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2019/01/18 (Fri.)

コーヒーが冷めないうちに

私は気になった映画はすぐに映画館で観ちゃう方なので飛行機に乗っても機内エンタテインメントであえて観たい映画も特にないことが多いのですが、今回はちょっと気になるけどネット配信が始まってからでいいか...と思っていた映画が JAL 国際線にラインアップされていたので、珍しく機上で鑑賞しました。

コーヒーが冷めないうちに

コーヒーが冷めないうちに 通常版 [Blu-ray]

本屋大賞にノミネートされた小説の映画化らしいですね。私はどちらかというと松重豊が出てるというので気になったクチです(ぉ。映画としては気になってはいたんだけど、「泣ける映画」という触れ込みで売り出される邦画があまり好きではなくて、なのに「4 回泣けます」とか宣伝されると逆に萎えるじゃないですか。確かに映画って日常とは違った感動を味わいたくて観るものだと思うけど、みんなそんなに泣きたいのか...。

さておき、この映画。ある喫茶店の特定の席に座ってコーヒーを飲むと、そのコーヒーが冷めきるまでの間だけ自分の行きたい時間(必ずしも過去とは限らない)に行ける、ただしコーヒーが冷める前に飲み干さなければ二度と現在には戻ってこれなくなる...というファンタジー設定の中で、登場人物がどの時間に行って誰に会い、何をするのか?を描いた作品です。二時間ものの映画だけど実際には四つのショートストーリーを組み合わせたオムニバスドラマ的な形式を取っていて、以下のエピソードが描かれます。

  • 幼なじみの男性と喧嘩別れした女性(波瑠)が喧嘩する直前に戻る話
  • 認知症で記憶を失い夫の顔さえも忘れてしまった妻(薬師丸ひろ子)の過去に会いに行く夫(松重豊)の話
  • 妹に実家の旅館を押し付けて気ままに生きる姉(吉田羊)が、急逝したその妹に再会しにいく話
  • 過去に囚われて現代に帰ってこれなくなった母(石田ゆり子)にもう一度会いに行きたい娘(有村架純)の話

「泣ける」を標榜する日本映画では往々にして主要キャラの誰かが難病にかかって死んでしまうことが多いですが、この映画はあまりそういう感じではなく(人が死ぬ話は出てくるけど)人間の望みや後悔について丁寧に描いた作風なのがなかなか良かったです。最後のエピソードは、人を過去に送ることはできても自分が過去に行くことはできない数ちゃん(有村架純)がどうやって過去に行くのか...というトリックが SF(サイエンスファンタジー)的で面白かった。

で、実際泣けたか?というと個人的にはそこまでなく感じではなく、むしろじんわり感動する系の作風だと思ったのですが、二番目の認知症の初老夫婦の話は思わずグッと来るものがありました。

コーヒーが冷めないうちに

だって松重さんのこの顔ですよ。嬉しさと悲しさ、それに深い愛情がないまぜになったこの複雑な表情。それを受ける薬師丸ひろ子の表情もいい。人の死をもって泣かせる話じゃなく、片方が病気になったときに夫婦としてどう生きていくか...を描いた話だからこそ他のエピソードよりもリアリティがあって、仮に自分もあと二十〜三十年後に同じような状況に陥ったらどうするだろうか...と考えてしまいました。

そこまで期待したわけでもなかった割にはいい映画だったかな。映像のスケールが大きいわけではないので映画館ではなく配信でも十分楽しめます。
それにしてもこういう喫茶店を題材にした映画を見ると喫茶店に行きたくなりますね。こないだ松重さん繋がりでヴィヴモン・ディモンシュに行って個店系の喫茶店の良さを実感しただけに、なおのことそう思います。特に戻りたい過去があるわけではありませんが(笑)、こういう過去に戻れそうな喫茶店を探してみようかな。


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2018/12/27 (Thu.)

