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F1 バーレーン GP 2012

バーレーンGP決勝 ヴェッテルが今季初優勝!ライコネンが2位 – GPUpdate.net

開幕から混戦が続く 2012 年シーズンの F1。内戦により開催が危ぶまれたバーレーン GP でしたが、無事(と言えるのかどうか)開催されました。
まあそもそもが体制派(王室)によるスポーツの政治利用的な側面が強かったグランプリを、内戦状態にある中で決行してしまった FIA/FOM の姿勢は問題にされるべきでしょうし、チームスタッフが内乱の小競り合いに巻き込まれかけたり、F1 開催への抗議デモで死者も出ていることから、少なくとも何事もなかったとは言えないわけで。日本での中継もフジテレビがスタッフの派遣を取りやめたようですが、これらの事態は重く見るべきではないかと思います。さすがに FOM から権利を買っている放送の中で批判めいた発言はできないでしょうが・・・。

さて、本題。予選はディフェンディングチャンピオンのヴェッテルが今季初 PP。レッドブルに秘策があったわけではなく、純粋にマシン開発の進歩とセッティング、およびドライバーとのマッチングが進んだ成果でしょうが、ヨーロッパラウンドを前にしてようやく本命が本来の速さを取り戻し始めたように見えます。
決勝でも RB8 の速さには翳りがなく、空力を乱されない最前列での走行で余裕の逃げを打つ・・・ように見えましたが、そこに現れたのがダークホースのロータス・ルノー。ストレートを伸ばすセッティングが功を奏した E20 でグロジャンとライコネンがヴェッテルを追い立てます。特にタイヤを温存して予選 11 位からスタートし、新品のソフトタイヤでダッシュを決め、その後のタイヤも全てキレイに使い切ったライコネンが中盤以降ヴェッテルの背中にピタリ。「いつでも抜ける」と言わんばかりの余裕のある走りでヴェッテルにプレッシャーをかけましたが、今一歩抜ききれず。最後のピットストップでヴェッテルを交わせなかったところで、実質的なゲームオーバーとなりました。

ライコネンが勝てなかった原因としては、本気で仕掛けていれば抜けそうなポイントがいくつかあったのに抜ききらなかったこと、そもそもグロジャンをパスするのに時間を要したこと、そして最後のピットストップがヴェッテルと同時になってしまった(アンダーカットするなりステイアウトするなりの選択肢はあった)こと、などいくつかの要因はあります。ただ今回のレースに関して言えば、ロータスとライコネンがミスをしたというよりも、あれだけライコネンにプレッシャーをかけられ続けたヴェッテルが「ミスをしなかった」ことが最大の要因ではないでしょうか。ゴール直後にマシンを止めるほど薄氷の勝利でありながら、最後まで選択肢を間違えなかった王者の底力の勝利。そんなレースに見えました。
いっぽう勝てなかったライコネンについては、私はミハエルと違って今年中に優勝争いに絡んでくるレースがいくつかあるだろう、と思ってはいましたが、復帰して 4 戦目で優勝の目前にまで来るとはさすがに思っていなかったので、驚きました。でも、あのライバルを追い詰めていくときの狼のような仕掛け方を 2 年ぶりに見ることができて、こんなに嬉しいことはありません。ライコネンが優勝できる可能性が極大になるのはおそらく最も得意とするベルギー GP でしょうが、その前に別の勝利のチャンスが巡ってくる可能性は大いにあると思います。ロータス E20 は飛び抜けて速いクルマではないけれど、素性が良く、コースとセッティングの相性次第ではトップクラスの速さを備えていることは、今回グロジャンが 3 位に入ったことで証明されました。


しかし今シーズンは本当に面白いですね・・・昨シーズンも面白いと思っていましたが、今シーズンは本当に各チームの実力が僅差で、結果が予想できません。こんなシーズンは私の長い F1 ファン歴の中でも初めてではないでしょうか。4 戦終わって勝者 4 人、そして毎レース終わるごとにポイントリーダーさえも入れ替わる。レッドブルの圧倒的優位性は失われ、今のところ総合力ではナンバーワンだと思われていたマクラーレンでさえも盤石ではなく。そこにメルセデス、ロータス、ザウバー、そして孤軍奮闘のアロンソが絡んできて、本当に予測がつかないシーズンになっています。

それにしても今回も可夢偉。予選アタックに失敗して Q2 敗退、ミディアムタイヤでスタートしてピット戦略に賭ける・・・まではいいとして、あのピット戦略は何なんですか。ミディアムスタートを決めたならスタートダッシュは多少諦めてもロングスティントで粘り、最終スティントのソフトタイヤで攻める・・・が定石のはずが、2 本のミディアムタイヤをいずれも早々に諦めてソフトタイヤを早めに履き、それも履き潰して結局 3 ストップになった挙げ句のポイント圏外・・・とか、素人でもやらないだろうという采配。マシンバランスが悪くてミディアムタイヤをうまく使えなかった、という可能性もありますが、去年といい今年といいザウバーは(中でも特に可夢偉は)ピットストラテジーで駄目になってしまうレースが多すぎます。本当に、可夢偉にはもう少し戦略がマシなチームに移らせてあげたい・・・。

次のレースは 3 週間後のスペイン GP。いよいよヨーロッパラウンドの幕開けです。そろそろトップ 5(レッドブル、マクラーレン、メルセデス、ロータス、フェラーリ)とそれ以外の差がつき始めたかな、というのが感じられたバーレーンでしたが、各チームが大型アップデートを持ち込むスペインからはその格差がさらに広がる可能性も高く。そういう意味では、バーレーンまでの間に結果が残せなかった可夢偉は今後厳しい戦いを強いられるでしょう。そう考えるとなんだか暗澹たる気持ちになってくるのですが、ザウバーのアップデートがポジティブなものであることに期待しつつ、3 週間待つしかありません。

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