の駆け引きにシビれました。

逆に新主役機であるアトラスガンダムは...いくらなんでも性能がチート過ぎじゃないですかね?前述のとおり水中用に設計された MS がないはずだった連邦軍で、いきなり「水陸両用のガンダム」と言われると引いてしまうし、ベースジャバー的な機能を持つサブレッグとレールガンを駆使して戦う...ってバンシィかよ!と突っ込みたくなるし、一年戦争の世界観からすると違和感がありすぎる。
それでも「いくら水陸両用といえど初の水中戦で、水中用 MA に乗り慣れた歴戦の勇士をいきなり圧倒できるものじゃない」という描写がされていたのは納得感ありましたが...それでもやっぱり、違和感は拭えないなあ。

もうひとつ 1st Season と大きく違うところは、戦争に対する悲壮感が以前ほど重くないことでしょうか。一年戦争自体がいったん終結した時間軸の話というのもあるし、登場人物のキャラクターによるところも大きいのでしょうが、ずっと鬱々とした展開でないことが、観ている側としても心理的に随分ラクだったかな(笑。まあ、戦闘で人が死んでいくシーンは相変わらず残酷ですが。

今月末に配信される第 7 話では、今回出番のなかった(笑)ダリルに関するエピソードになるようです。やはりこの二人が戦わなくては面白くない。どういう展開になるのか、期待して待ちたいと思います。

投稿者 B : 23:05 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/05/01 (Mon.)

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー [Blu-ray]

遅ればせながら、GW 前に出張に行っている間に届いてたやつ。

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー MovieNEX プラス 3D [Blu-ray]

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ようやく発売されました。この日をずっと待ってたんですよ!

Episode I 以降のスター・ウォーズは新作が公開されるたびに最低三回は劇場に足を運んでいる私ですが、『ローグ・ワン』は五回は観てセリフをある程度諳んじられるようになったほどです(笑。ナンバリングタイトルではない外伝扱いながら、どの続編よりもオリジナルの『スター・ウォーズ』に敬意を払い、旧三部作の世界観に浸らせてくれる作品。もうね、いつものタイトルバックとは違う流れで「ROGUE ONE」のタイトルが出てくるところで泣けるくらいには訓練されてきました(ぉ。

パッケージの種類はいろいろありますが、私が購入したのは「MovieNEX プラス 3D」。

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

フォースの覚醒』では 3D BD は MovieNEX CLUB から購入する必要がありましたが、今回は最初から 3D BD がセットになったパッケージが用意されています。きっと MovieNEX CLUB の販売方式にはいろいろとクレームもあったんでしょうね。
ただパッケージングとしては通常の MovieNEX のケース(スリーブ付きトールケース)に 3D BD のトールケースがシュリンクラップでまとめられているというスタイルで、わざわざ全部入り用のパッケージを用意してこなかったのがちょっと手抜き感あります。そういえば先日の『シン・ゴジラ』の BD でも、UHD BD は普通の特別版 BD(←なんか表現が矛盾してる)のケースに UHD BD が外付けされているという形式でしたが、フォーマットが入り乱れがちな今は一番売れ筋のパッケージだけ凝ってニッチな付加価値ディスクを外付けにするのがトレンドなんでしょうか。

ともあれ、GW はこの BD を堪能しながら年末の Episode VIII『最後のジェダイ』に想いを馳せることにします。

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2017/04/27 (Thu.)

映画『3 月のライオン』後編 @T・ジョイ PRINCE 品川

前編の続き、観てきました。

3 月のライオン 後編

3 月のライオン

私は原作未読のため、まだアニメ化されていない後編部分のストーリーは全く知りません。丁寧に描かれているアニメ版を先に観たかった気もしつつ、前編は悪くない内容だったから映画から入っても良いかなあ、と。

後編は零が新人王を獲った後の物語。前編では零がなかなか将棋で結果を出せず悩む、焦る...という場面が多かったのが、後編の零はまるで吹っ切れたかのように強くなります(もしかしたらその強くなる過程は端折られていただけなのかもしれませんが)。その代わり、零自身の悩みというよりは川本家の問題に首を突っ込んでいく局面が増え、前編とはずいぶん違った話になっています。

個人的には、前編は零の内面の話が多かったので自分自身を零に投影しながら見ていた部分がありましたが、後編はちょっと違いました。特に川本家の次女・ひなたが学校でいじめに遭い、それが一応の解決に至るまでの流れは、むしろ自分が親目線になって娘たちの学校で起きていることと重ねて見てしまったし、ひなたを支える家族の対応にもそれぞれ共感できるところがあった。あの状況であそこまで毅然とした態度を取れる子は滅多にいないだろうけど、周囲の人の描き方という点では、すごくリアリティを感じました。
特に心に残ったのは、「ひなちゃんの強さは、この食卓で作られたんだ」という(うろ覚え)零のモノローグ。そう、人間の心の強さとか自信って、家族による無条件の肯定によって形作られるんですよ...。後編は「家族のあり方」に関する複数のエピソードを軸に物語が進行するだけに、自分も家族や親子というものについていろいろと考えさせられました。

しかしまあ、この実写映画、重い(;´Д`)ヾ。前編の主要キャラであり、ほっこり担当要員(ぉ)でもあった二階堂や島田の出番は数えるほどしかなく、頼みの綱の川本家も今回はシリアスなシーンばかり。唯一息をつける場面といえば、零の高校に出てくる林田先生がらみのシーンくらい(笑。高橋一生の林田先生、原作とは随分イメージが違うけど、このイイ感じに力が抜けた高橋一生の芝居だからこそ、男でもこの顔を見た瞬間に「あ、ここ安心できるシーンや」と思えたんだろうなあ。

面白かったです。死屍累々としか言いようがない漫画原作の邦画で、今まで観た中では一番良かったと言って良いと思います。違和感あったのは前後編通じてエンディングテーマくらい(ぉ。やっぱりこういうのに必要なのは「原作愛」なんでしょうね。

羽海野チカ / 3 月のライオン 12

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2017/04/22 (Sat.)

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦』公開日決定

機動戦士ガンダム THE ORIGIN「激突 ルウム会戦」は9月2日4週間限定で劇場上映 - AV Watch

シャア・セイラ編の完結から約 10 ヶ月、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』続編の公開日が発表されました。9/2(土)からのイベント上映およびネット配信の予定とのこと。

前作で人類史上初のモビルスーツ同士の戦闘が描かれましたが、次はいよいよ本格的な大規模戦が描かれることになります。ファーストガンダムでは過去の話として言及されるのみであったルウム戦役、レビル将軍が黒い三連星によって捕縛されたりシャアが MS 一機で五隻の戦艦を沈め「赤い彗星」の異名を取るようになったりしたエピソードが、ついにアニメーションで楽しめるわけです(一部は『THE ORIGIN I』のアバンでも描かれていましたが)。
いっぽうで、これまではキャスバル=シャアが物語の中心だったところが、そろそろ少しずつアムロの物語として引き継がれていく役割を担った章でもあるはずです。漫画原作では過去編のアムロはあくまでオマケ扱いでしたが、今回のアニメ化ではもう少し手厚い扱いになるようで、そのあたりがどう描かれているかにも期待。

イベント上映が 9/2 ということは、プレミア上映会は二週間先行して 8/19(土)または 20(日)になると考えて良いでしょう。今からその近辺の予定は空けておこうと思います。

「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」が初Blu-ray化。8月29日発売 - AV Watch

同時に『ポケ戦』の初の BD-BOX 化も発表されました。宇宙世紀ものの中でこれだけ BD 化がされていなかったので、待っていた人も少なくないはず。重めのストーリーも MS の設定/デザインもイイし(中でも出渕裕デザインのケンプファー、ハイゴッグ、ズゴック E は特に秀逸だと思う)、一年戦争期のサイドストーリーの中では私はこれが一番好きかも。発売されたら買っちゃいますかね...。

機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争 Blu-ray メモリアルボックス

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投稿者 B : 17:00 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/04/19 (Wed.)

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 [Blu-ray]

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 4K ULTRA HD&3D&2D ブルーレイセット [Blu-ray]

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『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の BD が発売されたので、フライングで入手しました。
パッケージはいくつかのバージョンがリリースされましたが、一応将来性を買う意味で UHD&3D&2D の BD 三枚組。3D は PSVR で観れるようになったし、UHD BD はいつ我が家に環境が構築できるか見当もつかないけど、魔法のエフェクトとか暗いシーンが多い映画なので、HDR の画質が実感しやすそうなタイトルなので、とりあえず確保。

基本的には『ハリー・ポッター』シリーズの登場人物は出てこない外伝的な話で、そういう意味では物足りないと感じる人もいるでしょうが、これはこれで魔法界のことを深く知ることができ、単体のエンタテインメントとしてもよくできた映画だと思います。以前劇場で観たときには、旧作をしばらく観ていなかったこともあって「あれ?このキーワードって何だったっけ?」と思う場面がいくつかありましたが、その後旧作の BD を一通り観直したので「ああ、これって本編のほうに出てきたこれのことだったのか!」というように細かく納得し、理解が深まった感じ。言ってみれば既存ファン向けであり、一見さんお断り的な側面は否定できませんが、ヒット作の続編なんて多かれ少なかれそういうものです(笑

まだあまりじっくり観れていませんが、せっかくなので PSVR を使って 3D 版も堪能するつもり。GW に向けた娯楽のひとつにしようかと。

投稿者 B : 00:50 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/04/11 (Tue.)

孤独のグルメ スペシャル版 Blu-ray BOX

「いかんいかん、これはいかんやつじゃないか」

孤独のグルメ スペシャル版 Blu-ray BOX

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ドラマ『孤独のグルメ Seasaon6』の放送が先週から開始されたところではありますが、新たな Blu-ray BOX が発売されました。近年恒例となっている冬と夏のスペシャルドラマ版のうち、これまでパッケージ化されていなかった昨年の旭川出張編宮城出張編今年のお正月スペシャルを収録したものになります(一昨年の博多出張編Season5 の Blu-ray BOX に収録済み)。
これまでの Blu-ray BOX とは若干毛色が違うまとめ方のパッケージですが、この三回のスペシャルドラマの聖地巡礼はいずれもすごく楽しかったので、その思い出の反芻という意味でも発売を心待ちにしていました。

孤独のグルメ スペシャル版 Blu-ray BOX

収録されているディスクは二枚組。いつもなら BD を皿に見立てて各回で登場した料理の俯瞰写真がプリントされたレーベルなところ、今回は盤面を三分割して料理を並べています。こうして詰め込まれてみると、過去三回のスペシャルに登場した料理はどれも強烈な魅力を放っているなあ。

孤独のグルメ スペシャル版 Blu-ray BOX

毎度てんこ盛りな特典映像は今回はかなり控えめ。メイキングも旭川編と宮城編はほぼなく、今年のお正月スペシャルのメイキングをたっぷり 30 分収録したものになっています。通常はけっこう駆け足で各回のメイキングを流していくのが、一回分をじっくり見られると従来よりも深い楽しみがありますね。松重さんがノリノリだったり、自分のシーンの前に他のお客さんが食べるシーンを「あれうまそうだなぁ~」と言いながら食い入るように見ていたり、本番直前に松重さんの発案で食べるものや食べ方が変更になったり(先週放送された Season6 第一話でも松重さんリクエストでたこネギが追加されたらしいですね)、ロケ現場が実に楽しそう。
特に面白かったのは蔡菜食堂のおかみさん役の宮崎美子さんで、通常なら店員役の俳優さんは「自分は食べられなかった...」と残念そうにインタビューを受けるところまでがこのドラマのメイキングの様式美なのですが(笑)、宮崎さんは劇中に登場した料理のほとんどをちょっとずつつまみ食い(ゴローちゃんは食べなかったけど松重さんが本当に食べたそうだったスペアリブまで!)して帰って行ったのには笑いました。

孤独のグルメ スペシャル版 Blu-ray BOX

付録もかなり控えめ。特典冊子に収録されている内容も薄めで、レギュラーシーズンの Blu-ray BOX じゃないとどうしても作り込みが浅くなっちゃうよなあ、というのを感じさせます。
これでも毎度「その後のグルメ(ドラマに登場したお店に改めてインタビュー)」とか「ふらっと QUSUMI」の特別編とか、特典映像やおまけまでけっこう楽しみにしているんですよ...。

しかし付録冊子の末尾にひとつ、嬉しい情報を発見しました。

孤独のグルメ スペシャル版 Blu-ray BOX

三陸女川町の聖地・ニューこのりが、ついに新店舗に移転完了したようじゃないですか!

女川海の膳 ニューこのり I 宮城県牡鹿郡女川町

そういえば春くらいに移転するという話でしたよね。ドラマに登場した、あの味のあるプレハブ店舗でもう食べられないのは残念ではあるけど、それにしても仮店舗から本来の場所に再オープンできたことは、本当にめでたい。被災地が少しずつでも復興に向かっていることをこうやって知れるというのは、ドラマを観て、さらに聖地巡礼で現地の様子を見てきた身としては、すごく嬉しいことです。ああ、新店舗への巡礼に改めて行きたいなあ。

ドラマ Season6 のほうは、私が収集している情報によると既に半分ほどの撮影を終えているようです。私もそろそろ聖地巡礼に動き出さなくてはと考えているのですが、その前にやらねばならない大きなことが一つ残っています。さて。

投稿者 B : 23:56 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/03/30 (Thu.)

映画『3 月のライオン』前編 @イオンシネマ ユーカリが丘

ユーカリスタジオに遊びに行った帰りに、そのまま同ビル内にあるイオンシネマにて鑑賞。ギリギリ 3 月中に観に行けました。

3 月のライオン 前編

漫画やアニメの実写化ってあまり賛成しない派なんですが、この作品は期待していました。配役が外見上もかなり原作のイメージを踏襲しながら、実力も兼ね備えた俳優陣が揃っていることと、予告編もちゃんと原作の世界観を踏襲した雰囲気だったので。と思ったら、監督は『るろ剣』実写版の人と知って納得。あれも漫画の映画化としてはちゃんとしてたからなあ。

私は漫画原作は未読ですが、先日まで NHK で放送されていたアニメは一通り観ました。この実写映画前編は、基本的にこのアニメの 1st シーズンとほぼ同じ部分について映画化したものでした。が、新人王戦とか後藤関連とか、ちょいちょいアニメ版には未出のエピソードが織り交ぜられていて、若干ネタバレ食らわされた感があります(;´Д`)ヾ。

配役に関しては、主人公・零を演じた神木隆之介はもう彼しかいないというか、彼がいたからこれが映画化できたんじゃないかと思えるほどのハマり役ですね。中でも「みんなオレのせいかよ!?」の絶叫シーンは特に圧巻でした。
他にもこんなあかりさんがいる家になら俺だって転がり込みたくなる倉科カナとか(ぉ)、スクリーンに出てきた瞬間に「島田だ!」と理解できてしまった佐々木蔵之介とか、押さえるところをちゃんと押さえています。特殊メイクで二階堂役を演じた染谷将太は「怪演」と呼ぶべき弾けっぷりでしたが、個人的には二階堂の「アツいんだけどちゃんと育ちの良さを感じるキャラ」の後者の方がどうも足りていない感はありました。林田先生役の高橋一生もイイ味出してたけど、静かな職員室で PC 画面(対局中継)を見つめながら突然バンザイするシーン、完全に巨災対の安田じゃないか(笑

でも一方で、何でもかんでもイメージ通りでキレイに作っていたら「よくできた映画化」以上にはなり得ないわけですが、そこにあえて引っかかりを作ったのは零の義姉・香子を演じた有村架純ではないでしょうか。超正統派のイメージが強い彼女にこれだけ棘のある役をやらせつつ、ちゃんと成立している。『ビリギャル』もやっていたので崩れた役の経験はもちろんあるんでしょうが、ここまでダークサイドというか、キツい役どころは今までになかったはず。そのギャップも含め、彼女の存在がこの作品を締めていると感じられました。

原作へのリスペクトに溢れた良い映画だと感じましたが、唯一惜しいのは「ちょっと重すぎる」こと。アニメでも半年かけた内容を二時間強の映画に詰め込んだからやむを得ないのでしょうが、アニメではシリアスなエピソードに川本家や林田先生に絡んだ緩いエピソードをうまく挟んで緩急がついていたのに対して、この映画版ではそういうシーンが序盤くらいしかなく、とにかくシリアスで重いシーンの連続。終演後にはどっと疲れていました。それだけ、将棋シーンも含め緊迫感のある良い映像だったということでもあるのでしょうが。

後編は 4 月下旬の公開。アニメ版を観る前に先のストーリーを知ってしまうのはちょっと悔しいんですが(笑)、公開されたらそちらも観に行く予定です。

3 月のライオン 1 [Blu-ray]

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2017/03/25 (Sat.)

機動戦士ガンダム サンダーボルト #5 [PS Video]

OVA 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』2nd Season の配信が始まりました。

機動戦士ガンダム サンダーボルト

1st Season は PS Video のデジタルセルスルー版を購入し、途中からはガンダムファンクラブの先行配信で観ていましたが、今回はいずれ劇場版としてまとめられることが最初から判っているしレンタル版でいいかー、と思い PS Video の HD レンタル版で視聴。

2nd Season は地球編ということで、これまでのサンダーボルト宙域での戦いとは全く違う展開になるかと思ったら、冒頭は『DECEMBER SKY』のエンディング映像からそのまま続く話になっていました。一年戦争のア・バオア・クー戦をホワイトベース隊以外の視点で描いた映像は少なくともアニメ作品としてはこれまでになく、見応えがあります。ア・バオア・クーでのホワイトベース隊の活躍は限定的なものにすぎず、「戦いは数」を地で行く作戦でしたが、そういう視点で観るとまた面白い。イオもダリルも活躍しない戦いながら、このシーンが個人的には今回の中で一番面白かったように思います。

後半は一年戦争の終結後、地球に降りたダリルたちリビング・デッド師団と、ジオン残党狩りのために地球降下作戦を決行する連邦軍の一部隊。そこにジオン残党軍のコムサイが特攻を仕掛けて...というところで「続く」となるわけですが、それも含めて今回は地球編のプロローグ兼「アトラスガンダム」のお披露目回という位置づけになっています。アトラスガンダムは...宇宙世紀シリーズ以外ならば「アリ」と思える面白いデザインだけど、宇宙世紀それも一年戦争の時間軸に登場すると違和感ありまくりますね。そもそも一年戦争世代でガンダムの派生機がどんどん出てくるとちょっと興ざめしてしまうんですが、まあ「ガンダム」が出てこないと売れないんだろうしなあ(´Д`)。
とはいえ狙撃戦が中心だった 1st Season とは違い、地球編では必然的に接近戦や戦略の重要性が増しそうなので、どういう展開になるかは期待したいと思います。

投稿者 B : 21:20 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/03/24 (Fri.)