カメラを止めるな! [PS Video]

劇場公開中にリピートしたかったのが果たせずじまいだったので、配信が始まったのを見計らって PS Video で改めて鑑賞。

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

そろそろネタバレを恐れずに書いても良いですかね(笑

前半は完全に B 級ホラー映画をまるまる見せられて、後半にそのタネ明かしを含めた撮影風景を追体験する、という二段構成になっています。前半の劇中劇『ONE CUT OF THE DEAD』も小劇場芝居のようなノリが面白く、また本当にノーカットで収録されている凄みを感じられます。ところどころ引っかかりのある構成は、初見の時には後半のネタばらしで「あれが伏線だったのかー!」と納得しながら観るのも面白かったんですが、一度ネタが判った状態で最初から改めて観るのもまた違った面白さがあります。ちょいちょい挟み込まれる変なシーン、変なカットの裏がどうなっているかを想像しながら観ると、初見とは別の場所で笑いがこみ上げてくる。劇場で観たときに自分とは違う部分で反応していたお客さん、あれはリピーターだったのか!

この作品は SNS で話題になり、それをテレビがフォローすることでヒットした、いわゆる「バズった」映画の典型例でしたが、その契機は意外にも新聞の映画評コーナーに掲載され、初期は映画好きのシニアが単館の席を埋めたことがきっかけだったといいます(ソース:小寺信良さんと西田宗千佳さんのメルマガ)。SNS 的には「ネタバレは憚られるけど観に行った人の熱量がクチコミで伝わりやすい構造」を持つ作品ではありますが、一方で制作陣の映画愛、演劇愛が強く感じられる作風が、そういう映画好きや業界人の心を掴んだことがヒットの種火になったのではないでしょうか。そういう意味では『ラ・ラ・ランド』や『ニュー・シネマ・パラダイス』といった作品が映画好きに支持されたのと同じ根っこを持っているように思います。

とにかくイヤなことを忘れてひたすら笑えるいい映画です。私もディテールを忘れた頃にもう一度観ようと思います。

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2018/10/30 (Tue.)

『孤独のグルメ 2018 大晦日スペシャル』放送決定

今年も大晦日に『孤独のグルメ』のスペシャルドラマが放送されることが発表されました。

こどグルはテレビ東京においてもはや年末年始特番の定番になったため今年もきっとやるんだろうなあとは思っていましたが、今年もまた紅白にぶつけるとは。昨年の大晦日 SP でそれなりに視聴率が取れたということですかね(笑。

去年は中四国を巡った後に成田山の年越し蕎麦で〆でしたが、公式情報によると「はたして今回の仕事先はどの地方に!」との記述もあり、またしても東京都外になる可能性が示唆されています。ドラマで今まで訪れていないのは新潟を除く北信越地方か沖縄ですが、どうでしょうね。また今年はドラマ前半で生ドラマパートを昨年より拡大して行うとのことで、どのような形になるのか楽しみです。前半だとすると初詣スポットではなさそうだし、大晦日らしい人気スポットといえば上野アメ横、浅草寺、深大寺(深大寺蕎麦で年越し?)あたりでしょうか。想像ですが、序盤に生ドラマで小芝居を入れつつ「今年最後の仕事も大変だったなあ...」と振り返る形で本編が始まり、最後には今年も蕎麦を啜りながら年越し、というようなスタイルになるのではないでしょうか。

孤独のグルメ

レギュラードラマのほうでは散々食べた後に白飯に残り汁をぶっかけて締める、みたいな無茶な食べ方が常態化してきていて、最近はさすがに松重さんの体調が心配になるほど(松重さん自身の提案で追加した回もあるようですが)。舞台出身の松重さんなら生ドラマの緊張感も苦にはならないかもしれませんが、あまり無理をせずにがんばってほしいと思います。

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2018/09/04 (Tue.)

