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2014/11/01 (Sat.)

ライト・グッドバイ

東 直己 / ライト・グッドバイ

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道警腐敗三部作を読み終えたので、通常の「ススキノ探偵シリーズ」に戻ります。今回はようやく電子書籍版に戻ってきたこともあって、サクッと読了。

前作に登場したオリジナルカクテル「サウダージ」ですが、本作では「俺」がススキノ中、いや日本中に流行らせようとして個人的にあちこちの店で飲みまくっています。まあ、流行らないわけですが(笑。自分で作って飲んでみたことで、飲むシーンが登場するたびにあの苦み走った独特の味が思い出せる、というのは試してみて良かったなと。

今回はいよいよ五十代が見えてきた「俺」。変わりゆくススキノへの落胆と世の中をさらに斜めから見るようになってしまった性格が、私からはだんだん感じ悪いおじさんだなあ、と思えるようになってきてしまいました。でも『ススキノ・ハーフボイルド』で客観的に描かれていた「一般市民ではない怪しげなおじさん像」と対比すると、やはり一人称ではそれなりにかっこいいつもりでいる「俺」が滑稽に思えてきます。

今回の事件は、過去の作品にも何度か登場している元刑事・種谷から、「俺」がある女子高生失踪事件の重要参考人・檜垣と接触するように仕向けられるという話。「俺」も「俺」なら、種谷も過去作でのキャラに輪をかけて偏屈な爺さんになっているし、問題の檜垣はもうどうしようもない人物で、檜垣から「俺」に対するコミュニケーションが、もう背中の裏側が痒くなるような感じで気持ち悪い。三人の偏屈なおっさんの掛け合いがグダグダと終盤まで続くわけですが、不思議とテンポ良く読まされてしまうあたりにこの作品の神髄を見た気がしました。少なくとも、今までの「ススキノ探偵シリーズ」とは毛色が違う作品。
気持ち悪いけど続きが読みたくなる、という変な感覚の小説でしたが、「俺」の相棒・高田に珍しくロマンス的な展開があるのが見逃せません。というか、このくだりが一番面白かった(笑

それにしても、初期の数作を除いてこのシリーズは映像化しづらそうな猟奇事件が多いので、映画化の続きはどうなるんでしょうね。中年になった「俺」のデブのおっさんキャラは今の大泉洋には合わなさそうだし、今後の映画はオリジナル脚本にせざるを得ないのかもしれません。

投稿者 B : 22:00 | Book | Novel

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