機動戦士ガンダム Twilight AXIS

「機動戦士ガンダム Twilight AXIS」アニメ化決定!ガンダムファンクラブにて6月より独占先行配信! | GUNDAM.INFO | 公式ガンダム情報ポータルサイト

ガンダムシリーズの新作がアニメ化されることが明らかになりました。タイトルは『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』、タイトルの通り小惑星アクシズにまつわる物語で、時系列としては『UC』の少し後ということになるようです。原作はサンライズが運営する「矢立文庫」で昨秋から連載されている小説。宇宙世紀ファンとしては気になるけどテキスト読むのめんどくさいしアニメ化前提だろうからそれを待っていたところ(ぉ)思っていたよりも早く制作が発表されました。

【作品紹介】機動戦士ガンダム Twilight AXIS | 矢立文庫

今回の主役機は「ガンダム AN-01 [トリスタン]」とのこと。どうやら『ポケットの中の戦争』に登場したガンダム NT-1 [アレックス] の流れを汲む MS らしいですが、なぜラプラス事件の後の時代にあえてアレックス系なのか...。そこはせめて量産型 ν ガンダムとかじゃないの?と思ったけど、まあ時代背景としてはラプラス事件の後にサイコフレーム技術は完全に封印されているだろうからサイコフレームやバイオセンサー関連の技術は使えないだろうし、そうなると必然的にアナハイム製ではなく連邦工廠製のガンダムを引っ張り出してくることになるわけで、アレックスか Mk-II くらいしかない、ということなのでしょうか。設定画を見るといかにもアレックスと Mk-II をミキシングビルドしたようなデザインになっていて、宇宙世紀ものというよりこれなんてビルドファイターズ感が強い(´д`)。

いろいろと不安はありますが、『UC』の後の話がどうなるかは気になっていたので楽しみです。とりあえず手を付けていなかった小説でも読んでみますかね。

投稿者 B : 23:00 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/03/23 (Thu.)

ひるね姫 ~知らないワタシの物語~ @新宿バルト 9

先日公開された神山健治監督の新作映画『ひるね姫』を観に行ってきました。

ひるね姫 ~知らないワタシの物語~

ひるね姫

神山監督と言えば『攻殻機動隊 S.A.C.』や『東のエデン』といったサイバー要素の強い SF というイメージが強いのに、それが今回は女の子が主人公の映画ということでどんな話になるのか全く想像がついていませんでした。しかもテーマは「親子の絆」とのことで、さらに神山監督っぽくないと言ったら怒られるかな(笑。
しかし実際に映画が始まってみたら、自動運転車や VR、ロボットといった現代のテクノロジーキーワードが満載。おお、確かにこれは神山監督っぽい(笑

ストーリーは、四国岡山在住の高校生・森川ココネが、夢と現実の間を行き来しながら自分の「家族の秘密」に近づいていくというお話。

夢が重要な役割を果たす話というと先日も『君の名は。』がヒットしたばかりですが、必然的にファンタジー的な物語になりがちなもの。序盤のタッチがともすると女児向けアニメっぽい雰囲気であることもあって、最初は自分がどういうテンションでこの物語に入り込んでいけばいいか分からず戸惑いましたが、自動運転やタブレットといったテクノロジーキーワードが出始めたところでようやく流れに乗れました(笑。
「夢」が物語の鍵というだけあって、現実と夢の行き来で少しずつ謎が解けていく様子はゲーム的でもあります。が、途中から現実と夢の境界が(おそらくは意図的に)曖昧になって、「ここはきっとこういうことなんだろうな」と脳内で意味を補完しながら観る必要があります。それはそれで想像力を必要とされて面白くはあるんですが、クライマックスだけは「現実の方はなんでこうなっちゃったのか」の説明が全くなく、若干肩透かしを食らってしまいました。親子の絆を感じる最大の見せ場なんだから、そこはファンタジーにしないでほしかったなあ...。

劇中ではキーアイテムとして見覚えのある PC(笑)によく似た「魔法のタブレット」が現実と夢の両方の世界に登場するわけですが、『東のエデン』に出てきたノブレスケータイ的な演出が仕込まれていてニヤリとさせられてしまいました。ガジェットをこういう演出に使うのはやっぱり神山監督の持ち味だなあ。
ただしガジェット関連は単なる映像上のギミックのために用意されたものも少なくないし、例えば「主人公が眠くなるのは何故か」という最大の謎が最後まで謎のままだったり、要素をたくさん配置しすぎてとっちらかっちゃった感は少しありました。2017 年から 2020 年に向けたトレンドを押さえた映画としてはよくできていると思うけど、もう少し本流のテーマに対してシンプルに描かれていたら、ラストではもっと感動できていたかもしれません。

女の子の親としては「父と娘」という物語を観るといろいろと考えてしまうところはありますね。神山健治監督には娘さんがいらっしゃるとのことで、ああ娘さんがいたら親子関係はこういう感じに描きたくなっちゃうのも解るなあ、と思ってしまいました(笑。私も長女が中学校に入ったら、一緒に観てみるのもいいかなあ。

投稿者 B : 23:50 | Anime | Movie | コメント (3) | トラックバック

2017/03/22 (Wed.)

シン・ゴジラ Blu-ray 特別版

楽しみに待っていた Blu-ray が届きました。

シン・ゴジラ Blu-ray 特別版 4K Ultra HD Blu-ray 同梱 4 枚組

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映画館の大画面で観るのも迫力があってすごく良かったですが、それはそれとして自宅で好きなシーンで止めたりリピートしたりしながら各シーンに隠された仕込みをじっくり確認したくて。
パッケージは当然 4K UHD BD を含む Blu-ray 特別版。まだ自宅には UHD BD 再生環境は何一つないけど、こういう是非観たいコンテンツがあれば環境構築の後押しになるというものです。HDR の高輝度再現力でゴジラの熱線放射シーンがどのように表現されるか、早く観てみたいですよね...。

本編ディスクの方は週末にゆっくり時間を取ることにして今日のところはダイジェスト的に軽く観るか、と思ってディスクを入れたら止まらなくなりそうだったので、グッと堪えて中断(;´Д`)ヾ。とりあえず特典ディスクの内容をチェックしてみました。

特典ディスク I のほうは特報や予告映像が中心で、バージョンはたくさんあるけど似たような映像が多く、やや微妙かなあ。今となっては「ベタな邦画予告風のつくりで作品の良さを(あえて)何も伝えていない予告」が観られるのは貴重ではありますが。

特典ディスク II は膨大なメイキングとアウトテイク集。これを全部観るには時間がいくらあっても足りなさそうなので、これまたある程度かいつまんで観てみました。

メイキングは CG・VFX 周りはこれまでも CGWORLD などを通じて情報が公開されていましたが、実写パートのメイキングに関してはあまり情報が出てきていなかったので、この特典ディスク II の内容は非常に貴重。特に大人数のエキストラを使ったロケシーンは圧巻というだけでなく、南東京の住民的には蒲田や品川という見慣れた街の中で実際にロケが行われている風景がとても面白い。できることなら自分もエキストラとして参加したかったくらいです(笑。
役者さんの登場シーンに関しては、脇役や端役に至るまで実力派の俳優さんが揃っており、各個人が「ゴジラに参加できること」を心から楽しんでいるようだったのが印象的でした。また NG シーンはすごく面白いというわけではないけれど、普段の芝居では使わないような単語の羅列を早口でしかも滑舌良く喋らなくてはならないのにベテラン俳優陣も苦労している様子がうかがわれます。

個人的に興味深かったのはアウトテイク集ですね。画面端に各シーンの撮影に使用されたカメラの機種やファイル名(撮影日入りのファイル名で管理されている)、記録解像度などの情報が添えられていて、どのシーンがどんなカメラで撮影されたかまで分かってしまいます。本作では「ゴジラの様子を市民がスマホで撮影した映像」や「ニコ生的にコメントの弾幕が流れる映像」が演出として使われていますが、そういうのは実際にシネマカメラではなく iPhone などを使って撮影されたものであることは、これまでもインタビュー記事などで言及されていました。それが実際に生々しいファイル名まで入った状態で確認できるというのは、自分がまるで制作プロセスの一員になったかのような感覚で、とても面白い。
実際の撮影前に作成されたプリヴィズ(ビデオコンテ)も長尺で収録されていて、この映画が庵野監督の頭の中では撮影前の時点でほぼ完成していたことがよく分かります。

あと見逃せないのは劇中でもニュース映像として、あるいは劇中に登場するテレビモニタなどに映っている映像として作られたダミーニュースのオリジナル映像がそのまま収録されていること。NHK(劇中の表記は「NIIK」)や民放各局のニュース番組がかなりリアルに作られています。特に被災地の現地レポート映像なんかは六年前の震災当時を思い出させる重さがあり、創作だと分かっていても心臓をギュッと掴まれるような感覚がありました。これ、本作未見の家族の前で休日の朝から流すというドッキリを仕掛けてみたい気もしますが、あまり冗談にならなさそうだな(笑

まだ全部観切れていないので、週末を使ってじっくり楽しもうと思います。UHD のほうはどうしようかなあ...。

投稿者 B : 22:54 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/03/16 (Thu.)

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 3D [Blu-ray]

PS4 のアップデートにより PSVR が Blu-ray 3D の再生に対応したので、これは満を持して『フォースの覚醒』の 3D 版を観るしかない!と思ったのですが、

買 っ て な か っ た

のを忘れていました(;´Д`)ヾ。
3D 版は一般販売されておらず(その後 3D コレクターズ・エディションとして限定発売されたようですが)、ディズニーの MovieNEX CLUB に登録して購入する必要があったのですが、BD を買うまではすぐに 3D も注文する気マンマンだったにも関わらず、BD を買ったら 2D を観て満足してしまい、3D 版の存在を完全に忘れていたという(ぉ

というわけで、改めて MovieNEX に注文しました。この方式本当にめんどくさい。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 3D

中一日でサクッと届いたので、さっそく鑑賞しました。

やっぱり 3D 版は良いですね!特に序盤のミレニアム・ファルコンによるドッグファイトや終盤の X-ウイングによる宇宙戦あたりは最高に楽しい。3D はこういう奥行き感のあるアクション映像でこそ活きる、とさえ思えます。
細かいことを言えば解像度が足りていないからディテールはちょっと甘いし、冒頭の星空のシーンで液晶パネルの黒浮きが見えてしまうのは残念だけど、少なくともこの作品に関しては圧倒的な没入感がそれを帳消しにしてくれます。まるで IMAX の大画面を独り占めしているかのような贅沢さが感じられるのがいい。

欠点はむしろ二時間の映画を観るのには PSVR はやっぱり重いことと、音響がヘッドホンしか使えないことだと思います。ヘッドホンは頭の向きに応じて定位感が変わるわけですが、物理的に 2ch しかないせいか首を振ったときの定位感が薄っぺらいし、マルチチャンネルサラウンド的な感覚に乏しいのが残念。これは音声だけでも外部 AV アンプに繋いで流させてほしくなりますね。HMD の重さに関しては如何ともしがたいので、技術の進歩を待つしかありませんが...。

他に 3D 版で買っている BD はあまり多くありませんが、『ホビット』シリーズはひととおり 3D 版を持っているので今度観てみようと思います。

ちなみに SW では来月発売される『ローグ・ワン』が、最初から 3D 同梱版も一般発売されるようですね。やっぱり MovieNEX で別途注文しなくてはならない仕様は利用者が少なく、通常なら観ないかもしれなくても全部盛りで買ってくれたお客をみすみす逃してしまうことが分かった、ということでしょうか。私はこちらはもう 3D 同梱版を発注済みなので、届き次第 2D・3D 両方で観るつもり。

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー MovieNEX プラス 3D [Blu-ray]

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2017/03/13 (Mon.)

劇場版 ソードアート・オンライン@TOHO シネマズ渋谷

実はテレビシリーズは未見なのですが、AR/VR や AI といった近年のテクノロジーキーワードが盛り盛りの作品ということで、アニメ映画の世界でそれがどのように描かれているのか?というのが気になって、観に行ってきました。

劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-

劇場版 ソードアート・オンライン

VR 世界で展開される MMORPG『ソードアート・オンライン(SAO)』。ではなく、本作のメインは現実世界上に AR で展開される『オーディナル・スケール』。主要な登場人物たちが過去作でどのような活躍をしたかは冒頭で簡単に説明されるので、MMORPG をプレイした経験があれば何となく理解はできます。そして AR ゲーム『オーディナル・スケール』に関しては現代に同様のゲームはまだ存在しませんが、『ポケモン GO』のおかげで現実世界にゲームの世界観を重ねるという概念は、既に多くの人が体験済みでしょう。『ポケモン GO』はポケモン捕獲シーンが AR モードを持っているせいで「あれが AR」という理解をされがちですが、現実の位置情報を使ってリアルワールドにゲームの世界観を重ねているという点で、『ポケモン GO』というゲームそのものが AR ゲームである、という定義ができるのだと思っています(このあたりは西田宗千佳氏の著書『ポケモン GO は終わらない』を参照のこと)。

本作では「オーグマー」と呼ばれる AR デバイスによって、現実世界に CG ベースの視覚情報を重ねるという設定になっています。我々が生きる現実社会でも HoloLens 等の AR デバイスがその道を拓こうとしていますが、オーグマーレベルの表現が可能になるまではあと数年はかかるでしょう。VR や AR がまだ一般に普及しているとは言えない 2017 年において、「VR と AR の違い」を作中で分かりやすく理解させてくれる貴重な資料でもあると思います。
客層も幅広いけど十代が多く、報道では「VR は早くも落ち目」みたいなことが一部で言われ始めていたりしますが、たぶんこういう作品を通じてテクノロジーの未来に自然に触れた若者から順に、VR/AR は普通に浸透していくのかもしれません。

ストーリー自体はあまりひねったところはなく、電脳世界バトルものとしてオーソドックスに作られている印象。一部、過去作未見の私には理解できない単語やエピソードも出てきましたが、それなしでも十分に楽しめる内容でした。おそらく「AR と VR の関係性」という大きめのギミックが仕込まれているせいで複雑な伏線をあえて外したのでしょうが、それで良かったようにも思います。
クライマックスはケレン味に溢れたアクションと梶浦由記の音楽によってこちらの INT が下がる効果があり、力業で感動させに来てる感がありました。RPG で吟遊詩人や踊り子がステータスアップのアビリティを使うのは定番ですが、現代音楽を使って映像に落とし込むとマクロスっぽい雰囲気になるんですね。その楽曲を梶浦由記が手がけるというのはやや反則だろという気もします(ぉ

そういえばオーグマーの開発者が東都工業大学(東京工業大学のもじり)教授という設定がありましたが、『ベイマックス』といい、地方だとほとんど誰も知らないような地味な大学なのに、最近やたらとネタにされますね...。

半分は資料のつもりで観に行きましたが、思っていた以上に面白かったです。これは遡って過去作も観てみたくなりました。

投稿者 B : 22:00 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/03/02 (Thu.)

ラ・ラ・ランド @109 シネマズ川崎

今最も話題の映画を観てきました。

ラ・ラ・ランド

ラ・ラ・ランド

アカデミー賞以前に、ミュージカル映画でなおかつ私が大好きなジョン・レジェンドが出演している時点でなんという俺特映画!公開を楽しみにしていました。そしてチケットだけ予約していたら、観に行く前にアカデミー賞が発表されてしまい、しかも「間違えて作品賞受賞と発表されてしまう」という前代未聞のアクシデントによってさらに話題になってしまったという(笑。
劇場はどこにするか迷いましたが、これは音の良いハコで観るしかないと思って川崎の IMAX まで行ってきました。平日夜にも関わらずほぼ満席、注目度の高さがうかがえます。

ヒロインのミアを演じるのは『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでグウェン役だったエマ・ストーン。出演作を観たのは久しぶりですが、こんなに歌える女優さんだったとは。中盤くらいまでの曲はウマすぎない程度に上手いという感じだったのが、クライマックスの "Audition (Fools Who Dream)" を歌い上げたときのスケールの大きさといったら!これには圧倒されました。
そして主人公セバスチャンがピアニストとして働くレストランの主人ビル役がサム・ライミ版『スパイダーマン』で新聞社の編集長を演じていた J・K・シモンズ、という組み合わせに妙な縁を感じます。しかもこの役どころが J・K・シモンズらしすぎて、つい声を出して笑ってしまいました(笑
個人的にはやっぱりセバスチャンの音楽仲間・キース役のジョン・レジェンドのライヴを大スクリーンで堪能できたのが何よりの感激。欲を言えばもうちょっとアコースティックな曲が聴きたかったですが、そうするとストーリーが成立しなくなってしまうから仕方ない。

映画のテーマは一言で言えば「ショービジネス界で夢を追う男と女のラブストーリー/サクセスストーリー」。ハリウッドのミュージカル映画では王道中の王道という話で、大筋で言えば他のミュージカル映画と大差ない展開ではあるんですが、こういうショービジネス愛に溢れた作品をアカデミー賞に全力でノミネートしてしまうのがアメリカ映画界らしいところでもあります。ミュージカル的にはオープニングの群像ダンスシーンが最大の見せ場の一つで、最初からいきなりこの映画の世界観にグイッと引っ張り込まれるエネルギーを持っています。
しかし物語そのものはショービジネス界の話ではあるんですが、「夢を実現するとはどういうことか」という、人生における普遍的な問いをテーマにした作品でもあります。「本当にやりたいことをやりたかったら、まずは稼げるようになってから」というのはショービジネスに限らず言える話。古くさい価値観かもしれないことを恐れずに言えば、若い頃は青臭いことを言っていたけど夢を叶えるために自分を抑え、それでも最後には自分の夢を叶えて愛する人を待ち続けた男の純粋さと、段階的な成功よりも夢を叶えるという自分の気持ちに正直であり続けた女の純粋さを対比した話でもあると思います。自分自身も大人になり始めていた頃にこんな思いをしたよなあ...と少しほろ苦く感じたりもして、だからこそあのラストシーンは切ない。

音楽も素晴らしかったし、マジックアワーを印象的な場面で使ってくる映像もずるい。そして何より、ミュージカル「映画」であることにこだわり、映画ならではの構図やカット割りを駆使した音楽シーンが、自分自身が映画の一員になったかのようで引き込まれます。
良い映画でした。映画というよりもむしろミュージカルを一本観に行ったような気分でした。これは上映期間中にもう一度観に行きたいなあ。

投稿者 B : 22:22 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/03/01 (Wed.)

『孤独のグルメ Season6』4 月より放送決定

松重豊「孤独のグルメ Season6」4月放送開始!故谷口ジローさんへ追悼コメントも発表 : 映画ニュース - 映画.com

孤独のグルメ

年明け早々に制作が発表されていたドラマ『孤独のグルメ Season6』ですが、テレビ東京では来月 4/7 から放送開始されることが明らかになりました。

先日のお正月スペシャルでは確かに「春からの企画、決まったか」というゴローちゃんのメタ発言があったので、早ければ春クールもあるのかとは思っていましたが、いやー松重さんもスタッフも他の仕事で滅茶苦茶忙しそうだしいくらなんでも...とも考えていたので、みんながんばるなぁ(;´Д`)というのが正直な感想です。でも今までのシーズンで 4 月クールの放送はなかっただけに、春先から初夏にかけてのドラマがどのようなものになるか、今から楽しみでもあります。

今回はレギュラードラマ中に地方出張編が含まれるとのことですが、実はもう 2 月中に大阪で松重さんのロケ目撃情報が出ていたり、久住さんも仕事で大阪に行っていたことをツイートしていたりするので、おそらく第 2~3 話あたりで大阪編が放送されるのではないでしょうか。何らかの形で例のたこ焼き屋台が登場してくれたら盛り上がるんだけどな~。
というわけで、今のうちからいつ大阪に遠征するか、予定を考えているところです(ぉ

孤独のグルメ

久住さんや川村プロデューサーが発表に寄せたコメントの中には、先日永眠された谷口ジロー先生へのお悔やみの言葉も含まれていて、改めて本当に亡くなっちゃったんだなあ...と寂しく思います。今までであればドラマ放送開始に合わせて漫画の新作が SPA! に掲載されることもありましたが、これからはそういうこともなくなってしまったわけで。劇中で、それとなく谷口先生を悼むような演出が仕込まれていたりしたら、ついグッときてしまいそうな気がしています。

ともあれ、放送開始まであと一ヶ月あまり。私も聖地巡礼に向けて体調を整えておかないと(ぉ。

久住昌之、谷口ジロー / 孤独のグルメ 2

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投稿者 B : 23:56 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/01/24 (Tue.)