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

「頭で考えるんじゃない、心を口の中に集めて感じるんだ。うまさとひとつになれ」

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

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6 月末の放送終了からまだほんの二ヶ月あまり。ドラマ『孤独のグルメ Season7』の Blu-ray BOX が早くも発売されました(厳密には明日が発売日でフライングゲット)。全話録画してあっても BOX を入手するのが巡礼者としてのあるべき姿です(ぉ

今回はいつもより 1 枚多い 5 枚組。というのも、昨年末に放送された大晦日スペシャルの分が 1 枚多く収録されているわけです。
大晦日スペシャルは終盤にまさかの生ドラマが挿入されるという驚きの構成でしたが、この BD では生放送パートは「LIVE」のテロップ入りで、しかも最後のプレゼント告知までそのまま収録されていて、いつもの放送とはちょっと空気の違ったあの感じが蘇ってきます。

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

定番のピクチャーレーベル。この写真を見ているだけで、あの幸せな生鮭のタルタルバターが脳裏に浮かんできます。もう一度食べたいなあ...。

まだ届いたばかりで全部は観れていないのですが、とりあえず特典ディスクだけひととおり視聴しました。

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

映像特典はいつもどおりのラインアップ。だけど、メイキング映像は各話の舞台裏はいつもよりあっさりめで、代わりに大晦日スペシャルの生ドラマの舞台裏を見せてくれたのと(新勝寺の初詣客が万一少なかったときのための別ナレーションまで収録してあったとは驚きました)、三年ぶりの海外ロケとなった韓国編の様子が厚めに収録されています。
中でも韓国編にゴローちゃんのクライアント役で登場したソン・シギョンさん(本業は歌手)のこどグル愛がアツい(笑。来日した際にドラマの聖地を 5~6 店ほど巡礼済みだったり、ドラマ冒頭の「時間や社会にとらわれず~」のナレーションを暗唱できるほどのマニアで、私の巡礼仲間の中でもここまで愛が深い人はそういないレベル(笑。妙に親近感が湧いてしまいました。

また、ドラマ登場店の放送後の反響をインタビューした「追跡!その後のグルメ」は今回も収録されていて、あらかた巡礼してきた身としては嬉しい。特に広尾のサルシータの店員さんが言っていた「放送直後に来るお客さんはマニア度が違う。放送前に来るお客さんはプライドを持っている」というコメントには、ちょっとギクッときてしまいました(汗。

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

ロケハン日記はシーズンを重ねるごとにお店探しの苦労が重くなってきているのを実感します。
特に今シーズンは山手線内のお店が広尾しかなく、山手線外もマニアックな立地ばかりで、かなりの苦労が偲ばれます。さらに最近は松重さんも映画やドラマに引っ張りだこでスケジュール確保が大変だったろうし、次が作れるのかどうか。でもメイキングで松重さん自身が撮影を楽しみ、時にはメニューや食べ方について提案を出している様子を見ると、年一回のスペシャルドラマでもいいから細く長く続けてほしいなあ、と思います。

孤独のグルメ Season7 Blu-ray BOX

そういえば最終話を飾った八丁堀の中華シブヤ。築地市場の豊洲への移転に伴って今月末に閉店してしまうそうですね。ドラマや原作に登場したお店が閉店してしまう例は過去にも複数ありますが、放送からこれだけ短期間のうちに移転でもなく完全閉店というのは例がないのではないでしょうか。残念でもありますが、今まで長きにわたって八丁堀サラリーマンの空腹を幸福に満たしてきただろうお店だけに、お疲れさまでしたと言いたいです。閉店までにもう一度行く機会、あるかなあ...。

個人的には、Season7 の聖地巡礼はあと一箇所だけ残っています。Blu-ray BOX の発売前に勢い任せに韓国遠征まで完了しているとは自分でも予想していませんでしたが(笑)、思っていたよりも良いペースで巡礼してこれたかな。残りの一店も近いうちに攻略してこようと計画中。

■関連リンク
【Season7巡礼中】『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~7&原作 - NAVER まとめ

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2018/08/21 (Tue.)

