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スーパーアグリが F1 から撤退

スーパーアグリF1チームからの声明 (SUPER AGURI F1 TEAM)
亜久里代表、「F1即時撤退」を発表 (F1-Live.com)

2 年半のチーム活動に終止符。

スーパーアグリF1チーム(SAF1)は、本日、F1世界選手権から撤退することを決定した。2006年からプライベーターチームとしてF1に参戦し、昨年はチーム結成22戦目(スペインGP)で初ポイントを獲得、2007年のランキング9位という成績を残したSAF1のF1における活動は本日、その幕を閉じることになる。
この短期間にこれだけ成功と挫折を繰り返したチームも近年なかったのではないでしょうか。
ホンダから支援を受けながら、なんとか今日まで持ちこたえてきたが、現在のF1を取り巻く環境の中で、今後も安定的に活動を継続していく目処が立たず、本日、F1から撤退するという苦渋の決断をくだすこととなった。

ここまでチームを支えてくれたホンダ、ブリヂストン、そしてスポンサーの皆様、いろいろな状況の中でアドバイスを頂いたF1関係者の皆様、チームが苦しい状況の中でも、モチベーションを絶やさず働いてくれたチームスタッフ、厳しい状況の中でも頑張ってくれたアンソニー、チーム立ち上げから一緒に戦いチームを引っ張ってくれた琢磨、そして、これまでSAF1を応援してくれてきた世界中のファンの皆様に最大の感謝を表したい


スーパーアグリF1チームの発表を受けて (Honda)

どちらもリリース文中では Weigl Group との交渉は「なかったこと」になってますが、たぶんこっちが既定路線だったということなのでしょう。Magma との交渉が決裂して大規模な資金調達が絶望的になった時点で撤退は内部的には決定事項だったところ、SAF1 側がギリギリまでパートナー探しに奔走した結果出てきたのが Weigl Group、しかしホンダ側とは撤退へのシナリオが出来上がっていたので認められず・・・というのが実際のところだったのではないかと思います。いずれにしても、このような泥沼の形での幕切れは誰が期待したでしょうか。

おそらく日本国内のファンからは 2005 年の琢磨放出時と同等かそれ以上のバッシングがホンダに浴びせられることになるんでしょうが、これをかわすには多分ニック・フライ更迭→バリチェロ(遅くとも)今季限り引退 or 放出→琢磨 HRF1 復帰くらいしかない気がしますが、実際にそうなるかどうか。少なくとも今のフライ・ブラウン体制による HRF1 は日本チームとしての対面よりは独立した F1 チームとしての戦力向上に意識があるはずで、仮にバリチェロがいなくなったとしても別の若くて勢いのあるドライバーに興味を持ちそうに思えます。そうはいってもホンダという会社の後ろ盾があってこそ成り立っているチームでもあるわけで、親会社からの意向があればシートの片方くらいは空けざるを得ないはずですが、そのホンダが琢磨に今どれだけ興味を持っているかが分からないので・・・。あと、デビッドソンとロシターももう行き場がなさそうなのも気がかりです。とりあえずこんな状況下でダニカ・パトリックをテストドライバーに起用はちょっとないと思う。

F1 というスポーツに目を向けても、これで出走するマシンが 20 台に減ってしまうのは寂しいものがあります。カスタマーカーが最終的に認められなくなった今、プロドライブも結局参戦を断念してしまったし、レッドブルも 2010 年までにはトロロッソを売却する意向であることを考えると、近い将来これが 18 台に減ってしまう可能性も少なくありません。カスタマーカーの是非という問題はあるにせよ、もはや自動車メーカー系チームでなければまともに参戦できない F1 の現状もそれはそれで歪んでいると思います。

まあ、いずれにしても(チーム設立の原点が亜久里代表の夢ではなくむしろホンダの都合だったとしても、昨年の活躍が実質 RA106 改といえるマシンの性能によるものだとしても)SAF1 というチームがこれまでに我々に見せてくれたものは紛うことのない事実。ひとまずは、「お疲れさま」と言いたいですね。

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