マクロス Δ の世界展

池袋パルコで開催されている『マクロス Δ』のイベントを見に行ってきました。

マクロスΔの世界展 | PARCO MUSEUM | パルコアート.com

マクロス Δ の世界展

そういえば以前もパルコにマクロスのイベント見に来たなー、と思い返してみたらあれはもう四年半前のことだったんですね。時間の経つの早すぎ(;´Д`)ヾ。

イベントのキービジュアルはもちろんワルキューレ...と思ったら、なんかメンバーでもないミラージュがセンターなんですけど(笑。

マクロス Δ の世界展

展示は前半がキャラクターデザインやメカデザインなどの設定周り、後半が作品の世界観再現、という内容。前半がほぼ撮影禁止だったのが、資料価値ある内容だっただけに残念です。

キャラクターデザインはメインキャラに関しては一稿の候補案から掲示されていて、検討の変遷を窺い知ることができます。フレイアがもう少しお姉さんっぽいイメージの案があったり、美雲は当初もっと正統派アイドル的な見た目だったり、カナメに関しては年齢ももう少し上がってグループのリーダーではなくマネージャー的な位置づけだったっぽかったり、とても興味深い。ここからシナリオに合わせてキャラクターの割り振りが追い込まれていった結果今のデザインに落ち着いたのでしょうね。
ただワルキューレ以外のキャラについてはある程度デザインが固まって以降の原稿しか展示されておらず、そこはもう少し深掘りして見たかったです。

マクロス Δ の世界展

メカデザインの展示についても撮影 NG だったので、上は場外に展示されていた DX 超合金 VF-31F のサンプルです。メッサー機のバトロイド形態はもしかしてこれが初公開ですかね(ホビー関係のイベントは追っかけてないので分かりませんが)。DX 超合金は J 型を買った人の評価が高かったので、F 型が出たら買おうか思案中。

メカ系の展示は普段あまり見ることのできない、レゴブロックを使った河森監督お手製の「ドラケン III」の変形原理試作が展示されていたのに感激しました。ジークフリードは主人公機らしい格好良さがあるけど、ドラケン III は従来のバルキリーとは全く違う変形機構を採っていて、メカ的にむちゃくちゃ興味深いんですよね。本当はこの辺の工夫に関する解説があるともっと嬉しかったんですが、特になし。そういうのが知りたい人はプラモ買って自分で理解してね、ってことなんでしょうが(;´Д`)ヾ。

マクロス Δ の世界展

後半は世界観の展示。ワルキューレのステージをイメージしたもの、ウインダミアの玉座をイメージしたもの(玉座に座って写真撮影可能)、あとなぜかクラゲ祭りをイメージしたもの(笑。これらは展示面積的には前半よりも広いですが、内容は薄めでさらっと見ていく感じ。

マクロス Δ の世界展

ここにはワルキューレと空中騎士団の(ほぼ)等身大パネルが展示されています。しかし主人公のパネルはナシ(笑

マクロス Δ の世界展

この(ほぼ)等身大パネル、塗りが本当に美しくてつい引き込まれてしまいます。いつまでも眺めていたい。

マクロス Δ の世界展

大満足、というほどのボリュームではありませんが、『マクロス Δ』の世界をより深く知れるという意味ではなかなか面白い展示でした。隣では『君の名は。』カフェも期間限定オープン中だし、併せて楽しめます。

個人的には『マクロス Δ』はメカや楽曲がとても好きだったのに終盤のシナリオがあまりに残念だったんですよね。『F』のときみたいに劇場版にリメイクしてくれませんかね...。

マクロス Δ 01 特装限定版 [Blu-ray]

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STAR WARS: The Last Jedi

【やじうまPC Watch】スター・ウォーズ エピソード8の副題は「最後のジェダイ」 - PC Watch

『スター・ウォーズ』Episode VIII のサブタイトルが正式発表されました。それも「The Last Jedi」。

最後のジェダイ、つまり『フォースの覚醒』のラストシーンに登場したルーク・スカイウォーカーにまつわる話がストーリーの軸になることを予想させる副題。つまり、Ep6~7 の間に自分の甥、つまりハン・ソロとレイアとの間に生まれた子ベン・ソロをジェダイとして育成しようとした結果彼がダークサイドに魅入られてカイロ・レンと名乗る結果となり、ルークが絶望して隠遁するまでの経緯が語られることは間違いないでしょう。そして先日演者であるキャリー・フィッシャーが鬼籍に入ってしまった(が、Ep8 の撮影までは完了していたとのこと)レイアの出番も数多くあるに違いありません。ジェダイが暗黒面に堕ちる話ということで重い話になることが予想されます。

また「The Last Jedi」という語感には『ラスト・サムライ』を想起させるものもあります。『ラスト・サムライ』は最後は悲しい結末でしたが、SW でもラスト・ジェダイが滅びてしまう話となるのか。まあジェダイ不在でライトセーバー戦のない SW はクリープを入れないコーヒーのようなものなのでそれはないでしょうが(笑、ルークはレイにフォースを伝授するのでしょうか。そして、レイの生い立ちやジェダイとの関連性についても何らかの進展があるに違いなく、そこも楽しみです。

最近ようやく『ローグ・ワン』熱が落ち着いてきたところだったのに、また Ep8 が楽しみでたまらなくなってきました。早く年末にならないかな(まだ 1 月)。

タカラトミー / スター・ウォーズ/フォースの覚醒 ベーシックライトセーバー ルーク・スカイウォーカー

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2017/01/20 (Fri.)

GUNDAM THUNDERBOLT 2nd Season

「ガンダム サンダーボルト」第2シーズン、3月24日配信開始。劇場版は'17年秋 - AV Watch

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』二期の配信スケジュールが発表されました。

一期も総集編である劇場版のエンディングが次を予感させるつくりで、続編制作やる気マンマンじゃん!という感じだったので特に驚きはありません。前回との違いは、一期が配信スケジュールが逐次公開、劇場版やライヴイベントなどが後追いで決まっていく感じだったのに対して、二期は最初から全体の配信スケジュールと劇場版の予定まで決まっているという周到さ。一期の収益が思ったより良かった、ということなんでしょうね。そもそも『UC』の主要スタッフが担当しているという時点で、一定以上売れてくれなきゃ困るという部分もあるんでしょうが。

一期は一年戦争終盤の戦闘を描いていましたが、エンディングでア・バオア・クー決戦を示唆する描写があったため、二期は一年戦争終結後の話になります。私は原作未読のため詳しくは知らないのですが、つまりは連邦軍による地上のジオン残党狩りが描かれるということになりそうです。今回もイオ・フレミングとダリル・ローレンツの二人の因縁を巡る話になるとみて間違いありません(余談ですが、「フレミング」と「ローレンツ」はいずれも中高物理で登場する電磁場の力にまつわる言葉で、この名前が二人の引き合う宿命を暗示しているっぽい)。
地上戦となれば必然的に接近戦が多くなるわけで、狙撃シーンの多かった一期とはまた違う戦闘シーンを見られることが期待できそうです。ただ、今回の主役機「アトラスガンダム」は一年戦争期の世界観から外れすぎていて、さすがにいただけない。一期もサブアームで盾がグネグネ動くガンダム/ジムや超高機動サイコ・ザクなど時代設定から飛んだメカでしたが、さすがにアトラスガンダムは世界観無視すぎじゃないかと...。まあ、これがアニメになったらむちゃくちゃカッコ良かったりするのが『サンダーボルト』なので侮れないわけですが...。

とりあえず初回は 3 月下旬ということで、楽しみに待ちたいと思います。

太田垣康男 / 機動戦士ガンダム サンダーボルト (4)

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投稿者 B : 23:59 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/01/05 (Thu.)

川崎チネチッタ「LIVE ZOUND」を体感してきた

立川シネマシティの「極上爆音上映」を体験したら、次はここと比較しないわけにはいかないでしょう。

チネチッタ | 川崎駅から徒歩5分、12スクリーンの映画館

川崎チネチッタ

川崎に古くからある映画館「チネチッタ」。私は一時期近隣で働いていたことがあったり、川崎ヨドバシは以前からよく利用することもあり、昔はチネチッタをよく利用していました。
が、この十年余の間に、近隣に TOHO シネマズ・109 シネマズという大手系シネコンが立て続けにオープンし、また都内にも TOHO シネマズ日本橋・新宿、IMAX に対応した T・ジョイ品川と有力シネコンが増えてきたため、設備的に見劣りするようになったチネチッタは以前ほど利用しなくなっていました。が、昨年 9 月に音響に特化した「LIVE ZOUND」という特別興行を開始。明らかに立川シネマシティを意識した展開ですが、やはり独立系シネコンとしてはそういう大手とは違う路線で差異化する必要があるということでしょう。

というわけで、先日シネマシティに行ったその足で川崎にも行ってきました(ぉ。南武線の端から端、各駅停車だと一時間弱、快速でも 41 分。ちょっとした小旅行です。

川崎チネチッタ

「LIVE ZOUND」は近隣にある同系列のライブハウス「クラブチッタ」の音響スタッフが手がけたサウンドシステムということで、同じ音響重視といってもシネマシティとは少し方向性が違います。

鑑賞したのは『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』。これで四回目の鑑賞です(ぉ。でも何度観てもあのラストシーンは泣ける。
スクリーンは「CINE 8」。チネチッタ内で最大の、532 席のスクリーンになります。

川崎チネチッタ

チネチッタは、シネマシティに比べるとごく一般的なシネコンの設備。スクリーンはこちらのほうが大きいし、シートはヘッドレスト付きの深めのシートで、少し見上げるような視聴位置でも首が疲れることはないし、何より前のお客さんの頭がスクリーンにかぶることがないのがシネマシティとの大きな違い。
スクリーンが大きいので座席は I 列(9 列目)あたりがちょうど視界いっぱいにスクリーンが映る位置かと思います(上の写真は上映前なのでスクリーン左右にマスクがかかっていますが、シネスコ版の本編上映時にはマスクが外れてさらに横長になります)。

川崎チネチッタ

スピーカは、d&b audiotechnik の V8×4+V12×2 をラインアレイ化して左右チャンネル、およびスクリーン裏のセンターチャンネルに配置しているようです。私は業務用 PA 機材には詳しくないですが、シネマシティの Meyer ラインアレイシステムに負けないポテンシャルを秘めていそう。
ただ、天井からこのスピーカを吊っているフレームは何故わざわざ白くしたのか...。上映中は客電は落ちているとはいえ、画面が明るくなるシーンではスクリーンの反射光でこのフレームが光って視界に邪魔なものが見えてきてしまいます。おそらくクラブ的な発想でスピーカ周辺を目立たせたかったのでしょうし、上映中のそんな問題は百も承知の上でやっているのでしょうが、個人的にこれはちょっといただけないなあ...。

川崎チネチッタ

サブウーファは同じく d&b の J-SUB×4。コイツが非常にパワフルな低音を鳴らしてくれます。

音の方は、上映前の CM からシネマシティ以上に通常上映との違いが分かる音。ナレーションやセリフ(特に男性)の声の響きが太い(笑。むしろ響かせすぎでは、と思ってしまうくらいボワボワした響きで、本編上映中もセリフはちょっと聞き取りづらかったですね...。ホールの作り自体が音響的にライブなのでよく響いている感じ。
低音以外の音も、シネマシティ以上に全体的な押し出しが強い印象。シネマシティがダイナミックレンジ重視なのに対して、チネチッタはとにかくテンション高く鳴らしまくる感じ。アクションシーンなんかはとにかく爆音の渦に包まれる感じで良いんですが、静かなシーンまで一本調子なのでメリハリがないんですよね。シネマシティを知らなければこれでも楽しいと感じたかもしれませんが、シネマシティと比較するとライブハウス的すぎて「映画としての音作り」という意識に欠けているのかなあ、と感じました。

でもこれ音楽メインの映画だったらきっと楽しいだろうなあ。例えばもし『マクロス Δ』の劇場版が作られるようなことがあれば、ここで聴いてみたいところです。

投稿者 B : 22:00 | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/01/04 (Wed.)

立川シネマシティ「極上爆音上映」を体感してきた

冬休みを利用して、以前から気になっていた映画館・立川シネマシティに行ってきました。

立川の映画館 シネマ・ワン&シネマ・ツー|シネマシティ

立川シネマシティ

シネマシティといえば『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『ガールズ&パンツァー 劇場版』で映画ファン、アニメファンに知られるようになった「極上爆音上映」で有名です。これのためにわざわざ市外から立川まで観に来るお客さんも少なくないようで、私もずっと気になっていたんですが、なにせ立川は遠い(´д`)。移動時間と上映時間を足したらほぼ一日使ってしまうようなものなので、まとまった休みでもないとなかなか行く気合いが出せませんでした。

立川シネマシティ

鑑賞した作品は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』。実はこれが私にとって三回目の鑑賞です(笑。だって初めて観る作品だと、映画本来の音作りとの違いが分からないじゃないですか。そういう意味では、一度 IMAX で観ているので、本来意図された音響に限りなく近い環境との比較ができるはずです。

立川シネマシティ

館内にはこんな貼り紙がされていました。シネマシティは「極上爆音上映」があまりにも有名ですが、低音を控えめにして繊細な音響を重視した「極上音響上映」も実施しています。というより「極上音響上映」が先にあって、そこにウーファの爆音を足した「極上爆音上映」が生まれたと言った方が正しいでしょう。それくらい素の音響にこだわっているという点で、観る前から期待が高まります。

ちなみにチケット代は通常なら ¥1,800 ですが、このシネマシティの有料会員制度である「シネマシティズン」に入会すれば半年会費 ¥600 を払うことで鑑賞料が ¥1,000 になります(ただし土日祝日の昼間は ¥1,300)。つまり一回きりしか鑑賞しなくても入会したほうがお得。せっかく交通費を払って立川まで来ているわけだし、私は迷わず入会しました。

立川シネマシティ

私が鑑賞したのはシネマ・ツーの a studio。シネマシティは二棟の建物からなるシネコンですが、シネマ・ツーのほうが新しいビルで、設備も全体的に新しく、このシネマ・ツー a studio が実質的なフラッグシップスクリーンとなっているようです。

中に入ってまず驚いたのが、照明が一般的なシネコンとは全然違うこと。普通は上映前にはうっすらと電球色の地灯りがついているものですが、ここは各シートにまるでキャンドルのような電灯が備え付けられており、ちょっと幻想的な雰囲気で「これから映画を観るんだ」という気分を盛り上げてくれます。

立川シネマシティ

382 という席数にしてはスクリーンは小さめ。IMAX とか TCX といった最近の大画面化の傾向に慣れていると、意外なほど小さく感じます。私は事前 Web 予約の時点で座席表を確認してスクリーンが小さそうだな、と思ったので、前寄りの E 列(4 列目)の席を確保しました。するとやや見上げる感じにはなるものの、視界いっぱいにスクリーンが映ってイイ感じ。首が疲れそうならば F~G 列くらいでもいいでしょうが、それより後ろだと画面サイズ的には物足りないかもしれません。
画質はまあ普通でしょうか。IMAX の大画面かつバキッと高コントラストな映像にはさすがに勝てませんが、ここは映像よりも音響を楽しむための映画館だと思うので、及第点でさえあれば十分です。

立川シネマシティ

音響設備は、フロントが Meyer Sound の LEOPARD スピーカ×6+900-LFC ウーファ×1 をラインアレイ化して左右に備えています。さらにスクリーン裏には LEOPARD×8 がセンタースピーカとして隠されている模様。本来はより大規模なコンサートホール用の機材で、このサイズのシアターとしてはオーバースペックですが、それが「極上音響」に寄与しているわけです。

立川シネマシティ

スクリーン下には同じく Meyer の 1100-LFC サブウーファ×2(ドライバは計 4 発)設置されています。これが「爆音」の発生源。

で、この設備から発せられる音はというと。
『ローグ・ワン』では、まず冒頭に登場する帝国軍クレニック長官のシャトルの飛行音が「ドゴゴゴゴ...!」という、小型シャトルではなくむしろスター・デストロイヤーかよ!と言いたくなるような爆音から始まります。その後も全編通して非常にダイナミックレンジの広い音。かつ、前方の席にいると爆発音のあるシーンでは 1100-LFC から発せられる音の衝撃波を身体全体に受けることができ、単なるサラウンド音響とは違う臨場感が得られます。映画の音響でこまで楽しいと思えたのはこれが初めてかもしれません。
「爆音」という名前がついているのでずっとズンドコうるさいのかと思いきや、静寂のシーンでは静けさを、音楽を鳴らすべきシーンでは音をちゃんと聴かせてくれる印象で、映画一本観終わる頃には爆音上映であることを忘れて、これ自体が映画音響のスタンダードだと錯覚するように、音を自然に感じられていました。爆音はあくまでプラスアルファの要素で、基本の「極上音響」を重視しているからこその音の良さなんでしょう。

映像と音響を総合した映画体験という意味ではやはり IMAX や TCX+ドルビーアトモスが最もクオリティが高いと思いますが、独自に作り込まれた音響空間で他の映画館とは違う体験ができる、という意味ではこの「極上爆音上映」は一つの世界観を完成させていると思います。

立川シネマシティ

『ガルパン』では劇場版を制作した音響スタッフ自らがこのシネマシティの音響調整を手がけ、「聖地」として一年を超える異例のロングラン上映が続いています。ファンのみなさんの熱いメッセージも貼られていて、この「極上爆音上映」を最も濃く体験できるのであれば『ガルパン』をまだ観たことのない私も一度ここで観てみたいかも、と思ってしまいました。ただ自宅から一時間以上かかるんだよなあ...。

近年ではショッピングセンターにシネコンが入ったり、旧来の映画館も大手系列のシネコンとしてリニューアルしたり、どこに行っても一定以上のクオリティで映画が楽しめる環境ができたこと自体は素晴らしいことだと思っています。が、一方で独立系映画館には厳しい時代。その中を「極上音響/爆音上映」と「シネマシティズン制度」という独自性で唯一の存在感を発揮しているシネマシティは非常にユニークな存在だと思います。音響重視の映画で観たいものが出てきたら、もう一度ここに足を運びたいところです。

投稿者 B : 21:59 | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/01/03 (Tue.)

『孤独のグルメ Season6』制作決定

昨夜、テレビ東京にて『孤独のグルメ お正月スペシャル ~井之頭五郎の長い一日』が放送されました。

孤独のグルメお正月スペシャル~井之頭五郎の長い一日:テレビ東京

孤独のグルメ

これまでのスペシャル版と違い、出張編ではなく首都圏でのロケ。冒頭の夢シーンの撮影がテキサスを模した九十九里で行われていたあたり、Season1 における浦安パリを彷彿とさせ、ずっと追いかけてきたファン的にはニヤリとさせられる場面が数多くありました。また過去に登場したお店から、川崎の「つるや」枝川の「アトム」が再登場(ただしどちらも振られる)したのも胸熱。ただし劇中に出てきたとおり、「アトム」は本当にもう閉店してしまっているようで、寂しい限りです。やはり聖地巡礼は放送終了後なるべく早いうちに行かなくてはならないな、という思いを新たにしました。

孤独のグルメ

そして放送終了後に『Season6』の制作決定と、この一年間に放送されたスペシャル版ドラマ三本(旭川編・宮城編と今回のお正月スペシャル)の Blu-ray BOX 化が告知されました。Season6 の放送時期に関しては明言されていませんが、制作スタッフが現在『野武士のグルメ』の撮影にかかっていることを考えると、早くても 7~9 月クール、遅ければ 10~12 月クールになるんじゃないでしょうか。いずれにしても、これまでは放送一ヶ月前が情報解禁日だったので、こんなに早く(仮に 4~6 月クールの放送だったとしても三ヶ月前)告知されるというのは異例。テレビ東京としてもそれだけ期待しているシリーズということなのでしょう。もし撮影予算が増えたとしたら、今度は台湾よりも遠方でのロケもありかねないわけで、聖地巡礼組としては今から戦々恐々としています(;´Д`)ヾ。

とにかく、まずは Season6 が始まる前に残りの聖地巡礼を済ませてしまおうと思います。

孤独のグルメ スペシャル版 Blu-ray BOX

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2016/12/20 (Tue.)