カメラを止めるな! @チネチッタ

巷で話題の映画を観てきました。

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

これ、ネタバレせずに感想を書くのが難しいですね(´д`)。とにかく「面白かったです」あるいは「カメ止めはいいぞ」としか言いようがない(笑

ゾンビものの映画撮影中に本物のゾンビが現れて...というホラー作品なんですが、その一方でコメディでもある。キービジュアルが B 級映画感満載で、実際の映像も途中まで B 級っぽいんですが、大どんでん返しのギミックが仕込まれているという。先に観に行った人の反応を見てこれは事前情報を仕入れずに観るべきだなと思い情報をシャットアウトして観に行ったんですが、正解でした。いやあ面白い!これは絶対に予告編すら見ずに映画館に行くべきだと思います。もしまだ観てないならこの続きは読まずにすぐ映画館に行くべし。

ゾンビ映像の途中、なんか間が不自然なシーンがいくつもあったから何だろう?と思っていたら、後からそういうことだったのかー!と判ると恐怖が笑いに転化していく二重構造。演出がどことなく映画よりも舞台寄りだなと思ったら、この脚本は元々は舞台演劇だった作品を原案にしているんですね。...と感心していたら、その原作者との間でまさにゴタゴタが発生しているようですが、だからといって作品の面白さが変わるわけではありません。密室劇であることやドタバタ的な作りになっているあたり、初期の三谷幸喜映画を観ているような感覚にさえなりました。本作は舞台や映画好きな人ほど楽しめるのではないでしょうか。

正直そこまで期待していなかったというか「話題作だから一応観ておこうかな」くらいのつもりで観に行ったら良い意味で裏切られました。改めて最初から観たらまた新たな発見がありそうで、もう一度観に行きたい気持ちになっています。

投稿者 B : 22:30 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/08/20 (Mon.)

祈りの幕が下りる時 [Blu-ray]

半年前に劇場で一度観た映画ですが、BD がリリースされていたのでレンタルで再鑑賞。

祈りの幕が下りる時 [Blu-ray]

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東野圭吾原作「新参者」シリーズの完結編にあたる映画です。

荒川沿いの古アパートで発見された腐乱死体と、近くの河原で発生したホームレスの焼死事件。迷宮入りしかけた二つの事件に、主人公の刑事・加賀恭一郎の 16 年前に死去した母の過去が絡み、その真相が明らかになっていく――というストーリー。複雑な事件で長ったるくなりそうなプロットを緩急つけてまとめてあり、謎解きよりも親子の情とそれが巻き起こした事件の顛末に集中して見せる作りになっています。

一度観てストーリーを知った状態で改めて最初から観返してみると、それぞれのシーンでの演出や演技の意図が見えてさらに深まります。中でも松嶋菜々子演じる重要参考人・浅居博美の芝居が、台詞のみならず表情や目つきからも凄味が感じられる。でもそれ以上に圧巻なのが、回想シーンに登場する中学生時代の博美(桜田ひより)とその父忠雄(小日向文世)。借金に追われて逃避行し、その途上で重大な事件に巻き込まれた結果引き裂かれてしまう親子の芝居は重く、圧倒的な存在感があります。この二人の芝居があったからこそ終盤のカタルシスがもたらされたと言っても過言ではない。また同時に中学生の娘を持つ父親としては、感情移入なしには観られませんでした。それくらい、この二人の愛と絆を感じさせる芝居が深い。

本作が他の刑事もの、あるいは同シリーズの別作品と明確に違うと感じたのは、捜査本部が加賀・松宮コンビの推理を肯定ベースで捜査が進んでいくところ。数少ない状況証拠から短絡的に犯人を決めつけて冤罪まがいの捜査が進む中、はぐれ者の主人公が真実にたどり着いていく...的な刑事ものにありがちな展開ではなく、やや荒唐無稽にも思える加賀・松宮の仮説に対して上司たちが「いい推理だ」と言いながらパンパン捜査が進んでいく様子には却って違和感もありましたが、変に茶々を入れずに本筋に集中させるために捜査上のゴタゴタをあえて省略した描写はシンプルで良い。例えば『シン・ゴジラ』における優秀な政治家や官僚の描写にも共通する「何を見せたいか、そのためには何を割り切るべきか」が明確な描き方だと感じます。

そんな感じで原作・脚本・演出・演技いずれも素晴らしい作品なわけですが、さらに抜いて語れないのが映像の美しさ。映画化された前作『麒麟の翼』は内容としては面白かったものの映像的には映画ではなくテレビでも十分では...と感じたものですが、本作は日本橋だけでなく宮城や滋賀、能登の風景を引きで収めた美しい映像が随所に散りばめられていて、やはりこれはスクリーンで観て正解だったな、と思いました。

近年観た邦画の中でも突出した傑作のひとつだと思います。人気シリーズの完結編に相応しい出来ではないでしょうか。

投稿者 B : 23:06 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/05/21 (Mon.)

