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劇場版 マクロス F 恋離飛翼 @チネチッタ

先週末から公開されている『サヨナラノツバサ』を昨日、観に行ってきました。

劇場版 マクロス F 恋離飛翼 ~サヨナラノツバサ~

劇場版 マクロス F 恋離飛翼 ~サヨナラノツバサ~

封切り 3 日目にして席にはそれなりに余裕があったので心配になりましたが、料金が¥1,000 になる映画の日前日だったからだと思いたい(´д`)。

まだ公開直後なので、ネタバレしないように少し行間を入れておきます。

前編である『イツワリノウタヒメ』がかなり良い出来だったので、後編も期待していました。前編のほうは TV 版のストーリーをなぞりながら新要素を入れ、後半に進むにつれて展開が変わっていく、という構成でしたが、後編は TV 版の流れを踏襲しながらも完全に別物と言える内容になっています。
特に「三人の主人公のトライアングラー(三角関係)に決着がつく」と言われたラストに関しては、うやむやのまま終わってしまった TV 版とは違い、一応ちゃんとした決着がつけられています。それもランカ派、シェリル派を問わず全ての観客を納得させようと思ったらそれしかないだろうなあ、それでいて観客それぞれに想像・理解の幅を持たせている、という巧みなラストだったんじゃないでしょうか。ちょっと伏線を張りすぎで、途中でラストが半分読めてしまったのは残念でしたが・・・。
でも、この劇場版が唯一の完結編、というよりは、TV 版のストーリーに対する(恋愛シミュレーションゲーム等でいうところの)別ルートという印象を持ったので、今後「もうひとつの完結編」みたいなコンテンツ展開はあっても良いのかもしれません。あったらあったで「もういいよ!」と思うかもしれませんが(笑。
また、TV 版では各登場人物の行動の動機がイマイチ明確でなかった部分も多く、展開で見せているように感じたものでしたが、今回は映画という短い尺の中で納得感ある見せ方をしようと各キャラクターの核が明確化された印象で、感情移入しやすかったですね。TV 版の放映から時間が経過し、制作側、観客側の双方でキャラクターへの理解が進んだこともあると思いますが。

戦争ではなく理解を、という未知との遭遇ものとしては昨年の劇場版ガンダム 00 も似たような手法をとっていますが(というか後半の展開があまりにも似すぎていて、00 がマクロス F のストーリーを下敷きにしているのではないかと思ったほど)、どうにもモヤモヤした結末になってしまった 00 に対して、本作はそれなりにスッキリ終わらせてくれた(ラストについてはツッコミどころはいろいろあるにせよ)のではないでしょうか。

映画の構成、そして音楽という点では『イツワリノウタヒメ』がいきなりテンション垂直立ち上げ、そして後半に向けてもう一盛り上がり、というスピード感のあるつくりでしたが、『サヨナラノツバサ』に関しては(同様にライヴステージから始まるものの)ややスロースターターな印象。序盤はストーリーをじっくり展開させる必要があったのでそうしたのでしょうが、没入感が前作ほどではなかったので「あれっ?」と思いました。でも後半のたたみかけ感が強烈で、終幕後の印象としては『イツワリノウタヒメ』よりも完成度が高かった!と感じたので、この構成は成功だったんでしょうね。
ただ、クライマックス直前でアノ人とアノ人がああなってしまった時点でその後の展開が読めてしまったので、そこはちょっともったいなかったです。

画音質については、チネチッタという時点で最初からあまり期待していませんでした。輪郭がアマアマでコントラストが低く見えるのは自分が直視型ディスプレイを見慣れてしまったから仕方がないとしても、ヌケの悪い音響は音楽が主役の一人であるこの作品を楽しむにはいかにも力不足。早く BD 版を入手して自分の環境で楽しみたいです。

映画全編を通じて、河森正治監督以下スタッフやキャストの作品への愛や「作り手が楽しみながらも自己満足に終わらず、観客を一緒に楽しませようとしている」感がありありと伝わってきて、とても良い作品だと思いました。機会があればもう一度劇場に足を運びたいくらい。東京近郊で音のいい映画館があったら、教えてください(笑。

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