『シン・ゴジラ』Blu-ray 発売日決定

「シン・ゴジラ」が'17年3月22日BD/UHD BD化。初公開映像満載の特典BD - AV Watch

今年は映画の当たり年でしたが、中でも最もインパクトが強くてパッケージの発売を心待ちにしていたのが『シン・ゴジラ』。個人的には先月くらいからそろそろ発表されないかなーとチラチラチェックしていた BD/DVD 発売が、ようやく正式にアナウンスされました。
しかもまさかの UHD BD 版も発売!こんあのアリかよォーーーーーッ!!!

...まずは俺が落ち着け(ぉ

UHD BD(Ultra HD Blu-ray Disc)は『機動戦士ガンダム サンダーボルト』などをはじめとして既に複数タイトルがリリースされていますが、まだまだ数が多いとは言えません。コアファン層の濃さを考えると、『シン・ゴジラ』は国内 UHD BD 媒体として当面最も数が出る作品となる可能性が高いでしょう。4K 解像度によるゴジラの精細な造形や大道具・小道具へのこだわりに見入ったり、HDR によるゴジラの放射熱線の輝きを体感するのにこれ以上ないメディアと言えます。まあ、私は 4K も HDR も再生できる環境を持っていないので、とりあえず将来のための先行投資として UHD BD 版を買って当面観るのは同梱されているノーマル BD になると思いますが(笑。

シン・ゴジラ

また UHD BD 版および BD 特別版にはメイキング映像等を収録した特典ディスクが付属することも見逃せません。これまでは CGWORLD 誌等で CG 制作周りの舞台裏が公開されたことはありましたが、実写パートの撮影等に関する情報はせいぜいキャスト陣のインタビュー程度で、映像として世に出ることがほぼありませんでした。本編に関してもネタバレ厳禁の秘密主義を貫いてきた製作陣のことだから、このメイキングも BD 発売まで大事に隠していたのだと思いますが、この特典ディスクは貴重な資料となりそうです。芝居の部分もさることながら、首相官邸や巨災対、自衛隊等のリアリティがどう作り込まれたのか...にはとても興味があります。

発売まであと三ヶ月、正座して待ちたいと思います。

シン・ゴジラ Blu-ray 特別版 4K Ultra HD Blu-ray 同梱 4 枚組

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2016/12/16 (Fri.)

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー @T・ジョイ PRINCE 品川

「遠い昔、遥か彼方の銀河系で...」

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

待ちに待った『スター・ウォーズ』シリーズ最新作。あまりにも待ちきれなかったので、封切り初日の朝から観に行ってしまいました(笑。劇場は都内でもベストの一つと言える T・ジョイ品川の IMAX シアター、この大画面こそ SW の宇宙を体感するのに相応しい。

まだ公開初日なのでネタバレはできるだけしないように書きますが、未見の人はここから先はまだ読まない方がいいと思います。










本作は『フォースの覚醒』の続編ではなく、外伝的な位置づけで今回から展開される「アンソロジー・シリーズ」の一つ。とはいえ、舞台は epIV の直前、デス・スターの設計図はいかにして反乱同盟軍の手に渡ったか、が描かれます。
epIV の公開から 22 年、epI に始まるプリクエル・トリロジーを観たときは、確かに SW なんだけどちょっと世界観が違うなあ...という印象でした(その後 epII~III にかけてその後の世界観とのやや強引な整合性がとられていくわけですが)。それに対して昨年の『フォースの覚醒』は確かに epVI から地続きの世界で、まさにハン・ソロの "Chewie, We're home." という台詞を自分の心境に重ねてしまうものがありました。しかし今回の『ローグ・ワン』はオリジナル・トリロジーとほぼ同一の時間軸の物語なだけあって、本当に「あのスター・ウォーズの世界にまた帰ってきた!」という感覚で、オールドファンとしてはそれだけで興奮させられてしまいます。X-ウィングや TIE ファイターも、ストームトルーパーもオリジナルデザインのものがそのまんま出てくる。そうそう、こういう『スター・ウォーズ』が観たかったんですよ!帝国軍の AT-ST の歩行動作なんて、昔のストップモーション撮影によるぎこちない動作を独自解釈で CGI に再現していたり、そういうこだわりが随所に見られてとても面白い。

物語は、設定上はヨーダもオビ=ワンも隠遁生活を送っている時期で、銀河系の他のジェダイは滅びてしまっていることから、残念ながら本作にはジェダイは登場しません。が、戦闘シーンが単なるビーム・ブラスターの撃ち合いだけになってしまっては面白くない。そこに、ライトセーバーこそ使わないものの接近戦を得意とする盲目の僧兵チアルート・イムウェが加わることで、アクションがグッと引き締まりますね。また強いフォースを持つジェダイが登場しない分、個々のキャラクターが他のシリーズ以上に印象深く描かれていて、それぞれのキャラの生き様・死に様がいちいちカッコイイ。ドロイドである K-2SO まであんなにカッコ良く描かれるとは、正直思っていませんでした。

epIV に直接繋がるストーリーゆえに、本編に関連するキャラクターも複数登場しています。反乱軍のリーダーであるモン・モスマ、ベイル・オーガナ(レイアの義父)、そしてデス・スターといえばこの人は外せない、ターキン総督!オリジナルのターキンを演じていたピーター・カッシングは既に故人となっていますが、今回はなんと CGI での出演。CGI くささを感じさせない存在感で、『ローグ・ワン』この人がいたからこそ epIV へのリンクを強く感じられた、と言っても過言ではありません。他にも意外なところで重要なキャラクターが登場していたり...この先は映画館で、自分の目で確認すべし(ぉ

クライマックスの戦闘シーンは期待に違わず「SW らしい」展開で盛り上がります。とはいえこの作品の後の時間軸、epIV で反乱軍がどういう状況だったかを考えればハッピーエンドはあり得ないわけですが...あのラストシーンはずるい。不意を突かれて涙腺決壊してしまいました。

ディズニー傘下になってからの SW は「俺たちの観たかった SW」すぎてそれもどうなの、もっと意外性や新しい表現に挑戦しないと、という批判もあるようですが、少なくとも私は『フォースの覚醒』に続いて「こういうのが観たかった」。冬休みの間にあと 1~2 回は観に行こうと思います。

投稿者 B : 22:00 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/12/09 (Fri.)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜 [Blu-ray]

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜 [Blu-ray]

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発売になりました。今回はプレミア上映会に行けなかったので、イベント上映を観てから Blu-ray の発売まで 3 週間弱ということで、個人的には短かった感(プレミア上映からだと 5 週あるんですよね)。

このエピソードではついに「史上初のモビルスーツ同士の戦闘」が映像で描かれています。作画に込められた熱量という意味では、この MS 戦のシーンかジャブロー(建設予定地)でのシャアの肉弾戦のシーンが最も気合い入っている感が伝わってきて、観ているこちらもつい拳に力が入りますね。3DCG ベースのモビルスーツに「質量を感じさせる」動きをつけるのもある程度完成されてきた印象があり、これなら『UC』での手描きによる MS 戦に勝るとも劣らないリアリティを感じることができます。一年戦争編が制作される暁には、砂漠でのランバ・ラルとの戦闘や、ジャブローでのシャアの駆るズゴックとの戦闘がこのクオリティで観られるのか...!と思うと、今からワクワクが止まりませんね。

個人的に IV の中でのイチ押しはドズル大佐。『UC』のミネバ・ザビへと続くきっかけとなる場面が描かれていて、もうドズルかわいいよドズル(ぉ。シャアしかり、他のザビ家の面々しかり、なかなか人間らしい感情を表現しないキャラクターが多いこの物語において、最も人間性を剥き出しに動き回るキャラが印象に残ります。ファーストガンダムにおいても義を尊び戦術にも長けた猛将として描かれていましたが、ファーストガンダム以上に THE ORIGIN 版でさらにドズルが好きになったというおっさんは多いのではないでしょうか(笑
逆に残念だったのがフラウ・ボゥ。声優がオリジナルの鵜飼るみ子さんではなくなり(まあ年齢的にもう厳しいのかもしれませんが)、フラウ・ボゥではなく現代アニメのヒロイン枠みたいな声になってしまったのがどうにも馴染めません。調べてみたらキュアハッピー役だった人のようで、実力があるのは間違いないのでしょうが、「ボゥおばさん」の渾名に相応しいおばさん声でないとしっくりこない。セイラやララァは声優さんが変わってもそれなりに馴染んだのに、これ、シリーズを重ねれば違和感なくなっていくんでしょうかね...?

さて、今回で「シャア・セイラ編」が完結。と言いつつ最終話ではついにセイラは出番すらなかったけど(ぉ。そして来年からルウム編が始まるわけですが、舞台挨拶等でのコメントを聞いていると(表向きは皆さんの応援のおかげで次を作らせてもらえるようになったという話にはなっているものの)既に一年戦争編までのアニメ化は既定路線っぽいです。安彦監督がご存命のうちに、なんとか最後まで仕上げてくださいよ(;´Д`)ヾ。
ルウム編のスケジュールは、来年秋に『激突 ルウム会戦』、さらに 2018 年に『誕生 赤い彗星』の二部構成で制作されるとのこと。これまで年に二本ペースで公開されてきたのが一年に一本ペースに落ちてしまうことになりますが、先日の舞台挨拶での安彦監督の言葉を借りると「次は長編とは言わないけどちょっと長くなる」「一年に一本、よりは少し速いペースで公開していきたい」とのことなので、期待して待ちましょう。かつルウム編の反響が良ければ一年戦争編はもっと大作になるかもとのコメントもあったので、もしかすると二時間×三部作というファースト劇場版を超える尺が用意されるのかもしれません。

いずれにしても、いよいよこれからが本編のはじまり、と言って良いでしょう。
今から来秋が待ちきれません。

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2016/12/06 (Tue.)

『野武士のグルメ』ドラマ化

先日ドラマ『孤独のグルメ』お正月スペシャルに関する発表があったばかりですが、さらに続いて『野武士のグルメ』のドラマ化が発表されました。まさかこっちに展開するとは思ってなかった(;´Д`)ヾ。

『野武士のグルメ』は原作・久住昌之先生、作画・土山しげる先生で漫画化された、もともとは久住先生による同タイトルのエッセイ。ドラマ『孤独のグルメ』のヒット以降、年に一本ペースで久住さん原作作品のドラマ化が続いていますが、ついにここまで来ましたか。しかもテレビドラマとしての放送ではなく、Netflix での配信というのが現代らしい。Netflix の国内向けオリジナルコンテンツはまだそれほど数多く作られていませんが、このタイミングでの起用というのはかなり期待されていることの表れでしょう。
なお制作は共同テレビの『孤独のグルメ』スタッフが担当するようで、ドラマの雰囲気や食事シーンの画はこどグルを踏襲したものになるはずです。

しかしキャストがまた驚き。主人公・香住武役に竹中直人って!!漫画のキャラクターとあまりにかけ離れすぎてる(笑。個人的には、漫画のイメージを踏襲するのであれば現役時代は頑固で厳しかったであろう空気を醸し出している、ややコワモテ系の俳優さんがハマるだろうと思っていました。もし今でもご存命だったら、故・蟹江敬三さんにやってほしかったなあ。あるいは今でもご健在な俳優さんでいうと、例えば塩見三省さんとか、意外と大地康雄さんとかも似合いそう。なんか松重ゴローちゃん同様に刑事かヤクザキャラな俳優さんばかりですが(笑。
それに比べると竹中直人さんはコミカルな役も多いし、何よりキャラが濃すぎるのが気になりますが(笑)、これはもしかすると土山しげる先生による漫画版よりも久住先生ご本人によるエッセイ版を意識した配役なのかもしれません。そう思ってみると、顔のつくりとか、自由人っぽさとか、久住さんに通ずるものがあるような(笑。

二番煎じがオリジナルを超えることがないとおり、こどグルスタッフの飯テロドラマで本家『孤独のグルメ』を超えた作品はまだないのが心配なところですが、これはどうなりますかね。少なくとも主役の豪華さでは期待ができそうな気もします。配信が始まったら観てみようと思います。
でもそれはそれとして、このドラマ化によってこどグルの Season6 が少なくともあと半年くらいはなさそうなことが確定的になったのが残念でもあります。やっぱり今後は基本的にスペシャルドラマとして細く長く継続する方向なんですかね。

久住 昌之、土山 しげる / 漫画版 野武士のグルメ 2nd

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2016/12/01 (Thu.)

『孤独のグルメ お正月スペシャル』放送決定

ドラマ「孤独のグルメ」正月SPが決定!東京を舞台に五郎の"長い一日"描く - コミックナタリー

今日から 12 月、ということでそろそろドラマ『孤独のグルメ』の新春スペシャルか 1 月からの新シーズンの情報が出てくるかも...と思っていたら、案の定発表されました。来年 1 月 2 日にお正月スペシャルとして放送されるとのことです。

孤独のグルメ

サブタイトルは「井之頭五郎の長い一日(仮)」。これまでのスペシャルは基本的に出張編という位置づけで博多、旭川、宮城と遠征が続いていました。私も先日東北聖地巡礼に行ってきたところで、次のスペシャルは順番的に四国か中国地方か、でも冬なら北陸もアリだよなあとか妄想していましたが、今度はまさかの都内でのスペシャル。「長い一日」ということはもしかすると朝昼晩三食分の店が登場することになるのかもしれません。
松重豊さんは「前に行った店に行くかもしれません」というコメントを出していますが、さすがにこれは冗談だろうなあ。でも過去の名店が再登場というのも、それはそれで面白そう。仮に出てくるとしたら前振り的にランチ扱いでの登場になるでしょうから、例えば池袋の汁なし担々麺とか、まめぞのランチタイムとかだったりすると個人的にはアツいです。仕事絡みだとすると倉庫作業からの流れでアトム、というのも捨てがたい。

孤独のグルメ

ところでドラマ『孤独のグルメ』は 2015 年 10~12 月期の Season5 を最後に、連続ドラマとしての放送が行われていません。有名になりすぎたせいでなかなかお店からの撮影許可が下りなくなっているという事情もあるでしょうし、松重さんも製作スタッフも今や売れっ子で他の仕事に忙しい...という側面もあるのでしょう。しかしテレ東的には確実に稼げるコンテンツであることも間違いなく、今後は今年やったような盆と正月のスペシャルドラマとして継続していく、という方向なのではないかと思います。
ただこれまでに 4~6 月クールに放送されたことがないので、初の春クール放送として Season6 の製作がこのお正月スペシャルの放送後に予告される...という展開をファンとしては期待してしまいますが、どうですかね。

松重さんといえばこの 10 月からは火曜深夜に FM ヨコハマで『深夜の音楽食堂』というラジオ番組を持たれています。これも井之頭五郎があったからこそのキャスティングと番組名なんでしょうが、毎回イイ感じに肩の力が抜けた語り口で食べ物のこと、音楽のこと、芝居のことを語ってくれるのが嬉しい。とりあえず毎週この番組を聴きながら、年明けの放送を楽しみに待ちたいと思います。

孤独のグルメ Season5 Blu-ray BOX

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2016/11/29 (Tue.)

この世界の片隅に @T・ジョイ PRINCE 品川

全然チェックしていなかった映画ですが、なんか公開後にじわじわと評価が高まっているようなので、気になって観に行ってきました。

この世界の片隅に

この世界の片隅に

今年はクチコミで盛り上がる映画の当たり年になっています。それでも単に SNS で話題、というだけなら「ふーん」で済ませていた可能性もありますが、知人関係で観に行った人が口を揃えて「良かった」と言っていたので、これは一度観ておいた方がいいな...と。実際、公開後に少しずつ上映館が増えているということで、大ヒットまではいかないまでも盛り上がってきている、ということなのでしょう。

時代は太平洋戦争の開戦直前から終戦直後まで。舞台は主人公すずの故郷である広島と、嫁ぎ先である呉。呉は戦艦大和を建造したことでも有名な日本有数の工廠を擁し、広島と太平洋戦争の関係は言わずもがな。始まった時点から悲劇的な結末しか予想できませんが、物語は決して暗くならずに進んでいきます。

この物語は大きなくくりで言えば「戦争もの」の一つだけど、実体はむしろ「日常もの」に近い。状況は戦時下ではあるけれど、その中で生きる人々の生活は(少なくとも本土空襲に見舞われるまでは)必ずしも悲壮ではなく、時代なりに人間らしい喜怒哀楽に基づいて営まれていたことが、比較的淡々と描かれています。私が観たことがなかっただけかもしれませんが、少なくとも今までに観た戦争映画でこういう視点で描かれた物語はなかったように思います。戦争はひどい、戦争はいけない、それは確かに事実なんだけど、日本で実際にあった時代の話について、そういう側面しか残し伝えないのが本当に良いことなのか。
この物語がどこかあっけらかん、のんびり、のほほんとした雰囲気で進むのは、多くは主人公すずのキャラクターによるところが大きいでしょう。自らを「ぼんやりしている」と認め、人より動きは遅いし細かい失敗も多い、でも愛すべきキャラクター。怒りや悲しみの感情を表すことが少なく、どんなことでも柔らかく笑って受け止めるこの人がストーリーテラーであったことが、この映画を優しい物語にしていると思います。私は『あまちゃん』を観ていなかったので、のん(本名:能年玲奈)の演技に CM 以外でまともに触れたのはこれが始めてでしたが、こういう芝居ができる人だったんですね。

しかし、前半で戦争時代の暮らしをじっくり、ゆったりと描いた分、空襲や原爆にまつわる描写はそれ以上に重い。感情移入させられてしまったために、それが一つ一つ奪われていく痛みがありました。最初から「これは辛い悲しい話だよ」と見せられる戦争映画よりもずっと痛みが生々しく感じられる。終盤は、劇場内にすすり泣きの声が響いていました。
それでも、焼け野原から手を取り合って立ち上がってきたのが我々の先達であり、だからこそ今の自分があると思うと、何となく生きるのではなく、一分一秒をもっと大切にしなければ。と思います。私は、映画館から出た瞬間に、まず家族のことを思い浮かべました。

正直言って、派手な戦闘シーンみたいなものもないし、グワッと盛り上がる場面もない。一般的に映画の二時間に期待する感情の抑揚がなくて不完全燃焼感はあるかもしれません。でも、うまく言えませんが、観終わった後に反芻するとじわじわ良さが感じられてくる、そういう映画だと思います。

とても良い映画でした。

こうの 史代 / この世界の片隅に 上・中・下

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2016/11/26 (Sat.)