蚤とり侍 @T・ジョイ PRINCE 品川

阿部寛主演(松重豊助演)のコメディ系時代劇という私好みっぽい映画が公開されたので、観に行ってきました。

蚤とり侍

蚤とり侍

越後長岡藩の生真面目な忠臣・寛之進(阿部寛)が、その真面目さに起因する失言でバカ殿(松重豊)の怒りを買い「猫の蚤取りとして無様に生きよ」と藩を追放される。寛之進はその命令にも忠実に従い蚤取りの職に就くが、その稼業の実態は女たちを満足させるための「娼夫」で...という話。R15 指定で「そういう映像」が出てくる映画でもあります。

超高速!参勤交代』や『殿、利息でござる!』といったコメディ時代劇がコメディを装った人情劇だったのに比べると、本作は阿部寛、豊川悦司、松重豊、寺島しのぶ、風間杜夫、大竹しのぶといった大御所揃いでコメディをやっているという対照的な作り。基本は笑わせに来ていながらも、要所要所で締めにくる俳優陣の演技には圧倒されます。まあ、主要キャストの四人(阿部寛、豊川悦司、斎藤工、松重豊)が軒並み 185~190cm 級の身長という点でも圧倒されるわけですが(笑。

ただ...個別のシーンは面白かったし、芝居はすごく良かったんですが、肝心の脚本と全体構成がなんだか中途半端。寛之進がなぜここまで実直に娼夫稼業に取り組んでいるのかの背景があまり描かれず、個々のエピソードもやや散発的。前述の『参勤交代』や『利息でござる』が細かい笑いをたくさん挟みながらもストーリーの軸が一切ぶれなかったのとはまさに対照的だと思います。
あまり発散させずに清兵衛(豊川悦司)やおみね(寺島しのぶ)とのエピソードに絞ったほうが軸がハッキリしたかもしれないし、せっかく R15 なんだから濡れ場も半端にコミカルにしないほうが良かった。笑わせたいのか、映像を通じて何かメッセージを伝えたいのか、どっちつかずな印象を受けました。伏線もばら撒きっぱなしで、例えば蚤取り屋の主夫婦(風間杜夫&大竹しのぶ)による「寛之進は肉親の敵討ちのためにあえて蚤取りに身をやつしている」という誤解がいろんな人に伝わってどんどん話が大きくなりクライマックスに繋がる...というような脚本だったらもっとカタルシスが得られたかもしれません。

それにしても本作でいろんな意味で最もオイシイ役どころは豊川悦司でしょう。下ネタあり、絡みありで主役の阿部寛以上に存在感があったし、ここまで従来のイメージを崩してきたトヨエツも珍しいのではないでしょうか。

投稿者 B : 23:33 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/03/01 (Thu.)

『孤独のグルメ Season7』放送決定

4 月から『孤独のグルメ Season7』のドラマが放送されることが発表されました。

マジか!全然その予想はしてませんでした。だって松重さん今クールも『アンナチュラル』『バイプレイヤーズ』とドラマ二本を掛け持ちしてるのに、そのままこどグルの撮影に突入しちゃってるのか...。
Season6 が終わるときに、もうお店の撮影許可を取るのも難儀しているらしいし、そろそろレギュラードラマとしてはこれで終わりでお盆と正月のスペシャルドラマとしてたまに放送するような形になるのかもなあ、と思っていましたが、今や看板番組の一つになったこどグルをテレ東が手放すことはなかった、ということのようです(笑。

