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F1 オーストリア GP 2019

レッドブル・ホンダのフェルスタッペンがトップチェッカー! ホンダ2006年以来のF1勝利|F1オーストリアGP決勝

ありがとうマックス&レッドブル・ホンダ!!!

ジェンソン・バトンが RA106 を駆り雨のハンガロリンクを制して以来、約 13 年。ホンダ製パワーユニットを搭載したマシンがトップチェッカーを受ける、この日をどんなに待ちわびたことか。

ルクレールがポールポジションを獲得し、ハミルトンのペナルティによるグリッド降格でフロントロウからのスタートになったマックス・フェルスタッペン。ソフトタイヤでスタートするルクレールに対してマックスはミディアムスタート、これは第四期ホンダ F1 として最もポディウム中央に近いレースでは…という感触がありました。
が、決勝でレッドシグナルが消灯した直後。一瞬アンチストールに入って蹴り出しに失敗したフェルスタッペンは、一時 7 番手までポジションを落とします。ルクレールが PP から大逃げを打ち、その後ろをメルセデスの二台が追う展開になった時点で、もうフェルスタッペンのレースは終わったかに思えました。

が、その後がすごかった。ライコネンとノリスをかわしたマックスの前を走っていたのはヴェッテル、ハミルトン、ボッタス、ルクレールの四人。まずハミルトンがタイヤ交換時にフロントノーズの交換も行ったため、ピット作業の間にフェルスタッペンが先行。ハードタイヤに交換した RB15 はメルセデスやフェラーリよりも明らかに速く、上位とのギャップをみるみるうちに削り取ってヴェッテルとボッタスを立て続けにオーバーテイク。2 位フェルスタッペンと首位ルクレールの差は約 5 秒、残りは 15 周。その後もフェルスタッペンのペースは落ちず、残り 5 周でついにテールを捉えます。
ルクレールは最後まで健闘したものの、最後は完全にフェルスタッペンのレースでした。残り 3 周のところでマックスは軽く接触しながらもルクレールをねじ伏せ、そのままトップチェッカー。

スタート前には「もしかしたら勝てるかも」という気配はありましたが、まさかこういうレース展開でレッドブル・ホンダが初優勝するとは誰が予想したでしょうか。一度はポジションを落としながらもコース上でメルセデスとフェラーリをぶち抜いての優勝。ホンダが第二期 F1 活動を終了してから 17 年、こんなレースをずっと見たかった。13 年前のホンダの優勝はいくつもの幸運が重なって手にしたものだったけど、今回のは紛れもなく実力で掴み取った勝利です。またレッドブルのホームレースでの勝利であること、そしてメルセデスの開幕以来の連勝を止めたのがフェラーリではなくレッドブル・ホンダであったこと、すべてがドラマだったと言って良い。

ポディウムではマックスが登場するなり胸のホンダマークを指さし、コンストラクター代表としてはクリスチャン・ホーナーではなくホンダの田辺さんが登壇し、オーストリア出身のプレゼンターであるゲルハルト・ベルガー(田辺さんは第二期ホンダ F1 時代にベルガーの担当エンジニアだった)と壇上で熱い抱擁を交わす…など、涙なしには見られませんでした。2015~17 年にあれだけひどい扱いを受けてきたホンダが、今やこれだけのリスペクトを受けて表彰台の中央に立っている。もちろんホンダはただ一度優勝するためだけに F1 に帰ってきたわけではないでしょうが、まずは第一歩として結果を残すことができました。

今回フェルスタッペンが速かった理由はいくつか考えられますが、まずは先週からのヨーロッパが高温に見舞われていたことと無縁ではないでしょう。メルセデスは冷却に問題を抱えてパワーユニットを使いきれなかったといいますし(同様の問題はレッドブルやフェラーリにも発生していたでしょうが)、また涼しかったシーズン序盤にはタイヤを作動温度領域に入れやすかったメルセデスと苦労していたレッドブル/フェラーリという構図が気温の上昇に伴いレッドブル/フェラーリ有利な状況に変わった可能性もあります。また今回レッドブルが持ち込んだフロント周りの空力のアップデートがハマり、スペック 3 PU のパフォーマンスを引き出すことができるようになったことも一因でしょう。田辺さんのコメントによれば、優勝の目が見えた時点でエンジン寿命を多少犠牲にしても出力優先に振るモードに切り替えさせたということですし。

とはいえ、毎回何かしらやらかすフェラーリはともかくメルセデスがこのまま手をこまねいているわけはなく、次戦イギリスまでにはライバルも対策を施してくるでしょう。が気温が上がっていくこれからの季節、うまくすればレッドブル・ホンダがこの勢いを保てる可能性がないわけではありません。高速サーキットで実力で勝てたというのが何よりの自信。次も今回のような面白いレースを見せてくれることを期待しています。本当におめでとう!

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