株式会社カラー 10 周年記念展

原宿ラフォーレミュージアムで開催されている、スタジオカラーの展示会を見に行ってきました。

株式会社カラー10周年記念展 | 株式会社カラー

株式会社カラー 10 周年記念展

ラフォーレ自体、今まで数度しか足を踏み入れたことがなかったので、我ながら場違い感満載(;´Д`)ヾ。でもラフォーレ内のエレベーターには同じような属性の人がたくさん乗っていて安心しました(ぉ
入場料は ¥500。アニメ系の展示会でこれよりも小規模なのに高価い、というのも珍しくないので、これはかなり良心的と言えます。

株式会社カラー 10 周年記念展

スタジオカラーはこれで 10 周年。ガイナックスを独立した庵野秀明が『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』を製作してからもうすぐ 10 年が経とうとしている、ということを考えると、改めて時の流れの速さに驚きます。
その後非常にゆっくりとしたペースで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズを継続してきたカラーですが、庵野監督が鬱で休業したりしている間にも、スタジオとしての活動は続いており、いろんな作品で制作協力としてその名前を見ることができます。

株式会社カラー 10 周年記念展

とはいえカラーの主力作品はやはり『ヱヴァ』。新劇場版における膨大な量の原画や設定資料等が展示されており、非常に見応えがあります。

ちなみにこの展示会は一部動画展示等の撮影制限があることを除き、ほぼ全域が写真撮影可(ただし一枚一枚を極端に接写するのは NG とのこと)。この手の展示会ではここまで撮影が許可されることも珍しく、まさに大盤振る舞い。

株式会社カラー 10 周年記念展

私はガンダムシリーズについては多くのイベントや展示会に足を運んで原画等を目にする機会も多いのですが、ヱヴァに関しては今まであまりそういう機会がありませんでした。今回改めて原画をじっくり見ると、その線がもつ力に圧倒されますね。テレビアニメではなく劇場版だからこそできるクオリティではありますが、ディテールに至るまで手抜きがない。

株式会社カラー 10 周年記念展

メカの描き込みもこの緻密さ。着色されていない線画のほうが細かい描き込み具合がよく分かります。この線画のまま、額に入れて飾っておきたくなります。

株式会社カラー 10 周年記念展

ヱヴァ(特に新劇場版)という作品が強い熱量を持っているのは、登場人物の表情の印象がすごく強いから、という部分が大きいと思いますが、これなんかはその最たるもの。これもカラー映像以上にパワーを感じる原画です。

株式会社カラー 10 周年記念展

一枚一枚の表情の強さに、引き込まれるように見入ってしまいます。これじっくり見てたら丸一日かかるんじゃないですかね。

株式会社カラー 10 周年記念展

展示の多くはモノクロの原画ですが、カラー作品もいくつか。宗教的なモチーフを多数扱った作品だから、というだけにとどまらない神々しさが込もった一枚。むしろ油彩で見たくなります。

株式会社カラー 10 周年記念展

『破』に登場したアスカのパペットの設定画。「moyoco」のサインがありますが、この設定描いたの安野モヨコだったのかー!確かにヱヴァに出てくる小物としてはちょっと違和感ある作画だと思ってたんだよなあ。

株式会社カラー 10 周年記念展

『Q』の巨大戦艦ヴンダー。『Q』ではそれまで以上に 3DCG 作画の割合が高まっていて、こういうメカ類の細かい作り込み度合いも深まっています。

株式会社カラー 10 周年記念展

『Q』で追加された人物設定。

株式会社カラー 10 周年記念展

『Q』の主題歌だった宇多田ヒカル『桜流し』にヱヴァの名シーンを繋いだオリジナル PV も場内で流されていて、人だかりができていました。
最近 NHK でテレビ版のリマスター再放送をやっているけど、久しぶりに新劇場版の BD を最初から見直したくなったなあ。

株式会社カラー 10 周年記念展

ここに掲載した原画はあくまでごくごく一部で、会場にはこの数十杯の物量の原画・設定画等が展示されています。本気でじっくり見たら半日、いや一日かかってしまうレベル。これはファンは心して見に行くべき場所じゃないでしょうか。

株式会社カラー 10 周年記念展

会場内では、10 周年を記念して安野モヨコが描いた漫画『おおきなカブ(株)』とそのアニメーション版が展示/上映されていました。
10 年の歴史を古典童話になぞらえ、暗喩を用いてものすごーくざっくり描いた話で、これがまたじわじわくる感じで面白かった。

株式会社カラー 10 周年記念展

『Q』のカブを抜こうとして大怪我(鬱病発症)したおじいさん(庵野秀明)のもとへ西(三鷹)からやってきた、超おじいさん(笑

株式会社カラー 10 周年記念展

その超おじいさんから展示会開催を祝って贈られた花も展示されていました。

株式会社カラー 10 周年記念展

続いて『シン・ゴジラ』関連の展示。
最初に「庵野秀明がゴジラを作る」と聞いたときには、まさかそれがカラーを代表する映画の一つになるとは思っていませんでした。

株式会社カラー 10 周年記念展

『シン・ゴジラ』は実写と CG で作られた作品のため、アニメのような原画は存在しませんが、初期にゴジラの造形ディテールを確認するために作られた原型モデルが展示されていました。
この現物をこの目で見ることができる、というのは燃える!

株式会社カラー 10 周年記念展

今までのどんなゴジラとも違う造形だけど、全体としての印象は間違いなくゴジラ。
ディテールがむちゃくちゃ細かいので、いろんなアングルから写真を撮りまくりたくなります。

ああ、早く BD 発売されないかなあ。

株式会社カラー 10 周年記念展

短編特撮映画『巨神兵東京に現る』の撮影に実際に使われた巨神兵のパペット。背後にはクロマキー合成で抜くために青く塗られた操者用のフレームがくくりつけられています。
これがあったから『シン・ゴジラ』が生まれた、と思って見るととても感慨深いものがあります。

株式会社カラー 10 周年記念展

『ヱヴァ』も『シン・ゴジラ』も巨神兵要素を持っていることを考えると、巨神兵が庵野秀明に与えた影響は本当に大きかったんだな...と思いますね。

株式会社カラー 10 周年記念展

お土産は小冊子。といってもちょっとしたパンフレットではなく、88 ページにわたる立派な冊子で、漫画『おおきなカブ(株)』全編のほかスタジオ関係者へのインタビュー等を収録した内容の濃いものになっています。映画のパンフレットがあの薄い内容で 1,000 円取っていることを考えると、この冊子までついて入場料 500 円というのは安いというか、むしろファンサービス的なイベントなんだろうな、と思えます。

原宿という場に似つかわしくない(笑)、想像以上に濃厚な展示会でした。会期は 30 日までとのことですが、私もあと一回くらいじっくり見に行きたい。

投稿者 B : 22:10 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/11/25 (Fri.)

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 @T・ジョイ PRINCE 品川

今週封切りの最新作、さっそく観に行ってきました。劇場は当然品川プリンスの IMAX 3D。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

『ハリー・ポッター』シリーズ最新作、といっても先日最新刊が発売されたばかりの続編ではなく、こちらは外伝的な作品。作中でホグワーツの教科書にもなっていた『幻の動物とその生息地』という書物を映像化した作品になります。そのためハリーもハーマイオニーも登場しないわけですが、世界観はしっかりハリポタ。当時よりもさらに進化した映像が、最後まで飽きずに楽しませてくれます。

舞台は『ハリポタ』よりもさらに 70 年前のアメリカ・ニューヨーク。イギリスの魔法動物学者であるニュート・スキャマンダーが、ある目的のために渡米するところから始まります。そこである事件に巻き込まれ、現地でノー・マジ(=マグル)たちに正体を知られないようひっそりと暮らしている魔法使いたちと協力し、事件の解決を目指す...というお話。
正直言ってストーリーは浅く、もうちょっとそれぞれの背景を描いてくれないと主要キャラの行動動機が解らず単なる勧善懲悪にしか見えないよなあ...とは思いましたが、どちらかというと全年齢向けにストーリーを解りやすくしつつ、映像的なギミックを楽しむエンタテインメント映画なんだろうな、というのがよく伝わってきました。ハリーと違ってニュートは最初から完成された魔法使いだから魔法アクションシーンは派手だし、CG で描かれた魔法生物もどれも個性的で面白かった。そして、物語の節々に『ハリー・ポッター』本編に出てきた名前がチラチラ出てきて、早く続きが見たい、と思わされた時点で負けなんだろうなあ(笑。ただ『ハリポタ』は終盤の展開が早くて因果関係も入り組んでいたので、この名前ってどこで出てきたんだっけ?誰とどういう関係だったんだっけ?という記憶がおぼろ。これは BD を見直すなり小説を読むなりしたほうが良いのかもしれません。

主人公ニュート・スキャマンダー役は『レ・ミゼラブル』でエポニーヌの恋人マリウスを演じていたエディ・レッドメイン。マリウスは「意識高いけど世間知らずなおぼっちゃん」という感じでしたが、今回のニュート役はそれよりもずっと大人。ピンチに陥っても自信を失わないヒーローぶりで、こういう役もできる俳優さんだったのか、と見直しました。というか『レミゼ』でもマリウスのキャラを本人のキャラに重ねて見てしまっていた時点で、そもそもうまい役者さんだったんだろうなあ。

『ファンタスティック・ビースト』は全五作でシリーズ化されるということで、続編も楽しみです。それが一段落したら、本編の最新話にして最終話『ハリー・ポッターと呪いの子』の映画化へと続くんですかね。

ニュート・スキャマンダー(J.K. ローリング) / 幻の動物とその生息地

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2016/11/19 (Sat.)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV イベント上映 @新宿ピカデリー

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV

本日より『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』の上映・配信が開始されました。

私はこれまで『UC』の episode 6 から『THE ORIGIN』の III までプレミア上映会への参加を続けてきたのですが、今回はどうしてもスケジュールが合わず涙を呑みました(泣。代わりにイベント上映の初日のチケットを入手して、旗艦ピカデリーで鑑賞してきました。

前作でのジオン士官候補生たちによる「暁の蜂起」で学生たちを煽動した責任を取らされ、ムンゾ防衛隊を除隊処分となったシャア。暇を利用して地球へと降り立ち、そこで運命の人、ララァ・スンと邂逅します。一方、地球連邦とサイド 3 との緊張関係は限界に達し、モビルスーツの発明者・ミノフスキー博士の地球連邦への亡命未遂を契機に、ついに人類史上初のモビルスーツ同士の戦闘が開始される...という、一年戦争編へと続くカギとなるのがこの IV。ファーストガンダムにも登場する主要キャラの多くが揃い始め、またフル CG で描かれた「一年戦争時代のモビルスーツ戦」は非常に見応えがあります。漫画版の安彦タッチのキャラクター的なアクションを CG ベースで動かすとこうなるのか!という感激があります。I の冒頭で少しだけ登場した MS 戦に比べてもかなり進歩しているのが見て取れ、セルルック 3DCG の進化ぶりをガンダムと共にリアルタイムで味わえるのだなあ、という感慨があります。

キャストが誰になるのか気になっていたララァ・スン役は早見沙織さん。私はあまり出演作品を観たことがなかったので少し心配でしたが、潘恵子さんのどこか悟ったようなララァとはまた違う少女っぽさを残した演技が、ファーストガンダム時代よりも表情豊かになった安彦先生のララァによく馴染んでいて、とても良かった。このララァがニュータイプ研究所で才能を開花させ、アムロと出会うまでにどう変化するのかが楽しみでもあります。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV

そして初日ということで、上映前に舞台挨拶もありました。私が参加したのとは別の回ですが、GUNDAM.INFO に早くもレポートが掲載されていたので雰囲気はこれで掴めるかと。
ピカデリーでの登壇は安彦総監督、池田秀一さん(シャア)、早見沙織さん(ララァ)、喜山茂雄さん(ランバ・ラル)、渡辺明乃さん(キシリア・ザビ)、森口博子さん(主題歌)という豪華メンバー。

全国15館で大ヒット上映中!「機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜」初日舞台挨拶レポート | GUNDAM.INFO | 公式ガンダム情報ポータルサイト

私が参加した回では、池田秀一さんが「35 年前の映画版を観に行った、という方はいらっしゃいますか?」と問いかけたところ結構な割合で手が挙がり、池田さんがつい胸をつまらせる瞬間があったのが印象的でした。
今までのプレミア上映会等には登場されなかったメンバーだと、早見沙織さんはララァとはちょっと違うほわほわお嬢様という雰囲気(だけどコメントはしっかりしてたなあ)だったり、渡辺明乃さんがまたキシリアとは全然違う溌剌とした感じで、大きなメガネをかけていたこともあってキシリアというよりはアラレちゃんでもやりそうな感じだよなあ、と思ったけどよく考えたらそもそも初代キシリアの小山茉美さんがアラレちゃん役もやってたんだった(ぉ

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV

主題歌の森口博子さんは 6 月のイベント「ガンダム LIVE EXPO ~ジオンの世紀~」以来。今回は生歌はありませんでしたが、さすが芸能人だけあってトークだけでも他の出演陣とはレベルの違うオーラを発していました。『宇宙(そら)の彼方で』も素晴らしい曲だと思うし、だからこそ生歌披露があったというプレミア上映会に行けなかったことが悔やまれます(泣

舞台挨拶の最後はまさかの安彦総監督・森口博子さんのフォトセッション。こういう場は写真 NG なことが通常なので、どうせ撮れないだろうしと思って RX100 III しか持っていなかったという(;´Д`)。まさかの場合を考慮してもっと長いレンズ持って行くべきだった...。
主催側も SNS の宣伝効果を意識しているようで、司会の方が「ぜひ美白アプリを使って SNS でシェアしてください」と言っていました(←。ちなみに森口博子さんはエゴサーチしているそうなので、名前入りで応援ツイートをするとご本人に届く可能性があります(笑

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV

お土産はいつもの安彦総監督描き下ろしミニ色紙とコミック小冊子(パンフレットは購入品)。
冊子のほうには、本作で描かれたシーンの一部を抜粋する形で原作コミックが収録されていました。まあ私はコミック版・愛蔵版・電子版と持っているから別に要らないし、と思ったのですが、

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV

ガンダムエースで連載が始まった『ククルス・ドアンの島』の抜粋版まで収録されていました(!)。これちょっと気になっていたんですよね。作画は安彦先生ではありませんが、安彦先生に似せたタッチで描かれていて、これけっこうまともに読める作品なんじゃないですかね...。

イベント上映は本日から二週間。既に配信も始まっていますが、この戦闘シーンはやっぱり大画面と劇場の音響で観たい。私は上映期間中にあと一回は観に行こうと思います。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜 [Blu-ray]

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森口博子 / 宇宙の彼方で

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投稿者 B : 23:56 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/11/09 (Wed.)

アマデウス [Blu-ray]

先日日本語吹替版の Blu-ray が発売されたというニュースを見かけて、そういえば字幕版の BD 持ってたけどまだ観てなかったなあ...というのを思い出して、改めて鑑賞しました。

アマデウス ディレクターズカット [Blu-ray]

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もともと DVD で持っていて、数年前に BD に買い換えたにもかかわらず観るのに気合いが要るため(本編だけで 180 分もあるんですよ...)未開封のままラックに刺さっていたディスクです(笑。確かに名作なんだけど、重めの展開とか音楽にちゃんと向き合わないと失礼だという意識とか、これを通しで観るのは『ロード・オブ・ザ・リング』のエクステンデッド・エディションを観る以上に気合いと体力が必要。

その名前と音楽を知らない者はいない音楽家、モーツァルトの生涯を描いた作品。「アマデウス」はモーツァルトの本名、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのミドルネームから取ったものです。
モーツァルトの生涯と言いつつ、物語はそのライバルである作曲家アントニオ・サリエリの視点で語られます。「サリエリがモーツァルトを殺した」というフィクションに基づき、年老いたサリエリがモーツァルトとの出会いから死までを回想するつくり。オペラを中心に、モーツァルトの数々の名曲が生まれたエピソードから、楽曲のイメージとはかけ離れた奔放で自堕落なモーツァルトの人格に至るまでを生々しく描いています。サウンドトラックは当然モーツァルトが生みだした名曲たち。Dolby TrueHD の 5.1ch サラウンドで鳴らせば、まるで自分が当時のオペラハウスの観客の一人になったような感覚で音楽に包まれることができます。

サリエリがモーツァルトの才能に嫉妬し、謀殺に至るエピソード自体はフィクションではありますが、自分自身になまじ才能があったためにモーツァルトとの間にある越えられない壁に気づいて絶望する...というくだりが妙にリアル。昔この映画を観たときにはモーツァルトに肩入れする気分で観ていましたが、自分も歳を取ったのか、真の天才を目の当たりにして自身の限界を自覚するサリエリに共感すらおぼえました。そして最後には、凡人の代表として世の凡人たちを赦すサリエリ...。

3 時間の本編を観終わるとどっと疲れる映画ですが、鑑賞中はずっと極上のモーツァルト音楽に浸れる映画でもあります。日常から離れて自分の気持ちを何かに浸せる、ある種とても映画らしい映画と言えます。

投稿者 B : 23:30 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/10/16 (Sun.)

ズートピア [Blu-ray]

ズートピア [Blu-ray]

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全くノーマークだった映画ですが、たまたま娘の運動会の演目でこの映画の楽曲が使われていたこともあり、どんな作品だろうと気になったので、レンタル BD で鑑賞しました。

ディズニー映画で、擬人化された動物たちが主人公で、というと完全に子ども向けだと思うじゃないですか。そういうのもあって劇場公開時には観る気がしなかったんですが、実際に観てみるとイメージと全然違いますね。まあ確かに賑やかで子ども向けタッチではあるんですが、テーマはもっと深い。人間の差別や偏見を描いた物語です。
子ども向けの作品で差別や偏見を描こうとすると、えてして「差別は良くない」と直接的に表現しそうなものですが、例えば誰もが持っている無意識な差別とか、平等を訴えながらそれがまた新たな差別を生み出してしまうとか、あるいは自分の鬱憤晴らしのために被差別を利用するとか、現代の人間社会でも実際に起きている「差別に関する問題」を的確に捉えて描かれていて、感銘を受けました。これ、子どもたちがどこまで理解しているかは分かりませんが、言わんとしていることは何となく伝わったんじゃないでしょうか。

動物たちが登場する映画ということで、それぞれのキャラクターの細かい動きの一つ一つに現実の動物の動きが精密に取り入れられていたり、セリフや笑いのひとつにまで各動物の特徴をちゃんと表現していたり、こういう細かいところへのこだわりはさすがのディズニーアニメ。ストーリー軸で観てもいいけど、そういうキャラクターのモデリングやモーションをこまかく見ていってもまた別の面白みがある作品だと思います。

純粋に娯楽作としてもとてもよくできていますが、人の精神の成長物語や映画としてのメッセージングというところまで含めると、子どもに見せて良かった度合いとしては『アナ雪』や『ベイマックス』よりも上だと思います。あまり期待していなかったけど、とてもいい映画でした。

投稿者 B : 22:10 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/09/27 (Tue.)