孤独のグルメ

新シーズンは初心に返って「世間にはあまり広く知られていない町での素晴らしいグルメとの出会いから始ま」るとのことですが、どんな感じになるんでしょうか。Season1 の第一話も渋い店だったけど門前仲町ってけっこう知られた町だし、原作コミック第一話の山谷周辺とか、板橋の大山町とか、本当にそういうなんでもない町の食堂だったりすると『孤独のグルメ』っぽい。ドラマのほうは人気上昇に伴って Season3~5 くらいは「味はそうでもないけど面白い店」という本来のこどグル(漫画版)の路線から外れて本当においしい店しか取り上げられなくなっていたきらいがありましたが、Season6 では原作オマージュを多く取り入れたりして試行錯誤している気配がありました。Season7 では「良い意味でのマンネリ」を続けながらどのように新機軸を打ち出してくるのか、楽しみではあります。

孤独のグルメ

Season7 の宣材写真を見る限り、序盤のお店としてメキシコ料理のお店が登場するようです。Season6 のテーマ曲もラテン系だったけど、今度もサルサだったりするんでしょうか。
とりあえず、ロケ地はこのメキシコ料理じゃないほうのお店を一軒特定したので、放送前に行ってくるかどうか考え中。だいぶ遠いんですよね(´д`)...。

ともかく、予想外のタイミングで発表された Season7、楽しみです。
敬虔な巡礼者たる私としては、まだ大晦日スペシャルの巡礼にも行けていないのに新シーズンが始まってしまうのはある種嬉しい悲鳴でもありつつ、悩ましい(´д`)。

孤独のグルメ Season6 Blu-ray BOX

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■関連リンク
【Season6巡礼完了】『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~6&原作 - NAVER まとめ

投稿者 B : 00:12 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2018/02/02 (Fri.)

祈りの幕が下りる時 @TOHO シネマズ新宿

まさか続編が作られるとは思っていなかった作品の最新作にして最終作を観に行ってきました。

祈りの幕が下りる時

祈りの幕が下りる時

聖地的には TOHO シネマズ日本橋で観たかったんですが、スケジュールの都合で新宿にて鑑賞。

前作は 6 年前の『麒麟の翼』ですよ。その後も東野圭吾作品のドラマ化や映画化は続いていましたが、まさかこのシリーズの続編が作られるとは。テレビドラマ版からすればもう 8 年も経っているわけで、もはや「新参者」とは言えないですよね(笑

物語の構造的には、

  • 一見無関係と思われる複数の事件が実は複雑に絡み合っている
  • 親子の絆(特に、親から子への無償の愛)がテーマ
  • 日本橋~人形町界隈の名所や名物が物語の鍵を握っている
というこのシリーズの作りを踏襲しています。繋がりの薄そうな複数の事件が、いくつかの物証や状況証拠をキーに少しずつ繋がっていくストーリーは本当に引き込まれます。特に今回は日本橋エリアに閉じず、宮城・滋賀・石川にまでおよぶロケが行われていることがさらにスケールを大きくしています。特に宮城ロケは仙台・女川など震災をふまえた内容になっていて、現地をこの目で見てきた身としては、心にくるものがありました。

それだけならばまあいつもの加賀恭一郎シリーズなわけですが、本作がいつもと違うのは、事件に加賀恭一郎自身の過去(というか、加賀の蒸発した母親の過去)が密接に絡んでくるところ。旧作でも事件の被害者や容疑者と対比させる形で加賀恭一郎と父親の関係性を表現するくだりはありましたが、本作では加賀の母親の過去そのものが事件に関連しています。だからいつも冷静沈着な加賀も、今回ばかりは複雑な心境で捜査するわけですが、それが映像にいつも以上の緊張感を生んでいます。

ラストは何とも救われないけど、カタルシスのある終わり方。事件の中心人物たる二人の関係性や過去は『白夜行』のような壮絶さを持っており、東野圭吾作品らしいな...と感じました。終盤はあまりにも重くて、スクリーンを正視するのが辛かった。

本作を以て「新参者」シリーズ(および原作の加賀恭一郎シリーズ)は完結となるそうですが、本作自体がまさかの新作だったとはいえ、もう続編が作られないとなるとそれはそれで寂しい(笑。私は東野圭吾作品はいくつか読んでいますが、加賀恭一郎シリーズは未読なので、この際原作に手を出してみようかなあ。ただ東野圭吾は電子書籍否定派で電子化されていないから、手を出しづらいんですよね...。

東野圭吾 / 祈りの幕が下りる時

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投稿者 B : 22:22 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック

2017/12/01 (Fri.)

