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機動戦士ガンダム UC オリジナルサウンドトラック [Hi-Res]

ハイレゾの再生環境が整ってきたら当然音源もハイレゾで聴きたいよね、と思って、ハイレゾ音源を買ってみました。

[5/28]『機動戦士ガンダム UC』サントラ ハイレゾ3作品遂に揃いました!1と2も本日より配信開始です! – mora トピックス

機動戦士ガンダム UC オリジナルサウンドトラック

何を聴こうかと思っていろいろ探してみたんですが…まだまだハイレゾ音源のラインアップは多いとは言えません。最新の楽曲については積極的にハイレゾ配信も行われていますが、ちょっと前の作品となると K2HD によるアップサンプリングでハイレゾ化しただけのものも多く、それに高いお金を払うのもなんだかなあ…という感じ。業界側の、ハイレゾ楽曲のカタログ数を増やしたい都合もあるんでしょうが、あまりに拙速に進めすぎると Blu-ray の初期にあった「アプコンしただけ or 既存マスターから録り直しただけで画質イマイチ」みたいなことが音楽の世界でも繰り返されるだけで、結局誰も幸せになりません。

その辺の話も含め、書こうと思っていたことの多くをクマデジさんに先に書かれてしまったので、丸投げ(ぉ

アーティストが増えてきたので今一度ハイレゾ音源を聴いてみる : [クマデジ]

「iPodが築いた『手持ちの曲が全部ポケットに入るのなら出かける前の選曲作業という呪縛から解放される』というパラダイムは、ハイレゾによってiPod登場以前まで戻されてしまうのかも知れません」というのはまさにその通りで、ハイレゾ音源に関しては多くがアルバムのバラ売りをしない方針を採っている現状にも顕れているように思います。業界が 1990 年代以前の体質に戻ってしまったというか、むしろ音楽のユースケースを巻き戻せる機会を業界が虎視眈々と狙っていたのではないか…とさえ思えてきます。

話が壮大に逸れてしまいましたので元に戻すと(笑、今回購入したハイレゾ音源は『機動戦士ガンダム UC』のサウンドトラック。mora で販売されているハイレゾ音源に私が聴きたい作品がほとんどなかったのと(元々私が聴くジャンルの音楽はハイレゾとの相性が良いとも思えないので仕方ありませんが)、オーケストラ系ならハイレゾの恩恵を受けやすそうなこと、既に CD を持っていてかなり聴き込んでもいるので音質の比較をしてみようかな、という三点でこれにしました。とはいえ勢い余ってサントラ 1~3 までまとめ買いしちゃったぜ(ぉ
ちなみにサントラ 4 だけは某ガンダムウォークマンに先行プリインされているものの、一般発売はまだ。これも早く出てくれませんかね。


ともあれ、聴き比べてみました。再生環境はウォークマン A17、Olasonic NANO-D1 に MDR-1A。

まずは CD 音源から。
…うん、聴き慣れた安定の音。プレイヤーとヘッドホンが以前より高性能になったことで、クリアさ、高域の伸び、音場感いずれも向上し、さらに聴いていて楽しく高揚するのを感じます。

で、ハイレゾ音源。
…音作りは CD とほぼ同じだけど、よく聴いてみるとそれぞれの音の形がハッキリしているというか、楽器ごとの音の分離がいい感じ。また、CD のほうはボリュームを上げていくと音が飽和する感覚がありましたが、ハイレゾは音量を上げてもサチらずにダイナミックレンジが維持されている印象。

印象論だけで語るのもなんなので、ちょっと波形を比べてみました。波形表示用のソフトウェアは Audacity を使用。サントラ 3 の #4『[SYMPHONIC SUITE “UC2012”] 4TH MOV.:NEO ZEON』での比較です。

■CD
CD の波形

■ハイレゾ
ハイレゾ音源の波形

あー、マスタリング段階での音圧のかけ方がこれだけ違うんですね。CD は圧縮してやや平たい音になっちゃってますが、ハイレゾは音圧を上げずにダイナミックレンジを確保しているように見えます。聴いたときの印象の通りですね。

ただ…静かな環境でじっくり聴き比べれば判るけど、これを外出時にウォークマンで聴いて違いが判るか、と言われると微妙です。もっというと外なら AAC 320kbps と区別するのも難しいかも。
少なくともこの音源に関して言えば、ハイレゾ対応機器で CD→ハイレゾ音源へのグレードアップよりも、CD 音源で非ハイレゾ機器→ハイレゾ対応機器に取り替えたときの音質向上のほうが大きいように思います。

でもこれはもしかすると音源のサンプリングレート/量子化ビット数が原因かもしれません。UC のサントラはハイレゾでも 48kHz/24bit という、ハイレゾとしては高いスペックとは言えません。まあ、サンプリングレートや量子化ビット数が高くなるとデータ量も大きくなってしまうので高ければいいとは言いませんが、96/24 ならもっと差が出たんじゃないか?とも思うわけです。
そこで、レーベルとしても力の入っているこのサントラがなぜ 48/24 なのか?と思って調べてみたら、e-onkyo のレビュー記事に答えがありました。

連載『辛口ハイレゾ・レビュー 太鼓判ハイレゾ音源はこれだ!』第10回 – ハイレゾ音源配信サイト【e-onkyo music】

そもそもの録音自体が 48/24 で行われていた、ということのようですね。澤野弘之氏監修のもとレコーディングを担当した相澤光紀氏自身がマスタリングを行ったということで、このハイレゾ音源がまさに「製作者の意図」ということになります。記事にもあるとおり、「音の塊感」が CD でもハイレゾでも同様に担保されているので、音場感よりは劇伴として音の筋を通すことを重視した結果、ということなのかもしれません。

ちなみに、ウォークマン A17 に搭載されているアップサンプリング機能「DSEE HX」で CD 音源(FLAC でリッピングしたもの)をアップサンプリング再生してみたところ、ハイレゾ音源との区別がさらに難しいレベルまで音質向上したように感じました。DSEE HX の詳細は以下 AV Watch のインタビュー記事に詳しいですが、

【藤本健のDigital Audio Laboratory】第575回:ウォークマンNW-ZX1/F880の「DSEE HX」で”MP3もハイレゾ相当”の理由を聞く – AV Watch

確かに「音の消え際の表現」とか「生っぽさ」という部分において、ハイレゾ音源のクオリティに近づいているように感じます。今のところウォークマンでしか使えない機能なので PC 再生時には効きませんが、これがあるなら 48/24 レベルや K2HD でアプコンされたハイレゾ音源はわざわざ買わなくても、DSEE HX 再生で十分な気はします。

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