ハドソン川の奇跡 @T・ジョイ PRINCE 品川

クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演の最新作を観に行ってきました。

ハドソン川の奇跡

ハドソン川の奇跡

イーストウッドファンとしては観ないわけにはいかないでしょう。そして主演がトム・ハンクスなら名作にならないはずがない。
劇場は最近お気に入りの T・ジョイ PRINCE 品川、IMAX 2D での鑑賞。

近年のイーストウッド監督はノンフィクション作品を多数手がけていますが、本作も 2009 年に発生した「US エアウェイズ 1549 便不時着水事故」を映像化した作品です。私は当時ニュースで見た記憶がある程度の事故ですが、アメリカ本国では日本でいう日航機墜落事故くらい人々の記憶に残る事故だった(結果は真逆にしても)という理解でいいんですかね。確かに、9.11 後のニューヨークで航空機が市街地に落下しかねない事故を回避したという点で、機長が英雄視されるのは解る話ではあります。映画のキャッチコピーには「155 人の命を救い」とありますが、実際にはもっとたくさんの人の命を救ったことになるのでしょう。

映画は時系列で事故のいきさつをなぞるのかと思ったら、事故後の国家運輸安全委員会(NTSB)による事情聴取のシーンから始まります。市民からは英雄として称えられながらも NTSB からは「空港に引き返さずハドソン川に着水した判断が本当に適切だったのか」について厳しい追及を受け、また家族ともども日々マスコミの取材攻勢に遭うという、どちらかというと逃げ出したくなるシチュエーション。主人公であるサレンバーガー機長(サリー)も何度も事故の記憶がフラッシュバックします。ここに差し込まれる 9.11 を思わせる映像は、当事者でなかった立場として見てもショッキング。

事故後のサリーに対する人々の反応と、事故前後の機内の様子を行き来しながら物語が淡々と進んでいくあたりは、近年のイーストウッド流ノンフィクション作品らしい手法で描かれています。客観的でありながら、どうしてもそのときの主人公の心境に自分を重ねずにはいられない。トム・ハンクスらしいユーモアがほとんど登場しないあたりも、けっこう重みを増しています。
クライマックスは NTSB による公聴会が法廷劇的な見せ方で描かれます。機長の判断は本当に正しかったのか。ラストは機長のこの事故に関する見解と、重い空気を解き放ってくれる副機長の一言に救われた気がしました。

そしてエンドロールで気がついたのですが、この映画、事故当時に救助活動等に関わった人々の多くが本人役として出演しているんですね。さらにはサレンバーガー機長本人もある場面で登場。これにはちょっと不意打ちを食らってしまいました。
感動して号泣する類の映画ではありませんが、エンドロールが終わった後に深い感銘が残る作品。これは間違いなく名画だと思います。

それにしても公開直後にも関わらず、この都内屈指のスクリーンにお客さんが 20 人程度しか入っていない、というのはいくらなんでも寂しいですね。『シン・ゴジラ』や『君の名は。』が平日夜でも満席だった同じ映画館とは思えません。こういう作品にももう少し注目が集まってほしいところ。おかげで IMAX をど真ん中で堪能できましたが...。
映像的には、物語の大半がドラマパートに割かれているので、あまり IMAX 向きの映画ではないとは思います。が、クライマックスでようやく事故の一部始終が描かれるシーンでの描写や音響は圧巻。旅客機の大きさや事故の衝撃、救助シーンの臨場感は IMAX でなければここまで感じることはできなかっただろうなあ。

良い映画だったと思います。配信が始まったら自宅でもう一度観たい。

投稿者 B : 00:27 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/09/14 (Wed.)

超高速!参勤交代 リターンズ@チネチッタ

前作がとても好きだった映画の続編が公開されたということで、さっそく観に行ってきました。

超高速!参勤交代 リターンズ

しかし『シン・ゴジラ』や『君の名は。』が大ヒットを飛ばしている一方で、それ以外の邦画はほとんど顧みられていないのか?平日夜というのを差し引いても、公開一週間以内の映画館がガラガラ、というのはちょっと心配になってしまいますね。私はほぼ中央の席を取ったんですが、同じ列には他にお客さんがいませんでした。

事前情報を仕入れずに観に行ったので、期待半分、不安半分という気持ちでした。「続編に名作なし」というように、前作の焼き直しだったらどうしよう...と。

ストーリーは前作で「超高速に参勤」した後の話。参勤したら交代(帰郷)もするわけで、湯長谷藩(現在の福島県いわき市)への岐路の出来事です。前作で佐々木蔵之介演じる内藤政醇に無理難題をふっかけた幕府老中・松平信祝(陣内孝則)が再び策を弄し、湯長谷藩で一揆を発生させて今度は往路のさらに半分の時間で参勤交代の復路を行かせる、というストーリー。

いくら時間軸が半分になったからといって、同じように制限時間の中を走って参勤交代させるだけじゃ芸がないよね、と思ったけど、参勤交代自体はけっこうあっさり完了。製作サイドも前作からどうスケールを広げるかはかなり意識したようで、帰郷後の湯長谷藩での出来事に尺の大半を使いつつ、同時に江戸での出来事を平行して描くという二面展開。当初想定していなかった流れで、飽きるどころか先が気になっていきました。
それから全体的に前作よりも殺陣のシーンが大幅に増えていて、ダイナミックかつ緊張感のある場面が要所要所に出てくるのも良かった。一方で期待通りの細かな笑いも忘れず、緩急のある内容にまとまっていると思います。

個人的には今回初登場となった大岡越前の配役が意外すぎてスクリーンに出てきた瞬間に吹き出してしまったんですが(笑)、そういうのも含めて俳優陣の個性と実力が揃っていることが、この映画をうまく引き締めていると思います。あと一般的にあまり富山出身のイメージがない西村雅彦が珍しく富山弁(シチュエーション的にかなりわざとらしい)を喋っているのもポイントです(ぉ。

大作の陰で埋もれがちな邦画だけど、私はこういうの好きです。でもさすがに三作目...はないだろうなあ(笑。

投稿者 B : 23:30 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/08/30 (Tue.)

君の名は。 @T・ジョイ PRINCE 品川

君の名は。

秒速 5 センチメートル』『星を追う子ども』と二本観て、ああ私には新海誠作品って合わないんだな、と思っていましたが、ある人がこの作品のことを誉めていたので気になって鑑賞しました。

ほとんど事前情報を仕入れずに、それこそ予告編すら見ずに映画館まで行ってしまったわけですが、思っていた以上に良かったですね。私が過去に観た二作品で感じた「監督の独りよがりの世界観を見せられている感覚」はかなり薄まり、観客を楽しませるとはどういうことか、をちゃんと考えて作られた作品だと思います。観終わった後の気分としては、『ヱヴァ新劇場版:破』を観たときのそれに近い(笑。内向的なイメージでなくなっているのは登場人物の性格に加えて、今までの新海誠作品とはガラッと変わったキャラクターデザイン(『あのはな』のデザイナーが担当)に助けられている部分も大きいとは思いますが。

序盤は典型的な「男女の魂入れ替わりコメディ」のフォーマットで進みますが、謎はありつつも基本的にポジティブで、テンポが良いこともあってのめり込んでいける感じ。「いい映画だったとは聞いたけど、本当に大丈夫なの?」と斜に構えていた態度を改めさせられました。が、中盤に『星を追う子ども』のアガルタに似た場所が登場したあたりから不安になり始め、ほどなくしてその不安は的中していたことが判明します(´д`)。その後も他のアニメ作品で見たような描写が散見されたり、ラストシーンが『海がきこえる』状態だったらどうしようかと思ったりしましたが、終盤でまあ持ち直したかな。
リアリティへのファンタジーの織り交ぜ方が唐突だったり、設定の整合性に矛盾があったり、観ていて「ん?」と思う部分は少なくありませんでしたが、本来はそういう「伏線が、整合性が」とか言うめんどくさい客層は相手にしていないのでしょう。青春・恋愛・美麗な背景、そういった感動のうま味調味料に脳髄をズドンとやられる心地よさに浸る映画なんだと思います。実際、私も確かにウルッと来てしまうシーンはあったし、細かいことは置いといて、エンタテインメントとしては総じて面白かったと感じています。中盤以降の展開はもう少し別のやり方があったようにも思いますが、そうすると新海誠じゃなくなっちゃうのかもなあ。

とりあえず奥寺先輩はイイ女だと思いました(小並感

投稿者 B : 23:12 | Anime | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/08/26 (Fri.)

シン・ゴジラ [IMAX] @T・ジョイ PRINCE 品川

『シン・ゴジラ』ですが、今週から IMAX(2D)での上映が二週間限定で再開されたということで、さっそく観に行ってきました。

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

足を運んだのは、品川駅高輪口にある「T・ジョイ PRINCE 品川」。旧品川プリンスシネマが T・ジョイ系列になって先月リニューアルされたばかりで、リニューアルに伴い IMAX デジタルシアターが導入されました。私は今まで IMAX は主に川崎の 109 シネマズまで観に行っていましたが、品川なら仕事帰りにも寄り道しやすいし、何と言っても今回はゴジラの初回上陸時、自衛隊が初めてゴジラに会敵するシーンが品川。まさにこの映画館のある高輪~御殿山上空から北品川のゴジラと対峙していたわけで、先日の川崎同様にシン・ゴジラ鑑賞にはこれ以上なく燃える立地でもあります。

IMAX による映像は圧巻の一言。この劇場の IMAX シアターは、かつてフィルム時代の IMAX を導入していたことがあるらしく、他の後付けで IMAX を入れた劇場よりも IMAX 上映に最適化された環境であると言えます。奥行きが短く、かつシート前後の傾斜がきつめにつけられていて、中央以外の座席でも IMAX の巨大スクリーンの映像が堪能できます(私は今回ほぼ中央の座席を確保できましたが)。TOHO の TCX もかなり大きいですが、やはり IMAX の迫力はさらに一段上と言えます。
というわけで、今回は二回目の鑑賞だし映像を分析的に見てやるつもりで赴いたはずなのに、途中からは完全に作品に没入してしまいました(笑。特に、ゴジラによって自分が暮らしている東京の景色が無残に破壊されていく光景には、二度目であるにもかかわらず涙が出そうになりました。これは BD が出たら買わざるを得ません。

T・ジョイ PRINCE 品川

さて、T・ジョイ PRINCE 品川ですが、プリンスシネマ時代をよく知っている身としては、あまりにもキレイになりすぎていてビックリしました。プリンスシネマと言えば古くさくて設備も古い映画館という印象が強くて、川崎や六本木、有楽町まで行く余裕もない(上映時間がイマイチ合わない)ときにやむなく使うという位置づけでしたが、全くその面影もなく、明るくてオシャレな雰囲気の映画館に一変していました。

T・ジョイ PRINCE 品川

飲食物の販売カウンターもイマドキのシネコンらしくリニューアル。以前はもっと小さかったし、本当に「売店」という感じだったんだぜ...。

今の私のメイン映画館は日本橋の TOHO か、川崎の 109 or TOHO といったところでしたが、今後は品川のここをメインにしてもイイかも。特に IMAX が品川と川崎にあるというのは個人的にとても捗ります。これからもちょくちょく通おうと思います。

投稿者 B : 22:55 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/08/15 (Mon.)

シン・ゴジラ @109 シネマズ川崎

遅ればせながら、観に行ってきました。

シン・ゴジラ

私は世代的に、それと出身地的に(民放が当時 2 局しかなかった)幼少期から特撮にあまり縁がなく、ゴジラシリーズも小学生の頃に映画館で『ゴジラ vs ビオランテ』を観たのが唯一。だから『シン・ゴジラ』にも当初はさほど興味を持っていませんでしたが、公開後の評価があまりに高かったので、劇場に足を運んでみたくなりました。IMAX は既に上映が終わり、4D も上映時刻が限られるようになったので、普通に 2D で鑑賞。私が観に行った回はほぼ満席で、お盆休みであることを差し引いても、公開後にクチコミで評価が広がり、少しずつ違う層に浸透していっていることを実感しました。

...結果、「庵野秀明がやりやがった」「シン・ゴジラはいいぞ」。
ゴジラなんかよりも先にヱヴァの続き作れや、とか思っててすいませんでした(ぉ

劇場公開から半月が経過して、SNS 上でも少しずつネタバレが始まっていますが、あまり核心には触れないレベルで感想を書いておきます。でも未見でこれから行こうと思っている人はこのままブラウザをそっと閉じてください。





これ、ゴジラシリーズや特撮に興味がなくても十分以上に面白いですね。旧作を観ていたり特撮ファンだったりするとさらに面白いんでしょうが。庵野監督だからエヴァっぽかったりナウシカっぽかったりする描写もところどころにあり、ニヤリとしてしまう部分もありますが、そういうの抜きにして純粋に面白かったです。また、対策本部設置などのシーンでエヴァの戦闘シーンの楽曲が引用される演出も、エヴァの影響を受けて生まれた『踊る大捜査線』からの逆輸入という感じで、これもまた燃える。

シン・ゴジラ

ゴジラの一度目の上陸は呑川を起点とし、私の自宅からそう遠くないルートを通って私の以前の職場の至近まで到着するという、個人的に超胸熱コースをたどります(笑。自分の生活圏といえるエリアだけに見覚えのある場所が数多く映っていて、これは BD が出たらカットごとにロケ地を特定して聖地巡礼したくなるほど(笑。鑑賞した 109 シネマズ川崎も二度の進行ルートのすぐ近くにあるせいか、いろんなシーンで観客からどよめきが起こったり、「あ、ここ行ったことあるよね」という話し声が聞こえてきたりして、シアター内が妙な一体感に包まれていました。これ、南東京~神奈川沿岸部在住の人ならかなり引き込まれるんじゃないですかね。
アニメでも地方をモチーフにした作品が多く、実在の施設が戦闘によって破壊されるような作品もありますが、アニメだとどうしても作り話の中の出来事感が拭えないのが、実写ベースだと(ロケ地に縁のある人限定ながら)ここまでリアリティを感じられるのか、ということに驚きました。また、侵攻中のゴジラが常に無表情で意思を感じさせないことも、恐怖感をさらに強めています。

ゴジラ出現の理由や東京への複数回の上陸の理由は最後まで明かされることなく、ラストシーンも含みを持たせた終わり方でした。伏線はいろいろと張られていたので謎解き要素も欲しかった気はしますが、「ゴジラという『災害』に日本という国がどう対処するか」がこの映画のテーマであるのならばこれでいいようにも思えるし、余白が多くて考察が捗るつくりはいかにも庵野秀明らしく、これからはそれを自分なりに解釈することが楽しみになると言えます。そのためにあと一回と言わず二、三度観に行きたくなっています。

シン・ゴジラ

ゴジラへの対処に関わる登場人物は、長谷川博己演じる矢口蘭堂が中心的に描かれてこそいますが、物語の構造はあくまで群像劇。エヴァっぽいとはよく言われているものの、エヴァがあくまで碇シンジという一人称の視点で描かれているのに対して、本作は矢口も登場人物の一人にすぎません。そういう構造そのものが「ニッポン対ゴジラ」というキャッチコピーの所以の一つなんでしょう。誰かが超能力を発揮したり想いの力云々ということもなく、全ての登場人物が自分の国や家族を守るために、義務あるいは仕事として自分の担うべき部分を淡々と遂行する。そして最後にはバックアップも含め複数立てられた想定の範囲内で、淡々とゴジラが活動を停止する。それも、自分たちが作り上げた首都のシステムそのものがゴジラを倒すということが、自分を一人の日本人として物語に感情移入させ、自信を取り戻させてくれるように感じました。

期待していた以上にいい映画でした。劇場公開中にもう一度行けるか分からないけど、少なくとも配信 or BD がリリースされたらまた観たい。

投稿者 B : 22:55 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/08/07 (Sun.)

GUNDAM PRODUCT ART 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 展

銀座松屋イベントスクエアで開催中の「GUNDAM PRODUCT ART 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 展」に行ってきました。

GUNDAM PRODUCT ART 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 展

GUNDAM PRODUCT ART

『THE ORIGIN』に特化した展覧会。今までにも OVA の各エピソードのプレミア上映会等の場で原画や設定画が部分的に公開されることはありましたが、漫画版全編+OVA I~III を総括する形での展覧会はなかったので、今までそれらのイベントに参加できなかった人もまとめて目にすることができるチャンスです。

展示物は漫画版の代表的なシーンの原画(カラーあり)、OVA の絵コンテ・原画・設定画・脚本と台本(ガラスケース越し展示)、安彦良和氏へのインタビュー映像、BD のジャケットや雑誌の表紙などを飾ったカラーイラストの原画など。
漫画版の原画は、印刷物では再現しきれなかった筆書きの勢いや繊細さが生々しく感じられます。しかもホワイトで修正した跡がほとんど見当たらない!まあ、修正してたらこんなに活き活きとした線にはならないでしょうが。塗りも塗りで繊細で、カラー原稿は複雑な中間色の組み合わせが多くてアニメとは随分雰囲気が違うし、滲みやグラデーションを使って漫画というよりは水彩画と呼びたくなる美しさ。これは見とれてしまいますね...。
アニメ版の絵コンテや原画は、個人的にはあちこちのイベントで見たものが多く、目新しさはありませんでした。がイベントと違って時間制限なくじっくり見られるのはいいですね。また、アフレコ用の線撮(映像ができる前に、原画をパラパラアニメ風に動画化して声を当てるためのもの)も公開されていて、作品の製作過程が垣間見えるのもなかなか興味深いです。

GUNDAM PRODUCT ART

ほぼ唯一の立体物展示は、今回が初公開となった 1/10 ガンダム(THE ORIGIN 版)。造形や設定は基本的にマスターグレード版と同じながら、スケールが上がると重厚感が増しますね。
「安彦顔」に関しては MG Ver.2.0 の路線の方が再現性が高かったような気もしますが、今後さまざまな映像や立体物に展開されていくための原型としては、このスタイルがいかにも現代のガンダムらしさとしてまとまっているように思います。

GUNDAM PRODUCT ART

意表を突かれたのは、展示の最後に先日の「ガンダム LIVE EXPO」の現場で収録された「2,000 人のジーク・ジオン」が放送されていたこと(;´Д`)ヾ。あのイベントの参加者しか見ることのできなかったギレン・ザビ総帥によるアジテーション映像に、実際に収録された「ジーク・ジオン!」の音声が追加された映像が流されていました。プロモーション等に利用されるとのことでしたが、まさかこんな形で世に出ることになるとは(笑。

GUNDAM PRODUCT ART

物販コーナーではグッズやお土産がいろいろ販売されていました。
「名セリフクッキー」は、劇中で登場した名セリフがプリントされたクッキー。確かに名セリフなんだけど、シャア・セイラ編のセリフは基本的にトミノ節ではないので、インパクトに欠ける気も(笑

GUNDAM PRODUCT ART

それから「ハロ・クランチチョコ」。THE ORIGIN II におけるアムロの初登場シーンで、アムロが抱えていたハロの化粧箱を再現したパッケージになっています。中のクランチチョコはガンダムカフェで販売されているものと同じで、パッケージだけ会場オリジナルになっている模様。

GUNDAM PRODUCT ART

お約束の会場限定ガンプラ。私は HGUC にはあまり興味がないので買いませんでしたが、THE ORIGIN 展のはずなのに何故か便乗してサンダーボルトや UC のプラモも売られているという(笑

GUNDAM PRODUCT ART

あとプレバン限定の Noritake コラボプレートをこんなところでも販売していました(笑。

イベントは 8/22(月)までと短めの開催。会場はさして広くありませんが、じっくり見入る系の展示物が多く、見応えがあります。ファンの方は忘れないうちにどうぞ。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜 [Blu-ray]

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投稿者 B : 21:27 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/07/29 (Fri.)

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV』公開日決定

「ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜」は12月9日BD発売。先行上映は11月19日 - AV Watch

『ガンダム THE ORIGIN IV』の劇場公開日/配信開始日が発表されました。前回の『III』からきっちり半年ペースを守ってきて解禁が 11/19(土)、BD の発売が 12/9(金)。

前作における「暁の蜂起」を発端として、サイド 3・ジオン共和国の独立に向けた気運が高まります。それはジオン側のドクター・ミノフスキーの亡命と、ザク対ガンキャノンという人類史上初のモビルスーツ戦(ここが本来のファーストガンダムとは設定画違うところ)を引き起こします。ルウム戦役へと至る両車の緊張の高まりと、それとは一見無関係に進むシャアとララァの出会い。後の一年戦争編までのミッシングリンクが繋がる、非常に重要なエピソードがこの『運命の前夜』と言えます。

映像的には、CG で作られたモビルスーツの戦闘シーンがいよいよ本格的に堪能できるのが今から楽しみ。そして、ララァの声を誰が担当するのか...私はやはり潘恵子氏本人が演じるのではないかと予想していますが、これも非常に気になる点。原作通りならば、アムロだけでなくカイやフラウの初登場シーンもありそうなので、非常に見所が多い回です。

11/19 公開ということは、例によってプレミア上映会はその二週間前ですかね。今からスケジュールを空けておかないと(笑。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜 [Blu-ray]

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投稿者 B : 23:04 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/07/01 (Fri.)

