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K&F Concept MRC Nano-X 円偏光フィルタ レビュー

以前 L/M-NEX マウントアダプタをレビューさせていただいた K&F Concept から、レンズフィルタをレビューする機会をいただきました。

K&F Concept / MRC Nano-X 円偏光 CPL フィルター 77mm KF01.883

K&F Concept MRC Nano-X CPL

今回機材提供を受けたのは、サーキュラー PL(円偏光)フィルタと UV フィルタの二種。K&F Concept は従来から低価格なレンズフィルタを発売していましたが、このたび新しく高品質なフィルタである「Nano-X」シリーズが発売されたとのことで、そちらを試してみました。

【関係性の明示】
本エントリーの執筆にあたり、製品の開発元である K&F Concept よりレビュー用製品の提供を受けています。ただしそれ以外の報酬はなく、記事内容への関与も一切ありません。事実誤認があった場合は、修正部分を明示した形で訂正を行います(誤字脱字の修正を除く)。

まずは円偏光フィルタからレビューしていきます。
今回は 77mm のフィルタを試用しました。CPL フィルタってけっこう高価くてレンズの径ごとに買うとお金がいくらあっても足りないので、使用頻度の高いレンズのうち径の大きなものに合わせて用意して、あとはステップアップリングを使って小径のレンズに流用するのが良いでしょう。私は EOS 5D3 のメインレンズである EF16-35/F4L、EF24-70/F4L に合わせて 77mm を選択。

K&F Concept MRC Nano-X CPL

同梱のクリアケースは正方形で内部にスポンジクッションが敷かれたもの。この手のフィルタには円形のケースが付属することが多いですが、そういうのに比べると少しだけ嵩張ります。フタもヒンジでケースに繋がっているわけではないので、持ち運びには別途フィルタポーチ等を用意すべきかもしれません。

K&F Concept MRC Nano-X CPL

リングは金属製でネジ切りの精度、リング回転の滑らかさともに悪くない。
レンズ取付側のリングがかなり薄く、フィルタ全体の薄さに一役買っているのは良いんですが、そのせいで指で外すのはちょっと難しいレベル。フィルタールーズは持っておいた方が良いでしょう。

K&F Concept MRC Nano-X CPL

同社が「Nano-X」と呼ぶ 16 層のマルチコートは緑色系のコーティング。安物のフィルタだと良くてシングルコート、あるいはコーティングなしだったりしますが、この製品は K&F Concept の中でも上位モデルということで拘っているようです。ちなみにガラス自体はドイツ製とのこと。
このコーティングはアンチスクラッチ・撥水・耐油・防塵対応ということですが、そのあたりは別途 UV フィルタのレビューにて試してみる予定。


CPL フィルタなし

さっそく試写してきました。
まずは CPL フィルタの光下が分かりやすい例。こちらは EOS 5D3+EF24-70/F4L でメタセコイアの紅葉を順光で撮影したもの(CPL フィルタなし)ですが、葉っぱは日光を反射して白っぽく写っているし、バックの青空ものっぺりとしているし、肉眼で見たときにはあんなに綺麗だったのに写真にするとイマイチ…となりがちな代表例です。

※本エントリーの作例は EOS 5D Mark III で撮影した JPEG 画像を全てレタッチなしのトリミング/リサイズのみで掲載しています。

K&F Concept MRC Nano-X CPL

そこに CPL フィルタを使って撮ると葉っぱの反射光が抑えられて色鮮やかになり、青空にも深みが出てグッとイイ感じになりました。記録色よりも記憶色というところですが、肉眼で見たときの印象にかなり近く、満足感が高まります。

そういえば以前 Amazon で買った中華製の激安 CPL フィルタは色が黄色に転んでしまって後加工前提でなければちょっと厳しいものがありましたが、本製品はホワイトバランス自体には大きな影響もなく、良好な画質が確保できていると言えます。

CPL フィルタなし

歩道一面に散った銀杏が反射光で白っぽくなって、せっかくの雰囲気が台無し。
こういう写真(CPL フィルタなしで撮影)も、撮った後にがっかりする代表例と言えるでしょう。

K&F Concept MRC Nano-X CPL

これも CPL フィルタで反射光を目一杯カットしてやると、ちょっと大げさなくらい鮮やかな黄金色に。「その者蒼き衣を纏いて金色の野に降り立つべし。古き言い伝えはまことであった…!」という台詞が口をついて出てきます(ぉ

反射光で白飛びしちゃった写真って、RAW 現像やレタッチでも救える範囲に限度があるため、CPL フィルタで最初から特定周波数の光をカットしてやることで写真に深みが出るし、現像時の調整の幅も広がります。

CPL フィルタなし

反射光のカットと言えばガラスも忘れてはいけません。
こういうガラス張りの建物の場合、建物全体が外光を反射して白っぽくなり、雰囲気が出ないばかりか場合によっては撮影者自身が映り込んでしまったり、いろいろと難しい。

K&F Concept MRC Nano-X CPL

CPL フィルタを使うことで、ガラス越しに鉄骨のフレームがくっきりと見えてきて、ガラスの透明感と建物の存在感が際立ちます。
順光の場合は青空がグッと引き締まることで主題が引き立つという副次効果もあります。

CPL フィルタなし

水面もそうですね。せっかく綺麗な水生植物や水の流れを撮っても、光が反射しては魅力も半減します。

K&F Concept MRC Nano-X CPL

その反射をカットしてやると、水の透明感や深さが表現できて、こっちの方が全然良い。蓮の葉の緑も引き締まりました。

レンズフィルタってレンズの前面にさらにガラスを追加するものなので、その質によってケラレや解像度低下、あるいはフレアやゴーストの発生源になるなどリスクも伴うものです。しかし今回の撮影中にはそのあたりで特に気になる部分はなく、すんなり使えてしまったこと自体がこの製品のモノの良さを証明していると言えるでしょう。K&F Concept のレンズフィルタとしては高価な部類に入りますが、日本メーカーの上位機種の実勢価格比で 2/3 くらいの値段でこのクオリティが手に入るならば、文句はないのではないでしょうか。

K&F Concept / MRC Nano-X 円偏光 CPL フィルター 77mm KF01.883

K&F Concept

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