探偵は BAR にいる 3 @109 シネマズ川崎

楽しみにしていたシリーズ最新作の封切り日、かつ映画の日で割安料金が重なったので、初日から早速観に行ってきました。

探偵は BAR にいる 3

探偵は BAR にいる 3

前作を観た後に原作小説や関連作品をひととおり読み、世界観への理解が深まった状態での三作目。今回は原作小説とは異なるオリジナルストーリーが展開するとのことで期待半分、不安半分でした。
が、蓋を開けてみると序盤のプロットは小説第一作『探偵はバーにいる』の流れをなぞります。主人公「俺」は相棒である高田の大学の後輩から「行方不明になった恋人を捜してほしい」と泣きつかれ、気分で安請け合いしてしまいます。しかしそれが面倒な事件に巻き込まれるきっかけとなり...という部分までは小説とほぼ同じ。でも、そこからは小説とは全く違った展開に突入していきます。

映画版の「俺」も一作目から 6 年の月日が経過し、四十代半ばになった大泉洋と同様に、旧作と比べてそれなりに歳を取った雰囲気が出ています。それもあってか、作風はアクションやコメディが多く派手さを狙った感じだった前作とは打って変わって、全体的に落ち着いたものに。アクションシーンも数が減り、演出も速さより「打撃の重さ」を感じさせるものに変わっています。それもそのはず、今回は前二作とは監督が替わっているんですね。前作は脚本が発散系でまとまりがなかったし、反原発とか時事ネタを半端に入れ込むなど鼻につく部分もありましたが、今作は脚本も演出も安定感があって良かったです。

今回のヒロインは北川景子。このシリーズのヒロインは基本的に物語を引っかき回す役どころですが、今回はシリーズ最大級に引っかき回してきます。その悪女感と、でもどこか嫌いになれない影のある感じがとても良かった。ただ、最後に明らかになる彼女の行動の動機が取って付けたような感じで肩透かしを食らいましたが、そこは「俺」自身が言っていた「人間は、他人から見れば馬鹿らしいようなことにでも命を燃やせることがある」というところに繋がるんだろうなあ...。

原作小説の読者目線では、小説版に登場したコールガールの「モンロー」が初めて映画版に登場しているのもポイントでしょう。小説版では第十作『旧友は春に帰る』で哀しいことになってしまうモンローですが、映画版では小さいながらも自分なりの幸せを手に入れた、そういう世界線の物語として描かれていることにジーンと来てしまいました。
キャラクターといえば「俺」の情報交換相手であるヤクザの相田(松重豊)。松重さんといえば以前なら「ああ、あのよくヤクザ役やってる人」というイメージだったのが、この五年ですっかりブレイクしてしまい、久しぶりのヤクザ役は却ってコメディに見えてしまいますね(笑。しかも今回は今までに比べて相田の見せ場が増えていたような...(笑

今作では「俺」と高田がコンビ解消か?という展開になるわけですが、エンドロール後にはちゃんと「オチ」も用意されていて笑いました。ここに限らず、小さい笑いを仕込んだシーンではシアター内が一つになったような笑い声が上がり、やっぱりこういう人気シリーズの最新作は初日に劇場で観るに限りますね。一週間も経ってお客さんがまばらになってしまうと、なかなかこうはいきません。

面白かったです。久しぶりに小説版を読み返したくなったし、ススキノに飲みに行きたくなりました。出張するような仕事が入らないかなあ...。

東直己 / 探偵はバーにいる

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投稿者 B : 23:53 | Japanese Movie | Movie | コメント (0) | トラックバック