機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY @TOHO シネマズ日本橋

機動戦士ガンダム サンダーボルト』の劇場版イベント上映を観に行ってきました。

機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY

機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY @TOHO シネマズ日本橋

TOHO シネマズ日本橋の TCX シアターにて。この作品は戦闘シーンの迫力と楽曲とのマッチングが素晴らしいので、自宅環境ではなく劇場で観たかったんですよね。新宿ピカデリーや横浜ブルク 13 では 4K 上映もされているらしいですが(本作はガンダムシリーズ初の 4K 製作)、2K でも TCX シアターなら最高と思える画質で堪能することができました。

サンライズ第 1 スタジオが手がける戦闘シーンは圧巻の一言。『UC』でもここまでスピード感のある戦闘シーンはなかったように思うので、一年戦争でこのモビルスーツ性能はチートすぎでしょとか、サンライズ第 1 スタジオって「モビルスーツが超高速に動く表現」は赤い光がジグザグに飛び回る表現しかできないのかとかツッコミどころはありますが(笑)、それでも 70 分間座席から微動だにできませんでした。これはテレビ画面でしか観ないというのはもったいないわー。劇場行って良かった。

音楽もまたいい。楽曲は、劇伴作家ではなくガチのジャズ・ミュージシャン菊地成孔氏。私はジャズをあまり聴かないので今回初めて知ったのですが、先日の『ガンダム LIVE EXPO』でご本人も「普段はアニメを全く観ないだけでなく、むしろジャズ以外の趣味を何も持っていない」というくらいの門外漢。登場人物たちが出撃時に聴いている楽曲という設定なので、むしろ純粋なジャズ界を出自に持つ音楽の方がリアリティを感じます。戦場のスピード感や混乱と見事にマッチしていて、カッコイイ。
最近流行りの爆音上映というわけではないですが、自宅ではなかなか鳴らせない大音量でこのフリースタイルジャズと戦闘シーン SE のコラボレーションを味わえるのも劇場ならでは。劇中でイオが「音楽は耳じゃなくて身体で空気の振動を感じるモンだ」という台詞がありましたが、この作品の音楽・SE も身体で感じてナンボだと思います。

本作はもともとネット配信された 4 話分の OVA を一本の劇場版にまとめたものですが、新規カットもあり。戦闘シーン等にいくつかの追加カットがあったほか、ED を兼ねたラストシーンに大幅な追加がありました。これを見て感じたのは、やっぱり続き作る気マンマンじゃないですかー!ということ。原作コミックのほうは既に第二部・地上編に突入しているそうなので、そちらのアニメ化計画があるのでしょうね。宇宙空間とはまた違った重力を感じる MS 戦、期待したいところです。

機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY [Blu-ray]

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2016/06/22 (Wed.)

オデッセイ [Blu-ray]

台湾出張中に届いていた BD をようやく観ました。

オデッセイ 3D&2D Blu-ray セット

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劇場公開から半年足らずでの BD 化。早くもう一度観たいと思ってはいたけど、年々パッケージ化が早くなりますね...。
私は最近 BD を予約注文したのを忘れて二重発注しそうになる未遂事件を何度かやらかしていますが、今回は本当にやらかしてしまいました。通常の BD&DVD セットをヨドバシで注文したしばらく後に、この 3D&2D BD セットを Amazon で発注してしまい、出張から帰ったら両方とも届いていたという(;´Д`)ヾ。幸いにして頒布先がすぐに見つかったから良かったようなものの、今後 BD の発注はヨドバシか Amazon か、どちらかに一本化した方がいいですね...。

ちなみに 3D&2D セットを購入したのは、劇場で火星の世界観に 3D で浸れたのがすごく良かったから。いずれプロジェクタを買い換えたら 3D で観るんだ...。
この 3D&2D セットはスチールブック仕様になっていて、パッケージはこんな感じ。

THE MARTIAN

スチールブックの外観には、邦題の『オデッセイ』の記載がなく、原題『THE MARTIAN』だけ、というのがいい。

というのも、原題が『THE MARTIAN(火星の人)』で、キャッチコピーが「BRING HIM HOME(彼を連れ帰れ)」というのは、「ワトニーが火星で自活したこと」と「地球側でもワトニーの帰還に尽力した人々がいたこと」をちゃんとふまえたものであるのに対して、邦題の『オデッセイ(長い旅路)』とキャッチコピーの「70 億人が、彼の還りを待っている。」では「単なる宇宙旅行の話」だし「地球人は待っていただけ」となり、全く逆のメッセージになってしまいます。もちろん広告としての文字数制限とか分かりやすさとかいろいろあるんだろうけど、本作に限らず洋画のこういう深みのない広告手法がどうしても好きになれないわけで。

その点、このスチールブックの原題を尊重するやり方はいい。
まあ、スチールブックは海外仕様をそのまま流用しただけなのでしょうが、

THE MARTIAN

ディスク上の記載で原題のほうを大きくした、というのは明らかに「わかってる担当者の仕業」だと思います。
宇宙兄弟とのコラボカードをおまけにつけてしまうあたりが残念だけど、ここは商業的な理由としてまあ許そう(笑

映画の感想としては劇場鑑賞時に書いたとおりですが、改めて劇中に流れるディスコ・ミュージックがちゃんとそのシーンの状況に合わせて選ばれていたり(ワトニーがプルトニウムの崩壊熱で暖を取るシーンの BGM が "Hot Stuff(熱いのが欲しい)"だったり、というのがサイコー)、その音楽の力と各所に散りばめられたユーモアで、絶望的な物語でありながら最後まで悲壮にならない作風が、やはり素晴らしい。ワトニーだけでなく登場人物の誰もが、絶望的な状況であっても決して諦めない様子が、自分にも勇気を分けてくれます。

この映画では、ワトニー自身が「記録用の自撮り」という位置づけでカメラに向かって状況や対応について自ら解説するという体裁で物語が組み立てられています。これはナレーションなしで視聴者に内容の理解を促すことを狙った演出なのでしょうが、これって実はポジティブな精神状態を維持する上で重要な行為だったのではないかと思います。というのも、誰ともない受け手を想定して発信することで孤独な状況でも自分自身をポジティブな心情に置いたりテンションを高めていくことができる、というのはこうやって長年 blog 等を書いてきた自分でも身に覚えがあることだったりします。自己暗示的な意味で、これはとても意味のあることではないでしょうか。

改めて、いい映画でした。いつか気持ちが負けそうになったときに、また観たい作品です。

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2016/06/12 (Sun.)

ガンダム LIVE EXPO ~ジオンの世紀~

横浜で開催されたガンダムのライヴイベントに行ってきました。

ガンダム LIVE EXPO ~ジオンの世紀~

ガンダム LIVE EXPO ~ジオンの世紀~

パシフィコ横浜の国立大ホールは、二年前のイベント『機動戦士ガンダム UC FILM&LIVE the FINAL "A mon seul desir"』以来。あのイベントがとても良かったので、宇宙世紀百年を総括するこのイベントも期待できるだろうと、横浜でガンダムといえばこの人と一緒に足を運びました。

これ、おそらく内容的には UC FILM&LIVE the FINAL で福井晴敏氏が予告していた朗読劇『白の肖像』の構想をベースにしつつ、『THE ORIGIN』や『サンダーボルト』が公開中である状況をふまえて、連邦とジオンの興亡を軸に構成されたものでしょうね。『白の肖像』はシャアに焦点を当てた『赤の肖像』と対比的に、ガンダムの歴代パイロットのモノローグで綴る...と言われていたのが、その要素を取り入れつつ練り直された企画だと思われます。

ガンダム LIVE EXPO ~ジオンの世紀~

まずは展示コーナーから...と言いたいところですが、今回はスケジュールの都合で上映直前に会場入りして終わったらすぐに帰らなくてはならない感じだったので、本当に流しでしか見て回れず。UC のイベントのときには立体物含めてかなり大がかりな展示だったのが、今回は原画とセル画中心の、最近の『THE ORIGIN』のイベントに近い内容でした。『THE ORIGIN』と『UC』以外の原画はあまり目にする機会がなかったので、これはこれで貴重ですが、過去作関連の展示は撮影禁止だったのが残念なところ。

ガンダム LIVE EXPO ~ジオンの世紀~

それから、何故か『鉄血のオルフェンズ』の展示も。今週からテレビシリーズの第二期が始まることに合わせたプロモーションのようで、イベント本編の中でも言及される、という宇宙世紀外の作品としては特別扱いを受けていました。が、『オルフェンズ』の劇中に登場する世界地図には、実は宇宙世紀でオーストラリア大陸にコロニーが落ちたのと同じ大穴があるという...もしかすると「厄祭戦」というのは宇宙世紀の出来事だった、というリンクが二期で示されるサプライズがあったりするのかもしれません。深読みすぎるかな。

ガンダム LIVE EXPO ~ジオンの世紀~

限定グッズは地味め。それでも物販コーナーには開演時間に間に合わないくらいの大行列ができていました(;´Д`)ヾ。
私はパンフレットだけ買ってきました。

ガンダム LIVE EXPO ~ジオンの世紀~

で、本編。

全体のナレーションは藤村歩さん演じる(といっても録音)ミネバ・ザビが「ラプラス事件」後に宇宙世紀百年を振り返る、という設定で語られます。そこに池田秀一さんと潘めぐみさんがそれぞれシャア、セイラとして生朗読劇を絡める展開。物語の流れの中で、『08MS 小隊』のシロー・アマダ、『0083』のアナベル・ガトー、『Ζ』のカミーユ・ビダンの新録モノローグが割り込んできます。個人的には、カミーユが劇場版ではなくテレビ版の設定(精神崩壊後)で、『UC』のラストで真のニュータイプの戸口に立ったバナージに精神世界から語りかける...というくだりにグッときました。肉体を解脱して神の領域に到達しようというバナージに対して、人間の世界から呼びかけるミネバとリディ、神の領域から人間世界に帰そうとするカミーユ。小説と OVA、前回の FILM&LIVE、そして今回のイベントがちゃんと繋がるように作られているんだなあ。
コンサートではないので楽曲は要所要所に配置されるという構成でしたが、あえてセットリストを起こすならこんな感じ。

  1. 石田匠 / 風よ 0074 (機動戦士ガンダム THE ORIGIN)
  2. 米倉千尋 / 嵐の中で輝いて (機動戦士ガンダム 08MS 小隊)
  3. I.C.I aka 市川愛 / あなたのお相手 (機動戦士ガンダム サンダーボルト)
  4. MIQ / MEN OF DESTINY (機動戦士ガンダム 0083)
  5. 森口博子 / 水の星へ愛をこめて (機動戦士 Ζ ガンダム)
  6. Aimer / RE:I AM -piano ver.- (機動戦士ガンダム UC)
  7. Aimer / StarRingChild -piano ver.- (機動戦士ガンダム UC)
  8. 森口博子 / ETERNAL WIND ~ほほえみは光る風の中~ (機動戦士ガンダム F91)

米倉千尋とかめちゃくちゃ懐かしい(08MS はリアルタイムでは観てませんでしたが)。でも近年のガンダムは作風が重めで、本イベントもテーマとしては重めなので、彼女と I.C.I、あとヨドバシカメラの歌の人(ぉ)の出番は、その直前までのモノローグとのギャップが激しすぎて、自分含めお客さんがテンションの変化について行けず微妙な空気になっていましたね...。

そして『Ζ』の森口博子。もう彼女だけ拍手の量が他の歌手と違う(笑。一昔前のトップアイドルを思わせる銀色純白のドレスをまとって登場し、『水の星へ~』を熱唱。しかもこれがむちゃくちゃ巧い。私は当時小学生だったので、その後バラドルとして一世を風靡した彼女がこの曲を歌っていたことを知ったのはずいぶん後になってからでしたが、今でもこれだけ歌えるどころか、今のほうが遙かに巧いことに驚きました。
しかも今回のイベントで「実は今日、重大発表があります」「あっ、結婚じゃないですよ!」というお約束の前フリのもと(笑、次の『THE ORIGIN IV』で 25 年ぶりにガンダムの主題歌を歌うことが発表されました。ガンダムの主題歌ってレコード会社の都合で微妙な人があてがわれることも珍しくない中で、この縁も実力もある人選はとても嬉しい。
それにしても、森口博子さんは今回の出演者全体の中で一人だけ別格な存在感を放っていました。やっぱり長年テレビに出ている人は違いますね。

イベントの〆は、予告されていた「2,000 人での『ジーク・ジオン!』」。先日のプレミア上映会でも実は池田秀一氏が音頭を取って予行練習が実施されましたが、その本番です。ギレン・ザビによる演説と当日のために特別に起こされた映像にテンションを引っ張られながらの大合唱は、今後プロモーション映像等で使用されるとのことで、私も隅っこに写り込んでいるかもしれません。本当は銀河万丈さん本人登場あるか!?と期待していたのが叶わなかったのが残念でしたが、いい思い出になりました。

これでガンダム関連のイベントは秋の『THE ORIGIN IV』までしばらくお休みですかね。『IV』では森口博子さんの新曲披露が期待できそうなので、またプレミア上映会を狙っていきたいと思います。

森口 博子 / I wish ~君がいるこの街で~

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※『ETERNAL WIND ~ほほえみは光る風の中~』の新録版が収録されています

投稿者 B : 22:22 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/06/11 (Sat.)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起 [Blu-ray]

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起 [Blu-ray]

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『THE ORIGIN III』の BD が発売されたので、もちろん確保しました。

基本的な感想についてはイベント上映のときに書いているので、今回はネタバレ防止のために書いていなかった OVA 版のオリジナルキャラ「リノ・フェルナンデス」について。
リノは士官学校におけるシャア(キャスバル)の当初のルームメイトとして登場するわけですが、コミック版ではその役どころにはもっと気弱な感じの「ムラタ」というキャラクターがあてがわれていました。途中でルームメイトが強引にガルマに替わり、「暁の蜂起」の際にシャアに「あのマスク」を渡すところまでがムラタの役目だったわけですが、OVA 版のリノはムラタのキャラ設定を変更し、より重要な役割をもって登場しています。キャスバルと入れ替わる前の本来のシャア・アズナブルのハイスクール時代の同級生という設定で、士官学校でのシャアが本来のシャアとは別人であることを見抜き、シャアの本性を突き止めるのがリノ・フェルナンデス。最終的に「暁の蜂起」でムラタ同様に戦死という末路をたどるわけですが、この設定がひとつ加わることでコミック版よりもストーリーに奥行きが出たように感じます。確かにシャアと同郷で士官学校に入った同級生はいたんだろうし、士官学校編は特にシャアとガルマの絡みばかりで、ともすると単調になりがちですからね。リノの戦死シーンは、キャスバルからシャアへの変貌を際立たせ、自らの計画の障害になる可能性がある相手は誰であろうと陥れるシャアの執念深さが際立つエピソードでもあります。
ただ、コミック版を読んだ上でアニメを見ると、そのあたりの設定が取って付けたような印象は否めず、もう少しリノ自身の話を掘り下げて欲しかったようにも思います。でもまあ、この作品はあくまでキャスバル視点で描かれたストーリー、と考えれば、これくらいのほうが自然な気もしますが。

なおプレミア上映会のトークショーでの話によると、ガルマ役の柿原徹也氏とリノ役の前野智昭氏は実際に声優の専門学校での同級生とのこと。前野氏は「リノが死んだことは映像ではハッキリと描かれていないので、もしかしたら生きている可能性もあるのでは。今後のエピソードで、ザクレロのパイロットでも何でもいいからもう一度出演のワンチャンがあるといいな」と言っていたので、リノ先生の今後の活躍にご期待ください(ぉ

今作はこれまでの『THE ORIGIN』の中で最も戦闘シーンが長く、手に汗握りました。やっぱりこういうシーンこそアニメ化の意義が大きいですね。次は開戦からルウム戦役へと至るエピソードになり、ようやく本格的なモビルスーツ戦も描かれるはず。秋の公開が今から楽しみでなりません。

投稿者 B : 21:30 | GUNDAM | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/05/26 (Thu.)

ウルフ・オブ・ウォールストリート [PS Video]

ウルフ・オブ・ウォールストリート

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アカデミー賞主演男優賞受賞のニュースを聞いて、最近敬遠がちだったディカプリオの主演映画を何か観てみたいと思っていました。でも『レヴェナント』は重たそうだし、劇場公開時に少し気になっていたこの作品を、と思って PSV で視聴。

タイトルからして『ウォール街』『ウォール・ストリート』の流れを汲む作品だと思うじゃないですか。そしたら、マイケル・ダグラスが出てこないだけでなく、舞台がウォール街だというだけで全く違う作品でした。
詐欺まがいの営業テクニックでジャンク債を売りまくり、ウォール街をのし上がったジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)のキャラクターは確かにゴードン・ゲッコーを彷彿させるものがあります。そして、この作品自体が実話に基づいてもいます。が、作風は『ウォール街』シリーズのように金融と経済について深く考えさせるようなものではなく。作中に数百回の "f*ck" という単語が飛び交った映画は、私は観たことがありませんでした。これはちょっとつらい...。
これは金融の映画として観るべきではなく、まず自分と交わることはない人生をスクリーン越しに眺める映画なんだろうな、と思います。

でもだからこそディカプリオの演技は際立っていました。流れるような話術でジャンク債を売り込むテクニックや、自社の社員に対するアジテーション演説、FBI の捜査官とのやりとりなど、映画そのものよりもディカプリオの演技に見入る 3 時間、とでも言うべき映画。そこは確かに圧倒されたなあ。

だけど今は口直しに「いい話」の映画を観たい気分です(笑。

投稿者 B : 23:49 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/05/21 (Sat.)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III イベント上映 @TOHO シネマズ日本橋

本日よりイベント上映&ネット配信が始まった『THE ORIGIN III』、劇場まで観に行ってきましたよ。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III

ガンダムのイベント上映はいつもフラッグシップ館たる新宿ピカデリーを利用していますが、今回は日本橋へ。上映スケジュールを見る限り少なくとも一週間は TCX スクリーンのひとつを占有して上映されるようで、TOHO シネマズとしても気合いが入っているようです。プレミア上映会はどうしてもスクリーンが小さくなりがちなので、大画面で細かいところまでじっくり見られるのはいいですね。

今回はキャスバル改めエドワウ・マスが「シャア・アズナブル」になるお話。士官学校への入学と「シャア・アズナブル」を名乗るに至った経緯、そして士官学校でのエピソードを描いています。今作のサブタイトルであり、のちに一年戦争を引き起こすきっかけとなった「暁の蜂起」事件の顛末を濃密に描いています。THE ORIGIN I、II ともに一応モビルスーツが出てきたのに対して今回はほぼ登場しませんが、「ガンダムっぽさ」の度合いはこれまでの三作の中で最も濃くなっています。

今回の主役は当然シャア...のはずですが、個人的にはガルマが良かった。コミック版では「ザビ家のお坊ちゃん」の印象がとても強かったのが、アニメではそういう側面はもちろんあるものの、少しでもシャアに追いつきたい気持ちやザビ家の男としてのプライドといった側面がコミック版よりも前面に出ていて、とても人間性豊か。特にコロニーの農業ブロック事故のシーンで、連邦に対して怒りを露わにしながら目に涙を浮かべる...という描写はコミック版にはなく、ジオンの王子としての責任感が表現されているのは良いなあ、と。
ガルマ役の声はファーストガンダムとは変わって柿原徹也氏。『UC』でアンジェロ役を怪演していた声優さんで、確かに声の雰囲気はハマり役だろうけどアンジェロのアクの強さからすると不安要素も...と思っていましたが、ここまでガルマらしいガルマを演じてくれるとは思っていませんでした。

ところで、プレミア上映会にはなかった要素といえば、次回予告。このイベント上映に合わせて解禁されました。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV

サブタイトルは『運命の前夜』。シャアとララァの出会いと、ルウム戦役へと至る「開戦編」を描いたエピソードです。そして、実はプレミア上映会では安彦総監督が口を滑らせていた(笑)2017 年のルウム編製作決定も発表。もちろん一年戦争編は見据えた上での展開でしょうが、早くも楽しみです。
でもまずは『THE ORIGIN IV』がどうなるのか。ララァの声は、まだまだ健在の潘恵子氏が演じることになるのか。そのへんの人選まで含めて、今から妄想を膨らませておきたいと思います。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起 [Blu-ray]

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2016/05/17 (Tue.)

殿、利息でござる! @TOHO シネマズ日本橋

殿、利息でござる!

殿、利息でござる!

先週末に公開されたばかりの映画を観てきました。

コメディ寄りの時代劇が好きだ、ということを自覚するようになってから、こういう映画を積極的に観るようになったんですが、この映画も『超高速!参勤交代』に似た雰囲気を感じたので面白そうだな、と。ただキービジュアルの見た目からして『超高速』以上に B 級映画感が漂っていて、ちょっと不安には思っていました。

が...騙されました。いや、これは良い意味で。阿部サダヲ主演だからってこんなにコメディ感全開にしないと客が入らないとでも思ったのか?というくらい、実際確かにコミカルなシーンは細かく仕込まれているものの、本質は「人の思いと覚悟」を軸にした感動物語。
江戸時代中期の仙台藩で実際にあった話をもとにした小説の映画化で、重い年貢と労役の負担を軽くするために「殿様に金を貸し、その利息を得る」ことを考えて実行に移した百姓達のお話です。

農民達だけで千両(約三億円)を集めなくてはならないというお題だけでもハードルが高いけど、その一つ一つの課程が面白い。登場人物もそれぞれキャラが立っていて、それを個性豊かな俳優陣が演じています。脚本以上に芝居の力がこの映画の緩急を生み出している印象。当初は笑う気マンマンで観に行ったはずだったのに、最後はこの登場人物達が織りなす物語にのめり込んでいる自分がいました。
仙台藩主・伊達重村役で出演したフィギュアスケートの羽生結弦さんの演技も観るまで不安でしょうがなかったけど(笑)、想像以上に様になっていたのは普段から鍛えられた身のこなしの成果でしょうか。

良い映画でした。よくあるコメディ邦画のひとつとして埋もれていきかねないのが日本映画の寂しいところですが、これは多くの人に観てほしいなあ。

投稿者 B : 23:59 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/05/16 (Mon.)

ブリッジ・オブ・スパイ [PS Video]

ブリッジ・オブ・スパイ

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劇場公開時に評判の高かった映画の配信が始まっていたので、PlayStation Video にて鑑賞しました。

近年はもはやエンタテインメントというより社会派という印象が強まりつつある、スティーブン・スピルバーグの最新監督作です。作品としては『リンカーン』以来かな。

第二次世界大戦中に実際にあった、アメリカと旧ソ連のスパイ交換取引にまつわる映画。弁護士が主人公という設定のため、法廷劇かと思ったら必ずしもそういうわけではなく。主演がトム・ハンクスのサスペンスというと『ダ・ヴィンチ・コード』的な展開を期待しがちですが、それともちょっと違う。スパイ交換に伴う各国の政治的な駆け引きと、トム・ハンクス演じるドノヴァン弁護士と旧ソのスパイ、アベル大佐の静かな信頼関係、あたりが物語の軸となっています。
劇中には映画らしい派手なシーンはほとんどなく(米軍偵察機の撃墜シーンくらい?)全体的に暗く、地味な映像が続きますが、全編を通じて緊張の糸が張り詰めているような作品。所々、トム・ハンクスっぽい皮肉やコミカルなシーンが挟まれていなければ、疲れていたかもしれません。

人質交換の舞台はまさに「壁」で東西が分かたれた頃のベルリン。私はベルリンの壁崩壊の当時まだ小学生だったので、東西ドイツ分断時代の話は文献等からの知識しかありませんが、映画とはいえ映像でその現実を見るのはなかなか重いものがあります。特に、壁を乗り越えようとした市民が衛兵に射殺されるシーンは衝撃的。
でも、そういう映像はこの映画にとってはあくまで背景で、本題は政治、もしくは政治と人道のどちらを優先するか、という部分。旧ソ支配下の東独の立場とか、多民族国家たるアメリカの価値観とか、そういったものは現代の日本人からはなかなか想像ができないところですが、しかしそういうことを共感はしないまでも理解することが、国々が...というより人々が平和裡に共存していくには不可欠なことなんだろうなあ、と映画の本質とは関係ないことを思いながら見ていました。

台詞で全てを説明せずに映像的演出で伝えてくるシーンも多く、複雑なテーマをよく映像化したなあ...としみじみ感じた映画でした。淡々とした作風が逆にいい。
そういえば『シンドラーのリスト』も未見だけど、この機会に観てみようかなあ。

投稿者 B : 23:25 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/05/09 (Mon.)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 決起の篝火 暁の蜂起 プレミア上映会

今のところ参加率 100% を継続している『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の地球圏最速上映会。今回も当選したので、行ってきましたよ。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III

今回はファンクラブ枠での当選。ファンクラブに課金したのは、『サンダーボルト』を観たかったというよりはこのイベントにファンクラブ枠で応募できるメリットがあったからです。ファンクラブ枠でチケットが取れる可能性があって、かつ一般配信と大差ない値段で『サンダーボルト』の先行配信を受けられるならその価値あるかな、と思って課金していました。ちなみに現地で聞こえてきた他のお客さんの話し声によるとファンクラブ枠でも落選した人はいたようで、そういう意味でもつくづく私は運がいい。

開場は横浜・山下公園の隣にある神奈川県民ホール。築 40 年の歴史あるホールです。回を重ねるごとに会場が都心から離れつつあるのが気になりますが(笑)、前回の豊洲 PIT のようにパイプ椅子に二時間座らせられるよりは、こういうちゃんとした劇場の音響で、ゆったりとした椅子に座って楽しめるというのはありがたい。今後もこの方向でお願いしたいですね。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III

ファンクラブ枠の特典はいくつかありますが、ステージの見渡しと音響の良い二階席が割り当てられることと、一般枠よりも 15 分早く入場できることが大きなメリット。少し早く入場できるということは、いつも大混雑なロビー内の展示がゆっくり見られるというわけですが、結局ファンクラブ枠の人数でも展示コーナーは行列ができてしまっていたので、15 分程度の先行入場はちょっと焼け石に水感がありました。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III

ロビー内の展示は関連ガンプラや原画・設定画が中心。凝りに凝っていた UC の先行上映イベントと比べると規模が小さいし、毎度似たような内容なのでマンネリ感はありますね...。
それでも安彦先生の原画をこの目で見られる機会は貴重です。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III

これは Blu-ray のスリーブケースに使われる予定のジャケ絵ですが、これ漫画連載時に描いたものじゃなくて今回のアニメ化に伴う描き下ろしなんですよね。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III

こちらはアニメの原画。安彦総監督はあくまでスタッフが描いてきた原画のチェックと修正指示を行う立場、言ってみれば「安彦 FINISH」(ぉ)の工程が徹底されています。
アニメを見ていると漫画のカット割りがそのまま動いているかのような印象を受けるのですが、そこはアニメーター出身の安彦先生による漫画化だけに、アニメに逆輸入させても馴染みやすいということなのかもしれません。だからこそ安彦 FINISH でも製作が成立するというか。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III

設定画。かなり細かいところまで設定が作り込まれていて、映像を見るとちゃんと制服に学年や寮番号が描き込まれているのがすごい。
テレビアニメじゃないからやれることですよね...まあ、サンライズのことだから『UC』のように完結後にテレビシリーズ化、くらいのことはやりそうですが(笑

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III

こんな小道具にまで細かい設定が(汗。
普通こういうのって原作を参考にしながら原画家かアニメーターがアドリブで描くもんじゃないんか(;´Д`)。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III

BD コレクターズエディションの内容。
まあ私は価格がというよりこの物量がネックなので通常版を買います(汗

肝心のアニメの内容はネタバレ防止のために今はまだ書かないでおきますが、上映イベント自体について。
レポートは既に GUNDAM.INFO にも掲載されているので、ここでおおよそは分かるかと。

ステージは士官学校の入学式に!「ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起」プレミア上映会レポート | GUNDAM.INFO | 公式ガンダム情報ポータルサイト

今までのプレミア上映会が上映前の出演者トーク~本編上映~再度出演者トーク、という構成だったのに対して、今回は上映前のトークはなし。代わりに前作『哀しみのアルテイシア』のラストシーンを池田秀一・潘めぐみ両氏による生朗読で再現し、そこから石田匠氏によるエンディングテーマ『風よ 0074』の生歌熱唱、そして本編スタート...という凝った演出。これには思わず胸が熱くなりました。プレミア上映会には今まで何度も足を運んでいますが、生朗読劇は初めてだったんですよね。
で、本編上映後のトークショーは今回のテーマに合わせて「ジオン士官学校の入学式」という設定でスタート。柿原徹也氏(ガルマ)、前野智昭氏(リノ)、池田秀一氏(シャア)の三人が新入生、潘めぐみ氏(セイラ)が来賓として紹介された後に、安彦総監督の登場。他の出演者同様に舞台袖からの登場と思いきや、舞台中央のカーテンが開くとデギン公王の椅子に座っていたのは安彦総監督!という今回最大のサプライズ(笑。
トークの内容は上記リンク先にまとめられていますが、各登壇者が表向きは「今後のアニメ化はファンの皆さんの応援次第」と言いつつも、話の節々からは一年戦争編までリメイクすることがほぼ確定しているだろうことが滲み出ていたのが微笑ましかったです。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III

イベントのお土産は、いつものミニ色紙に加えてファンクラブ限定でアニメ原画(コピー)をサンライズ公式の製作用封筒レプリカに入れたもの。あとは自分が座った席にかけられていたキービジュアル入りのシートカバーでした(どうせいっちゅうねん)。

今回のエピソードは「キャスバルがシャアになる物語」ということでシャアももちろん良かったんですが、ガルマが想像以上に良かった。映像の緊迫感やテンポも前二作より良くて、時間を忘れて見入ってしまいました。一般向けのイベント上映は二週間後、改めて劇場に足を運ぼうと思います。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起 [Blu-ray]

B01AVRZGZK

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2016/04/29 (Fri.)

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 [MovieNEX]

待望の BD が、ついに発売されました。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 [MovieNEX]

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年末に何度か(ぉ)映画館に足を運んで以来、自宅でまたじっくりと観られる日をずっと待ち望んでいました。

今日も仕事だったのでまだ本編も特典映像もさわり程度しか観ていませんが、ハン・ソロとチューバッカの登場シーンは何度観ても泣ける(古参ファン的に)。ストーリーはルーカスが本来描いていたものとは全く違うシナリオになり、「コレジャナイ」「媚びてる」などの批判もあるようですが、私はこういうスター・ウォーズこそ観たかった。
三部作の一作目なので、新たな主人公による新たなる旅の始まりの物語なわけです。これからの旅を共にする仲間との出会い、敵との遭遇、そして当面の脅威の打破と導き手の死。『新たなる希望』と『ファントム・メナス』がそれぞれたどってきた物語を新しい設定とキャラクターでなぞることで、さらに次作への期待を煽ってきます。

特典映像はいつものメイキング系と「削除されたシーン」。削除されたシーンはまあオマケ程度という印象ですが、メイキングでは BB-8 関連が面白かった。現実的には再現が難しい機構のメカなのでほぼ CG で描かれてるんだろうと思ったら、ちゃんと実物を撮影しているんですね。しかもシーンや BB-8 の動きによって複数バージョンの BB-8 を使い分けているというこだわり。
他のシーンでも、大がかりな実寸大のセットをちゃんと作って撮影されているのがほとんど。EPI~III あたりは CG の使いすぎで今見ると安っぽい質感のシーンも少なくないけど、本作の重厚感というかリアリティある映像は、実写へのこだわりから生まれていたんですね。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

当然初回限定版を入手したので、BB-8 がデザインされたスリーブケースにブラック・パッケージが封入されて届きました(増産分からはスリーブなしで白いトールケースになる模様)。トールケースに「STAR WARS」のロゴが箔押しされてるのが嬉しい!と思ったら、その下の「MovieNEX」ロゴにちょっとガッカリ(´д`)。
パッケージメディアを買えばスマホやタブレットでもデジタル配信が観られるというのは便利だけど、MovieNEX 商法にはちょっとどうかと思う部分もあり...。

と思ったら、今回は 3D Blu-ray は秋頃に別途発売されるみたいですね。『アナ雪』のときは 3D 版は MovieNEX CLUB での販売のみだったので、てっきりそれと同じだと思っていました。
でもなんで 2D 版と同時発売じゃないの...とは思います。どうせ同梱の DVD は観ないんだから、3D&2D BD として同時発売してほしかった。ディズニーのこういう販売方式はどうにも好きになれません。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

ともかく、この GW の大きな楽しみの一つはこの BD でした。たぶんこの休み中に三回は観ると思います(ぉ
このために劇場で買った BB-8 のドリンクカップをまだ取ってあったので(笑)、これでコーラでも飲みながら鑑賞しよう。

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2016/04/20 (Wed.)

ニュー・シネマ・パラダイス デジタル・レストア・バージョン Blu-ray BOX

ニュー・シネマ・パラダイス デジタル・レストア・バージョン Blu-ray BOX

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映画史に残る名作の再 Blu-ray 化バージョン。旧版の Bu-ray も持っている作品ですが、BD 向けに作り直された新規マスターで再パッケージ化、しかもイタリア国内で最初に上映された「完全オリジナル版」まで収録されているとあっては買い直さないわけにはいかないじゃないですか。

旧版の BD も、古いフィルムから起こした割には画質いいなあ、と当時は思っていたんですが、もともとが DVD 用に製作されたマスターからの収録だったので、本来のフィルムのポテンシャルを引き出し切れてはいなかったようです。あれから 8 年が経過し、Blu-ray のスペックを使い切れるまでマスタリング&エンコード技術も進歩して、満を持しての再パッケージ化。

旧版を観た当時は「こんなもんか、まあ十分キレイか」と思っていたけど、比較すると当時のフィルムにこんなに情報量があったのか!と驚くレベル。もちろん相応にデジタルで修復したりシャープネスをかけたり発色をいじったりもしているんでしょうが、フィルムにそれだけの余地があったことをこの目で見ると驚きます。自分で新旧の BD の画質比較をやろうかとも考えていたんですが、最初のシーンが表示された時点で比較するまでもない美しさに思わず息をのみました。これ HD 世代の映像機器の画質リファレンスにしてもいいんじゃないですかね。
映像に比べて音声の方はナローレンジだしところどころ割れて聞こえるようなところもあるし、一応 5.1ch 化(インターナショナル版のイタリア語音声のみ)されているとはいえ、こちらは時代なりのクオリティ。でもこの映像美は、旧版から買い直す価値があると言えます。

また今回は今まで BD 化されていなかった「完全オリジナル版」まで同梱された BD-BOX。インターナショナル版は主人公のトト少年と映写技師アルフレードの交流と「映画というもの」がメインなのに対して、完全オリジナル版では主人公トトが成人してかつての恋人と再会するエピソードが追加されているとのこと。まだ観ていませんが、最初に公開されたバージョンだからこそトルナトーレ監督が本当に表現したかったものが描かれているのだろうとも思う反面、それって壮大な蛇足なのではとも思えて、まだちょっと観る気合いが湧いてきません(長いし)。でも、インターナショナル版でも初めて観たときと今では自分の年齢も違うせいか、トトの青年期~初老期のシーンから感じるものが変わってきたことも感じます。だから完全オリジナル版も自分の年齢や経験とともに感じ方が変わってくるんでしょう。ちょっとめんどくさい気もしつつ(笑)時間のある GW にでも、完全オリジナル版をゆっくり観てみますかね。

投稿者 B : 00:30 | Foreign Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2016/04/16 (Sat.)

機動戦士ガンダム UC A Phantom World

またまた約半年ぶりに、ガンダムフロント東京に行ってきました。

ガンダムフロント東京

機動戦士ガンダム UC A Phantom World

といっても屋内の有料ゾーンには入らず、正確にはダイバーシティ東京の実寸大ガンダム立像前に行ってきただけですけどね。
GFT も最近はもう半年おきに新映像が出たときだけに行く場所になっちゃったなあ...。

というわけで、目的はこれ。

「ガンダムフロント東京」WALL-G新映像「機動戦士ガンダムUC A Phantom World」3月26日上映スタート! | GUNDAM.INFO | 公式ガンダム情報ポータルサイト

機動戦士ガンダム UC A Phantom World

壁面映像がリニューアルして、『UC』をフィーチャーした内容になりました。
これはもちろん『RE:0096』のテレビ放送と連動した企画ということでしょう。

機動戦士ガンダム UC A Phantom World

ストーリー的には、袖付きの新型 MS「シナンジュ・スタイン」をネェル・アーガマから発艦したユニコーンガンダムが迎撃する、というもの。本編の時間軸には存在し得ない話なので、単純に if 的な映像と言えます。
一見手描きっぽいけど、細部のマーキングまでしっかり表現されているあたりを見るに、トゥーンシェーディングで生成された CG でしょうか。

機動戦士ガンダム UC A Phantom World

対するは、「シナンジュ・スタイン」。「袖付き」アナハイムから強奪した機体をフロンタル仕様に換装する前の状態で、外装がガンダム的な直線主体になっているのが「シナンジュ」との違いですが、胸部装甲の一部に既にジオン的なエングレービングが施されていたりして、換装過程の状態であることが細かく表現されています。まあ私も後で写真を見返してやっと気づいたほどの、伝わりにくいこだわりですが(笑
この「スタイン」がゲーム以外で公式に映像化されたのはこれが初めてではないでしょうか。

機動戦士ガンダム UC A Phantom World

ユニコーンとスタインが会敵し、接近戦が始まるわけですが、

機動戦士ガンダム UC A Phantom World

そこに援軍として「バンシィ・ノルン」と「フェネクス」も参戦。
フェネクスは今までの映像化ではリアル CG ベースのものばかりで、ミラー状の外装に宇宙が映り込むという表現でしたが、今回はアニメらしく黄色っぽい金色で表現されています。

機動戦士ガンダム UC A Phantom World

そして、3 機揃ってデストロイモードに変身!
一方、敵側はいつの間にかスタインの代わりに「例のあいつ」が登場。

さあ、ここからどんな戦闘が繰り広げられるのか...と思ったら、なんとここまでで映像が終了(;´Д`)ヾなんだそれ。
ま、映像自体が 3 分しかないので、それぞれの登場シーンと変身シーンだけで尺を使い切ってしまうことは、ちょっと考えれば分かることですが